今日は表具絡みの出来事の多い日でした。
まず、9時から本堂に大涅槃図を吊す作業。職員さんに表具屋さんの職人さんや研修中というフランス人の女性も加わって、総勢10人余で吊しました。
11時には、修復に出していた『花車図』屏風の右隻が帰って来ました。
文化財の補修は現状維持が基本ですから、加色・加筆などはしません。目に見えて綺麗になったということはありませんが、汚れなどが取れて一皮剥けたようにスッキリしました。胡粉の剥落などを止めて、これで‘安心して’見られるようになりました。
来年度は左隻の修復です。
1時には、府中市美術館の方が掛け軸と借りに来られました。3月から開かれる「三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る」という同館の企画展に、狩野山雪の『寒山拾得』図を出展するのです。
同図は近くで見るとかなり傷んでいました。次の修復候補ナンバーワンでしょう。次々と修理ばかりで、本当に大変です。
それにしても、かなりの迫力です。墨だけでこんなにも‘色彩豊かに’描いているのですから、驚くばかりです。
2時からは防災工事の打ち合わせ会議。設計者・施工業者とかなり微に入り細に入り打ち合わせをして、5時頃までかかりました。
行政の補助金を受ける関係上、3月末までに工事を終了し、消防の検査も受けなければなりません。予定よりも工事が遅れ気味ですし、お彼岸もあって工事がしにくくなりますので、これからが大変です。
ということで、今日は‘表具の日’? 大涅槃図、花車図、寒山拾得を間近で見て、目の保養をしたようです。
〜 大涅槃図、花車図、寒山拾得 〜
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2012年2月29日(水)
No.3158
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