秋の賑わいがうそのように、ひっそりと静まりかえる冬。凛として冴え渡り、心落ち着く季節です。
雪 景 色
京都に雪が積もるのは年に3〜4回。墨絵のような景色を目当てに、早朝からカメラを持って訪れる人がたえません。
雪が積もったという印象が強い日は、節分の頃。春を予感する雪でもあります。
この写真は、2001年3月8日に撮ったもの。3月になっても雪が降った年があったのですね。
1月〜2月 いつ降るでしょう?/境内全域
サンシュユの実
本堂の裏の山茱萸(サンシュユ)の木には真っ赤な長楕円形の実がつきます。グミのようで、食べたら美味しそうに見えますが、渋みや酸味があって、生食には向きません。漢方では疲労回復や強壮剤として用いられ、焼酎に漬けて山茱萸酒にしても良いそうです。
雪景色の中の真っ赤な山茱萸の実は、喩えようもない美しい光景です。
11月中旬〜12月末(誰かが取るまで)/本堂裏薬師堂前
白 梅
今は「花」といえば桜をさしますが、昔には梅のことでした。
まだ寒い時に咲く梅は、桜と違って、どこか引き締まった印象を受けます。
墓地には3本の梅の木がありますが、同じ白梅といっても、少しずつ白さが違います。
梅の花が咲く頃には、春の息吹を如実に感じるようになります。
元三大師堂前には八重咲きの紅梅の老木がありますが、開花は3月中下旬です。
1月下旬〜3月初旬/吉祥院前庭・墓地など
椿
紅葉が真っ盛りの秋から、冬の寒さが底をついて春が訪れ、桜が咲く頃まで、考えてみれば長い間椿の花は咲いています。 春の花はいっぱいありますので、「冬」にご紹介しましょう。
境内には、古木から最近植えたものまで約30本ほどのいろいろな種類の椿の木があり、種類によって早い遅いがありますが、静かに諸処で咲いています。
たまに、椿の愛好家の方などが「○○はどこですか?」と、椿の種類を指定して尋ねて来られます。??? です。
吉祥院には、合成繊維のパイオニアで、ビニロンなどを開発し、後に文化勲章を受けた桜田一郎氏が寄贈された樹齢100年を超える「胡蝶侘び助」があります。開花期は3月中旬頃です。
一応、11月〜4月/境内各所