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2008年4月の日記

今日は行政書士?
 最近、「今日は何屋さんですか?」と聞かれることが多くなりました。本職はお坊さんです!
 強いて言えば、今日は行政書士? 自坊「吉祥院」の変更登記をしました。

 これまで、吉祥院の「吉」は「士+口」ではなく、「土+口」の字で登記されていましたが、住職交代に伴って銀行の口座名義などを変更するのに、ほとんどの口座は「士+口」の字になっていたので、支障が出てきました。ゆうちょ銀行などは厳密で、口座名を変えざるを得ませんでした。でも、一々そんなことはしていられません。

 そもそも、下の長い「吉」は、上の長い「吉」の俗字で、異体字でも旧字でもなく、パソコンの第二水準文字にもありません。そんな字でも登記ができていたのです。

 法務局に電話して、どうしたら変更できるのかを聞いたら、寺院規則で「士+口」の字が使ってあれば「錯誤」扱いで簡単に変更できるので、それらを持ってきてくれればいいとのこと。
 京博で河鍋暁齊の展覧会をチラッと見てから、法務局へ。その場で簡単に直せるのかと思ったら、「この通り申請書を作ってください」と書式を示されました。

 いったん帰って、申請書を作り、寺院規則と知事の認証書コピーして割り印などを押し、再び法務局へ。追記されたりしながら、何とか提出しました。決して1回では済まない法務局。近くてよかったと、改めて思いました。

 今日の京都の最高気温は28.4度。事務所に出勤して、植木屋をやったり、電気の配線を確かめに縁の下にもぐったり。暑くて疲れました。

〜  緑が澄んできました 〜
2008年4月30日(水)  No.1755

「ボタンを押しても水は出ません」
 朝、僧衣を着て歩いていると、犬の散歩をしている近所の大工さんに、「今日は左官屋ですか? 植木屋ですか?」と聞かれました。

 執事の仕事は、セメントを練ったり、木を切ったりすることではないのですが、お金のない寺は何でも業者に頼むわけにはいかず、できる範囲のことは自分でやらないといけません。まぁ、好きでやっているのですが。

 今日は、ずっと直そうと思っていた本堂前の手水舎の水道工事。

 男性のトイレの仕掛けを利用して、ボタンを押せば一定量の水が出てくるようになっているのですが、かなり痛んでいて、またボタンの位置が少し遠いため、ボタンを押して柄杓を差し出している間に水が止まってしまうという有様。

 「どうしたらいいだろうか」とずっと構想を練った末、水道管なども購入し、準備も万端。お昼前から改修に取りかかりました。

 いかにも男性のトイレに付いている器具なので、まずはそれを収納する箱作り。この構造に思案をして、今まで先延ばしになっていたのでした。
 寸法取りも済ませてあったので、早速に大工仕事。なかなか難しい作業でした。粗方出来上がったところで現場に持っていき、寸法を確認して、また持ち帰って修正作業。最終的には道具を一式持っていって、現場での調整。思ったよりもかなり手間取りました。

 箱の取り付けが済んだところで、水道管の配管。井戸のポンプでくみ上げた水を、筧から出るように配管しました。これも管の径が違っていたりして、ちょっと苦労しました。

 ほとんど出来上がったところで、通水をして確認。

 「あれぇ〜」 ポンプの音がおかしいのです。空回りしているような音がして、水の出も悪い。

 管の取り付けが悪いのかと思って、管を外してパッキングを取り替えてみたり、箱を一部分解したり。何度も何度もやりましたが、どうもポンプの音が・・・。

 「多少は出るので、まぁいいかな」と箱の蓋をして、筧を青竹に替えて、箱に「ボタンを押すと水が出ます」という掲示を張って完成!!

 しばらく、木に登って枝打ちをしたり、紫陽花の植え付けをして、再び手水舎に戻ってボタンを押してみましたが無反応。

 「ありゃりゃ。これはあかんわ」と、また箱の蓋を外して点検。最初はきちんとなっていた箱が、だんだんおかしくなって来てしまいました。

 いくらやっても、井戸のポンプの音が直りません。「これはひょっとして、井戸の水が減っているのかも知れないなぁ。明日まで、水位が回復するのを待とうかな」と、今日はギブアップ。

 せっかく苦労をして改修したのですが、今日はここまで。「張り紙を、『ボタンを押しても水は出ません』に替えなければいけないなぁ」などと考えながら、仕方なく帰りました。

 残念無念。

〜  手水舎の掲示と青竹の筧 〜
2008年4月29日(火)  No.1754

半日花の旅
 所用で長岡京まで行きました。

 長岡天神の前を通りがかると、真っ赤な霧島つつじが目に飛び込んできました。車をちょっと止め、正面の参道に駆け上がって眺めると、燃えるような霧島つつじが参道を覆っていました。盛りは過ぎていましたが、真っ赤な花に包まれて、体の中が熱くなるような気さえしました。

 もう少し走ると、乙訓寺の牡丹が満開とか。急いでいたのですが、こんな機会は滅多にないだろうと、見に行くことにしました。
 寺のほうへ進もうとすると、警備の人に制止されました。説明されて反対側を見てみると、大きな駐車場が出来ていました。いつのまに・・・。

 中に入ったのは初めて。門を入るなり、牡丹だらけ。赤、白、ピンク、黄、チョコレート色などの大きくて柔らかそうな花が数限りなく並んでいました。こんなにたくさんの牡丹を見たのは初めて。「ちょっと多すぎかな」とも思えるほどでした。
 柔らかい花に囲まれて、今度は心が柔らかくなりそうでした。

 帰り道、松尾大社の前を通ると、今度は山吹が満開とか。ここまで来たら、今日はとことん花尽くし。境内には八重の山吹がたくさん咲いていました。夕方の傾いた日の中で見る山吹は、少し幻想的。山吹のように、しなやかな心になりたいと思いました。

 今日は所用で出かけたつもりが、思わぬ花旅になりました。霧島の赤、牡丹の赤や白、そして山吹の黄色。いろいろな花に包まれ、忙しい毎日の中、夢のような時間でした。

 最後に、帰りに通りがかったホームセンターで、終わりかけの霧島つつじの苗を買いました。先日来工事をしていた排水溝のところにつつじを植えようと、以前から考えていたのです。何だか長岡天神の参拝記念の植樹のようですが・・・。早く大きくなって、お参りになった方の目を楽しませて欲しいです。

 思わぬ花の旅の半日でした。

〜  長岡天神の霧島 / 乙訓寺の牡丹の看板 〜
2008年4月28日(月)  No.1753

うたた寝
 夕食を食べて、こたつで少し休憩のつもりが、2時間半も眠り込んでしまいました。その間、まったく気づきもせず。こんなことって、初めてです。

 最近、ちょっと気張りすぎかも・・・。

 今朝も6時から参道に除草剤をまきました。若葉が美しいのはいいのですが、その分、草も生え、参道は一気に草だらけ。石畳の間は刈払機でもうまく枯れないので、職員さんに「除草剤を撒きますから」と宣言した手前、早く撒かないと・・・。2時間近くかかって、30リットルを散布しました。

 その後は、月参りや法事。夕方に戻って、明日の法事の準備をして、ご飯を食べて晩酌をしたら、コテチン!

 こんなに寝てたら、頑張っても帳消しやなぁ・・・まぁ、ええかな。

〜  お気に入りの晩酌グラス 〜
2008年4月27日(日)  No.1752

曼殊院晋山式
 曼殊院の晋山式と祝賀会。

 狭い曼殊院での法要にはごく限られた人しか参列できませんでしたが、ボクは幸運にも貫主の随行として参列。庭の真っ赤な霧島つつじが印象的でした。

 祝賀会は520人が参加する盛大なもの。

 「真如堂はこんな真似は出来ないから、もっと質素にやろう」と塔頭から参加した何人かの人たちとささやき合いました。

 4時過ぎ頃、事務所に寄ってから本堂の前を通って自坊に帰る折、セメントが乾くまで養生のために置いてあった排水溝のバリケードを撤去しました。まだ乾ききっていませんが、もう人が乗っても大丈夫。ようやく一段落したという実感が湧いてきました。

 雨が待ち遠しい!

〜  曼殊院の霧島つつじ 〜
2008年4月26日(土)  No.1751

青葉のもと、境内の作業進む
 今日はほんまに忙しかったぁー。くたびれたました。

 先日来取りかかっていた排水溝の工事、今朝、仕上げてしまわなかったら連休の人の多い時期に差し掛かってしまうため、7時半から取りかかりました。

 早朝から砂を運んだりセメントを練ったりするのは、さすがにくたびれました。

 作業を進めていると、本堂前の、消火用配管の穴の補修に業者が来てくれました。3月の本堂での葬儀の際、テントの杭が見事に配管に命中! やっと今日、その補修です。

 防災設備会社の責任者が早くからやってきて、走り回りながら現場指揮をしてくれました。すでに定年を過ぎているらしいのですが、「この人に辞められたら困る」と思うような、信頼できる、たたき上げの方です。

 本堂の裏からは、植木屋さんのチェーンソーの音も聞こえ、境内はあちこちで作業をしている様相。
 穴を掘るユンボの音を聞きながら、ボクの作業も順調。ようやく完成して、片付ける作業をしていると、10時半に約束をしている方の姿が見えて大慌て! まだ30分以上も早いのに!

 急いで帰って、サッとシャワーを浴びて着替え、事務所に走りました。5月の法要の現場確認と打ち合わせ。法要後に出す食事の下見のため、昼食を兼ねての会議でした。

 終わってしばらく事務仕事をしようと思っていたら、次に予定していた来客が、やはり少し早い目にお越しになりました。上場企業の会長が、会社の創業者の墓前回向をして欲しいということで、2ヶ所で回向。さわやかな新緑を目にして喜んでおられました。

 お見送りをしてすぐに、次の来客。何とかしてこの時間にはめ込んだアポでしたが、会ってよくよく話を聞いてみると、銀行の金融商品のセールス。3人も来られていろいろ説明して貰いましたが、今ひとつよくわかりませんでした。1時間も取られちゃった・・・。

 終わって、「源氏物語千年紀展〜恋、千年の時空(とき)をこえて」展のオープニングに出かけました。人が多くてよく見えない上に、目がチカチカしてよく見えません。レセプションもそこそこに、すぐに引き上げました。

 今日は、ホッとする時間がほとんどなく、本当にくたびれました。でも、快晴のもと、境内の様々な作業が進んだ実感がして、達成感がありました。

 「春眠暁を覚えず」、朝も昼も、ほんまに眠たい。

〜  本堂前の配管の補修作業 〜
2008年4月25日(金)  No.1750

保健所と一戦交える
 昨日に続いて、墓地の所有者・管理者の変更手続きのため、保健所へ行きました。

 窓口へ行くなり、昨日受理されたはずの書類に間違いがあったと言われました。昨日は書類を受理するのに4人がかりででやっていたのに、確認不足なんて・・・。

 間違っていたというのは、墓地の住所。10数年前に出した書類に、墓地の所在地が「真如町1−1」と書いてあるので、その通りにして欲しいというのです。
 「真如町1−1」という住所は少なくとも50年以上前にはすでになく、今の真如堂の地番は墓地も含めて「真如町82」。今回も「真如町82」で書類を出したのですが、「真如町1−1」でないとダメだというのです。
 前回も同じ経緯で、一度「82」で出して、訂正印を押して「1−1」に修正してあるそうです。

 「1−1」などという住所は現存せず、登記簿謄本も「82」なのだからと言っても、「以前と同じにしてください」と譲りません。住所表記が変わったのは行政サイドの都合なのだから、そっちで変更するべきだと言っても、保健所は受け付けるだけで、変更は本庁へ行ってもらわないとできないと。

 「現存しない住所でも構わないから、とにかく以前の通り」という、まったく形だけの変更届。何のために出しているのかわかりません。
 馬鹿さ加減に呆れてしまって、「これ以上は行政サイドで解決してください。うちの問題ではないですから」と言い切って保健所を後にしました。

 後で、ボクが外回りをしている間に、担当者が雨の中を自転車に乗って寺まで訂正印をもらいに来たそうです。もっと違うエネルギーの使い方があるだろうと思うのだけど。


 今日は雨。先日来工事をしていた排水溝がうまく流れるか、何度も見に行きました。首尾は上々。明日は晴れるので、仕上げです。

 でも、雨のため、更新用の写真を撮るには一苦労。夜も、お通夜や町内の会計監査があって、ゆったりと更新する時間はありませんでした。

 思いっきり寝転んで、写真が撮りたいなぁ! ゆっくり、更新作業をしたいなぁ・・・。

〜  大文字山も‘笑い’だしました 〜
2008年4月24日(木)  No.1749

擬音装置
 先日、600人の人が2日間にわたって研修に来られた時、境内の施設の水が一気に減って、タンクの水が減っている警告ブザーがなりました。タンクの中には8トンもの水が溜まっていたのに・・・。

 秋になると、大勢の人が拝観に来られ、書院の水が枯渇してトイレの水が出なくなったりするため、ここ数年は一部のトイレを閉鎖せざるを得ませんでした。書院にも2トンのタンクがあるのに・・・。

 先日来、本堂の前の屋外トイレの前で排水工事をしていましたが、そこでトイレの使い方を目の当たりにして、「やっぱり・・・」と思ったことがありました。
 それは、ほとんどの女性は、トイレの水を2回流すということです。3回流す人もありました。目的は「音消し」です。

 仮に、先日研修に来た人の半分、1日150人の女性がトイレに行き、それぞれが3回水を流したとしたら、その水の量は、1回15リットルとして、6750リットル。ごく短い間にトイレを使いましたから、水の供給が追いつかず、減水の警告が出たのでしょう。

 調べてみると、女性は1回のトイレ使用で平均2.5回水を流すそうです。このうち1.5回は「消音」が目的です。

 「音消し」のために、1回につき15〜20リットルほどの水が流されているわけです。年間を通して考えると、その費用たるや莫大に違いありません。もちろん、資源の無駄ですし、環境にもやさしくありません。

 トイレ擬音装置を付けことも考えました。某企業が全国の事業所に「音姫」を1500台ほど設置したら、それだけで水道料金が年間約6400万円も削減できたとか。すごい効果がありそうです。
 でも、1台1万円程度。15台ほど必要ですし、外のトイレは盗られる可能性も少なくありません。

 いろいろ考えましたが、とりあえずは「トイレの水は、1回だけ流してください。『音消し流し』は、やめてください。汚物は紙にくるんで、汚物入に捨ててください」という掲示で対応することにしました。少しは効果があるかも知れません。

 擬音装置は日本だけで販売されているのだそうです。トイレの音を気にするのは、日本人ばかり? 日本女性は恥じらい深いのでしょうか? 素直にはうなづけませんが・・・。

〜  中庭に咲いたレンゲの花 〜
2008年4月23日(水)  No.1748

唐種招霊、開花
 1時の法事の方が、「とりあえずご挨拶に」と11時頃にお越しになりました。

 ボクは外回りから帰ってきてところで、少しでも排水工事を進めたいと作業着に着替える寸前。ご挨拶をして、「さぁ、やるぞぉ!」と本堂前に向かったら、その方々が散策をされていました。

 汚い格好に頭にタオルを巻いた出で立ちでは‘住職’のイメージに傷が付くでしょうから、あまりお会いしたくありません。かといって、いつその場を去られるかわかりません。

 はやる気持ちで作業に取りかかり、その方々が近付いてこられたら後ろを向いたり、よほど‘危ない’時には緊急避難。ようやく30分ほどしたらお昼でも食べに行かれたのか、境内をあとにされました。
 「あー、これで安心して作業が出来る」と思ったら、もうお昼。法事まで時間もないので、作業はお預けです。

 法事を終えて作業にかかるも、銀行や取材などの対応で、中断。今日中に目処を付けておかないと、明日の夜からは雨とか。日が少しずつ傾いてくる中、5時半頃まで作業を続け、ようやく一区切りつくところまで仕上げました。作業は9割方完成。後は雨が上がるのを待って、仕上げです。

 埃っぽい体でトボトボと自坊に向かい、門の前まで来たら、何とも甘い香りが漂ってきました。すぐにその甘い香りの正体に目星は付きました。

 「えっ! まさか、こんなに早く!?」と驚きながら、少し戻って、その‘正体’のところへ行くと、咲いていました「唐種招霊(からたねおがたま)」。その香りゆえに「バナナの木」とも言われます。熟したバナナの香りにしているというのです。

 夕陽の中でみた唐種招霊は、何とも不思議な美しさで、その香りに疲れも消えていく気さえしました。

 皆さんにお裾分けしなきゃ! 明日、去年作った「唐種招霊が咲きました」という看板を出そうっと!

〜  唐種招霊の花 〜
2008年4月22日(火)  No.1747

ドタキャンにダブルブッキング
 月参りを忘れてしまいました。

 先方の都合で今月は日が変わったのですが、今日に変わっていることはちゃんと手帳にも書いてあって、朝もそれを見ていたのに・・・勘違いしちゃった・・・。

 先方からの電話でやっと気が付きましたが、結局、今月はお休みに。誠に申し訳ありません。

 ショックは続きました。

 もう一度、予定が書いてあるホワイトボードを確認したら、今度はダブルブッキングが発覚。他のお寺の法要への出仕と檀家さんの法事の日程がドンピシャ。
 土・日は注意しながら法事シフトを組んでいるのでそういうことは起きないのですが、ウィークデイだったので確認がおろそかになったのです。

 すぐに檀家さんに電話。法事の時間を何とかずらして貰うように依頼しましたが、当然先方は不機嫌に。そりゃぁーそうです。ボクだったらキレているかも知れません。

 とにかく平身低頭。電話の前で何度頭を下げたか。

 スケジュール管理には気をつけていたつもりだったのですが、‘大穴’が空いてしまいました。基本中の基本で大失態。2つの‘事件’ですっかり意気消沈。撃沈。

 「部屋が散らかっているから、注意が散漫になるのかも知れない」と、気分転換を兼ねて、夜遅くまで引っ越し以来そのままになっている段ボール箱などを整理しました。

 でも、・・・

 「あかん、今日は立ち直れない・・・」

〜  茶所前の猫たち 〜
2008年4月21日(月)  No.1746

祝いの席
 外回りの帰りにホームセンターに寄って、セメントを購入。バイクに乗せて帰りましたが、ちょっとセメントの袋を抱えたら、黒い僧衣の前がセメントだらけ。叩いても取れないので、衣をクリーニングに出さないと・・・とほほ。

 法事を終えて、早速、昨日の続きの土建屋仕事。思いっきりセメントを使えたので、今日は作業も順調。7割程度完成です。


 夜、バカボンの仲間たちが住職就任の祝いの席を開いてくれました。

 大切な祝いだというので、リッチなお店での懐石料理。もちろん、とても美味でした。また、黒柿製の香盒を記念品として頂戴しました。ボクの宝物にさせてもらいます。

 10数名のメンバーのうち、住職でなかったのはボクだけでしたが、これで全員住職。上は76才、下は51才。宗派もバラバラの会ですが、20年来一緒にやってきた、心から気を許すことができる仲間です。

 実に楽しい時間でした。


 土建屋の時に失敗して石で詰めた指が、お酒の呑むとズキズキ。見てみたら、爪の中がほんのり紫色になっていました。

〜  黒柿の香盒 〜
2008年4月20日(日)  No.1745

土建屋
 朝から、排水管の工事。大雨が降った時にトラブル本堂前の排水を、うまく流すために20センチの配水管を埋設することにしました。

 石畳をめくって穴を掘るのですが、水を含んだ赤土は結構な重さ。それを、手押し車5杯分、運び出しました。

 11時、12時に法事。何食わぬ顔で自坊に戻って、粛々と読経。終わって、また穴掘り。

 ところが、袋いっぱいあると思っていたセメントが長い間置いてあったために硬化して、まったく使い物になりません。セメントがないと、何も進みません。大誤算です。

 仕方がないので、セメントがなくても出来ることを先にしようと、とりあえず配水管を埋設して、石畳の復旧をしました。

 場所はちょうどトイレの前。「あのー、トイレ使えますか?」と何人の人にも聞かれました。通りがかりの散歩の人や犬の散歩をする人には、「いやぁー、おっさん! 何をなさっているのですか!?」と聞かれ、その都度、工事の目的を説明。結構長い時間を、説明に取られました。

 とにかくセメントを買いに行くまで、工事はお預け状態。完成は来週半ばになってしまいそうです。それまでに雨が降らなければいいのですが・・・。


 夜は、居酒屋で小学校の同窓会の幹事会。小学校卒業40周年記念の同窓会を9月にすることになりました。

 幹事は地元に残っている者ばかりですが、顔を合わせることもごく稀。みな久しぶりでしたが、すぐに昔に戻り、女性たちなど何も気にする風でもなく、よく呑むわ食べるわ。「ラストオーダーです」と言われるまでワイワイやって、9月の本番までにあと2回も集まることになりました。

 みんなオッサン、オバサンになってるなぁー。

〜  工事現場 〜
2008年4月19日(土)  No.1744

プレゼン2日目
 今日も某都市銀行の新入社員研修。ろうそくの明かりで、パワーポイントを使ってプレゼン。午前2組、午後2組の合計4回、300人ほどのフレッシュマンに話をしました。
 次は、6月と7月に4日間、700人ほどを相手に話をしなければなりません。

 今回のプレゼン資料も途中で手直しをしようと思うところがあったのですが、万一、データーや機械が正常に動作しなくなるなどということがあると困るので、そのまま使い続けました。

 今回の研修の対象は、自宅から1時間以内の勤務地を希望している新入社員、次は全世界中どこへでも行きますという新入社員。次に来る人が、会社にとっては幹部候補生なのでしょう。

 研修のわずかな合間に「今日の散歩道」の写真を撮りました。僧衣姿なので寝転んだりすることも出来ず、日が差すことのない曇天に時おり小雨が降ったりで、満足な写真は撮れませんでした。

 まぁ、しょうがないなぁ・・・。

〜  今日も本堂前のフレッシュマンたち 〜
2008年4月18日(金)  No.1743

新人研修
 某都市銀行の新入社員研修で、今日・明日、600人のフレッシュマンが真如堂に訪れます。真如堂にはその創業者一族の墓所や関連グループの物故者員慰霊碑があります。

 今日は半分の約300人が4つの班に分かれて参拝。本堂での説明の後、書院や墓所などを巡りました。

 本堂の説明はボクが担当。新たに買ったプロジェクターとスクリーンにを使って、先日来準備してきたプレゼン資料を投影しながら説明しました。

 本堂は映写のために少し扉を閉めて薄暗くしているので、ノートPCのキーが見えません。手元用の明かりもないので、燭台に蝋燭を立ててのプレゼン。新旧のツールを駆使した説明になりました。

 銀行という職種ゆえか、女性のほうが少し多目。男性も女性も、みな黒いリクルートスーツを着ていて、一見みな同じように見えましたが、鞄やショールなどにはそれぞれの個性や工夫が出ていて、安心しました。

 午前中はかなりの雨で墓所参拝などの予定をカッとしましたが、午後からは小雨になり、予定通りの研修ができました。

 本堂や書院の中で大勢の人をぶつからないように回っていただくのは、なかなか大変。職員が一丸となって対処してくれて、無事に今日の研修を終えることができました。


 夜は、その職員の歓迎会。貫主、執事、職員合わせて6名が2月以降に就任。それ以前から勤めておられる5人を上回りました。最も若い人で50才。一番年上は貫主の80才、職員では76才。平均年齢は60代半ば〜後半でしょうか。

 第2、第3の職場であろう真如堂。申し訳ないほど安い給料にも関わらず、みなさんが一所懸命やってくださっている熱い思いが伝わってきました。

 それぞれの個性がぶつかり合うこともままありますが、みんなで真如堂をもり立てて行きたいという思いを新たにしました。

〜  本堂前のフレッシュマンたち 〜
2008年4月17日(木)  No.1742

初草刈り
 今年初めての草刈りをしました。

 桜の葉が出てくるのに歩調を合わせるように、草も一気に伸びてきました。

 草はみな鮮やかな新緑色で、やわらかそう。せっかく春を待ちわびて伸びてきた草を刈り取ってしまうのは忍びないのですが、放っておくわけにもいきません。

 久々に使う草払い機でしたが、順調にエンジンがかかり、次々と草を刈り取っていきます。草はまだ柔らかいのでいとも簡単。

 刈っていくうちに草の匂いが漂ってきます。すごく匂う草もあれば、匂わない草もあります。その匂いに包まれて、あらためて春を楽しむことができました。
 夜、またその場所を通りがかりましたが、草の匂いはまだ漂っていて、また春の香りを楽しませてもらいました。

 境内は新緑へ。やわらかな緑の下を歩いているだけで、身心が浄化されていくような気がする季節の到来です。

〜  黒文字の新緑 〜
2008年4月16日(水)  No.1741

よう働いたなぁー
 今日はよく働いて満足のいく1日でした。

 毎月15日7時は真如堂一山の本堂出頭日。お勤めを終えて、自坊の参道に落ちている桜の花びらの掃除。

 また、今日は六阿弥陀巡拝日。本堂で回向をしなければなりませんが、しばし貫主にお願いして、その間に月参り。

 帰って本堂に行く途中で、首輪を付けていない迷い犬発見! 結構年老いた感じのラブラドールでした。「おいで!」と言うと寄ってきて、手を舐めたり、賢くお座りをしたり。周りを見回しましたが飼い主の姿は見あたりません。
 ボクが本堂に上がると一緒に着いて上がってきて、中に入ろうとします。たくさんのお参りの人は、ボクが犬と遊んでいるように思っておられるので、「いや、この子は迷子なんです」と何回も説明しました。

 本堂の廊下でお参りの方と一緒に‘拘束’して、職員にロープを持ってきて貰い‘捕獲’。本堂前の沙羅の木の囲いにロープの端を括り、バケツに汲んだ水を側に置きました。

 近所のラブちゃんを飼っている家や獣医さん、警察に連絡をしてもらいましたが、心当たりはないとか。警察は派出所に連れてきて欲しいと言ったようですが、連れて行って、後はどうするの?

 回向をしに本堂に戻り、お経を読みましたが、時々泣き声がするのが気になって、お経に集中できません。一区切り着いて外を見たら、ラブちゃんがいない・・・。白い服を着た男性が、迷子になっていた自分の犬だと連れて帰ったそうです。お礼ぐらい言ってもいいんじゃない!

 午後からは、ずっと気になっていた、お堂の屋根に積もった枯葉の除去作業。天気もよく、屋根の上はすこぶる暑い! 一気に汗だく。今まで見たことのない位置から大文字山を見たり、「涅槃の庭」を見たりもできたので、すごく気分爽快でした。

 さて、お次は中途半端になっていた弁天様の祠の屋根のペンキ塗り。後ろ半分を塗って完成! ついでに祠の中を覗いてみたら、きっと盗まれているだろうと思っていた弁天様がちゃんと鎮座されていてビックリ! 生まれて初めて、この弁天様を目の当たりにしました。

 やっと事務所に出勤して、ちょっと事務仕事。定時になって、職員の皆さんが帰ってから、ボクも帰宅。

 帰ってからは、ひたすらプレゼン資料作り。パワーポイントなんて、滅多に、久しく使わないので、四苦八苦。日付が変わるまでかかって、何とか目鼻が付きました。
 「どうせ『メダカの学校』でも使うから」と、今回、プロジェクターとスクリーンを購入しましたが、今日、届いたばかりで、まだ使ったこともありません。明日、デモをしてみないと・・・。

 気が付いたら1時過ぎ。あかん。また寝不足や・・・。

〜  迷子のラブちゃん/薬師堂の上から見た東山 〜
2008年4月15日(火)  No.1740

やがてかなしき桜かな
 外回りのついでに、西陣の雨宝院に桜を見に行きました。

 「西陣聖天」とも呼ばれる雨宝院は、西陣の中にある小さなお寺。境内いっぱいに所狭しと桜が植わっているので、この時期は訪れる人が多目です。

 狭い境内は、山門の工事中とあってなおさら狭く感じられ、優雅な雰囲気はあまりありませんでしたが、歓喜桜などが満開。花で溢れていました。御衣黄はまだ2分咲き程度でした。

 「この寺はいつからこんな桜だらけになったのだろう」と、ふと思いました。

 桜の樹齢から見て、少なくとも40〜50年前以上の住職がいろいろな桜をお植えになったのでしょう。「花がお好きだったのだろうか」「皆さんに見てもらいたいと思われたのだろうか」などと、いろいろ想像されます。

 桜を植えたご住職自身も、こんなに桜だらけの境内になるとはきっと思っておられなかったでしょうし、桜を見に全国からたくさんの人が来られるようになるなどとは想像だにされていなかったでしょう。全国から来られるようになったのは、ネットの影響でしょう。

 木を植える時などには、ボクはいつも思います。「この木が大きくなる時、ボクは生きているだろうか?」と。
 「いま、ここにこれぐらいの木があれば、どんなにいいだろう」と思うこともあります。

 1年のうち、ほんの一時だけもてはやされ、後は毛虫が枠とか落ち葉掃除が面倒だとか、結構邪魔者扱いされることも多い桜。人間って、本当に勝手なものだと思います。

 木を見ていると、考えることが尽きません。

〜  御室桜と同じという歓喜桜 〜
2008年4月14日(月)  No.1739

学生街の中華
 朝、月参りに伺う予定の檀家さんから電話。「おばあちゃんが転けて額を切ったので、いまから救急車を呼ぼうと思っています。すみませんが、今日は中止に・・・」

 ビックリ! でも、救急車を呼ぶ前にうちに電話をしてこられるくらいだから、症状はごく軽いのだろうと安堵。

 お話好きなおばあさんなので、今月お目にかかれないのは残念。


 法事まで少し時間があったので、職員と一緒に溝掃除。長い間放ってある溝には土が溜まり、草が生え、とても満足に水が流れる状態ではありませんでした。いくら溝があっても、管理しなければ無いのと同じ。

 梅雨や夏の夕立までに、境内の排水関係を点検整備したいと思っていますが、改善箇所は山ほどあって、なかなか追いつきそうにありません。


 夜、久々に友人と食事。

 先方はバスで移動中。「どこにしようか?」とメールで打ち合わせながら、バス路線上のお店を検討。臨時休業などで二転三転して、結局、京大近くの学生街の中華料理屋さんに落ち着きました。

 ちょっと懐かしいような雑居ビル。昔は大きいコピー屋が入っていたかな? カウンター7〜8名と2人掛けのテーブルが2つという小さいお店。もちろん雰囲気などは度外視。お昼や夜の定食もある学生向けのメニューの中に本格的な一品メニューがあり、どれも安い。

 「雰囲気は期待できないけど、美味しいから」という言葉通り、お料理は美味しく、そのまま有名中華料理店で出されても、何の遜色もない感じでした。

 観光地の高かろう、不味かろうという店とはまるで違う、常連さんたちで保っているお店。その地道さと偽りのなさ、そして何よりも美味しさ。ゆっくり出来るお店ではありませんが、いい店を教えてもらいました。

 外はかなり強い雨が降り、歩いていてもズボンの裾がびしょ濡れになるほど。「うまく水が流れているかなぁ・・・」と思いながら、美味しい中華をいただきました。

〜  懐かしい雰囲気のビル内の看板 〜
2008年4月13日(日)  No.1738

百花繚乱
 33才で客死された女性の1周忌納骨の法事。ご両親、親族はもとより、友人たちも遠方から参列してくださって、勤めました。

 僧侶として、子供を亡くされたり、事故や自殺といった時ほど、「自分に何がさせていただけるだろう?」と思うことはありません。
 結論的には、信仰と時間が解決してくれるとは思いますが、それまでのご遺族の悲しみは察するに余りあります。

 納骨を終えた皆さんは、ご自宅でお餅つきをして、その後、お祖父さんの米寿の御祝いをされるのだとか。悲しみに親族の皆さんが肩を寄せ合って励まし合っておられる様子がよく伝わってきました。

 人生、悲喜こもごも・・・。Our sincerest laughter,With some pain is fraught.

 『阿弥陀経』には、「極楽では、つねに天上の音楽が奏でられている。大地は黄金でできていて、綺麗な曼陀羅の花が降りそそぐ。また、白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利・迦陵頻伽・共命などの綺麗な鳥がいて、それぞれに優雅な声でさえずる。さわやかな風が吹きわたり、さまざまな宝の並木や宝の飾りを吹き揺るがせて、妙なる音楽作り出している。それは百千種もの楽器が同時に奏でられているようであり、この音色を聞く者は、だれでも自ずから仏を念じ、法を念じ、僧を念じる心を生ずるのである」と、極楽が麗しく飾りたてられている様子が記されています。

 折しも、境内は百花繚乱。極楽はさらに麗しき世界なのだろうなぁと思いながら、苦しみや悲しみが常に底に横たわる人生に思いを致しました。

〜  木蓮や桜、新緑境内 〜
2008年4月12日(土)  No.1737

‘ごった煮’の日
 今日はいろいろなことをした1日でした。

 まずは真如堂の事務所に出勤。その後、出入り業者と路上で待ち合わせて領収証を受け渡し。檀家への月参り。消防署へ届出書類の提出。銀行振り込み。竹屋さんに寄って、垣根に使う竹の発注。
 東山の某門跡寺院で、明治天皇の皇后の法要に出仕。今回から前住職に代わって出仕することになりました。法要後にいただいた御斎も美味しかったです。
 京都府庁へ行って、文化財保護課で国指定文化財の補助金の資料提出と府指定文化財の補助申請。文教課へ行って、江戸時代以前の建物の修復補助の相談。補助金もらえるかなぁ・・・。
 檀家宅へ月参りをして、また事務所へ戻って一仕事して、ようやく自坊へ。

 いろいろなことが進んだ気がしますが、頭の中が‘ごった煮’になりそうで、テンポ良く頭の切り替えを要求された日でした。

 こういう日の疲れ方は、例えばペンキ塗りをして疲れた時とはまた質が違います。ボクは庭師や大工をしているほうが性に合っているなぁとつくづく思います。

〜  花びらを敷き詰めたような参道 〜
2008年4月11日(金)  No.1736

春驟雨
 夜来の激しい風雨に、またもやトタンがバタバタ音を立てたり、‘何か’が飛ばされたりしている音で、何度も目が覚めました。

 「早くトタン屋根の修理をしなければ」と思いつつも、まずは境内の整備のほうを優先してしまって、部屋の片付けさえぜんぜん進んでいません。

 雨は降り続きましたが、お昼前には少し上がりました。最初は車で月参りを回っていましたが、雨が上がるのを見計らってバイクに乗り換え、車の置けないところを回ることができました。グッドタイミングでした!。

 午後からはまた雨。境内では地面に落ちた桜の花びらが水紋を作っていて、とても綺麗でした。

 お花見の人が座って休めるようにと出してきた床机は、すっかり野良猫の安堵する場所になっています。猫は真如堂の名物になった感があります。

 今日も配水管の流れ具合や樋の様子を見て回りましたが、修理すべきところがあまりにも多すぎて追いつきません。そんなところをすべて自分で直していたら、自室の整理など何年先になるかわかりません。

 「常駐の大工さん、瓦屋さん、庭師さん、水道屋さんがいてくれれば・・・」と最近頓に思います。

〜  床机に陣取る野良猫(携帯画像) 〜
2008年4月10日(木)  No.1735

ペンキ塗り
 昨日、蓮の植え替えをしている時、弁天様の祠の屋根が錆びて汚いのが気になったので、今日はペンキ塗り。弁天様に失礼して、屋根に登らせていただき、ペンキを塗りました。

 午後からは天気も回復し、屋根の上で作業をしていると暑い、暑い。

 ペンキの色は緑青色にしようと思い、ホームセンターでペンキを買ってきたのですが、塗っている途中、職員さんに「どうですか、この色?」と聞くと、「もう一回塗るんでしょう? ちょっと薄いのと違いますか?」「下塗りなんでしょう?」という答え。

 「色の選択を間違ったかなぁ・・・」と思いつつ片面を塗って、今日はここまでとしました。

 池はますます桜の花びらだらけ。今夜は嵐になるとか。桜の季節も今日で終わりです。
〜  緑青色に塗り替えた弁天様の屋根 〜
2008年4月9日(水)  No.1734

蓮の植え替え
 以前から気になっていた池の蓮の植え替え。

 本堂脇の池の真ん中の「プラスチック製成型池(池を作るときに地中に埋めるもの)」に蓮が植えてあるのですが、ここ数年はすっかり放ったらかし。花も咲かず、プラスチック製容器も景観を損ねていました。

 今日はお釈迦さまご生誕の日。「蓮を植え替えるのなら花祭りに!」と何となく思っていました。
 昨日からの雨はあがったものの、さして温かくはありませんでしたが、植え替える時期はもう限界。決行です!

 蓮のプラスチック容器は、水深3メートルほどある池の中に設えた石の台の上に乗っていて、岸から1メートル余離れています。不格好なプラスチック製の容器を撤去して、代わりに火鉢を置き、そこに蓮を植える計画です。

 「どうやってあの台の上に乗り、重たい土を運搬しようか・・・」と考えたあげく、梯子を岸から石の台に渡し、梯子がずるずると水中に落ちていかないようにロープで固定。石は水垢で滑るに違いないので、いつ水中に落ちてもいいようにライフジャケットを着用する。

 先日来、海の事故が続いていますが、海の男たちでも命を落とす水の怖さ。まして、カナヅチのボクなど、服を着たまま池に落ちたら、きっと溺れてしまうに違いありません。そこで、考えたのがライフジャケットの着用。宗派の青年会が、子供たちのサマースクール用に所有しているライフジャケットを借りてきて着用すれば、落ちたって平気!

 早速借りてきましたが窮屈。どうも子供用のようで、関節でも外さなければ着用できないほど。それでも無理矢理着込みましたが、自由に動きが取れないような窮屈さ。仕方ありません。

 梯子を掛けて池の中の石の台に移動。大きなプラスチック容器いっぱいの泥土をバケツに入れて梯子づたいに岸へ。見かねた職員が手伝ってくれたので、作業は順調! 泥の中から蓮根を分別して、植え替え用に取り置きました。

 泥土は腐敗していて、クサイ! 時々顔に跳ねたりして、顔も泥の跡だらけ。落ちそうになること数回を切り抜け、バケツリレー15回余で、プラスチック容器の泥土はすべて搬出しました。

 無理矢理着込んだライフジャケットは、時々、「ブチッ!」と鈍い音を立てて明らかに破壊されつつある様子。
 「ひと一人の命を守るのなら、ライフジャケットも壊れて本望だろう」と訳のわからないことを考えながら、最初窮屈だったジャケットは、だんだん‘着心地’がよくなってきました。

 庭の奥の方に転がっていた直径60センチほどの火鉢を運んできて、梯子の上を滑らせながら池の中に配置。腐葉土などを集めてきて中に詰め、さっき分別した蓮根を植え付けました。

 大成功! わずか2時間ほどで、数年間「何とかしなきゃ」と思っていた蓮鉢を更新することができました。蓮根が小さいので、今年咲いてくれるかどうかはわかりませんが、以前よりもずっと景観もよくなるでしょう。

 一つ片付ければまた次が気になり、「明日は錆びてきている弁天社の屋根にペンキを塗ろうかなぁ」「本堂の照明も直さなきゃ」とやることに限りがありません。

 手は洗っても洗っても泥の匂いが消えず、さくらも顔をしかめるほどでした。

〜  桜の花びらが浮かぶ池での作業 〜
2008年4月8日(火)  No.1733

 今日はバイクで外回り。

 朝、気象レーダーを見ると、岡山辺りまで雨雲がやってきていました。「昼までには確実に雨になるなぁ」と覚悟して、いざ出陣。

 1軒目のお宅で、「雨になりますよ。早く回られたほうがいいですよ」と言われつつ長話。ボクが小学校の頃にお習字を習っていた先生が、昨年末に亡くなったことを知りました。40年近くもお会いしていない先生ですが、今もしっかりと記憶に残り、なぜかそのお家の匂いまで覚えています。

 2軒目でも、また話し込み、「降ってきますね」と外に出て言っていたら、ポツリと来始めました。

 本降りになる前に3軒目にたどり着けるだろうと思っていたら、いきなり本降り。植物園脇の「半木の道」の紅枝垂れの見頃が近付いていることを横目で見ながら走っていたら、着く頃にはびしょ濡れ。3軒目は祇園の歓楽街のまっただ中。午前中は搬入業者の往来ぐらいしかなく、ひっそりしていました。

 読経をして外に出たら、ますます本降り。自坊に帰り着く頃には、水も滴る坊さんになっていました。

 やっぱり、屋根付きのバイクが欲しいなぁ・・・。

 先日掃除をした雨水升を見に行ったら、バッチリ、雨水を飲み込んでいました。大成功です。

 桜はまだもう数日見られます。人も少なくなったので、桜吹雪の中でお花見をしようかなぁ。

〜  枝垂れ桜 〜
2008年4月7日(月)  No.1732

シュミレーション
 今日も絶好のお花見日より。境内には散策をする人や、お弁当を食べたりする人がいっぱい。

 境内に入るのに拝観料をいただかないということで、何をしても自由だと勘違いをされているのか、お酒を呑んで傍若無人な大騒ぎをする人、ゴミを放置する人などマナーが悪い人もいて、困ったものです。

 「花に免じて」とも思いますが、せっかくゆっくりと花を楽しんでいる人にはまったく迷惑な話。「境内の桜を増やさないでおこう」と申し合わせているのも、花見客にそういう人が多いからです。


 先日の映画の碑のスケッチが出来てきたというので、どういう雰囲気になるのかをシュミレーションするために、写真を合成して背景の中にはめ込んでみました。

 どうも違和感があるような・・・もっと小さくすればいいのかなぁ。

〜  シュミレーション写真 〜
2008年4月6日(日)  No.1731

夜更かし
 今春最高の人出。境内にはたくさんの人がお越しになりました。お天気もよく、絶好のお花見日和でした。

 夕方出かけようとタクシーを呼びましたが、なかなか来ません。やっと来て、行き先を告げたら、運転手さんはちょっと悩んでいる様子。行き先方向が渋滞していることはボクも予想がついていたので、コース取りを相談しつつ、行き先も妥協。少し離れたところで降ろして貰って、歩くことにしました。お陰で、約束の時間に遅参してしまいました。

 桜の時期、そして秋の紅葉シーズンは、予定通りに移動できないのは仕方がありません。一番確実なのは「足」です。


 昨日諦めた「今日の散歩道」の更新。朝と昼間に何回か境内に写真を撮りに行きましたが、人が多くて思うように撮れません。
 写真を撮りながら、境内を見回って、進入禁止区域に駐車しているタクシーを移動させたり、お弁当を食べる人向けに床机を出して‘サービス’したりと、写真に集中もできません。

 夜の外出から帰ってから、更新作業。写真が気に入らない時は更新も中々進まず、結局、1時半までかかりました。見直し作業はまた明日。早く寝ようっと!

〜  雪柳と桜と本堂 〜
2008年4月5日(土)  No.1730

更新断念
 向日市にお住まいの老夫妻から、「10時からは医者なので」と葉書が来たので、9時前にお参り。もう1軒伺って、飛んで帰って法事。

 帰り着くなり、6尺の大塔婆3本追加!! 11時の法事まであと10分。とても間に合いません。急ぎで3本とは、エライこっちゃ!
 下手でも雑にならないように、はやる心を抑えながら、ようやく書き上げたら定刻を15分超過。読経や墓前回向も、「急がず、如法に・・・」と心がけながら勤めました。

 終わってお食事にご招待いただき、故人のことなどをいろいろお話ししながら過ごしました。
 道中、鴨川の土手ではたくさんの人がお弁当を広げておられました。混雑する観光地で、お店に行列して食べるよりも、たとえコンビニ弁当でも、河原で食べる方がどれほどいいことかと思いました。

 帰って、即、事務所へ。今日は、提出期限の迫っている文化財の補助金の書類を作るリミット。土日になれば必要な書類が揃いません。国指定の文化財、府指定の文化財、19年度の報告、20年度の申請と、頭の中と机の上はこんがらがって整理がつきません。
 何とか形になったのは5時半。明日投函すれば期限に間に合います。やれやれ。

 更新の写真を撮ろうとカメラを持参してきましたが、外はどんよりした夕方の風景で、夕日もささず、写真を撮りたいと思うような風景には出会うことができませんでした。

 「これはあかんわ」と早々と更新延期。明日出来るという保証はないけど、今日は出来ないことは確実です。

 夕食後は、6尺塔婆書きや「メダカの学校」の準備。忙しいには違いないのですが、疲れているという自覚はありません。
 「お疲れのようですね」などとメールをいただくと、自分がギスギスしているように見えるのかなと、ちょっと気になります。気をつけないと。

 さくらが少しなついてきました。ボクが爪を切ろうとするのを止めたからでしょう。

〜  句碑の前に立つミーコ 〜
2008年4月4日(金)  No.1729

聖護院晋山式
 御隣山である聖護院門跡の御門主の晋山式。お寺としてはそれほど大きくはありませんが、「本山修験宗」という宗派の本山。

 さすがに本山だけあって、天台座主、高野山管長、修験各宗管長など各宗派の管長猊下、御門跡なども多数ご参列になっていました。

 お寺での式典を終え、タクシーに分乗して披露宴会場のホテルへ。岡崎近辺はお花見客の車で混雑していて、進み具合は歩いている人とほとんど変わらないほど。疎水の畔の桜も満開で、十石船に乗ったらさぞかし気持ちがいいでしょう。

 ホテルに着いても座る場所さえない混雑ぶり。パーティーの出席者は830名ほどとか。1時間近く待って、ようやく開宴。祝辞や清興などに1時間かかり、ようやく2時半からの食事となりました。

 清興は市川團十郎さんと‘本物’の山伏、そして新門跡の掛け合い。團十郎さんが晋山祝に駆けつけたところ、「本当の山伏か?」という疑いを掛けられ、山伏から『勧進帳』のような質問攻めに合います。それに見事に答えて、新門跡にお目見えするという趣向でした。

 生で見た團十郎さんの迫力、声の張りはもちろんさすがだと思いましたが、山伏役をした本当の修験僧はとても素人とは思えない出来で、人に聞くまで役者さんだと思っていました。

 懐かしい人たちにも何人も出会いました。かつて路線の違いから袂を分かった人同士が、10数年ぶりに話をして、「すっかりわだかまりが消えた」と聞いたことも、2人の間にいたボクとしても、とてもうれしいことでした。

 隣の席の人は、某町の町長と教育長で、その町にある高校が今日選抜で勝ち、明日は決勝戦に出ることになったとか。教育長は、「こんな機会は滅多とないのですから、もう1泊して、明日甲子園に行きましょう」と町長を説得。町長は、明日、町営の幼稚園の入園式があるらしく、渋っていました。この「問答」もなかなか愉快でした。

 新門跡の娘さんとは幼稚園の同級生であり、うちに華道などを習いに来られていた仲。もちろん新門跡とも既知の仲で、その見識の高さと先見性はずば抜けておられます。晋山式の様々な趣向も、きっと新門跡が考えられたのでしょう。

 10月には真如堂貫主の晋山式を控えていて、その偵察、勉強のつもりもありましたが、とてもこんな真似は出来ないと感服しました。

〜  山伏を演じる團十郎さん 〜
2008年4月3日(木)  No.1728

涅槃図撤収
 3月末で終わる予定の大涅槃図公開でしたが、天候不良のために今日まで延期し、お昼になって、片付ける作業をしました。

 涅槃図を吊しているロープを操作する者2名、涅槃図を軸に巻き取る者2名の最低執行人数で撤収作業を実施。

 拝観が終わって帰ろうとされていた方も、「今から涅槃図を片付けますよぉー」とお呼びして、床に降ろした涅槃図を間近で見ていただきました。

 その中のお一人が、「あっ、蝉がとまっている!」と叫ばれたので、指さす方向を見ると、お釈迦様の足下のほうの木に、油蝉のような色をした蝉がとまっていました。今までまったく知りませんでした。

 大涅槃図を撤収したので、めぼしい展示物がなくなりました。何かを展示しないと、ちょっとさみしいなぁ・・・。


 「急にガソリンは下がらないだろう」と、昨日満タン入れたばかり。今日、近くのガソリンスタンドの前を通ると、昨日よりも20円安い表示が出ていました。うぅ・・・・千円損した。

〜  降ろした涅槃図を見る人 〜
2008年4月2日(水)  No.1727

表札のこと
 夜、ボクの表札の写真がアップされていると知らせてくださるメールが来ました。

 門に掲げているものですから、当然公開しているわけで、隠しているものではありません。しかし、ネットで公開するのはまた別。やめて欲しいと何度もお願いをして、その意を汲んでくださる方もありました。

 アップされた方にも、もちろん今まで何度も「しないでください」とお願い、今までその通りにしてくださっていたのですが、今回はまわりからそそのかされ、その「期待にこたえよう」とアップされてしまったのでしょう。

 ホームページを開設して10年以上になりますが、人の気持ちをおもんばかれないようなページになってしまったのかなぁと、正直、大きなショックでした。

 顔が見えない、どこの誰だかわからないというネットの匿名性のもと、ネットでのマナーやエチケットは往々にして守られないことが多いわけですが、ボクのページに来られる方は人の気持ちを大切に思われる方だと思っていました。

 「嫌だ」「やめて」と言っていることを、面白おかしく「やれ!やれ!」と煽り立てる人がいて、正直な人がその人たちの期待に応えようと思って実行させられてしまった。煽られて実行してしまった人も、ある意味、「被害者」かも知れません。ごくごくちっぽけなことなのですが・・・。

 公式ホームページの作成も少しずつ進んできて、ボクのページと重複する部分も出てきました。そのうちメニューの整理をしなければいけないと思っていた矢先。毎週の「今日の散歩道」も時間が足りなくて内容が薄くなってきているのが気になっていますし、今後どうしようかと考えていました。

 今回のようなことがあると、ボクの私的なホームページの存在意味が薄れてきたきたようにも思え、「そろそろ閉めようかなぁ」という気持ちが大きくなってきます。

〜  門前の満開近い桜 〜
2008年4月1日(火)  No.1726

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