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2011年11月の日記

夜中のトイレ
 昨夜、寝るちょっと前に、コーヒーと紅茶を飲みました。

 そのためか、夜中にトイレに行くこと3度。寝た気がしませんでしたが、布団から起き上がるのが大変なので、4度目にとうとう起床しました。

 ベッドと布団とは大違い。病院でも、布団からの起き上がり方を教えてもらいましたが、うつ伏せになろうと身体をねじると痛いので、腹筋を使って状態を起こし、回りの物につかまって何とか立ち上がるようにしています。

 立ち上がる時は、呼吸を止めて一気に。本当に大仕事なので、出来ればトイレには行きたくないのですが・・・。

 寝る前に利尿作用のあるものを飲むのは、止めにします。


 今日はいっそう拝観者も減り、説明の出番も減りました。そこで、寺務所で年末調整の準備をしたり、冬期賞与の計算をしたり、防災工事の最終打ち合わせを設計監修者や工事業者としたり。かなり座っている時間が長くありました。

 そのためか、夜になったら2ヶ所折れたうちの坐骨のほうがちょっと痛んだので、大事を取って横になりました。

 なるべくトイレに行かなくて済みますように・・・トホホ

 
〜 光が当たってきれい! 〜
2011年11月30日(水)  No.3067

1ヶ月経過
 転落事故から1ヶ月が経ちました。思い返してみれば、あっという間でした。

 寝たきり〜松葉杖の1ヶ月は、決して無駄ではなかったと思います。

 病院で受けた親身な看護、まわりの人たちのあたたかさ、今まで自由自在に動き回っていたボクにとって、‘動けない’という経験も、とても貴重なものとなりました。

 不思議なのは、まったくイライラしていないということ。思うように動けないことはストレスになるはずなのに、今の境遇を受容して、‘それなりに’いわば悠然としていること。仕事を探して動き回っていたようなボクにとって、これは画期的!? ここまで動けないと、諦めがつくのかも知れません。

 病院から帰った後、病状がよくなったような実感があまりないのが、ちょっと残念ですが・・・。

 今日は拝観者もグッと減ったので、椅子に座って事務作業などを主にしました。あたたかくて、助かりました。

 
〜 色付いてきた本堂裏 〜
2011年11月29日(火)  No.3066

説明係
 曇天の今日、もみじの色は冴えません。

 遠目にはまだきれいに見えますが、近づくと葉先が枯れていたりします。本堂の裏も少し色付いてきましたが、きれいになるのは期待薄です。


 今日も団体の説明。

 団体によっては、話しやすかったり、話しにくかったりします。

 女性ばかりの団体は概して‘反応’がよく、喋っていても乗ってきますが、男性ばかりの団体はだいたい無愛想で、説明をショートカットしたくなります。反応や集合までの時間の長短に応じて、説明の長さも変えなければいけないので、工夫が必要です。

 ただ説明板を見るだけではなく、話を聞いていただくと印象にも残るでしょう。終わった時に拍手されるとうれしいものです。

 さぁ、また新しい小ネタを仕入れなきゃ!

 
〜 夕闇の野路菊 〜

2011年11月28日(月)  No.3065

当て外れ
 今朝は職員さんから遅刻するという連絡があったので、少しだけ早目に出勤。

 朝、宿泊先を出て一番目に真如堂に来るスケジュールを組んでいるツアーが、9時前頃から来始めます。その後は、パラパラ。午後からまた少し固まって団体が来るので、説明。今日も昼食時以外は本堂で説明などをしていました。

 今日が最高の人出かと思っていましたが、そうでもなさそう。有料駐車する貸し切りタクシーの数も昨日以下。貸し切りタクシーで観光する人の数が、今年は激減しているそうです。

 拝観収入の大部分をこの季節に依存している真如堂としては、今年の拝観者数の減少はかなり堪えます。

 今日も出来るだけ無理をしないように努めましたが・・・ 寝ているのがいいのでしょうねぇ

 
〜 今日も同じ場面 〜
2011年11月27日(日)  No.3064

最高の人出?
 今日・明日は最高の人出。

 紅葉も赤くはなりましたが、どうもそこ止まり。なかなか色が澄んでこず、茶色くなってきた木もあります。それでも、日を透かして見る紅葉は素晴らしい!

 今日は1日、本堂で説明。といっても、時間がなくて説明不要のツアー、そして今年の特徴として本堂前で解散して自由拝観というツアーが急増したため、空振り頻発。拝観者数も急減し、「これではあちこち修理する費用が出ないのでは…」と心配です。

 トイレに行く回数を減らそうと水分制限をしたり、トイレに行った時に食事を摂ったりと、移動する機会を出来るだけ減らすようにしています。

 小学校の女の子に、「どうしたのですか?」と聞かれ、「腰骨を折ったの」というと、「私も今年腕を折りました。お大事に」と大人びた口調で言われました。

 たくさんの人がぞろぞろ歩いていると、いつよそ見をしている人がぶつかってくるかわからない怖さがあり、待避。そんなこと、今まで思いもしませんでした。

 今夜は大事を取って、病院並みに早く就寝。さぁ、明日も忙しいぞぉー

 
〜 夕焼けの紅葉に集まる人たち 〜
2011年11月26日(土)  No.3063

‘事故現場’
 今日は、「今日の散歩道」を久々に自分の目で見て、自分で撮った写真を使って更新しました。

 紅葉も一気によくなり、素晴らしい光景が広がるようになってきました。でも、松葉杖では自由がきかず。慌てて転けたら大変なので自重し、‘近場’で間に合わせました。


 境内を歩いて‘事故現場’に行ってみました。どうして落ちたのか自分の中でも合点がいかず、状況をいろいろと想像していました。

 まず驚いたのは、切っていた枝の高いこと。切っている時はそんなふうに思いませんでしたが、今日下から見上げてみて、「えっ、こんなに高い枝を切っていたのか!」とビックリしました。「生きていてよかった」と思いました。

 枝の切り口を見ると、ベッドの上で考えた通りでした。20センチ弱ほどの枝は、半分ほど鋸目が入っていて、後は幹に向かって裂けていました。半分ほど切った時、枝の重みで枝が裂け、ボクのほうへ向かって来たのでしょう。枝が避けたのは、本当にいきなりでした。安全と思ったところに梯子を立てていたのですが・・・もっといろいろな場面を想定すべきでした。

 何度見ても背筋が寒くなります。これからこの下を通ることがあっても、もう見上げたくありません。

 松葉杖での移動は大変。膝や腰は筋肉痛、肩も凝ります。自分の足を左右比べてみると、明らかに悪い方が痩せています。筋肉が戻ってくるまでかなりかかりそうです。

 早く山に行きたいなぁ〜

 
〜 ‘事故現場’の裂けた枝 〜
2011年11月25日(金)  No.3062

危ない、危ない
 今日もリュックを背負って出勤。リュックの中には、おやつのバナナ!

 出勤途中、ちょっとよそ見をしたら、松葉杖の先が思わぬ段差に入ってしまい、腰がガクッとなりました。ちょっと痛みが・・・。危ない、危ない。

 足やお尻の筋肉などがこわばらないように、カイロを2枚張り、大事を取って、午前中は寺務所の椅子で待機しました。ほんの一瞬でも気を抜いたら大変なことになることがわかりました。

 午後から本堂で説明。本堂は心底冷えます。冷えないようにストーブの前で待機して、団体などが来たら説明をしました。

 紅葉はだんだんきれいになってきました。人も車も、昨日の祝日よりも増えて来ました。いよいよ本番です。

 気を緩めず、無理をせず、この時期を乗り切ろうと思います。

 
〜 昨日は緑が混じっていたこの木も、今日は真っ赤 〜
2011年11月24日(木)  No.3061

退院1日目
 今朝はリュックを背負って出勤。久しぶりの境内です。

 寺務所について、病院に持ち混んでいたパソコンを元通りに接続。ベッドの上で作った文書などをサーバーに保存しました。机の上は、郵便物や書類が山積み。ほとんどは屑籠行きです。

 今日は祝日なので拝観者も多いはず。少しデスクワークをしてから本堂へ行きました。
 寺務所から本堂まではかなりの距離があり、階段や段差もいっぱい。「無理したらダメですよ!」と何人もの職員さんに言われながら、松葉杖で行きました。

 特別公開中の『観経曼荼羅』の前に椅子を出してもらい、今年初めての説明をしました。最初はなかなか調子が出てきません。そのうち調子が出てくると、説明が長くなって、ツアコンさんが時計を見ながらイライラしてきます。長い坂を上がってやっと境内にたどり着いても、滞在時間はほんのわずかという団体が大半。バスツアーは、‘とにかく数を回った’というのだけがメリットのように思えます。

 今日は6〜7回の説明をしたでしょうか。椅子に座ったままというわけにはいかないので、大丈夫なほうの足に体重を預けて立って説明。我ながら、かなり用心しながらやっていたので、今日は無事に終わりました。慣れないように、油断しないようにしないといけません。

 夜は、気になっていた正月用の塔婆書きの準備。ここ数年間の正月に参拝者された方のデーターを作って、確率の高い方の塔婆を書くようにします。護符作りも始めないといけません。すべてが1ヶ月遅れているので、頑張らないといけません。でも、案外、気持ちはゆったり。焦っても仕方ありませんので・・・。

 退院1日目は無事に終わりました。

 
〜 祝日にしては空いていた境内。紅葉はイマイチ 〜
2011年11月23日(水)  No.3060

退院
 いよいよ退院の日。25日ぶりに帰ります。

 朝、また外をぐるーっと歩いた後は、今日は‘自主リハ’は止め。ボケッとテレビを見て、ご飯を食べ、昼寝をして、本を読んで、ゆっくり過ごしました。

 3時頃になって、理学療法士さんが階段の昇降と片松葉での歩き方を教えに来てくれました。両方とも、そんなに無理なくできそうです。

 4時半頃、タクシーで帰宅。境内は、話に聞いたほどは紅葉が進んでいませんでした。本堂前はもっと進んでいるのかな?

 久々の家の中は、いろいろなものが邪魔になって、松葉杖で歩くにはとても狭い感じがしました。まずは、それらを他へ移してもらって、安全確保。やっと落ち着きました。

 夕食に少しだけお酒を呑んだら、ビックリするほどよく回りました。しばらく、お酒はやめておきましょう。

 伸びていた頭髪を剃りました。一気に剃刀で剃るには長すぎるので、まずはバリカンで刈り、それから剃刀。気持ちも引き締まりました。

 今夜は仕事はせずに、ゆっくり寝ることにします。夜中にトイレに行かなくて済むように、水分は控え目に。

 
〜 自坊の前の紅葉具合 〜
2011年11月22日(火)  No.3059

病院最後の夜
 今朝の‘散歩’は昨日よりもさらに範囲を広げ、丸太町通まで行ってみました。いつもは、車で通り過ぎるところばかりです。

 小学校の門の脇にたつ大きな欅や街路樹の銀杏の黄葉が目に新しく、とても輝いて見えました。平安神宮の森は暗く、ちょっと愛想なし。グルッと回って、昨日は知り合いの僧がいたので入るのを止めたお寺に入り、参拝。陶製の猫がいました。約40分、いい運動でした。

 午後、CTとレントゲン検査。その後は屋上へも屋外へも行かず、廊下を20往復しながら、主治医に呼ばれるのを待ちました。大文字山に大きな虹がクッキリとかかっていました。

 夕方、主治医の説明を受けました。まだ折れた跡の生々しい写真でした。「無理をしない」という条件で、明日、退院の許可が出ました。「早く帰らせて欲しい」とこれまでに何回も頼みましたし、昨日、主治医も寺に行ってみて、その忙しさがわかったようでした。

 うれしさ半分、不安半分・・・いや、不安のほうがずっと大きい、それが正直な気持ちです。

 病院は、今の身体には安全で過ごしやすいところです。寺に帰ると危険がいっぱい。自分の性格がわかっているので、つい無理をしてしまうのではないかと、我ながら思います。まわりもそれを危惧しているようです。でも、早く帰らないと・・・。

 絶対に、絶対に無理をしない。十分に用心しよう。いまから、そう自分に言い聞かせています。いまが大切。いま無理をしてこじらせたら、一生辛い思いをしなければなりませんから。

 今夜が病院で過ごす最後の夜になりました。

 
〜 久々の大通り / 大文字山と虹 〜

2011年11月21日(月)  No.3058

外界へ
 雨も上がったので、今朝もまずは手始めに屋上を10往復。

 部屋に帰って休憩していると、看護師さんに「病院の回りを歩いてみられたら? 屋上とは感じが違うと思いますよ」と言われ、昼食後、ルンルン半分、ちょっと不安半分で、院外に出ました。先月29日に入院して以来の‘外の世界’です。

 まずは、病院の横をグルグル。少し離れたところにあるという病院の駐車場を見に行って、道を挟んである修験のお寺の門をくぐって横から抜け、また病院の回りを1周。今度は少し離れたところにある神社に行き、ようやく帰って来ました。50分ほどの道のりでした。

 歩くのにさほど不自由を感じませんが、歩道のない道なので車がコワイ、バイクがコワイ。行く手を遮るようにたむろしているオバサンたちがこわい・・・。足が不自由ということは、こんなにもコワイのだと身を以て知りました。


 頭も、入院して以来剃っていません。こんなに長い間、髪の毛を刈ったり剃ったりしなかったのは久々。わずか1センチ程度伸びただけですが、30年ぶりぐらいでしょう。

 そんなボクの頭を、看護師さんは「わぁ、気持ちがいい。いいですか?」と入浴の時に触りたがります。必ず、「シャンプーは要らないのですか?」と聞きます。

 不思議なもので、頭を剃らないだけで、坊主じゃなくなっていくような錯覚に陥ります。帰ったら真っ先に剃髪しようっと!


 今日も写真を提供してもらって「今日の散歩道」を更新しました。寒くもないのに、1週間でずいぶん紅葉が進みました。訪れる人の数も一気に増えて来たようです。大変だぁー

〜 伸びた頭髪 〜
2011年11月20日(日)  No.3057

ボタボタ、ポタポタ
 夜中に、「ボタボタぁー」という大きな雨音で目が覚めました。

 「鉄筋の建物なのに、どうしてこんなに音がするんだろう?」と思って、朝、ベランダを見てみると、アレンジメント・フラワーの包みに雨が当たって、音を立てているのでした。

 この病院は、感染防止とやらで花は持ち込み禁止。せっかくもらった綺麗な花も、病室に置いておくわけにはいきません。室内は暖房も効いているので、ベランダに出して、自坊への搬送を待っているのでした。

 窓の外には東山の山並みや寺の甍が水墨画のように見え、これまたなかなかの絶景でした。


 朝食を食べていると、今度はエアコンから「ポタポタぁー」と水滴が落ちて、床がずいぶん濡れているのに気が付きました。湿度が高い上に、エアコンのドレンが詰まっているのでしょう。やがて病院の事務方が直しに来てくれましたが、水滴は止まりません。それが、お昼過ぎになって、何故か自然と止まりました。

 ちなみに、朝食は温めたパンと冷や奴などという取り合わせ。このメニューは、入院してから2度目。今日のは醤油ではなく、ドレッシングがかかっていました。栄養的には道理に適っているのでしょうが、どうも違和感のあるメニューです。でも、食事はいずれも美味しくて、もちろん完食。最近は、待ちかねるほどお腹が空きます。


 今日は屋上を歩けないので、また廊下を行ったり来たり。朝10回、昼20回、夜10回の合計40往復。白熊なみです。往復50メートルして、2キロになります。

 「エンドルフィンでも出ているのかな?」と冗談交じりに調べてみたら、スポーツの時だけではなく、分娩やリハビリテーションの最中などにも大量に分泌されるようです。エンドルフィン任せにしていると、オーバー・リハビリになってしまうかも・・・。

 でも、自主リハのお陰でよく眠れます。寝て、本を読んで、ネットをして、歩いて、食べて、それらを反芻しているような入院生活。今日から4週目です。

〜 雨に煙る東山 〜
2011年11月19日(土)  No.3056

「屋上にいます」
 今日から屋上で‘自主リハ’。

 屋上に上がっている間に誰かが来られたら困るので、椅子の上に「屋上にいます」と書いたメモ用紙を置いておきました。「宮沢賢治みたいだなぁ」と思いつつ・・・。

 初めて上がった屋上は、なかなかの景色。東には比叡山〜大文字など東山が連なるのが見え、黒谷、真如堂もよく見えます。手前には聖護院の甍。西には京大病院の建物が連なっています。南には平安神宮の森、ホテルウエスティンなど。近くの八ツ橋屋さんの屋根など、回り中が見渡せました。

 ちょっと肌寒かったですが、松葉杖で歩いているうちに、すぐに体は温まってきました。

 歩幅やコンクリートの継ぎ目で考えると、屋上は直線距離で約40メートル。1往復約80メートルぐらいでしょうか? 朝ご飯の後に10往復、お昼ご飯の後に10往復。合計すると、1.5キロぐらいは歩いたでしょうか。十分、自坊に帰れる距離です。

 屋上を歩くのは、廊下と違って、気分爽快。晴れた日ならもっと気持ちいいでしょう。残念ながら、明日・明後日は雨の予報。また、狭い病棟の廊下を歩くことになります。


 部屋の前に公衆電話があります。遮音の悪いこの病棟。隣の部屋の声も、廊下の声も丸聞こえ。聞こうとしなくても、聞こえてしまいます。

 今日も朝からおじいさんが電話を掛けようとしていましたが、家の電話番号がわからない様子。看護師さんが番号を調べて掛けてあげましたが、留守電になっていたようです。留守電だと説明しても、なかなか理解できないようでした。

 先日、このおじいさんがおばあさんらしき人と話しているのが聞こえて来ました。おじいさんは病院に来て欲しいと言っているようですが、おばあさんはそれが無理みたい。「覚えておれ! 帰ったら仕返ししてやる!」とおじいさんはガシャンと電話を切りました。

 長い間入院していると、家族が来てくれる回数も減るでしょう。お年寄りなら、自分のことで精一杯ということもあるでしょう。おじいさんも、回復の実感がつかめずに入院期間ばかりが長引くと、ついイライラしてしまうでしょう。

 かつて、ボクたちはとある病院の入院患者さんの話を聞く‘ボランティア’をしたことがありましたが、入院期間の長い患者さんの話の内容は、ほとんどが家族などへの不満でした。家族への期待と不満は表裏一体です。

 午後もまたおじいさんは公衆電話の前で、「緊急の電話だ」と大騒ぎでした。でも、今度は電話も繋がったようで、家人も今日面会に来ると答えたらしく、おじいさんも怒りが拍子抜けしたような応対でした。

 漏れ聞こえてくる、いや、はっきりと聞こえてくるその声に、ほっとしました。「おじいさん、よかったねぇ」と言ってあげたいくらいでした。

 ボクは日に日によくなっているのが実感できます。もし、それなしに何ヶ月も入院することになったら、ひがみ、ねたみ、怒りの気持ちが満ちてくるかも知れません。今回はいいけれど、いずれもっと年を取って、病気が治らず、なかなか帰れない、ひょっとしたらそこでいのち尽きることがあるかも知れないとき、自分はどんな対応ができるだろう・・・そう考えると、他人事とは思えませんでした。

〜 椅子の上のメモ 〜
2011年11月18日(金)  No.3055

30往復!
 今朝も背中の痛みで目が覚めました。

 試しにベッドをかなり起こして少し横を向いてみたら背中の痛みも消え、知らない間に寝込んでいました。気が付いたら6時20分。今日は鐘の音を聞き損ねました。

 朝・昼・晩、それぞれの食事後、廊下を10往復。白い目で見られながら?、今日は合計30往復しました!

 ちょっとやり過ぎかも知れません。でも、一晩寝たら、前の日よりも‘進化’しているようなので、無駄にはなっていないような気がします。

 「狭い廊下を行ったり来たりしているのは、他の患者さんに気兼ねがある」と看護師さんに相談したら、「じゃぁー 屋上に行ってみたらどうですか?」と言われました。おー、そんなところがあるのか! 早速、明日、カメラを持って行こうっと!!

 ドクターに、「いつ頃帰れますか?」と聞いたら、「とりあえず、来週、写真を撮りましょう」と言われました。「今週中に退院したいなぁ〜」と思っていましたが、自分でもそれは無理だと思います。

 ♪ しょうがない、しょうがない、骨盤折れたんだからしょうがない・・・ ♪

〜 お昼はカレーライスでした! 〜
2011年11月17日(木)  No.3054

スローライフ?
 病院の朝は遅い。

 寝るのが早いのと寝返りが出来ないゆえの背中の痛みで、4時頃には目が覚めます。

 うつらうつらしながら5時半頃に登山用の杖でそっと窓とカーテンを開けて、枕元の電気を点けてしばし読書。やがて白んでくる時、もし朝焼けが美しければそれに見入りながら、6時の鐘の音を聞きます。そして、また読書・・・なかなか頁は進みませんが・・・。

 7時頃まで辛抱をしてから部屋の電気を点けて、ちょっとテレビのニュースなどを見つつ、読書かうたた寝。そのうち看護師さんが薬を持ってきてくれたりして、病棟が賑やかになっていきますが、患者はまだ静かなものです。

 ようやく8時半頃になって朝食。ここまでの長いこと。

 自分で検温をしておいてから、自主リハ。廊下を5往復ほどして、部屋に戻る頃、看護師さんが検温と血圧測定にやってきます。

 その後は、トイレに行ったついでに自主リハをして、あっという間にお昼になります。「病院って、さぞかし退屈だろう」と思われるでしょうが、案外そうでもないものです。

 今日は気になっていた書類を作り終え、寺務所に発送を依頼。寺務所が行事で忙しかったので、数時間で出来る作業が何日もかかってしまいました。ベッドの上から何を言ってもなかなか通じない隔靴掻痒の気分でした。

 狭くてお世辞にも綺麗とはいえない病室ですが、すっかり慣れて、物の置き場所などもすべて意のままになりました。

 あっという間に月日が過ぎていきますね。

〜 ここがボクの‘壺中の天’ 〜
2011年11月16日(水)  No.3053

お十夜結願日
 今日は「お十夜」の結願日。真如堂最大の年中行事です。

 鉦が始まる9時頃に耳を澄ませていると、第一声が聞こえて来ました。それまでにも、お粥などを本堂前にテントに搬入したり、いろいろな作業をしているでしょう。自坊も大忙しのはずです。

 ベッドの上にいて、いろいろと思いを馳せることもあります。

 スケジュールや段取りのすべてがわかるので、今頃何をしているか、「あれを忘れていないかな?」などと気になりますが、現場判断でやってもらうしかありません。まぁ、何とかなるでしょう。

 ということで、そのことは頭から切り離して、リハビリ!

 慣れない松葉杖に疲れたので、見舞いにいただいた中島みゆきのDVDをベッドで見て小休止。

 夕方、境内や法要の写真を届けてくださる方があり、消灯までに「今日の散歩道」を何とか更新しました。やはり、紅葉は進んでいませんねぇ。

 いつ帰れるかなぁ・・・。

〜 いただいた中島みゆきのDVD 〜

2011年11月15日(火)  No.3052

松葉杖に
 いつもの習慣で、5時半頃には目が覚めてしまいます。今までは我慢して寝ていましたが、ある程度、身体の自由がきくようになってきたので、杖でカーテンや窓を開け、布団の上に座ってみました。

 汚いながらも窓からの眺望がいいのが、この部屋のオススメポイント。

 6時頃になると、東山の山の端が次第に、それでいて結構なスピードで明るく赤くなっていきます。そんな光景の中で聞こえてくる「ゴ〜ン」という真如堂の鐘の音。いやぁー、何とも情趣あふれる場面です。


 朝、院長さんが、「松葉杖にするように、リハビリに言ってありますから」とだけ言いに来られました。「紅葉までには・・・」と院長さんも気にしてくださっているのでしょう。

 その通り、夕方のリハビリは松葉杖となりました。自立歩行は無理ですが、杖の支えを借りればなんとか歩けます。

 ただ、歩行器に‘守られている’ような安心感はなく、大海に放り出されたような寄る辺なさを感じます。「滑ったらどうしよう・・・」「転けたらまた振り出しだなぁ・・・」「境内で松葉杖というのもこわいなぁ・・・」などと考えながら、廊下3往復の‘自主リハ’をしました。

 今日は歩行器で15往復ほどして、その後に松葉杖で3往復。松葉杖で歩くのは、見ているよりもエネルギーを使うということを、身を以て知りました。

 傷よりも筋肉痛が顕著で、今日はほとほと疲れたので、9時の消灯を待たずに就寝。隣室に術後の患者が入って、うなり声とかが聞こえるのも構わずに、結構熟睡しました。

 さぁ、目指せ! 松葉杖で20往復! ほどほどに・・・

〜 初めて窓辺に行って撮った景色(右側、真如堂アップ) 〜


2011年11月14日(月)  No.3051

山用の杖
 日曜日の病棟は静か。回診もリハビリもなく、スタッフも少なく、御見舞いの人もそう多くなく、ひっそりしています。

 今日もボクは廊下を行ったり来たり。

 歩いている途中、名前を呼ばれて振り返ると、真如堂にお墓のある人が。ボクの4部屋隣に入院されていて、今日、退院されるとのことでした。どうも似た名前の札が出ていると思っていたのですが・・・ビックリ!

 今日も、トイレ、洗面、食器の返却など、すべて自力でできました。今のボクには歩行器が‘伴侶’のようなもの。そして、山用の杖も必須アイテムです。

 杖で、窓やカーテンの開け閉めをしたり、ドア押さえを動かしたり、何かととっても役に立っています。伸縮自在で、山岳用ですから作りがしっかりしていて加重にも堪えてくれます。

 もし知り合いが入院するようなことがあって、自由に動けない場合は、この杖を貸してあげようと思うほどです。

 ボクの性格を知っている人たちは、異口同音に、まだ当分入っている方がいいと言います。退院したら必ず動き回って、またぶり返してしまうというのが、共通した意見です。

 確かにそうかも・・・。退院しても現場では役に立ちませんし・・・。

 今週中には退院したいんだけどなぁ〜 ダメかなぁ〜

〜 歩行器と山岳用のストック 〜
2011年11月13日(日)  No.3050

ちょっと進歩
 今日は朝からいい天気。真如堂のほうを見ると、ちょうどそこだけ雲がたなびいていました。境内の木々を遠望すると、銀杏はまだ青いものの、もみじは少し色が変わって来ているようでした。

 「そろそろ忙しくなってくるなぁ・・・」と複雑です。

 今日はよく歩きました。もちろん、歩行器の支えを借りてですが、病院の廊下を朝に昼に10往復ほどしました。

 まだ、真っ直ぐな姿勢ではありませんし、悪い方の足には100%の体重を掛けられません。でも、‘動ける’ということは実にありがたいことです。目に入るものも変わります。病院の構造もわかります。

 最初は、「あれっ! 誰かわかりませんでした」と何人かの看護師さんに言われました。寝ている姿が印象的だっったのでしょう。

 廊下の端に無料貸し出しのDVDが置いてあったので、桂枝雀の落語と『男はつらいよ』を借りてきました。部屋のテレビに付いているプレーヤーで、今夜はこれを見て過ごそうっと! 朝は本を読んだので過ごしたので。

 今日はトイレもすべて歩行器を使って自分で行きました。たかがトイレですが、自分が行きたい時に行ける有り難さは何とも言えないものです。

 ちょっと進歩したような気もする今日でしたが、まだ横を向いて寝ることも出来ませんし、歩行器がないとどこへも行けません。「まだまだだなぁ」ということも実感します。

〜 病院の廊下 〜


2011年11月12日(土)  No.3049

リハビリに精を出す
 ‘自主リハ’に励みすぎたのか、仕事をするために長いこと座っていたためか、骨か筋肉かわからないところが傷みます。


 今日はお風呂の日。ストレッチャーは‘卒業’し、車椅子に乗せられて浴室へ。服を脱いで、浴室用の車椅子に乗り換え、浴室へ連れて行かれて洗ってもらいます。ストレッチャー期とは違い、大半は自分で洗います。

 今日は、半分認知症のおじいさんと同時。明日は我が身かと・・・。


 入浴が終わったらリハビリ。朝からの‘自主リハ’が功を奏したのか、折れた右骨盤のほうの足にも、少し体重が掛けられるようになりました。

 今日は平行棒のようなものにも挑戦。「痛い方をかばっている」と言われましたが、「当たり前だぁ!!」

 それでも、我ながらめざましい進歩。

 明日・明後日はリハビリも休みですが、「絶対に転けないでくださいよ」という条件付きで、自主的に歩行訓練をしてもいいと許可をもらいました。


 さぁ、明日も頑張ろうっと!

〜 今日の夕食 〜
2011年11月11日(金)  No.3048

野に咲く花のように
 リハビリ3日目。関節や筋肉がこわばっている感じで、思うように動きません。ベッドの上でも、気が付く度に‘自主リハ’をしますが、そう簡単にはいきません。

 まだまだかかりそうです。トホホ。


 テレビは面白くない、ラジオは入りにくいので、自坊の「メダカの学校」で使っているCDウォークマンを持ち込みました。

 CDは、「メダカの学校」でみんなで歌うためにベッド上から購入した ダ・カーポ。夜中に1時間半ほど聞きました。


  ♪ 野に咲く花のように 風に吹かれて  野に咲く花のように 人を爽やかにして

    そんなふうに僕たちも 生きてゆけたら素晴らしい

    時には暗い人生も トンネル抜ければ夏の海

    そんな時こそ 野の花の けなげな心を知るのです  ♪


 「暗い人生」「トンネル」などという歌詞を聞きながら、ぜんぜん悲観もしょげてもいない自分に改めて気が付きました。

〜 ちょっと前時代的なCDウォークマン 〜


2011年11月10日(木)  No.3047

仕事三昧?
 便秘4日目。

 ことある度に「出ませんか?」と聞かれ、便秘薬は増えるしで、身の細る思いでしたが、今日初めてポータブル便器とやらの力を借りて心願成就致しました。

 思えば長い道のりでした。便秘しても、ボクは別に辛くもなかったのですが・・・。


 これから当分はリハビリ以外何もなし。寝ているのが仕事のようなもの。でも‘本当の’仕事もいろいろ切羽詰まっているので、今日はパソコンに向かってひたすら書類作りをしました。

 ちょっと無理のある姿勢なので、お尻や肩・首が凝りました。

 これでもかというぐらい寝てきましたが、今日は寝るのが楽しみです。

〜 キティーのクッキー 〜

2011年11月9日(水)  No.3046

初リハビリ
 今日はいろいろ忙しい日でした。

 午前中、シャワー。「今日は車椅子で行きます」と車椅子でお風呂場に搬送してもらい、服を脱いでお風呂用の車椅子に乗って浴室へ。洗えるところは自分で洗い、背中などは洗ってもらいました。

 ストレッチャーのほうが楽ではありますが、少しずつ前に進まないと・・・。病院着からパジャマに着替えました。


 昼食を食べて、防災工事の設計士さんとの打ち合わせ。この前の修正図面をもとにした積算表を持参してくださいました。帰りに行政に寄って了解を得てから業者見積に掛ける算段です。

 設計士さんが帰られるとすぐに大工さんから電話。本堂の階段の修理の件で、行政に仕様を持っていきたいとのこと。行政に電話してアポを取り、業者だけが行くと伝えると、先方はすでにボクの入院を承知しておられました。それもそのはず、先ほどの設計士さんが行ったのも同じ部署。


 2時からMRI検査。約20分間、トンネルの中に入って検査終了。さて、結果は・・・。

 実は、今朝、昨日した血液検査の結果を見せられ、また気を重くしていたのです。MRIの結果はいつ聞かしてもらえるのかな?


 終わって病室に戻ってしばらくすると、「リハビリしましょう!」と理学療法士さんが来てくれました。部屋の前には歩行器。「ちょっと歩いてみましょう」と言われ、「え゛っー 本気かいな?」と思いました。いくら歩行器を使うとはいえ・・・。

 ちょうどそこへ主治医が来られ、MRIの結果を聞かせてくれました。血腫などが股関節に残っているけれど、だんだん消えていくだろうとのこと。今朝、やはり主治医に、折れたうちの1箇所は股関節を受ける部分の骨盤で、しばらくは体重を乗せることはできないだろうと言われていました。昨日のCTでわかったのでしょう。

 折れた部位から想像するに、ひょっとしたら足腰同時ぐらいに落ちたのかな?

 折れた部位は当初の診断よりも大変な場所だったけれど、他には問題もなさそうだから、日にちを掛けて治してくださいということでしょうか。

 はぁー、長く掛かるのか・・・。


 さて、歩行器につかまり立ちをして、歩く訓練。といっても、健康な足でボクが歩き、悪い方の足の時は理学療法士さんが押してくれていたような感じでした。歩く感覚を取り戻すのが目的だったのかな?

 その後は、ベッドの上での筋トレ方法の伝授。悪くない方の足も相当弱っていますので、筋トレが不可欠です。悪い方は、自分の意思では動きません。頭の指令がどこかで切れているような感じで、足にはまったく届きません。そのうちこれが繋がってくるのかな・・・。

 今日は、車椅子への移動や検査、リハビリで、ちょっと疲れました。足も骨から痛む感じです。

 いろいろな懸念は吹っ切れたので、明日からはリハビリあるのみです。頑張ろう!

〜 今夜の食事。昨日から完食更新しています 〜

2011年11月8日(火)  No.3045

10日ぶり
 日にち薬の効果もあって、痛みはかなり和らいできました。

 今日は、CTとレントゲン撮影。入院時に撮って以来です。

 「ストレッチャーにしますか?」と聞かれたので、「車椅子にしてみます」と即答。ベッド回りの配置が変わるのも嫌でしたし、どの程度動けるか試してみたいという気持ちもありました。

 体位を変えてベットに腰掛ける体勢にしようとしますが、大丈夫なほうの足も自由に動きません。痛風を発症していますが、それは関係ないし・・・。入院して10日。それだけ足も弱っているのですね。痛い方の足は、疼痛は消えましたが、まったく意のままには動きません。手で持ち上げたりして、ようやく動かしました。

 10日降りに床の上に立つ時は、とても恐かったです。ゆっくり、ゆっくり身体を動かし、ようやく車椅子へ。後ろ向けに部屋を出る時、初めて窓の外の景色がチラッと見えました。

 CTの台に上がる時、技師の方がいたい方の足をそっと持ち上げてくださいました。事故後は触られただけでも激痛でしたが、今日はそれほどでもありません。回復していることを実感しました。

 看護師さんがそのままボクを病室に連れて帰ろうとされたので、「レントゲンはありませんか?」と聞きました。看護師さんは検査受付に行って、舌を出しておられました。

 再びレントゲン室へ。技師さんは、「お久しぶりです」と言って迎えてくださいました。

 両検査も無事に終了。理学療法士の方が来られて、先ずは顔合わせ。今月いっぱいぐらい掛かるかも知れないと言われてショック。

 友人が撮って来てくれた境内の写真で、「今日の散歩道」を何とか消灯までに更新しました。紅葉にお越しになる方の参考に、少しでもなればと思っています。

 検査の説明もないまま消灯を迎えた後、看護師さんから、明日、MRIの予定が入ったと聞かされました。

 「今日の結果が悪かったんだろうか・・・ 手術になるんだろうか・・・ いつ帰れるんだろう・・・」などと考え出すと、眠れなくなってしまいました。

〜 10日降りに見る景色。植えた菊が咲いたんだ! 〜

2011年11月7日(月)  No.3044

痛風発作
 昨夜の夜中から、痛くない方の左足が眠れないほどにズキズキと痛み出しました。この痛みは今までにも2度ほど経験していますので、すぐに「痛風発作」によるものだとわかりました。

 痛風はボクの持病です。「帝王病」などと言われ、贅沢な物を食べていると発症すると思われがちですが、そうでもありません。医師の説明では、ボクの場合は90%以上が遺伝的要素によるものとかで、「死ぬまで薬を飲んでください」と言われて以来もう20年余、毎日薬を欠かしたことはありません。

 今回も入院するに当たっては、その薬を持参して、毎日飲んでいました。ところが・・・。

 水分摂取量が減り、季節外れの暑さで汗もかき、血中の尿酸の濃度が急に上がってしまって、発作を引き起こしたのでしょう。痛風の痛みは、尿酸の結晶が関節などに刺さって引き起こされる関節炎です。一番発生しやすい部位が、足の親指。まさしく、その通りです。

 足に布団を掛けるのも痛く、夜は布団から足を出して横たわっていました。痛い方の右足に加え、左足にも力が入れられず、ますます体位も変えられません。

 朝になって看護師さんに事情をいいましたが、どうやらこの病院には痛風発作時の対処薬は置いてない様子。とりあえず、痛み止めだけをもらいました。

 いったん関節炎を起こしてしまうと、3日ほどは痛みが引きません。対処薬を飲んでもそれは同じ。それならばと、見舞いに来てくれた友人にお茶を買ってきてもらい、尿量を増やして尿酸を少しでも体外へ出す作戦をとることにしました。

 ベッドを起こして尿瓶で排尿するのも大変。そう思って自ずと水分を控えてしまったのが、今回の事態を引き起こしました。こうなったら、自力で治すしかありません。

 さぁ、飲むぞ!

〜 病院のお茶に、仕込んでもらったお茶 〜

2011年11月6日(日)  No.3041

鐘の音に鉦の音
 今日は雨が降っているとか・・・。晴れているか曇っているかは窓から差してくる光でわかりますが、雨はよほど音を立てて降らないとわかりません。まだ、窓の外を見たことがないのです。


 入院してから1回しか便通がなく、ここ数日は朝晩に下剤を服用さされ、今日はまた浣腸もされました。

 トイレにはまだ行けないので、看護士さんに取ってもらうしかありませんが、もうここまできたら恥ずかしいなどという気持ちはなくなりました。

 ようやく今日は‘責務’を果たし、「出ませんか?」と朝晩聞かれなくても済むようになるのが有り難いです。


 今日はお十夜の開闢法要。6時の夕食をいただいていたら、「ゴーン」という鐘の音と共に、「ジャラン」という鉦の音が聞こえてきました。

 鐘の音だけでも有り難いのに、鉦の音まで・・・「ひょっとしたら聞こえるかも知れない」という期待が叶えられました。ご本尊の扉が開けられ、お姿が現れるのがはっきりとイメージできます。

 病床で鉦の音を聞くなんて、もちろん想像だにしませんでした。もうここまで来たら、焦る気持ちもありません。純粋に掌を合わせたい、それだけです。


 幸い、境内の手入れもほぼ終わり、紅葉のお客さんに来ていただいても恥ずかしくないようになっています。

 どれだけ植木屋さんにきれいに手入れをしてもらっても、それだけでは‘魂’が入らない気がします。こちらが一所懸命に生きているもみじや桜の晴れ舞台を作らせてもらうようなつもりで重ねて手を掛けていくことが、本当に綺麗な紅葉を招くのだと思います。

 そんな、少し思い入れが強すぎるのも、今回の事故の誘因かも知れませんが、今年の紅葉はきっといい。後は冷え込みだけだと、自負しています。


病室からの眺め。右に黒谷の御影堂、左に真如堂の塔。大文字も見えるそうです
2011年11月5日(土)  No.3036

2回目の入浴
 2回目のシャワー。今日もストレッチャーにのったまま。

 今日のスタッフはこの前と違い、20代と50代後半とおぼしきお二人。

 「あぁー、また違う人たちに肌を晒してしまう・・・」 ギャハハ!

 戻ってくると、いろいろなものの配置が変わってしまっています。

 手の届く範囲のものしか取れないので、いろいろな物をベッドの柵に括り付けたり、ゴミ箱も「このベッド柵の右側から落としたら入る」という位置に置いてあるのですが、帰ってくるとそれらの位置が変わったりしているのです。

 そこで、シャワー後は、登山用の杖を最大限延ばして必要なものを引き寄せたり、あっちにやったりして、また‘環境’を整えます。とても心強い杖です。

 入院生活も今日で丸1週間。過ぎてしまうと、何だかあっという間だった気がします。

〜 御見舞いの花、キティ−! 院内は花の持ち込み禁止。残念。 〜

2011年11月4日(金)  No.3043

佳き時間
 24時間寝たきりでいると、「1日が長いだろうなぁ」「余計なことをいろいろ考えてしまうだろうなぁ」「気持ちが焦っているんじゃないかなぁ」などと、さぞかし皆さん方思われるでしょう。

 ボクもそんな人を想像すると、今までは同じように思っていました。

 でも、いざ自分がその身になってしまうと、案外そうでもなく、1日が結構早く過ぎ去っていくものだと感じています。

 綺麗事のようですが、「今できることは何か?」と考えてみると、「とにかく安静にして、早く回復すること」しか思い当たりません。というよりは、まったく動けませんので、諦めが付いています。

 落ちたことを悔いる気持ちはなく、「どうしてこうなったのか、退院したら現場検証をしてみたい」と思っています。背中から落ちたらおそらく半身不随、頭から落ちたら死んでいたかも知れませんから、「一番‘いいスタイル’で落ちてよかった」と思っています。懲りていませんねぇ。

 仕事のことはいろいろ気になりますが、職員さんたちがそれぞれ考えてやってくれているでしょうから、気が付いたところを伝える程度。案外、悠然としています。

 「今度のことでいろいろ‘学習’しただろうから、自分の中で何かが変わるかな?」とは、ほとんど思いません。病院スタッフの方々などのあたたかい気持ちに触れ、「もう少し人にやさしくしよう」とは思いますが、やりだしたら止まらず、とことん気が済むまでやってしまう性は変わりようがないでしょう。

 病床から、知り合いの僧侶に電話をして、「植木屋には任しておけない。やっぱり、植木屋は植木屋。最後は自分でしなければ。そこまでの思い入れがないと、寺は綺麗にならない」と意気投合して、退院後にするべき境内の手入れをあれこれ楽しみに考えているぐらいですから、付ける薬がありません。

 ボクが入院した余波で忙しくさせてしまった方々には申し訳ないですが、ボクにとって、この時間はとても有効な気がしています。

〜 御見舞いの花、キティ−! 院内は花の持ち込み禁止。残念。 〜
2011年11月3日(木)  No.3042

設計図
 今年度中に実施することが決まった防災工事の申請を急いで行政にしなければならず、設計業者が病室まで来てくれて、図面の最終確認をしました。

 配管のルート、消火栓の位置などを、機能や景観などをもとに詰めていって図面を完成させ、それをもとに費用の積算をして、行政に提出する段取りです。

 行政からの補助が年度当初から決まっていることなどは稀で、多くは年度途中、場合によっては年度末が近づいて予算に余剰が出来てからの決定というのもあるようです。

 今度の工事は、戦前に敷設され、現在はピンホール状態になっている配管を更新し、さらに備えを強度にするために各所に配管や消火栓を設置します。大工事です。

 これで何とか行政への手続きも出来そうで、やれやれ。

 痛みはありますが、だんだん仕事モードも頭を起こしつつあります。
2011年11月2日(水)  No.3040

初入浴
 スタッフは皆さん誠心誠意やってくださいますが、そこは人間、相性もあれば、スタッフの感性にも差があります。

 そういう意味で、「今日はどのスタッフが来てくださるか」というのは、やはり多少は喜憂の種でもあります。

 ボクはかつて宗教とターミナルケアについて活動をし、学校で教えていたこともありました。でも、今となると、それが机上のことであったように思えて、恥ずかしくなります。今のボクにとって、一番はペインコントロールかな・・・。


 今日は初入浴。といっても、ストレッチャーに乗せられて、身体を洗ってもらう‘入浴’です。

 担当してくださったのは30代の女性2人。素っ裸で寝ていて、普通なら恥ずかしいところですが、汗だくになって入浴させてくださる姿に頭が下がり、恥ずかしい気持ちはほとんど起きませんでした。

 お陰でサッパリ! 食欲も少し出ました。


 先日届けてもらった書類をもとに、今日打ち合わせをする予定で寺に来てくださった防災工事関係者と電話協議。とりあえず、こちらの希望を伝え、現地を見てもらって、設計図を手直ししてもらうことにしました。
2011年11月1日(火)  No.3039

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