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2008年5月の日記

浄玻璃鏡
 何だかもう梅雨に入ったようなお天気です。

 安倍晴明の掛け軸のA3大の写真が出来上がってきたので、‘ハルパネ’に貼って、本堂で公開を始めました。生前の行いが映るという「浄玻璃鏡」のアップの写真も付けました。
 その掛け軸は、おそらく布教用に使っていたのでしょう。掛け軸を見せながらいろいろな御説法などをしたり、清明公が閻魔大王から授与されたという「金印」のPRなどにも使ったのでしょう。

 本物をずっと展示しておくわけにはいかないので、写真という形での公開ですが、皆さんが喜んでくださるとうれしいです。

 それにしても、A3サイズの写真が800円なんて、安いなぁ〜。データーをネットで送って取りに行くだけ。どんどん活用しようっと!


 夜は小学校の同窓会の打ち合わせ。脱線続きで、なかなか話が煮詰まらない、楽しい会でした。

〜 車の上の蝸牛 〜
2008年5月31日(土)  No.1787

あっという間
 今日もあっという間に終わってしまいました。

 「時間が過ぎる早さは年齢に比例する」などといいますが、時間はいくらあっても足りない気がします。

 自坊の月参りの他は、今日も作務。屋根に登って、‘谷’に溜まった落ち葉を取り除いたり、樋の詰まりを直したり、その先の排水升の泥をすくい上げたりと、間近に迫った梅雨対策にあたりました。

 排水管はもとより、浄水、電気などの図面がないため、まずはその経路探しで手間取ります。後のためにも、図面の整備は課題です。

 境内の建物を見て回る度に、早急に修復しなければならない箇所を見つけてしまいます。自分で直せないところは業者に頼みますが、そんな工事の予定も目白押し。今年度は相当の費用が修復などにかかりそうです。
 「金遣いが荒い」と言われそうですが、先延ばしにすればするほど修復の費用はかさみますし、大切なものまで損ないかねないので、多額の費用も仕方がありません。

 自坊の片付けはまった手つかずのままで、散らかり放題。まぁ、誰に見せるわけでもないので、後回し。まずは、拝観コースや境内の整備です。


 修理に出していた車が戻ってきました。結局、ディーラーにある間に異音は出なかったようですが、エアコンのコンプレッサーを交換したとのこと。これで収まってくれますように。保証期間内でよかったぁ。

〜 花盛りの大きなカルミアの株 〜
2008年5月30日(金)  No.1786

早朝巡回
 夕べは嵐のようなお天気。バタバタとトタン板が音を立て、何かが転がっているような音がゴロゴロ。雨はザァーザァーと時おり激しく。
 「また夜中に雨なのかぁ。明日の朝まで降っていてくれればいいけど・・・」と思いつつ、何度も目が覚めました。

 5時に起きてネットの気象情報を見たら、強い雨を降らす雲はもうすぐ通り過ぎていってしまう感じ。
 「こりゃぁーいかん!」と朝のお勤めもせずに箒を持って自坊を飛び出し、先日来排水管の工事をした場所などを巡回しました。雨のせいで、あたりはまだ少し明け切っていないように感じられました。

 水の流れはほぼ順調。でも、網目に落ち葉が詰まって澱んでいる箇所もあったので、手で取り除いたり、持っていった箒で突いたりして、流れを回復させました。落ち葉は大敵です。

 強い雨の中の作業だったので、全身ずぶ濡れになり、自坊に戻って上から下まで着替えて、ようやくお勤めをしました。

 後は、今日も月参りなどがなく、平穏に事務仕事。さぁ、明日は何しようかな!?

〜  今後のメンテの参考に水溜まりをパシャッ! 〜
2008年5月29日(木)  No.1785

ほどほどに突っ走る
 細々としたことをしているうちに1日が終わってしまいました。こういう日はあまり‘達成感’がないのですが、実際の仕事は結構進んだのではないかなぁ・・・。

 若い頃は後先考えず‘思い’だけで突っ走った感がありましたが、いまは少し熟慮できるようになりました。それでも、他の人から見たら、かなり突っ走っているように見えるでしょうねぇ。

 夕方、またホームセンターに行きました。職員さんに頼まれているペンキ、殺虫剤、熊手などを求め、参道の補修に使う板石も買いました。60×30センチの中国製の石が700円台で売っているのですから、驚きです。何枚も買い、後部の車高が下がるほどでした。

 京都市内のホームセンターには、少々飽きてきました。農村が近い地域のホームセンターは最高! 売っているものが違います。せめて、滋賀県の店に行きたいなぁ・・・。

〜  銀行さんにプリントを分けてもらった明治期の真如堂の遠景写真 〜
2008年5月28日(水)  No.1784

代車は‘ボロ’
 昨日も今日もエアコンなしでは車に乗っていられないような暑さ。特に僧衣を着ていると、余計に暑く感じます。

 車の異音は出たり出なかったり。異音が出てる時は、エアコンから出てくる風も冷たくないような気がします。

 今日は点検に出すことになりました。代車をお願いしたら、「ポロをご用意します。27日にはご用意できます」とのこと。今日まで待たされたので、「どうぞ」と渡された車はてっきりポロだと思っていました。

 乗るなり、エンジンはよく回らず、車が重たい感じ。ブレーキの効きもイマイチだし、あちこちからガタピシという音がします。「これはひどいなぁ。ポロではなくて、相当の‘ボロ’やなぁ」などと思いながら自坊に帰りました。

 夕方になって閑話用に‘ボロ’の写真を撮ろうと携帯を向けたら、車のフロントグリルにボクの車と同じ会社のエンブレム。「エッ、エーーー」と目を疑いました。「なーんだぁ、ポロと違うやん」。今まで気がつかないボクもボクですが・・・。

 代車はほんまに‘ボロ’でした。

 ボクの車、点検中に異音を発してくれて、ちゃんと直ってくれるといいのですが・・・。

〜  木陰に駐まる代車 〜
2008年5月27日(火)  No.1783

植物園はパラダイス
 南へ北へ月参りをする途中、昼下がりの予定は僧衣では不都合な場所。人気の少ない農道で車を止めて、持参した洋服に着替えました。

 時間が少し余っていたので、薔薇が満開だと聞いていた植物園に行きました。

 京都の最高気温は30.4度。今年初の真夏日。日陰のないバラ園は暑いことこの上なし。でも、色とりどり、形も様々な花を愛で、香りを嗅いで、今年も薔薇を堪能しました。

 『園長の目』という動画サイトで、いま、「トウオガタマ」が咲いていることを知っていたので、まだほとんど咲いていない紫陽花園を経て行ってみました。花はもう終わり気味で、香りも強くはありませんでしたが、自坊の前で咲くオガタマの‘親戚’を見て、何となく懐かしく思いました。

 森の中で満開の花を見せてくれたのは栴檀の木。「栴檀は双葉より芳し」の「栴檀」は白檀の木のことで、この木ではないそうですが、何となく芳しい香りが漂ってくる気がしました。
 境内の茶所の前に、栴檀がいつも芽を出します。きっと、どこからか鳥が運んできたのが芽吹いたのでしょう。「こんなところで大きくなったら困るなぁ」と、つい先日切ったばかり。「こんな綺麗な花が咲くのなら、植え替えてやろうかなぁ」とも思いました。

 植物園の深い森は強い日差しを遮って、天然の冷気を蓄えています。その中に入っただけで、今までの暑さは嘘のよう。木々の霊気も漂う気がして、生き返った感じがしました。

 ホームセンターとは別の意味で、植物園はボクのパラダイスです。グルッと1周しただけでしたが、「来てよかったなぁ」という思いに満たされて、次の目的地に行きました。

〜  満開に香る栴檀の花 〜
2008年5月26日(月)  No.1782

手作りの清貧さ
 夕べから今朝にかけては、5月分の雨の半分程度の量が一気に降ったのだとか。夜中に、雨音で何度も目が覚め、「どうか、明るくなってからも、この強い雨がふっていますように」と夢うつつに念じました。

 先日来、修復している溝や排水管の流れ具合を、この目でしかと確かめたかったのですが、ここのところ雨が降るのは夜ばかり。普段だと、そのほうが有り難いのですが・・・。今朝になったら、雨はほとんどあがっていました。

 月参りも法事もな〜んもない稀な日曜日。「どこかへお出かけしよう!」などという気はさらさらなく、午前中はデスクワーク、午後は植木屋&溝さらえで過ごしました。

 腰にのこぎりと植木バサミをぶら下げ、頭にタオルを被ったボクの姿を見ると、職員さんは「あっ、職人さんが来た」などと冷やかします。

 お金が潤沢にあれば作業の多くを業者に頼めるのですが、真如堂は貧乏が染みついています。その上、「放ったらかし」に見えてしまう‘汚さ’が先に立っています。それを‘手作りの清貧さ’のレベルまで持っていくことが、ボクの目先の目標です。

 1日が倍の時間だったら、もっと作業も進むのに・・・せめて、うたた寝をしなければ・・・。

〜  猫避けガードの下の、帰ってきたモリアオガエル2匹 〜
2008年5月25日(日)  No.1781

『マッハGoGoGo』
 インターネットテレビで、ボクが子供の頃にテレビ放映していた『マッハGoGoGo』というアニメを見ました。ボンドカーのような車に乗った主人公が‘悪’を懲らしめるストーリーが主でした。

 主題歌とほんの少しを見ただけで、オッサンになった今にしたら陳腐な内容にすぐに見るのを止めましたが、見ていて、子供の頃にボクの幼なじみたち間で流行った‘レースカー遊び’を思い出しました。

 ‘レースカー遊び’と言っても、手作りのおもちゃでのこと。当時テレビではカーレースがブームで、子供ながらに憧れて、せめて遊園地のゴーカートに乗りたいと思っていましたが、遊園地は遠いし、費用もかかります。そんな時、学研の『科学』か『学習』に、戸車を使った手製の‘レースカー’の作り方が載っていました。

 運転者が座る箱の下と、そこから前に伸ばした支柱にクロスする板の下に戸車を付け、前の板を足で操作してハンドルを取るというものでした。構造的にも単純で、廃材を使えば自分で作れるものでした。

 早速、試乗機を作り、自坊の前の坂に持っていって乗ると、視線が地面に近いことによるスピード感と、鋳物の戸車がコンクリートの上を転がる「ゴォー!」という音が、それはもうすごい迫力。近所の幼なじみもみんな夢中になりました。

 弟や幼なじみにも作ってあげたり、幼なじみも父親に頼んで作ってもらったりで、それぞれが‘マイ・レースカー’を持つようになり、学校から帰えるのを待ちかねて、毎日、コンクリートの参道で‘レースカー遊び’をしました。

 当時の本物のレースでは、車体の後ろにフラップを付けるのが流行っていたのにヒントを得て、座席の後ろに板でフラップを付け、足でハンドル操作をすると紐の力によってそのフラップが上がり下がりするようにしました。今から思っても、これは素晴らしい仕上がりでした。

 子供といっても、その体重を支えてコンクリートの上を転がるには戸車はいかにもひ弱。使っていない戸の戸車を外したりして、何度も取り替えました。また、自坊前のコンクリートは材料そのものが悪い上に、経年劣化で上塗り部分がかなり弱っていました。その上を鋳物の戸車でおそらく100回以上はゴロゴロ走ったのですから、傷みはますますひどくなって、あちこちで剥がれ出しました。

 そんな頃、ボクたちの‘レースカー’ブームも去り、以来、傷んだ剥がれたコンクリートの参道だけがそのブームがあったことを物語っていました。幼なじみもみな引っ越したので、その傷みがボクたちの遊びによるものであることを知っているのはボク以外はなく、10年ほど前に参道を石畳に改装するまで、ボクは少々後ろめたい思いをしていました。

 手作りのもので大いに遊ぶなどということは、今はほとんどないでしょう。ボクたちはほとんどすべてのおもちゃが手製でした。それが今のボクの、大工、水道屋、鉄工所、植木屋などに生きている気もします。

 ‘レースカー遊び’は、今思い返しても、子供ながらの工夫の固まりであり、胸がワクワクする遊びでした。

〜  『マッハGoGoGo』のタイトル 〜

2008年5月24日(土)  No.1780

一日に感謝
 最高気温29.9度。今年一番の蒸し暑い日でした。

 早朝から、鷹峯の某寺にパソコンの‘納品’。これで一件落着! いつ伺っても忙しそうなお寺で、家族中がバタバタされていました。

 外回りをして帰ったのがお昼。そそくさと食べて事務所へ行き、会計士と昨年の会計について協議。
 「会計士って、数字をあっちに持っていったり、こっちにはめたりするパズルのような仕事で、きちっとパズルが完成した快感がたまらないのかなぁ」と思いました。

 終わって水道工事の現場監督。水道屋さんは排水管の経路を見事に解明し、水が流れるようにしてくれていました。貫通させてくれた距離は30メートルほどもありました。

 ただ、その途中にマンホールを作ろうとして、茶室の犬走りを2ヶ所も大きく割ってしまっていました。これにはビックリ! 排水管のメンテナンスのために必要なのはわかりますが、こんな場所に・・・・。
 渋る水道屋さんを説得して、犬走りのコンクリートの下にマンホールの蓋を隠して貰うことにしました。ここにマンホールを作ったのを忘れないようにしないと。それにしても、犬走りが・・・ショック。

 夕方から、真如堂一山の会議。晋山式とその他諸々について協議し、その場で懇親の席をもちました。

 今日も何とか平穏無事に終わりました。感謝、感謝。

〜  夕化粧の花 〜
2008年5月23日(金)  No.1779

パソコン修復
 朝から、植木屋さんは殺虫剤の散布、水道屋さんはU字溝の工事と詰まっている排水管の修復、テレビの京都検定絡みの取材クルーがレフ板を持ってウロウロと、ややこしい幕開けでした。

 水道屋さんの上下水工事は、しばらくは続きそうです。上水道の工事は、秋など人がたくさん来られた時に水が足りなくなってしまうのを改善する工事です。とにかく、雨の日や繁忙時の心配を減らしたいと、一気に発注しています。

 夜は、墓地MAPや過去帳を整理しながら、‘入院中’パソコンと自分のパソコンの修復作業。
 前者はリカバリーするしか根本的に直す方法はなさそうですが、それはちょっと大騒動なので、メモリの増設とソフトのバージョンアップなどを施して、終了。そう簡単ではありませんでしたが・・・。
 自分のパソコンは、「Windows Vista Service Pack 1」を適用したら、去年秋からいくらやっても直らなかったUSB絡みの不調が消え、大助かり。新しいUSB機器が使えず、難儀していたのです。本当によかったぁ。

〜  咲き出した早咲きの紫陽花 〜
2008年5月22日(木)  No.1778

紫片喰
 今日は‘お坊さんモード’。午前中は月参り。午後も月参りに行って、続いて東山のお寺で大般若転読会。夜は共同作業所の会議。その合間に、事務所の仕事と北区某寺院のパソコンの修復。

 気温は上がりましたが、カラッとしていたので、建物の中にいればそれほど暑さを感じませんでした。


 石垣の間に咲いたムラサキカタバミの美しさに目を惹かれました。

 小さくて通り過ぎてしまいそうですが、とても鮮やでかわいらしい花です。南アメリカ原産だとか。色を見ていると納得できそうです。

 「咲いています」と主張する花もいいですが、この花のように静かに‘自分の領域’で咲いている花を見ると、ホッとする思いがします。

 この花の葉軸の中にある繊維で、よく‘相撲’をしました。子供の頃は、少しでも大きく丈夫な葉を見つけたくて、どこに大きなムラサキカタバミが生えているかを熟知していました。そう、便所の汲み取り口に生えているのが最大でした。今はこの綺麗に咲いている花の葉を取ろうという気はまったくしません。

 この花を見ただけで、今日は何だか幸せな気持ちになりました。不思議なものです。

〜  日向にひっそり咲いていたムラサキカタバミ 〜
2008年5月21日(水)  No.1777

食べて解消!
 今日は何だかちょっとイライラぎみ。更年期かも知れません。やっぱり、モクモクと作業をしているほうが性にあっているのかも知れません。

 以前から異音が出ていた車のエアコン。先日、丹波に行った時には、あまりにも大きな音だったので、車が壊れるかも知れないと思って、思わずスイッチを切ったほどでした。
 このまま放置しておくわけにはいかない。夏が来る前に修理しておかなければと、ディーラーに持ち込みました。絶えず異音が出ているわけではないので、ディーラーで再現できるかどうか・・・。

 車を預けて点検して貰うのを待つ間、隣接する大型店の食料品売り場に行きました。食料品売り場は、ホームセンターに次いで好きなところです。
 豆腐や玉子豆腐を買い、298円で売っていた鰹のたたきを、「たぶん美味しくないだろうなぁ。まぁ、いいや。季節感だけでも味わおう」と思って購入。先日見た、初鰹があがったというニュースの影響です。ただし、これは冷凍物。

 いろいろ買いたいのを押さえて、ディーラーに戻ると、やはり異音は再現されなかったとのこと。後日、代車を用意して貰って、再度預けることになりました。きっと、エアコンのコンプレッサーの異常でしょう。

 どうにか再現できないかと、ディーラーを出てからしばらく走りましたが、先日のように車が壊れるかも知れないと思わせるような異音は出ず、今日は仕方なく諦めました。音は難しいそうです。

 帰りに横浜の友人オススメのケーキ屋へ。何でも雑誌に出ていたのだとか。普通の民家の門と玄関の間に小さなショーケースを置いた、‘取って付けたような’お店。若い女性同士でお店を開いたという雰囲気でした。ケーキは5種類のみ。値段は安くはありませんでした。

 それにしても、ボクより年上の‘オッサン’が、遠く離れた京都の店の目立ちもしない店のことを、どうして知っているのでしょう?

 最近は、ネットの影響で、玉石混淆の‘有名店’が増えました。‘当たり’は2〜3割といったところでしょうか。

 夕食に買ってきた鰹のたたきを食べましたが、やはりそれなり。食後のティータイムにケーキを食べました。こちらは甘さ控えめで、まずまずのお味でした。今日は食べてストレス解消だぁ!!

〜  玄関前に置かれたケーキのショーケース 〜
2008年5月20日(火)  No.1776

今日は鉄工所
 今日は鉄工所。

 これも以前から気になっていた本堂内々陣の手すり。紐で竹を括り付けて何とかその役目を果たしてきたのですが、いかにも不格好。
 「どうしたらいいだろうか」といろいろ思案を重ね、材料を買い集めてきましたが、昨日の鉄材などですべてが揃い、‘本業’が暇な今日、いよいよ作業開始!

 L字鋼を切断砥石でカットし、断面を研磨。これが手すりの支柱になります。これに手すりを取り付けるためのボルトの穴を開けて下準備完成。
 準備の出来たものを本堂へ持っていって取り付け。文化財の関係上、最小限のネジで固定しました。

 こう書くといとも簡単そうなのですが、最初はなかなか手こずりました。切断砥石を使うと火花が花火のように出るので、燃える物のない場所での作業。最初は食いつきがよかったドリルも、だんだん切れ味が鈍ってきました。それにしても、うちにはいろいろな機械が揃っているものだと、改めて感心しました。

 手すりは2ヶ所。反対側は、1つ目のノウハウもあるので、スムーズに完成しました。

 これで、また一つ課題克服。気になっていることはまだまだ山ほどあるので、当分‘ネタ’は尽きそうもありません。

 ホームページで拝観コースの紹介をしようと写真を撮っていたら、職員さんが「ちょ、ちょっと来て見てください!」と大きな声でボクを呼びに来ました。何かと思ったら、先日、ボクが難儀していた庭の排水管の経路が少し判明したというのです。庭を見るとあちこち掘り返してあり、確かに地中にエスロンパイプが見えていました。

 「いやぁー、よーく見つかりましたね」と2人で喜び合いましたが、まだ未解明の‘Xゾーン’残っています。
 「この辺りが問題ですよねぇ」と苔の上に四角く印を書いて、今度晴れた日に掘ってみることにしました。

 今夜は雨。朝方には晴れる予報です。また雨水の流れ具合を見ることが出来ません。残念。

〜  本堂の階段に座って 〜
2008年5月19日(月)  No.1775

丹波へ
 法事を終えて、遠い親戚で、ご子息は友人でもある方の通夜に、兵庫県の丹波まで出かけました。

 カーナビによると、所要時間は3時間10分。6時からの通夜だったので、余裕を見て2時過ぎには出発しました。

 途中までは高速道路、後は国道9号線を走り、道が空いていたこともあってかなり早く現場近くまで来てしまいました。

 「早すぎるから、ホームセンターに行って買い物をしようかな。でも、ここにはないだろうから、大きい街にいった方がいいだろうなぁ」と少し走って、福知山のHCへ。

 さすがに地方のHCは農機具などが充実していて羨ましい限りでした。長い鉄骨や切断砥石などを買って、何とか車に積み込み、そろそろ通夜の会場へ。

 会場近くには大きなHCが2つもありました。わざわざ大きな街へ行かなくてもよかった・・・。諦めていたコンビニもあり、おにぎりを買って食べ、準備万端。思っていたよりも開けていました。


 亡くなったのは同じ天台宗のお寺の名誉住職。式もお寺でありました。

 伺うのは初めてでしたが、丹精込めた藤が立派だとか、蓮や睡蓮を育てておられるなどという話はよく聞いていました。

 境内には境内の溝には鯉が泳いでいたり、もう咲き終わった藤の花がぶら下がっていたり、門内には蓮や睡蓮の鉢が並んでいて、故人や友人がどれだけ丹精込めて整備されてきたかが、手に取るようによくわかりました。

 参列者の多くは同宗の僧侶。顔を知っている方も数人おられましたが、兵庫県は天台宗のお寺の数が多く、ほとんどは存じ上げませんでした。
 数十人の僧侶が声を合わせて読経。その中にすっぽりと包まれるような感じで、故人を偲びました。それほどお目にはかかっていませんが、気っぷがよく豪快で、かつ心の細やかな方であったように思います。


 帰路、カーナビの「自宅へ帰る」というボタンを押して、後は言いなりに走ればいいと思っていたのですが、どうも変な方角へ進んでいるような感じ。機械が選んだコースが変だったみたい。
 「昨日の磁場の異常がまだ残っているの?」と思うほど、走っても走っても変。とうとうカーナビを切って、自力で来た道の国道9号線を目指しました。通夜の看板のところまで戻ったのが、出発してから40分後。何とか9号線に戻った時にはほぼ1時間が経っていました。ほとほと疲れました。

 でも、帰り道は空いていて、走り出して2時間もかかることなく帰宅。迷子騒動で消耗したのか、ご飯を食べて、即就寝しました。

〜  助かるなぁ、コンビニ 〜
2008年5月18日(日)  No.1774

配水管探索
 法事を終えて、午後は排水管の掃除。

 詰まっていて庭が水浸しになるため、業者に改善を依頼し、業者も何度か下調べをしているのですが、排水管がどこをどう通っているのか判らず、難航。

 今日は埋まって判らなくなっていたマンホールを1つ発見したついでに、他にもマンホールがあるはずだろうと、鉄の棒を持って、雪崩の被害者を捜すがごとくに地面を突いて、音の違うところを探しました。

 拝観コースの庭、それはきっと奇妙な光景だったに違いありません。場所を変えて何度も何度もやってみましたが、結局見つかりませんでした。

 1つ見つかったマンホールは木の根だらけ。詰まっている原因もきっと木の根でしょう。たえずメンテナンスをしていないと、こういう事態になってしまいます。

 3時間ぐらいやって、結局断念。あとは業者さんに任せることにして、「やっぱり見つかりませんでした」と電話をしました。

 境内に散歩に来られていた知人から、茶所前の朝顔の苗のところで猫が昼寝をしていて、苗が倒されていると電話をいただきました。飛んでいくと、猫はその横に居所を替え、やはり寝転んでいました。

 黒い子猫が亡くなったばかりなので、親の白猫が不憫です。黙って苗を立て直し、水をやりました。

 夜は友人と会食。食べ終わって、ブラブラと散歩しているうちに東西南北がわからなくなって、道に迷ってしまいました。こんなことは初めてです。友人は磁場を持っていて、電化製品もよく壊れるのだとか。その磁場で方向感覚を失い、道に迷ったのかも知れません。月明かりのもと、友人が何だか宇宙人に見えてきました。

 結構涼しい夜でした。

〜  夕食にいただいた炊き合わせ 〜
2008年5月17日(土)  No.1773

お坊さんの日?
 今日はお坊さんの日?

 午前中は東山の寺院で法要。お斎を頂戴して帰って、即、映画の碑の打ち合わせ。
 以前も書きましたが、津川雅彦氏の祖父にも当たる牧野省三監督がその第一作である『本能寺合戦』を撮影したのが真如堂。それに因んで、NPOの方々が映画100年を記念する碑を真如堂に立てることを計画されているのです。

 記念碑を制作する彫刻家の方が模型を持ってこられるというので期待していたのですが、持ってこられたのはミカン箱より小さな箱。
 「きっとここで組み立てられるのだろう」となおも期待していましたが、中から出てきたのはシネマトグラフをアレンジした記念碑の1/8程度の模型。唖然。でも、不思議なことに、写真でシミュレーションした時よりも雰囲気がよくわかるような気がしました。

 打ち合わせもそこそこに、次は京都の天台宗のお寺の「議会」。事業や予決算を審議しました。

 夕食を食べて、さくらと仲良くしようと、以前の自室に行き、中々寄りついてこないさくらを床に寝そべって待っていたら、すっかり寝入ってしまいました。

 これで今日はお仕舞い! あまり働いた気がしません。やっぱり、穴を掘ったり、木を切ったりした日のほうが達成感があるみたいです。

〜  建立現場に置いた映画の碑のミニチュア 〜
2008年5月16日(金)  No.1772

HC、我がパラダイス!
 久しぶりに、ゆっくりとホームセンターに行きました。

 ここしばらくは目的の物を買うだけで、ゆったりと見て回ることはありませんでしたので、HC好きのボクにとって、今日は癒しの時間となりました。女性にとってのショッピングと同じような意味が、ボクとHCとの間にはあるのかも知れません。

 園芸売り場のレジでは、他のお客さんに肥料について、「これはどういう時に使うの? こえとどう違うの? どこに置いてあったのですか?」などと質問責めにされました。「知らん!」と言いたいところでしたが、速効性肥料と遅効性肥料の違いや使途についてレクチャーをさせていただきました。

 大きい物、長い物、重い物を買っては車に積んでは、また売り場に戻るを繰り返し、1時間ほど楽しんで、帰宅。楽しかったぁー。HC、最高!


 ‘紫陽花園’の草刈りをしていて、また1株盗られているのに気が付きました。今年初です。ここ数日中に盗られたようです。苗泥棒が健在であることを知らされました。

 痕跡から判ることは、‘敵’は苗を掘り上げて持ち去っているのではなく、ただ引っこ抜いているということ。計画的な犯行というよりは、衝動的なのでしょうか? 「CSI科学捜査班」にお出ましいただきたいところです。

 それにしても、腹が立ちます。


 最近は、「忙しいのに慣れましたか?」と聞かれることが多くなりました。「はい、慣れました」と答えることにしています。本当に慣れて、少し余裕も出てきたように思います。

〜  自坊の桜ん坊 〜
2008年5月15日(木)  No.1771

癒しの子猫
 夕べは半端じゃない雨に雷。もちろん今朝は、まっ先に昨日改修した配水管の具合を見に行きました。
 相当の雨水だったでしょうが、うまく流れた気配。ただ、埋め戻した土の部分が一部陥没していました。
 以前、ボクが改修した茶所前の排水溝や詰まりを直した排水管もうまく流れている様子。

 流れているところを見たかったなぁ。今度、昼間に大雨が降ったら、じっくりと見に行こうっと!

 定時を待ちきれず出勤した職員さんに、いつも茶所のところにいる黒い子猫がかなり弱っていると聞かされました。

 そういえば、ここ2日ほど姿を見ていません。さっき見かけたのは、その親のシロクロだけ。いつも一緒にいて、甘えたりじゃれ合っているのに、今日はどうしていないのだろうと思っていました。

 しばらく事務所で執務して、出かけようと少し車を走らせたら、向こうのほうで職員さんが真剣な面持ちでボクに何か話しかけているのが見えました。言葉ははっきりとは聞き取れませんでしたが、その様子から、黒い子猫が死んだこと、タオルでくるんで葬ってやると言っていることがわかりました。心の中で掌を合わせながら、車を走らせました。

 黒い子猫とその親のシロクロがじゃれ合う姿は本当にほほえましいものでした。シロクロは寄っても逃げませんでしたが、子猫は警戒心が強く、すぐに物陰に隠れたりしました。隠れながらも、好奇心旺盛な子猫は、こっちの様子を伺い見ていました。境内の野良猫の中では一番の‘美人’でした。

 お腹が腫れていたそうですが、病気だったのか、カラスなどにやられたのか・・・。
 以前は野良犬が7〜8匹も住み着いていて恐いほどでしたが、それもある時を境に急に減って、今では1匹もいません。集団の中で病気が蔓延したのかも知れません。

 野良猫にとっても、生き長らえることは容易なことではないでしょう。食べる物は、朝な夕なに与えてくれる人がいます。のんびりと日向ぼっこをしているようでも、案外、天敵は多いのかも知れませんし、血が濃くなり過ぎているのかも知れません。

 そう考えると、いろいろな勢力争いを繰り返し、時には大きな怪我をしながらも生き延びているミーコは何と生命力が強く、強運なのでしょう。しかも、食べ物をくれそうな人には甘えた声で鳴いてみせるしたたかさも持っています。そういうものだけが生きることを許されるのが、自然の摂理というものなのかも知れません。

 かわいい黒猫の顔や仕草が、今でも思い出されます。たくさんの方を和ませてくれてありがとう。安らかに・・・。

〜  在りし日の黒い子猫 〜
2008年5月14日(水)  No.1770

本職に任せる
 2月に執事に就任して以来、水回りの補修を重点的に行っていますが、それは何よりも排水の悪さが建物などに悪影響を及ぼしたり、参道などが水浸しになって参拝者の皆さんに不快な思いをかけるのを避けるため。

 今回はその補修工事の目玉の一つ、本堂裏の配水管20メートルほどを交換する工事。さすがに、今回は業者に委託しました。

 少し雨が本降りになる度に、本堂裏や書院の周りの溝が雨水で溢れんばかりになっていましたが、その原因は本堂裏から東参道に通じる配水管の不具合。
 この配水管については、10年以上も前から、今は故人となった職員さんたちと何度も修復を重ねました。しかし、土管の継ぎ目から入る混む木の根の繁殖力はすさまじく、少し改善してはまた詰まることを繰り返し、どうにもしようがない状態になったまま、放置されていました。

 朝、業者さんとユンボなどの機材が到着。操作してみたいという気を起こさせないほど小さいユンボでしたが、やはり人力とは比べものにならないほどの効率。外回りを終えて午後に見に行った時には、すでに行程の半分を終えていました。

 掘り上げつつある土管を見たところ、継ぎ目から根が中に入り込んで2センチほどにも生長し、土管を割るまでにもなっていました。その割れ目から土が入り込み、土管の半分以上が根と土で埋め尽くされている状態。これでは流れるわけがありません。

 掘り上げた土管の代わりにエスロンパイプを埋め、作業は夕方には完了。こんなに簡単に済む工事なら、もっと早くにやっておけばよかったのに。これで、雨が降る度に本堂裏の排水を憂慮することもなくなります。

 本職の水道屋さんには、もう一ヶ所の配水管改善工事と、上水道の引き込み管を太くする工事を依頼しています。多額の費用がかかりますが、我慢しても何の得にもならず、不便と悪影響をもたらすだけなので、とにかくやるっきゃない工事です。

 本職の邪魔をしないように、今日はおとなしくしていました。ユンボ、欲しいなぁ・・・。

 今夜は本降りの雨。明るかったら、雨水の流れ具合を見て、ニンマリとできるに・・・。

〜  着々と進む工事 〜
2008年5月13日(火)  No.1769

見逃せないもの
 外回りのついでに、少し寄り道をして太田神社に杜若を見に行きました。

 1年のうちで、「これだけは見たい」と思うものがあります。たとえば、春なら雨宝院の桜。狭いところに溢れんばかりに咲く桜がなぜか見たくなります。桜の名所など他にいくらもあるのですが、育ててきた人の心意気を感じます。平等院の藤も見たい。太田神社の杜若はその筆頭格です。

 車を駐めるところがないので、路駐をして、サッと見ました。

 あの花の紫と葉の若緑の組み合わせが何ともいえません。日の光に照らされて、キラキラと光っていました。一瞬にして気持ちがリフレッシュされていく感じがします。

 ここにも、一番景色のいいところに陣取って三脚を構えたまま動かない輩がいて、皆さんの顰蹙を買っていました。せかっくの景色もごわさんにされかねませんが、気を取り直して、紫と若緑の世界に気持ちを傾注。

 本当に清々しい気持ちにさせてくれる太田神社の杜若でした。

 次は紫陽花かな。藤森神社? 三室戸寺? もっとひっそり咲く紫陽花のほうがいいなぁ。植物園のバラ園もそろそろいいかなぁ。

〜  太田神社の杜若 〜
2008年5月12日(月)  No.1768

細々と捗る
 珍しく法事のない日曜日。外回りも1軒。

 「今日は思う存分、外仕事をするぞぉ!」

 まずは、10年近くも詰まったままになっている排水管を貫通させる作業。管の入り口は見えているのですが、出口が雑木の茂みの中にあって、さっぱりどこかわかりません。管の中を竹で突いてみても、詰まっていてまったく入りません。

 出口と思われるあたりの雑木の茂みに見当を付けて、鍬で地面を掘り返したら、パイプの先らしいものが見えました。中は丸っきり詰まっていて、根が蔓延っています。

 こうなったら手で泥や根を取り除くしかありません。「管の中に蛇などが住んでいやしないだろうか」と恐れながら、手を突っ込んで、何とか出口付近の土や根っこを除去。あとは、入り口方向から竹を突っ込んで、中間に詰まっている泥を押し出しました。

 積年の念願が叶い、配水管は貫通しました! ズボンはドロドロ。


 あとは細々とした作業をあれやこれや。本堂須弥壇の転落防止手すりの竹の取り替え、拝観「順路」の掲示や境内の石碑の説明板の更新、井戸BOXの補修、紫陽花の定植、朱印のハンコの補修、事務・・・。水道屋、大工、植木屋・・・いろいろこなしました。


 今日は月釜がかかっていたので、その片付けが終わるまで、事務所で待機。5時過ぎになって自坊に帰りましたが、ポケットを探ってみても自坊や本坊の鍵が見あたりません。

 隠してある鍵で中に入り、机の上や引き出し、車の中、境内などを探しましたが、やっぱりありません。鍵が行方不明になるのは昨日に続いて2日連続。昨日はいつも鍵をしまっておく1段下の引き出しに間違って入れていました。今日はそこにもありません。

 あと、探すところは事務所のみ。事務所の面倒くさいセキュリティーを解除して、中を探すと、他の人のデスクの上に置いてありました。コピーをしていた時に置き忘れたのでしょう。やれやれ。鍵にGPSを付けられないかなぁ・・・。


 夕食後、さくらのいる部屋でうたた寝をしました。最初は警戒していたさくらも、しばらくすると足下に寄ってきて、もたれかかって寝転んでくれました。

 「やったぁー! 思い出してくれたんか!?」と撫でてやろうとすると、「ウッ」と唸って、離れて行ってしまいました。寝転ぶと、またしばらくして足下へ。もともと、撫でられたり抱っこされるのが嫌いな子なのです。

 しばらくは寄ってくるのを焦らずに待って、自然な交流を積み重ねることにしようっと。

 さくらが寄りかかってくる重さを久しぶりに感じられて、うれしかったなぁ。

 「さくら、ママを忘れないでね!」

〜  午後からは晴天に 〜
2008年5月11日(日)  No.1767

さくら、行方不明!?
 今日は、某企業ブループの春の慰霊法要。加盟26社の総務部長さんたちが参列されました。

 この法要は1990年から続いていますが、慰霊碑の裏に彫った開始当時の社名も年々変わり続け、今年も現在の加盟社に即した銘板に作り直しました。両者を並べてみると、合併で長い名前に変わったり、「○○ホールディング」というように改名されたりして、1/3の社名が変わっています。経済界を取り巻く大きな変化を感じます。

 夕べから降りしきる雨の中、参列者の方々は、創業者の墓所に参拝の後、慰霊碑の前に張ったテントの中で行われた法要に参列されました。

 今週は大きな法要が続きました。


 午後は「メダカの学校」。雨のため参加者も少ない目でしたが、講師はお話が上手で、予定よりかなり時間をオーバーしたものの、聞き入ってしまいました。


 最近寝不足が続いていたので、夕食を食べてうたた寝。ようよう起きてお風呂に入り、また寝ました。

 お好み焼きを食べに行った時の駐車場で、さくらが行方不明になる夢を見ました。なぜお好み焼きなのか・・・食べに行ったことは2度ほどしかありません。駐車場は、位置的には北大路ビブレでしたが、実際とは違う鉄骨造りでした。

 ドアを開けた途端、さくらが逃げだし、いくら呼べども姿を見せません。これは現実と似ています。朝、缶詰のご飯を貰う時と夜、ボクが入浴している時以外、さくらはボクから逃げていきます。

 「あんなにかわいがってあげたのに、なぜ?」と腑に落ちない気持ちが現れているのかも知れません。

 「さくら! さくら!」と探し回って、途方に暮れた状況で、また眠りに就き、またもう一度探している夢の続きを見て、そのうち朝になりました。

 夢判断はいかに?

〜  準備の整った法要会場 〜
2008年5月10日(土)  No.1766

ヘブンリー ブルー
 正面参道を上がりきったところにある茶所の前に、西洋朝顔「ヘブンリーブルー」を定植をしました。

 この朝顔を知ったのは一昨年頃。檀家の奥さんがしきりに「ほんまにきれいです!」と絶賛されていたり、新聞にも植物園がこの朝顔でアーチを作ったという記事が載ったりと、青い花がたくさん咲く様子をイメージするだけでも楽しくなりそうな花でした。

 「この花でお参りの人を驚かせよう! 楽しませたい!」と思うようになり、今春、ネットを種を購入。5月になるのを待って種を蒔き、双葉が完全に開くのを待って定植しました。

 ボクの計画は、この朝顔の蔓を茶所の庇に向かって伸ばし、それ一面に「天空の青」のような朝顔を咲かせるというもの。参道を上がって来られた人は、その壮観さにあっけにとられ、青い色に気持ちもスカッとされるでしょう・・・うまくいけば。

 「何とかうまく育って、たくさん花を咲かせておくれ」という願いを込めて、一つ一つ定植しました。

 野良猫たちがオシッコをかけたりしないでしょうか・・・。


 4週間ほど前に発芽させようとガラスのコップに入れた蓮の実から、細い芽が出てきました。

 この蓮の実は、去年の夏、滋賀県の「草津水生植物公園」で買ってきたもの。買ったことさえすっかり忘れていたのですが、引っ越しの時に出てきたので、時期を待って水に入れてみました。

 ところが、待てども待てども発芽せず。もう腐ってしまったのかなぁと思っていたら、ようやくモヤシよりも細い芽が出てきました。しばらくしたら、浮葉が開くそうですが、このか細さからは今年は花を期待することもできません。

 でも、蓮を種から育てるなんて、何だかとても不思議で、ロマンがありそうです。大きくなったら、池の中に移して咲かせたいと思います。

〜  発芽した蓮 〜
2008年5月9日(金)  No.1765

アポ無し
 自坊のスケジュールは自分でいろいろやり繰りできますが、事務所のほうはそうもいきません。毎日、いろいろな予定が増えていって、まとまった時間が取れなくなり、大好きな外作業もままならなくなっていきます。

 一番困るのが‘アポ無し’の来訪。来られても事務所にいないことが多いのですが、逆に居る時は、何らかの事務仕事をしなければいけない時。そんな時に突然飛び込んでこられると、すっかり段取りが狂ってしまいます。

 今日も、「午後に電話をしてから来てください」と伝えておいた業者が、午前中、来訪。ボクはたまたまバイクで10分ほどのところで所用をしていたので、早々に切り上げて帰れましたが・・・。

 やっとデスクに向かえると思ったら、また来訪。玄関に出てみると、どこかで見た顔。銀行さんだと思い出しましたが、「約束したかなぁ、してないのかなぁ」と自信がなかったので、とりあえず面会し、話を聞いてみると、また漠然としたセールス。「ここに合うような商品に絞って持ってきてください」と前回も言っておいたのに・・・。

 結局、予定通りの仕事は何もできませんでした。ブツブツ。

 これからアポ無しは会わないぞぉ!

〜  猫はいつもアポ無し 〜
2008年5月8日(木)  No.1764

竹の秋
 京都の西の端、洛西で、黄色くなった竹の葉が日の光にキラキラと光っているのを目にしました。

 毎朝夕、犬の散歩をしながら、ボクの左官屋・水道屋・大工などの仕事にもの申す‘本物’の老大工さんが、昨日の朝、いまは常緑樹の落ち葉が多いという話をしていた時、「今は竹もよう落ちる。『竹の秋』というそうや」とボソッとおっしゃいました。

 失礼ながら、ハンチングにポケットのいっぱい付いたベストという出で立ちからは想像できないその言葉に、「この大工さん、洒落た言葉をご存じやなぁ」と驚きました。

 真如堂にはほとんど竹藪はなく、黒谷にはあるもののそれほど大きくはないので、大規模な「竹の秋」はなかなか目にすることができません。

 洛西から長岡京にかけては竹の産地。もちろん筍もたくさん採れます。大原野には、世界的にも珍しい竹専門の公園「京都市洛西竹林公園」もあります。

 さすがに竹の里、一面「竹の秋」で、日の光を受けた黄金色に輝く竹は、秋の紅葉にも負けないほど美しく、「竹の秋って、ほんまに綺麗やなぁ」と、しばし見とれてしまいました。

 折々に美しい光景を見させてくれるこの国の天地の恵みに、「日本に生まれて本当によかったなぁ」としみじみ思うと共に、そんな美しい光景を見逃すことのないような、しなやかで敏感な心を持っていたいと思いました。

〜  「竹の秋」 〜
2008年5月7日(水)  No.1763

精進のお弁当
 三井高利氏の315回忌祥当法要。

 まずは掃除。職員さんに任せておけばいいのですが、自分でしなければ気が済まない困った性格。

 いまは常緑樹の落ち葉がすさまじく、掃除をしても、またカサコソと音を立てて落ちてきます。それはそれで仕方がありませんが、出来るだけベストな状態へ近付けておきたく、6時過ぎから墓所や参道をブロアで掃除しました。。

 早めに出勤してくれた職員さんに本堂の雑巾掛けなどをお願いしたり、水を打ったり。気が付けば、法要1時間前。

 今日の僧衣は、例によって「長素絹」と呼ばれる、裾を1メートルほど引き摺って纏うもの。移動に不便なので、法要の時以外は裾をたぐり上げて紐で縛ります。

 ボクは「会行事」という法要の進行役だったので、法要の進め方や配役の説明を僧衆にしたり、参列される方を本堂にご案内したり、本堂と書院の間を何往復もしました。

 法要は、焼香の火が途中で消えるというハプニングがあったものの順調に執行され、新緑の中を墓前回向へも行って、魔事なく終えることができました。今日は実に爽やかな日和でした。

 お昼には、精進のお弁当を頂戴しました。「固く奢侈を禁ず」という家訓を守った、決して贅沢ではないお弁当です。

 フレンチや懐石料理などをいただく時は、貧乏性だからか、いつも多少の後ろめたさを感じます。その点、このお弁当にはいつも精神的な‘美味しさ’を感じます。初代の教えに、多少なりとも触れる気がするからかも知れません。

 今週末にもう一つ大きな法要があります。気を引き締めて、頑張ろう!

〜  今日のお弁当 〜
2008年5月6日(火)  No.1762

家祖逮夜法要
 今日は、越後屋(のちの三越)の初代、三井高利氏の315回忌逮夜法要。明日が祥当法要に先だって、毎年今日この日に行われます。

 真如堂と三井高利氏との縁は、実に奇なるものというか、絶妙のタイミング、仏縁を感じます。

 真如堂は、秀吉の政策によって寺町今出川に移転しますが、そこで2度消失します。旧知に戻りたいとの希望が、元禄6年(1693)には東山天皇の勅許により適い、以後は諸堂を建立。本堂もそれから20年近くを経て完成します。

 一方、晩年、病にかかった三井高利氏は東山の風景を日頃より愛していて、再建されつつあった真如堂に時々参詣されていたといいます。本堂はまだ建ってはいませんが、勅許が出る前から、整地作業などはおろらく進んでいたのでしょう。

 その時、高利氏はお付きの人々に、「自分の墓所は真如堂にしたい」と希望を述べられます。ご自分の墓地がここにあれば、ありがたい阿弥陀さまに拝することが出来る。子孫が参詣に来ても景色はよく、保養にもなるだろうと思われたのだそうです。
 三井家はそれまで伊勢松坂の寺の檀家でしたが、この高利氏の願いを叶えるため、子息らが両方の寺と話し合い、元禄7年4月、真如堂塔頭の檀家として迎えられました。

 そして、間もない元禄7年(1694)5月6日に逝去され、真如堂に葬られました。以来、三井家はもとより三井グループとの関係も、ずっと続いているわけです。

 高利氏の店は、現金掛値無し、反物の切り売りなどの新商法導入して繁盛しますが、その影ではかなりの辛苦を味わっておられたようです。氏が子孫に残された家訓にも、その跡が伺えるように思います。

一、単木は折れやすく、林木は折れ難し。汝等相協戮輯睦して家運の鞏固を図れ。
二、各家の営業より生ずる総収入は必ず一定の積み立て金を引去りたる後、はじめてこれを各家に分配すべし。
三、各家の内より一人の年長者を挙げ、老八分としてこれを全体の総理たらしめ、各家主はこの命にしたがうべし。
四、同族は、決して相争う事勿れ。
五、固く奢侈を禁ず。
六、名将の下に弱卒なし、賢者能者を登用するに意を用いよ。下に不平怨嗟の声なからしむる様注意すべし。
七、主は凡て一家の事、上下大小の区別無く、これに通暁する事に心掛けるべし。
八、同族の小児は一定の年限内に於いては、番頭、手代の下に労役せしめ、決して主人たるの待遇をなさしめざるべし。
九、商売は見切り時の大切なるを覚悟すべし。
十、長崎に出でて、夷国と商売取引すべし。


 今日は久々の雨。緑も雨に洗われ、晴天の明日はますます綺麗になるでしょう。

〜  法要の設えがされた本坊大玄関 〜

2008年5月5日(月)  No.1761

文殊の智慧?
 隣寺の文殊さんが、修理を終えて戻ってこられて、無料公開されるという記事が地元紙に載りました。

「日本三大文殊の一つとされる***寺(京都市左京区)の文殊菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)が、修理を終えて同寺に返され、27日から御影堂で常時公開される。5月6日までの春の庭園特別公開では、無料で間近に拝観できる」

 修理に出される前は、月1回のご開帳があり、朝の散歩の時にお参りさせていただいて、三重塔のようやく収まっておられるその雄姿に圧倒されたものでした。御前にいるだけで元気が湧いてくるような、素晴らしいお姿でした。

 運慶作と伝えられていますが、博物館の説明では、「文殊菩薩騎獅像 鎌倉時代。京都岡崎の宝幢寺の安置像で、同寺廃絶後(時期は不詳)に***寺の方丈へと移り、その後三重塔に移された」としかなく、新聞でも明記されていないので、真偽の程はわかりません。でも、素晴らしい文殊さんにかわりはありません。

 法事の合間にバイクでひとっ走りして、お参りに行きました。

 御影堂の前まで行くと、中からマイクでしゃべっておられる声が聞こえて来ました。履き物もたくさん脱いであるので、団体が来られているのかと思いました。

 中へ入ると、外陣にたくさんの人が座っておられました。文殊さんを探すと、左の結界の中のずっと奥まったところにおまつりされていて、マイクの主である僧侶も、その前で話しておられました。文殊さまの前におられるのはたった2人。外陣からはかなりの距離がありました。
 文殊さんの御前に近付こうにも、その入り口には拝観料を徴収するところがあるので、自由には行けません。文殊さんの拝観は、庭園の特別拝観とセットになっているようでした。文殊さんのお姿は、遠くてよくわかりませんでした。

 「えっ! 無料じゃないの!?」

 無料じゃないから、多くの人が外陣に座っておられたのかはわかりませんが、奥まったところで説明をする僧侶と、外陣にいる人たちとはかなりかけ離れていて、奇妙な光景でした。拝観料が要ることに、皆さんは抵抗を感じられたのでしょうか? 

 ボクも拝観料以上の御供をするつもりで行ったのですが、「有料」だといわれると、「払ってまで拝みたくないや」と思ってしまい、またバイクに乗って、すっ飛んで帰ってきました。ボクがひねくれ物で、ケチなのかも知れませんが・・・。

 「無料で間近に拝観できる」とした新聞記事もいい加減なもの。先日、この新聞社のデスクに、「最近、オタクの記者は質が落ちていませんか」と言ったばかり。そんな記事を真に受けたボクも馬鹿でした。

 文殊さんに元気を貰おうと行ったのになぁ・・・。

〜  奥まったところにおられる文殊さまとその前の僧。お参りの人は、写真を撮るボクの右側にずらり 〜

2008年5月4日(日)  No.1760

真夏日
 連休は法事も連日あって、月参りの日程のやり繰りも大変です。

 今日も9時前には山科のお檀家宅へ。「休日なのに朝早くから申し訳ないなぁ」と思っていたら、お向かいの家から読経の声が聞こえてきました。「早いなぁ。向かいのお寺さんも事情は同じかな?」とちょっと安堵しました。

 最高気温30.7度の暑い日。お墓へ行っても暑い、境内の炎天下も暑い、事務所も暑い。職員の面接に来られた方は、終始、汗をぬぐっておられました。
 「緑陰」とはよく言ったもので、ちょっと木の陰に入っただけで別世界のように過ごしやすく、離れたくないと思いました。

 植木屋、水道屋、大工、左官屋と、とにかく境内をきれいにしたいという思いから、日々変身を重ねています。毎日少しの時間しか携われませんが、コツコツやっていれば、そのうち変わってくるでしょう。

 今日は境内の整頓とプチ植木屋。草木を植えても、こう晴天続きでは心配です。「夜の間だけでいいから、雨よ、降っておくれ!」と雨乞いしたい気分です。

 手水舎の筧の水は、すこぶる順調にほとばしり出ています。暑い中訪れた人たちには、有り難く気持ちのいい清浄な水となっているようです。「キャー、冷たい!」「あー、美味しい!」という声を聞くとうれしくなります。
 実は、修理の途中で、水道屋さんはドライバーを、ボクもネジを数本、井戸の中に落としました。まぁ、味には影響はないでしょう。

 大きな法要が重なって、気を抜いてはいられないこれからの1週間です。

〜  真夏のような日差しの照りつける本堂前(携帯画像) 〜
2008年5月3日(土)  No.1758

一件落着
 手水舎関連4日目。

 朝、ポンプの電源を入れてみたら、昨日は何の反応もなかったのに、ちゃんと動くじゃないですか! 何度かテストをしても、完璧。手配して貰ったポンプをどうしようかと思っていたら、また動かなくなりました。よかったぁ!?

 水道屋さんに、「ひょっとしたら動くかも知れませんが、もう交換してください」と電話をして、檀家宅へ読経へ。帰ってきたら、水道屋さんはポンプと格闘しておられました。

 更新の写真を撮りがてら見に行くと、作業は終わって片付けの途中。これからはボクの出番。木で作った‘箱’を再び組み立てて‘トイレの器具’を覆い、長かった4日越しの修復作業をようやく終えました。

 新しいポンプは、性能的には同程度ながら一回り小さくなり、動作音も頼りないぐらい静か。早速、何人もの人が使われましたが、快調そのもの。これで当面は何の心配もなくなりました。本当にやれやれでした。

 後は縁の下に潜ったぐらいで、平穏無事に事務仕事などをこなし、更新も9時半頃には終わって、今日は安心して眠れます。

 これにて一件落着!

〜  三色の都忘れ 〜
2008年5月2日(金)  No.1757

「故障中」
 今日はお坊さん! その前に、先ず除草剤撒布。あまり早くからやっていると変に思われるので、7時まで待って、先日やり残した場所に撒布。
 途中で、手水舎の井戸が気になって行ってみましたが、やはり水は出ません。おかしいなぁ・・・。

 醍醐寺近くまで月参りに行き、帰りにJAで除草剤を購入。銀行のようなカウンターで除草剤を買うのには、どうも馴染めません。間違った三文判を持ってきてしまったので、途中で購入。免許証で身分確認をされつつ、押印して買いました。

 東山の尼寺で、「大般若転読会」の法要。浄斎をお断りしてすっ飛んで帰り、5分でご飯を食べて、1時からの法事。ダブルブッキングをしてしまっていたのを、無理をお願いして予定をずらして貰ったので、まずは平謝り・・・。

 終わって事務所に出勤。席のあたたまらないうちに、気になっていた井戸へ。いろいろやっているうちに、水を出すボタンの部品が壊れてしまいました。

 水道屋さんに在庫の確認をしたら持ってきてくださるというのでお願いし、交換して貰ってポンプの電源を入れましたが、ウンともスンともいいません。さっきまでは、「カチャッ!」という音ぐらいはしていたのに・・・。水道屋さんと井戸を覗き込みながら、いろいろやってみましたが、ダメ。

 ポンプは15〜20年使っているもの。古い機械は、それまで何とか動いていても、何かの拍子に止めると、それっきり動かなくなる場合もあるのだとか。

 職員には、「とうとう壊してしまったのですか」と疑われる始末。「寿命ですよ! ボクのせいじゃないですよ」と弁明し、水道屋さんにも「ボクのせいじゃないですよねぇ?」と無理矢理同意を求めました。

 ポンプメーカに修理について尋ねて貰うと、連休中は出張費3万円、修理代は5〜6万程度かかるだろうとか。新品を買うと定価で12万程度。10万近くかけて直しても、いつまで使えるかはわかりません。人の多い連休に水が出ないのも困ります。

 「新しいポンプと交換してください」と依頼。水道屋さんが在庫を手当たり次第当たってくれることになりました。

 手水舎の筧のために費やした日は、今日で3日。成果ないどころか、とうとうポンプまで替える羽目に。また今日も仕方なくトボトボと帰りました。

 6時頃になって、「明日、午前中に入手できますので、すぐに取り替えに行きます」といううれしい電話。持つべきものは水道屋さん! 困った時の水道屋さん頼み! 明日こそ、綺麗な水が筧から勢いよく流れ出すでしょう!

 でも、せっかく作り直した木のケースは、分解を繰り返してだんだんガタガタになってしまいました。かといって、今は作り直す気力も尽きました。

 一晩寝て、鋭気を養おう!

〜  張り紙が変わりました 〜
2008年5月1日(木)  No.1756

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