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2006年12月の日記

2006年大晦日
 最終の迎春準備をしていたら、あっという間に夜になりました。

 冷蔵庫の残り物の整理がてらの適当な夕食を食べて、数日前からすすめていたホームページの元旦更新や年賀メールの最終準備に取りかかりました。

 残された時間はわずか。除夜の鐘の光景などはほぼ毎年決まっているので、思い出しながら予定稿を書きましたが、やはり臨場感に欠けるので、終わってから加筆修正しなければなりません。

 そうこうするうちに年越し蕎麦。

 蕎麦は聖護院の河道屋さん。先代さんが亡くなってからも、今日の日には必ずお蕎麦をくださいます。

 蕎麦は辛み大根と葱、わさびをのせ、温かい出汁をかけただけのシンプルなお味。毎年変わらない美味しさの、大晦日の味です。

 出入り業者から別の有名店のお蕎麦もいただいたので、食べ比べることにしました。

 こちらはいかにも手打ち風で、蕎麦が打ち粉まみれでした。打ってから時間が経っているのでしょうか、茹でている間にブチブチと切れてしまいます。きっと大晦日に間に合わせるために、数日前から蕎麦打ちを始めるのでしょう。せかっくのお蕎麦でしたが、お味は・・・。

 食べ終わって、テレビも音楽もつけない静かな部屋で、また更新準備を進めました。
 気の早い年賀メールが飛び込んできます。もういよいよ大詰めです。

 除夜の鐘の風景を撮るためのカメラや三脚を持って、鐘楼へ。お勤めにそんなものを持っているわけにいかないので、墓地にそれらを隠して、上堂しました。

 お勤めの後、鐘突が滑り出すと、こっそり抜けて墓地から大晦日の鐘楼堂の光景を撮りました。月が綺麗で星も見え、空も濃い藍色をしていました。美しい大晦日の夜空です。

 写真を撮っていると、他の塔頭の檀家が声を掛けてこられました。その酒臭いこと! 鐘楼堂の上に出ている月を入れたらいいとか、鐘突に割り込めないかとかいろいろなことを話しかけてきて、そのうちにどこかへ行かれました。

 堂内に戻って、参拝者に頼まれた写真を撮る合間に、更新用の写真をパチッ! 暗くて液晶には写らないので、感で撮るしかありません。何枚か撮っているうちに、使えそうなできました。
 これで、更新用の写真はOK!

 鐘を撞き終わったのが1時15分。それからかがり火などを消して、自坊に帰ったのが1時半。お風呂で体を温めて、撮ってきた写真を編集し、見てきた光景にあわせて文章を修正しました。後は、元旦の境内の写真を撮れば、更新できます。

 布団に入ったのは3時前。2時間半しか眠れません。いつもは布団に入った途端に眠りにつくのですが、今夜は少し時間がかかりました。5分ぐらいかな?

 今年が終わるという実感もなく、今年の諸行に対する反省をしている暇もないうちに、大晦日が終わってしまいました。

〜 鐘を撞く順番待ちの列 〜
2006年12月31日(日)  No.1234

松竹梅を供える
 今年もあと2日。

 ここまで来ると、どうしてもしなければいけないことだけをしようと割り切れ、欲を出す気はなくなってしまい、気分的には楽。「来年こそ早めにとりかかって、やりたい」などとも思わなくなってきました。

 遠方にお住まいの檀家で、お正月に墓参りして欲しいと希望される方のために、毎年、松竹梅の花を作って供え、水塔婆を奉ります。今日中にしないと行けない年末のルーチンです。

 松は花屋から買い、竹は境内のおかめ笹、梅は自坊のもの、色鮮やかに見えるように南天の実を添え、格好がいいように束ねます。
 笹はいくらでも生えてきます。梅は今春大剪定をしたので、切るところがありません。恐る恐る枝の先のほうまで行ってGET! 南天は豊作。それぞれを採って回り、適当な大きさに整形して束ねるわけです。

 こんなことをしているのは、真如堂の塔頭でもうちだけです。他はセットしたものを花屋さんから買っているでしょう。

 やっているうちに手は松ヤニだらけ。松ヤニ製の手の皮が1枚できたかのようになりました。松ヤニは洗ってもなかなか取れないので一苦労。夜、お風呂に入るまで、何となく手がベタついていました。

 出来上がるのを待ちかまえていた住職と正月休みで帰ってきた甥とで墓地へ行って、お墓に上げて回りました。

 お墓には、今年中に掃除をしておこうという人と、年始に来られないので早い目にお参りしたという人などがたくさんおられました。あちこちで挨拶をしたりしながら、花を供え終えました。

 「何だか疲れちゃったなぁ。後のことはきりがないし、もうこんなところにしておこう! 」と、今日の終了宣言。

 夜は、ホームページの迎春準備。最近、手が疲れているのか、ミスタッチが多くて、なかなか順調に進みません。もう寝なくちゃ。時間切れになりそう。

 とうとう明日1日になっちゃった。

〜 自作の松竹梅を供えたお墓 〜
2006年12月30日(土)  No.1233

初雪や・・・
 今年中にしなければいけない作業を放ったらかしにして、「今日の散歩道」の更新作業。

 今年初めての雪というトピックスが舞い込み、更新作業は比較的楽に進みました。

 雪で救われたのはそれだけではありません。一両日中に片付けなければいけない外での作業が、雪のためにできません。

 住職も、「これでは仕事にならん!」とあきらめ顔。ボクも、「今日はせえへんよ」と宣言して、更新に専念できました。晴天に自室に籠もったり、カメラを持ってウロウロしていたら、後から文句を言われかねないところでした。


 パソコン本体に先行して、液晶モニターが届きました。19インチのワイドタイプです。

 箱を開けてみてビックリ。「あれぇー 小さいやん・・・」。

 今使っているのは17インチ。19インチを買ったのだから、当然一回り大きいと思っていたのですが、さにあらず。ワイドですから、画面の横幅は大きいですのが、縦は今のモニターよりも少し小さいぐらい。

 おかしいなぁと思って調べてみたら、ディスプレイのサイズは対角線の長さで表わされるため、従来型の17インチとワイド画面の19インチは同程度の高さになるとのこと。

 がっかり・・・。そんなこと思いもつきませんでした。

 「まぁ、映りがよければ我慢するか」と実際に繋ぐべくマニュアルを見たら、ハングルと英語でしか説明がありません。韓国製のモニターだったのですね。日本のメーカーだったら、輸出先の国にあわせたマニュアルを作るでしょうが、韓国ではそんなことはしないみたい。反日感情もあるのでしょうか。

 繋いでみたら・・・これまたがっかり。

 今使っているのは4年前に買ったモニターなので、4年間には技術も進歩し、さぞかし目を見張るように美しい映り具合だろうと期待したのですが・・・。

 また、ワイド画面ならではの扁平な映り方で、写真の縦横比も勝手に横長に変わっています。ノーマルな映り方にできないのかといろいろやってみましたが、変わりません。

 「新しいパソコンの強力なグラフィックボードに繋げば、ちょっとはマシに映るのかなぁ。新しいWINDOWSのサイドバーを表示するには役に立つのだろうなぁ」とかすかな期待を託し、また元のディスプレイに戻しました。

 しょうもない買い物をしてしまったかも。スペックのデーターも購入者の評価も悪くなかったんだけどなぁ・・・そういえば、安かったなぁ・・・がっかり。

〜 雪の境内 〜
2006年12月29日(金)  No.1232

吉例お餅つき
 今年の懸案は今年のうちに。以前からパソコンを見て欲しいと頼まれていた鷹峯のお寺を、檀家宅回りの続きに訪問。

 3台のパソコンをドラムセットのように回りに置いて、次々とセッティング。階上にあるもう1台は、駆け上がってセット。

 「接続できないのです」という訴えがあったネットワーク機器は、故障でもLANの不具合でもなく、ただ電源スイッチが入っていないだけ。やっぱり・・・。

 「すみませんがこれも・・・」と出てくる出てくる。昼までに終わる予定が1時になっても終わらず、「餅つきですから!」と逃げるように帰りました。


 帰ると、住職がすでに餅つきの準備をしていました。好きなのです、うちの住職は餅つきが。蒸籠の餅米を蒸すのに、おくどさんのあたりをうろうろしながら、薪を燃やしていました。

 湯気の上がり具合を見ていると、まだしばらく時間がかかりそうなので、張り切っている住職にその場を委ね、ボクはしばらく他の用事を片付けました。

 結局、蒸籠のお米が蒸し上がったのは3時過ぎ頃。つき手はボク、手取りは住職で、1斗をつきました。最近はあまりお餅も食べないので、年々量が減ります。

 餅つきは好きではありません。腰は痛くなるし、顔は搗いた時の米汁が飛んできてカペカペになるし、準備や片づけは面倒。忙しい正月がすぐそこまで来ていることを思うと、まして嬉しくもありません。

 貧乏な田舎寺で育った住職には、お米やお餅が食べられるということが何よりも嬉しいのでしょう。子供の頃から、「どうしてこんなに張り切るんだろう」と、毎年感心してきました。
 そのわりには、「もういいだろう」と、まだ米粒が残っているのに切り上げようとしたがります。餅の‘質’は度外視。このあたりは、お経を早く切り上げようとするのと共通しています。

 合間に、つきあがったお餅を大根餅とぜんざいんしいて食べ、お腹いっぱい!

 「つきたてのお餅は美味しいでしょう?」とよく聞かれますが、すぐに冷めて堅くなっていくので、ボクは焼きたての香ばしいお餅のほうが好きです。

 5時頃にはすべて完了! また、お正月に近付いちゃったなぁ。

〜 蒸籠から石臼に移したお米 〜
2006年12月28日(木)  No.1231

じわじわ年末繁忙期
 今日は何をしていたかな・・・檀家宅へのお参り、お正月にお参りに来た子供にあげるスナック菓子を買いに、メガネの受け取り、庭掃除・・・。

 お正月に来られないからと、早めに墓参に来られる方も増えてきました。

 いろいろな用事を並行して行っている感じで、何となく気ぜわしくなってきました。

 メガネを受け取りに行ったら、「オシャレじゃなくて、実用的なメガネでしたねぇ」と念を押されました。「放っといてくれ!」 そんなに野暮ったいかなぁ・・・まぁ、いいや、作業用だから。


 パソコンのハードディスクの残容量がしばらく前からカツカツになってきて、作業領域を脅かすようになってきました。もう6年、お正月が来れば足かけ7年使い込んだ自作機です。

 1月末にVistaが出てからとも思ったのですが、今買って無料アップグレードした方が得みたいですし、歳末セールもやっているので、ネットでショップブランドのデスクトップを購入してしまいました。

 機械が新しくなるのはそれほど楽しみではありません。いま使っている環境を移して、快調に作業が出来るようになるには1ヶ月ほどはかかるでしょう。面倒だなぁという気持ばかりが先にたちます。

 来るのはお正月明け頃。忙しい時期だとわかっていながら、どうしてそんな時に申し込んじゃったんだろう・・・魔がさした?

〜 お墓で寝ていたクロ 〜
2006年12月27日(水)  No.1230

今日は仏間
 今日は、自坊の仏間とボクの住んでいる建物の仏檀の大掃除をしました。

 仏間は暗いのであまり汚れは目立ちませんが、照明を持ち込んでみると、屋根瓦の下の土が天井の間から落ちてきたりして、並べてある位牌の間などがかなりざらざらでした。

 全部を除けて掃除をするには時間がかかりすぎるので、手前のほうだけを掃除。灯籠や燭台、床などを拭いたりしましたが、バケツの水はあっという間に真っ黒け。何度バケツの水を替えたでしょう。

 ガラス磨きの洗剤の力ってすごいですねぇ。煙で黄ばんだところにサッと一吹きすると、あっという間に汚れが褐色の流れとなって垂れてきます。金箔のところに吹きかけてみると、目映いばかりの輝きが戻ってきたりします。化学の力ってすごい!
 でも、あんまりやって化学反応を起こしてもいけないし、古びているのも値打ちなので、そこそこにしておきました。

 作り替えたりして、不要になった檀家宅の仏壇の位牌が、お性根をしたまま並べてあったので整理しました。最近は、子供がなくて絶家となったり、家の事情によってお寺に納められる位牌が増えました。

 修法の時に使う仏器は「テガール」に浸けて汚れを落とします。以前は、金属磨き「ピカール」で何時間もかけてゴシゴシやっていましたが、「シャインケミカル商会」製の「テガール」なら浸けるだけ! お酢で10円玉が綺麗になる理屈なのでしょうか? 段々溶けて減っていく? 

 朝から夕方までかけて掃除をして、「あー、スッキリした!」。かなり綺麗になりました。

 頑張りすぎて、夜は呆けていました。

〜 手軽な「テガール」 〜
2006年12月26日(火)  No.1229

メガネを買い換える
 今日は、仏間や客間の大掃除。お天気もよく、掃除も捗ります。

 まずは、ブロアで埃や蜘蛛の巣を吹き飛ばして‘すす払い’。
 一昨年はブロアの風を強く当て過ぎて、天井が剥がれてしまいました。今年、その天井を張り替えましたが、高くつきました・・・トホホ。

 一番ほこりが溜まっているのは電気器具の上など。でも、線香の煙などで黄ばんだりしているのは、ブロアでは綺麗になりません。試しにシェードの一つを洗ってみたら、ヤニのような色の泡が垂れて元の白い色が表れ、すご〜く綺麗になりました。

 「よっしゃぁ!」と、風呂場で次から次へと洗いました。洗う前と洗った後の違いは、達成感を生み出します。折角ですから電球も替えることにして、面倒ですが着替えて買いに行きました

 今の時期、電球はセールの目玉の一つ。両手いっぱいに買って、ついでに、メガネを見に行きました。

 実は、去年の10月、眼科でメガネの処方箋を書いて貰って以来、1年余、放ったらかしだったのです。

 近くの量販店に行き、もう一度視力を測定して貰うと、去年の処方箋と変わっていませんでした。

 若い女性の店員さんの説明では、もともと遠視傾向だった人は一段と老眼が進むはずなのに、ボクはそうではない。それは近視がかかってきているのだとか。そういえば、かつては左右共に2.0だった視力が1.0程度に落ちています。

 「お客さん、ラッキーだったですねぇ」と言われても・・・。

 「物を見てから、見えてくるまでに時間がかかる」と言うと、検査にもそれは出ているとのこと。反応が鈍いってこと? でも、確かにそうだなぁ。呑気な目なんだ。

 今のメガネを使っても問題ないと言われましたが、処方箋通りのほうがクリアに見えるので、前のはそのまま置いておいて、新しく作り替えることにしました。

 ボクは顔が幅・奥行き共にデカイらしく、普通のサイズのメガネでは合わないのです。前もそうでした。自ずとフレームが制限されてきます。

 最初、レンズの小さいメガネを見せてくれましたが、「フレームが気になるから、もっとレンズが大きいほうがいい」と言うと、店員さんに「オシャレじゃないですよ」と連発されました。
 「自分の部屋で作業する時に掛けるだけだから、見かけはどうでもいいんです」と言いましたが、「そうですか・・・誰にも見せないから・・・オシャレじゃないんですが・・・」と合点がいかない様子。「オシャレなんていいんです!仕事しやすいのが一番!」と押し切りました。

 どんな野暮ったいメガネが出てくるのかと思いきや、100円ショップのメガネに比べたらずいぶんオシャレじゃないの。メガネで魅せようとは思ってないから、これで充分!

 「レンズの度が上がり、併せて大きい分、メガネが重たくなって不快ですよ」と屈折率の高い薄いレンズを勧められました。はい、仰せの通りに。だんだん高くなるなぁ・・・。

 「お坊さんですか?」と聞かれ、その後はいろいろ四方山話。以前の顧客リストに、「趣味 パソコン」と書いてあったらしく、支払に楽天のクレジットカードを使い、そのチェーンのホームページにあった1割引の券を出したものですから、「ほんまにパソコンがお好きなんですねぇ」とあきれられました。人をオタクみたいに・・・ほっといてくれ!

 それにしても、メガネって高いんだなぁ。自分へのクリスマス・プレゼントかなぁ。なんでやねん。

 帰ってから、前にメガネを買ったのはいつだろうと調べてみたら、「お渡し日 平成15年12月26日」となっていました。何故かこの時期、メガネが気になるのですね。

 さて、電球を替えて、洗った器具を元通り取り付け、完成! まだまだ掃除するところがいっぱいあります。

〜 洗浄後の電気の傘 〜
2006年12月25日(月)  No.1228

自室の模様替え
 今日はクリスマス・イブ。世の中の人はどう過ごしておられるのでしょう?

 何の関係もないですが、ボクは自室の模様替え&掃除をしました。

 模様替えはパソコン・デスクと事務作業デスクの移動が中心。去年か一昨年に模様替えをしたのですが、どうも気にいらなくて、いつかしたいと思っていました。

 パソコン・デスクの移動は、何よりも配線の取り回しが大変。電源、LAN、電話線、光ファイバー、その他の線を外したり、取りまとめてくくったりしながら、何とか移動。事務机の上にはレーザー複合機が載っていて重く、ケーブル類もあって、なかなか大変でした。

 今までの配置が気に入らなかった一番の理由は、パソコン・デスクに向かったときの閉塞感でした。

 ボクが自室にいる時に一番長く座っている場所は、パソコンの前。書類などが山積みになった机では、本を読むことも、字を書くことも出来ないので、それら全部をパソコンデスクに向かってしています。
 もっとも、今は炬燵を出したので、そこにいることもありますが、眠たくなってきて、そのままうたた寝してしまうのでよくありません。

 今日模様替えして、部屋の長辺方向が見渡せるようになり、視野が広がって気分も爽やかです。いい感じ。一つ難点は、窓からの冷気が足元を脅かすことでしょうか。まぁ、それも何か対策を考えます。

 ボクが作業をしていると、さくらは喜んで、あちこち飛び回ったり、デスクなどの上に乗ったり下に潜り込んだりと大騒ぎ。
 最近はパソコンデスクの上に置いた書類入れの中に入って、ボクを見下ろしながらくつろぐのがお気に入りですが、移動中でもその居心地を確かめたりしていました。

 あまりに大遊びして疲れたのか、部屋が片付いて静かになった頃には、大爆睡。炬燵の中で「大」の字になって寝て、ずっと出てきませんでした。

 年賀状もあと一息。いい調子で、迎春準備が進んでいるような・・・。


 競馬はしたことがありませんが、ディープインパクトの最後の走りは、テレビで見ていても気持がよかったですねぇ。スカッとしました!

 政治もあれくらいスカッとしないでしょうか。来年度の政府予算案が出ましたが、「美しい国、日本。」は税収増頼みの借金まみれ。さしたる政治的展望もナシ。‘再チャレンジ’してみてはいかがでしょう?

〜 さくら除けネットで遊ぶさくら 〜
2006年12月24日(日)  No.1227

あばあさんの1周忌
 昨年のお正月明けに亡くなった独り暮らしのおばあさんの1周忌が、親戚の手で勤められました。

 1年余前、小さな電気ストーブの前で、座って暖をとった格好のまま亡くなったおばあさん。法要には10数名が参列されました。

 薪や練炭などを売って生計を立てておられ、ご主人が亡くなった後も、ガソリンスタンドで灯油を買ってきては乳母車に載せて配達したりして、「生活保護は受けません」と頑張って来られました。

 豊かではないことがわかっているだけに、ボクもお経をあげてお布施を受け取るのが気の毒に感じることもありました。いつも、お布施の他に、バナナやリンゴなどをスーパーの袋に入れてくださいました。

 そんなおばあさんは、親戚の人たちに対しても、きっと真心を尽くして接して来られたのでしょう。

 お葬式はもちろん、法要をしていても、亡くなった方がその家族や親族の中でどんな位置を占めておられていたか、どんなふうに思われていたかは、実によくわかるものです。

 子供がなかったおばあさんの法要を主催されたのは甥。参列されたのも甥や姪、その子や孫の世代で、決して直系ではありません。
 義理や面倒に感じながらお参りしているのなら、それは拝む姿に表れますが、そんな様子はありませんでした。皆が皆、故人に感謝し、冥福を祈っておられるようでした。

 毎日の生活に追われる中で、故人の記憶はだんだ疎くなっていくのが常ですが、今日の法事は、参列した人の心が一つになって散逸しない、拝んでいても清々しい気分になるものでした。

 「おばあさんの徳だなぁ。どうしたら、亡くなった後もこんなに慕われるような生き方ができるのだろう・・・」と思いました。

〜 夕暮れの百日紅の梢 〜
2006年12月23日(土)  No.1226

柚子湯堪能す
 冬至。

 墓地管理所との境界の柚子の実を、朝起き抜けに取りました。うちが植えたのですから、人目を忍んで取ることもないのですが、管理所の工事に携わる職人さんたちが来ると取りにくくなるので。

 小さな木ですが、工事に伴って枝が切られてしまい、一番天辺にわずかに実が残っているだけで、少し登らなければ取れません。柚子湯入りたさに少々無鉄砲に登って、柚子の木の棘で手を2ヶ所ほど引っ掻いてしまいました。

 両手に収まるほどしか採れませんでしたが、すごくいい匂い!

 夜、更新を終えて、さぁ、お待ちかねの柚子湯だぁ!

 湯船の蓋を開けると、ほんのり柚子の香りが漂ってきました。お湯には柚子がプカプカ浮いています。

 湯船に浸かり、柚子に指で穴を開けたり、中の実をつぶしてエキスを出したりしていると、そのうち体がチクチクしてきます。このチクチクは決して心地よい感じではありませんが、「温まっているなぁ」という実感が湧いてきます。

 さくらも蓋の上に乗って、気持ちよさそうにしているボクを眺めていました。いつもは湯船のお湯を飲もうとするのに、今日はしません。やはり猫は柑橘系は苦手みたい。

 何日か前から、柚子がなっているのを見ては楽しみにしていた柚子湯。こういう歳時記イベントが大好きです。


       歳 月 を 浮 か べ 沈 め て 冬 至 風 呂   佐々木早月


〜 わずかながら収穫した柚子 〜
2006年12月22日(金)  No.1225

本堂すす払い
 今日は本堂のすす払い。若手の僧侶9名と職員5名で、本堂〜書院の大掃除をしました。

 この時期、本願寺のすす払いの光景がテレビでよく放送されます。ご奉仕の方々が畳を叩き、後ろから大きな団扇でその埃を扇ぎ出しています。歳末の風物詩です。

 畳を叩いたら、埃が出て来て大変。真如堂ではそのあたりは‘穏便’に。

 葉の付いたままの竹で高いところのすすを払い落とし、あるいはブロアで吹き飛ばし、落ちた荒ゴミをブロアで吹き出した後、掃除機を掛け、雑巾を掛けをします。
 雑巾はあっという間に真っ黒。何度もバケツの水を替えながら拭きますが、広い本堂の畳を拭く時は、先を見たら嫌になってきます。

 すす払いが終わって、本堂は少しスッキリしたように見えます。

 書院は掃除をするたびに、その老朽化を思い知らされます。もともとあまり立派な建物ではないうえに傷んでいて、掃除もあまりやり甲斐がありません。「お金があればなぁ・・・」と、いつも思います。

 あたたかくて、水を触るのも辛くない日で助かりました。


 夜は、今年最終の忘年会。女性のアナウンサーたちにお誘いを受けて、新しくできたバリ料理店へ。とてもくつろげる雰囲気でしたが、料理のメニューに書いてあるのは10品ほどだけ。ゴイクン、ナシゴレン、フォー ・・・ベトナム料理? インドネシア料理?

 さすがに女子アナだけあって、とにかくよくお喋りになる。もともと喋るのがお好きな人たちなのでしょう。

 鍛えた滑舌のお喋りが飛び交う中、ボクはボソボソと一言二言挟むのがやっとでした。

〜 雑巾掛けをする僧 〜
2006年12月21日(木)  No.1224

成果があがったような錯覚
 今日は1日フリー。

 お天気もいいので、まずは自坊の門前の落ち葉掃除の仕上げ。1回で落ち葉を掃除し切ることはできず、まだ何回か掃除をしなければなりませんが、まずまず綺麗になりました。
 ついでに、建物まわりの落ち葉も掃除。やり出すときりがなくなってきます。


 大根と白菜をぬか漬けにしました。
 毎年、漬かりすぎるのが心配で、最後のほうはまるで仇のように食べて、胃を痛めます。今冬はあたたかいので、なおさら心配。そこで、大根も白菜も量を少な目にして、足りなくなってきたらまた追加して漬けることにしました。

 漬物なんて、今ではいくらでも売っていますが、なかなかシンプルなぬか漬けがありません。いろいろ複雑な味付けをしたものより、糠と塩だけで漬けたもののほうが断然美味しいと思うのですが。

 ぬか漬けを終えた手は、艶々しっとりしていました。お肌によさそう。


 昼食後の休憩や暗くなってからの時間で、年賀状のプリントが完成。あとはメッセージを書き添える作業をすれば投函できます。

 「やる気になれば、こんなに早くできるじゃん! 」。


 夜は、年賀状をプリントしながら、ネットで靴の研究。スーツを着た時に履く靴がオンボロなので、以前から買い換えたいと思っていました。

 ちゃんとした靴が欲しいけれど、皮底の靴は雨の日などによく滑るしなぁ・・・尖った形のものや先の長いのは履きにくいだろうなぁ・・・日本製の靴のほうが足の形が合うかなぁ・・・やっぱり、いい物はいいなぁ・・・。

 結局、靴屋さんに行って、実物を見ないとダメ。何だかくたびれました。


 そんなこんなで1日が終わっていきました。靴の研究を除いては、まずまず成果の上がった1日でした。

〜 最近、パソコンデスクの上の書類入れがお気に入りのさくら 〜
2006年12月20日(水)  No.1223

朝の散歩復活
 1ヶ月ぶりに朝の散歩をしました。

 11月半ばに落ち葉の時期が始まって以降、その掃除に時間を取られ、散歩をすることができませんでした。もう落ち葉も終わり。落ちた葉を集める作業がまだ残っていますが、毎朝半ば強迫的にする必要はなくなり、手のひらに出来た‘ブロア豆’も柔らかくなってきました。

 今朝はこの冬1、2番の冷え込み。気温も0度近くまで下がっています。積もった枯れ葉たちは、白く霜をかぶっていました。

 冬のこの凛とした雰囲気。秋の雑踏の頃には想像すらできない、引き締まってシャープな世界です。

 人気のまったくない境内を出て、黒谷の文殊塔に向かいました。ここから見る京都市内の景色からは、季節の移ろいやお天気などがよくわかり、いつも見とれてしまいます。

 塔のご本尊は、運慶作の文殊さま。修理に出された後、博物館で出展され、先月頃に帰って来られたはずですが、まだそのお姿を拝していません。以前は月1回の縁日に塔の扉が開けられましたが、今ではどうなっているでしょう。どちらにしても、朝の散歩の時にはまだ扉が開いていません。

 長い石段を降りきると、1ヶ月前にはまだ工事中だった公衆トイレと墓地管理の詰め所を併せた建物が出来上がっていました。
 どんなトイレか見てみようと入り口に近付くと、利用時間が9−5時だという掲示がありました。まだ9時前なので施錠されているかと思いながら戸の引き手に触れると難なく動き、照明が自動的に点きました。

 新築後男女に分けられた男性のトイレには、男性用便器が2つと‘個室’が一つ、少し大きな手洗い台がありました。トイレはセンサー付き、手洗いの横には風で手を乾かす機械がありました。ずいぶん近代的なトイレです。

 どこまで管理が行き届くか、いつまで手を乾かす機械などが正常に動作しているか、「大変だなぁ・・・」と思いながら、小用を足しました。

 来た道を戻り、自坊へ。

 まだ厳冬の景色にはなりきっていませんが、久々の散歩が楽しめました。これからの季節の‘空気’が好きです。

〜 文殊塔前から見た墓地と京都市内 〜
2006年12月19日(火)  No.1222

念願かなって年賀状
 年始回礼の時に授与する護符作りや年始の墓参用の水塔婆書きが終わり、年賀状作りにかかりました。

 まずは、ある程度大雑把な枚数をはじき出し、年賀状を買いました。窓口でビニールの手提げ袋を用意しているので、「袋は要らない」と言おうと思ったところ、係の女性がその中にタオルや葉書ホルダーなどを入れ、渡してくれました。

 年賀状がまだ余っていて売り込みに必死なのでしょうか、何だかサービスがいいです。

 喪中欠礼の葉書を見たり、今年いただいた名刺などを見ながら住所録を追加・修正。先に出したりいただいたりの‘シーソーゲーム’を毎年繰り返している人をどうする迷いながらも、リストを完成させました。

 毎年、相手によって3種類の年賀状を作り分けていますが、そのうちの1種を完成させ、新しく買ったプリンタで表裏を印刷しました。あとは一言ずつメッセージを書き添えれば完成! でも、それが一番大変かなぁ。

 あと2種のデザインはまだ完成の見込みが立ちません。こちらのほうが枚数が多いので、早くしないといけません。

 年賀メールを出しながらも年賀状をお送りしている方もたくさんおられます。年賀状を出す風習って、これからどうなっていくのでしょう。

 形だけではなく、ご挨拶の気持が伝わるような年賀状にしたいと思っています。

 念入りにチェックしたつもりですが、出してはいけない人に出したり、出さなくてはいけない方に出してなかったり、きっとそんなこともあるでしょうね。もう一度チェックしようっと!

〜 郵便局で貰ったオマケ 〜
2006年12月18日(月)  No.1221

呪われませんでした
 今日は法事をされた方々、茶道の関係者など、4組60人ほどが入れ替わり仕出しを取って食事をされました。

 仕出し屋さんは昼前から夜遅くまで行ったり来たり。全部同じ仕出し屋さんで、混乱せずによかったですが・・・。

 ノロウイルス全盛。「もし、今日食事をした人の誰かが発症したら・・・」などと考えてしまいました。


 夕方、友達からたくさんの殻付き牡蠣が届きました。「えっ、牡蠣・・・」と、思わず後ずさりしたい気分でした。

 住職たちは食べないと言うし、近所の親戚に声を掛けても要らないと素気ない返事。普段なら喜んでいただくのでしょうが、今は時期が時期。
 牡蠣でノロを発症したした人はいないのに、売り上げが3割落ちたと、牡蠣業界の人は怒り心頭ですが、「牡蠣などの二枚貝が原因」と言われれば、やはり食指が伸びません。

 ボクもお腹が万全なわけではありませんが、放ってはおけないので、コンロで焼いて、レモンを搾って食べることにしました。

 焼くにしたがって、美味しそうな香りが漂ってきます。でも、複雑。普段より少し念入りに焼いて、殻をこじ開けて、レモンをたっぷり絞ってペロリ!

 「あー、美味しい! ・・・ 大丈夫かなぁ」

 とりあえず5ついただきました。新鮮な牡蠣でも、たくさん食べるとよくないという話を聞いたことがあるので、5つで打ち止め。

 食べ終わって、症状がいつ出るのか、お腹が痛くなってこないだろうかと、しばらく不安でした。

 そんな時、同級生から、「ノロウィルスに一家やられました。点滴まで打ちましたが私は1週間かかりました」というメールが入りました。読んだだけで、お腹が痛くなりそう。
 11月以降、もう10人以上の人から「ノロわれた」という話を聞きましたが、また増えました。

 食後3、4時間経っても、症状は出てきません。どうやら呪われずに済みました。

 残りは牡蠣フライか鍋に入れていただくことにします。せっかくの牡蠣なのに、こんな恐る恐る食べられてかわいそう・・・。

〜 プリプリ半透明で美味しそうな牡蠣 〜
2006年12月17日(日)  No.1220

バカボンの忘年会
 「今年はもう日がないから、新年会にしましょう」と言っていたバカボン(超宗派の僧侶の会)の忘年会。代表から電話があって、「いや、今年できるから、出られる者でやりましょう」と、急遽することになりました。

 以前使って評判のよかった地鶏料理の店を何とか予約しました。

 出席は9名。1週間前に急に呼びかけたにしてはいい成績です。

 この会の最長老は75才、最年少がボクの年代ですが、もう年齢も宗派も関係ありません。お互いにしがらみのない関係なので、好き放題言いつつも、それでいて何か社会的な活動をしていこうという方向性をベースに持っています。

 話はいつもの通りテンデバラバラ。植木の手入れ、本堂の建て替え、お香の話、糖尿や痛風の話など、まったく定まりません。バカボンのこれからの活動や20年近く続けている病院での書道教室など、会の事業の話も何とか出てきてホッとしました。

 会が発足して約20年。最初からあるアイデアは、「京洛六文銭巡り」。会員のお寺を回って、そこで話を聞いたり、庭を見たり、相談をしたり、祈祷を受けるなどして、朱印代わりに「六文銭」を集めてもらって、6つ揃えば極楽往生間違いなし!という企画。
 呑むたびに話題になるものの、誰も実行に移そうとは言い出さないままにここまできました。今日もまた・・・。

 ワイワイガヤガヤ3時間やって、さっとお開き。いつもながら、実に楽しい時間でした。

〜 ポロもボロ。2代目のさくら愛用セーター 〜
2006年12月16日(土)  No.1219

SHUREのカートリッジ
 先日、オークションへの出店を依頼された品物の中に、たくさんのレコードがあったのに刺激されて、カートリッジを衝動買いしました。

 これまでプレーヤーに付いていたのは、25年ほど前のもの。買ったときからその音色に満足できなかったものの、高価なものなので買い換えもせず、今年になって、その前に使っていたお気に入りのカートリッジの替え針を探したこともありましたが、今では代替針しかなく、断念。結局そのままになっていました。

 今回も、買おうという意識はあまりなかったのですが、ネットでカートリッジのことをチラッと見た時、「あっ、これだ!」と思う製品があったのでそのままクリックして購入。翌日の今日には届きました。

 買ったカートリッジは、お気に入りだったSHURE V-15シリーズの後継機のM97xE。前機種に匹敵するクォリティーながら、価格を抑えたコストパフォーマンスモデル。SHUREというメーカーの名を聞くだけで、その音色が聞こえてきそうです。

 早速プレーヤーにセットして、視聴しました。

 「うわぁーーー いいわぁーーーー 倒れそう・・・」

 期待していた通りの、SHUREならではのキラキラするような音。CDにはない音の深みと温かさ。音が出てくるまでの間にノイズを聞かされる待ち遠しさ。久しぶりに聞くレコードの音に、期待以上に満足しました。

 ところが、今度はプレーヤーがいうことを聞いてくれません。‘STOP’を押しても回転は止まらないし、レコードの最後まで行ってもトーンアームが自動で上がりません。センサーの故障か接触不良でしょう。しばらく使っていれば、また復活してくるかも知れないので、いまのところはこれでよし。

 レコードの片面って、案外すぐに終わってしまうのですね。CDはもちろん、MP3プレーヤーなどは、これでもかというほど延々と曲が続きますが、レコードはあっという間。聞きながら何かをしていると、すぐに終わって裏返さなければなりません。何かをしながら聞くのには不向きだ、純粋に音楽を聴く時向きだなぁと思いました。それだけ、生活のサイクルが昔とは変わったのかも知れません。

 部屋の明かりを落として、真空管のオレンジ色の明かりやプレーヤーを照らす照明を楽しみながら音楽が聴けたら、どれほど素敵でしょう・・・残念ながら、オーディオ機器が入っている棚の観音開きの板戸を開けると、すぐにさくらが入り込んでしまうので、閉めた状態でしか使えません。特にプレーヤーの上に座りたがるので、開けていて壊されたら身も蓋もありません。仕方ありません・・・。

 若い頃、オーディオが好きでした。でも、その頃はお金もなく、カートリッジも思い切って買えませんでした。今もあるとは言えませんが、少しは自由になるようになりました。ネットでいろいろな知識が即座に得られるし、その場で注文することもできます。オークションのことがなければ、レコードのことは思い出さなかったでしょう。

 今回、カートリッジが買えたことにも、そんなこんなが作ってくれた‘縁’を感じます。

 レコードって、本当にいいなぁ・・・。

〜 ええ感じやなぁ・・・ 〜
2006年12月15日(金)  No.1218

恒例の「年行事」
 今日も雨。今年の12月は雨が多く、今日でもう6日目。雨に濡れる紅葉が綺麗です。

 今日は、夕方から年1回定例の真如堂一山「年行事ねんぎょうじ」が開催されました。

 真如堂貫主以下、真如堂の塔頭の僧侶が全員出席し、塔頭の集まりである「一山いっさん」の会計、住職などの任命、その他の諸問題を協議する重大会議。「一山幹事」に当たった僧の自坊で行われ、終わってからは懇親の酒宴が行われます。

 現段階で、トップである「貫主かんす」以下、真如堂の僧侶は10名。今日、擦った揉んだの挙げ句、明日から最低3年間の「一山交衆きょうしゅう(研修生)」に入ることを認められた青年僧を入れると11名。

 僧階そうかい、真如堂内のしきたりなどに従って貫主から順番に座っていくと、ボクは上から数えても6人目、下から数えても6人目。ちょうど真ん中でした。

 ボクが今日の青年僧のように一山交衆に入り、真如堂の僧侶の一員としてスタートしてから、もう1/4世紀が過ぎようとしています。ボクより下に座っているのは、ボクより後から一山交衆に入って来た僧たち。

 「長いことやっているんだなぁ・・・」と彼らの顔を見て、自分の来し方に思いを致しました。

 真如堂で生まれ育ったのは、今日見習いに入った青年僧を入れても3人だけ。境内の木に登ったり、鬼ごっこをして遊んだ覚えがあるのは、ボクより一回りほど年上の僧とボクぐらいなもの。

 あの木には蝉がたくさんいる、この木は登りやすい、あそこに赤い実がなれているなどという幼い時の思い出があるのも、ごく限られた者だけ。

 真如堂は開創以来、今年で1022年。どれだけ多くの僧がこの寺に去就したか、計り知れません。明治以前は妻帯していませんでしたから、長い歴史の中でも、ここで生まれて僧になっているのは、おそらくボクが3人目。

 皆、いろいろなご縁でここに集っている人たち。いろいろ考えると、とても不思議な気分になってきました。

 例年、この「年行事」が終わるのは日が替わる頃。胃痛を抱えるボクは、戦々恐々として臨みましたが、「中間層」になったボクに酒を強いる人もなく、若い僧に挨拶代わりに適当に強いて、9時過ぎには宴席もお開きとなりました。

 年末恒例の大きな行事が一つ終わりました。やれやれやなぁ。

〜 雨に濡れる色鮮やかな紅葉とボクの‘ベンツ’ 〜
2006年12月14日(木)  No.1217

胃腸科に行きつつフレンチを食す
 今週は外で食事をする機会が多いので、思い切って胃腸科に行っておくことにしました。

 胃腸科は、今夏、胃カメラを飲んだところで、ドクターは、グレーのアフロヘアーで、お顔が‘かば’に似ている60代後半の‘かば先生’。腕は確かな感じで、人なつっこい人柄が顔からにじみ出ている、ボクのお気に入りのドクター。

 「どうしましたか?」と尋ねられたので、「日曜日にフランス料理を食べてから、お腹がチクチクしています」と応えました。
 Dr「いっぱい食べたのですか?」 苦沙「はぁ、残せない質なので・・・」などという問診の後、お腹の触診。

 最近、見て貰っても触診どころか一指とも触らず、問診とデーターだけで診察するドクターもいる中、このドクターはしっかりと触診をしてくれます。

 胃のあたりを抑えて、「ここがかなりきてますねぇ」と指摘される場所は確かにかなり痛い。抑えて痛いとは、自分でも意識していませんでした。

 「点滴をしましょう。そのほうが楽になりますし」と、2階の別の部屋で点滴。終わって薬を待っていたら、もう一度診察室に呼ばれて、薬の説明。薬包に入った自慢の真っ黒い薬でした。

 「これで治ると思います。無理をして食べないで、残されたほうがいいですよ」とアドバイスをされました。その通りなんですが・・・。


 夜、市内のお寺の住職の満中陰法要。浄斎の席へは出ずに、いったん着替えて、街の小さなフレンチレストランでの食事会に出席。

 「富山・氷見漁港直送の魚介と朝採り野菜のフレンチダイニング」というコピーに惹かれ、幹事役の、フレンチ苦手なボクが決めた小さなお店。

 蕪のジュースの後、3種のお造りをフランスの塩とわさびだけで食べるメニューなど少しもフレンチぽくなく、病院から帰った後に「量は控えめにしてください」と電話しておいたこともあって、お腹は大助かり。
 素材本来の味を楽しむフレンチらしからぬお料理を、2時間半かけてゆっくり頂戴しました。

 先日から外れることの多かったお店選びですが、お気に入りの店が増えました。

 外食の話ばかり続き、この頁をご覧くださっている方の中には、「お坊さんって、こんなに贅沢な食生活なのかしら」と思っておられる方もおいでかも知れませんね。申し訳ありません。

 たくあん用の大根を少しばかり買ってきました。また今年も漬けるのが遅くなってしまいました。

〜 こぢんまり落ち着けた街のフレンチレストラン 〜
2006年12月13日(水)  No.1216

オークションは思い出処理工場?
 友人の女性に本やレコードをオークションに出して欲しいと頼まれて、他の友人を慰労する昼食会かたがた取りに行きました。

 「BOOKOFFに出しても目方でしか引き取られないから、貴重な本ならオークションにかけてみたら」とボクが以前提案したのです。実際、そのうちの美術書1冊を試しにオークションに掛けてみたら5千円になったので、「これは宝の山だ!」と思われたのでしょう。

 売れそうな物を選って持って帰るはずが、本やレコードはすでに用意されていて、その数6箱。チラッと見た限り、オークションで売れそうな本はごくわずか。ここまで準備されていたら仕方ないので、全部車に積みました。車の後ろが少し下がったみたい・・・。


 昼食は、オーガニックのお店の10畳ほどの2階を貸し切り状態。とてもゆったりくつろげる、感じのいいお店でした。お料理もお腹不調のボクにとってはやさしいもので、助かりました。

 ただ、ボクより少々年上の女性たちの、更年期の話などには、なかなか参加できません。それにしても、女性はどうしてあんなによくしゃべるのでしょう。

 食べ終わって、ケーキを勧められると、テレビでやっていた「別腹」の話。女性は、胃袋がいっぱいの状態でも、甘い物を見ると、胃にスペースが出来るのだと言って、スイーツを食べるのを正当化。ボクには別腹はできないので、ご遠慮申し上げました。


 帰って、ダンボールを一輪車の載せて、車と自坊の間を往復。ダンボールから出して広げて見ましたが、やはり売れそうな物はわずか。レコードについても、オークショクンサイトで見てみましたが、20枚千円程度にしかならないでしょう。

 でも、この本やレコードの山を見て、「彼女は、自分で捨てたり、二束三文にしかならないような古本屋には出したくなかったんだろうなぁ」と思いました。

 本やレコードには、その人の人生や思い出がいっぱいくっついている気がします。「この本を読んだとき、自分はあんなことで悩んでいたなぁ」とか「このレコードはあの人と聞いたなぁ」ということを思い出すでしょう。

 置いておいても読んだり聞いたりすることはおそらくないのですが、むざむざ粗末に扱われることがわかっているようなところへ‘捨てる’のは辛いのでしょう。
 ボクにも、捨てられない本やレコードが山とあります。

 オークションに出すというのは、‘何らかの形で有効利用される’と思える、彼女が自分を納得させることのできる処理の仕方の一つ、‘方便’なのではないかなぁと思います。

 まぁ、気長にオークションにかけてみることにしましょう。でも、どこへしまっておこうかなぁ・・・また自室が狭くなりそう・・・。

〜 預かり物の本とレコード 〜
2006年12月12日(火)  No.1215

冬の佳き日
 今朝は少し冷え込み、最低気温も2℃を下回りました。

 ここ数日お天気がぐずついていましたが、今日はお天気もよく、冷え込みでようやく冴えを増してきた紅葉の色がなおさら綺麗に見えます。

 境内は紅葉見物の人がたまに訪れるだけ。今日は、静かで、ゆったりした雰囲気で紅葉が楽しめます。

 そんな佳き日に、例の焼き芋製造器を送って下さったkame社の社長夫妻がお越しになりました。

 境内を1周された後、銀閣寺近くの定食屋さんで昼食。湯豆腐でもと思ったのですが、湯豆腐は昨日嵯峨野で召し上がったとか。洋食の定食で、別に京都らしいわけではないですが、地元では人気のお店です。

 ご馳走させていただこうと思ったのに、レジの前で力比べをして負けてしまいました。誠に恐縮です。ご馳走さまでした。

 ゆったりした、いいご旅行になったのではないでしょうか。やっぱり、紅葉期のピークを外すのがいいですねぇ。


 夕刻、街へ買い物に行きました。クリスマスムード一色かと思っていましたが、それほどでもありません。街の様子から、年末色を感じることはそれほどありませんでした。

 現代人は、季節の移ろいに鈍感になって来ているのでしょうか? 10月から紅葉を見に来る人もたくさんおられるほどですから・・・。

 ゆったりした1日でした。

〜 カメラがマッチ箱のように見えるkame社の社長! 〜
2006年12月11日(月)  No.1214

奇をてらう
 法要の後の食事の席に住職と招かれました。たいていは住職だけ伺うのですが、お寺の世話役をしてくださっている方でもあり、今日は二人とも。

 食事はホテルのレストランでフレンチ。「フレンチこわい」のボクにとっては、一寸先は闇の世界。

 目の前に置かれたメニューを前に、「これは『五島列島沖水揚げされた赤座海老カダイフ包み焼き レモンコンフィとバルミジャーノレジャーの香り 軽いブロッコリのジュー』かなぁと料理と見比べつつ、美味しく頂戴しました。

 ただ、1尾の小海老のシッポをつかむだけにフィンガーボールが出てきたり、給仕してもらう時に、「角が当たるんじゃないかなぁ・・・」と思わず身をかがめるほどお皿が大きかったり。いろいろな面で大げさで、ちょっと奇をてらい過ぎの感じがします。

 「もうちょっとシンプルに食事を楽しませてくれたほうが、味が引き立つのになぁ・・・こういうのが女性にウケるのかなぁ・・・」と思いました。

 食後のスウィーツは、まずカップに入ったムースのようなものが3種。次はお皿に小さなケーキが5切れほど乗った「甘さの一皿‘シュクレ’」。そして、コーヒーと小さなシュークリーム、チョコレート、甘い‘お煎餅’。まさにスウィーツ責め。やはり女性本位?

 「住職はこんなもの食べられないだろうなぁ」と隣を覗くと、ボクより先にすっかりたいらげていました。さすが物のない時期を経験している世代。でも、かなり無理してるでしょう。

 お料理だけで満腹な上に、最後の「これでもか!」という量のスウィーツで、苦しいほどになりました。美味しゅうございました。


 帰って1時間余休憩して、夕食会に出かけました。まだ食べ終わったばかりで食欲がない上に、天敵のフレンチにお腹は悲鳴をあげそう。

 夕食はボクがセッティングした「京の台所」に因んだ名前を持つ創作和食の店。「洗練された大人が美味な時間を・・・」というキャッチフレーズで、お値段もちょっと高い目の、個室主体のお店。

 結論を先にいうと、まさに奇をてらっているだけの、二度と行こうとは思わないお店でした。

 まず最初に飲み物と数品の料理を頼みました。お料理が2つ、3つと出てきて、あたたかい料理には温めた取り皿、冷たい料理には冷たい取り皿が付いてくる気配り。「おっ、いいじゃない」。でも、そこまででした。

 一向に飲み物が出てこないので、食事が始められません。テーブルに置いてあるブザーを何度押しても誰も来ません。
 もう一つお料理が運ばれてきたので、早く飲み物を出して欲しいと言いましたが、「自分の飲み物の係ではない」というような他人顔。

 さらにしばらく待っても出てこず、お料理が冷めてしまうので、先に食べ出しました。そして、お料理を半分ほど食べた頃に、やっと飲み物が来て、「乾杯!」

 追加の料理を頼もうとベルを押しても、まだ誰も来ません。ベルは確かに鳴っているのですが・・・。

 お料理は不味くはありませんが、やたらとお皿に凝っていたり、量が少なかったりで、奇をてらっているだけ。基本がまるでできていません。
 「創作京料理」という店には今までに何度も痛い目にあっていたのに、またそういう店を選んでしまったことを後悔しました。

 結局1時間経っても最初に頼んだ料理は出きらず、飲み物を頼もうにも係の人は来ない。もともと食欲はありませんでしたが、「こんな店には居るのも嫌」という気分になり、出ました。

 結局、行きつけのおばんざいの店で食べ直し。「美味しい!」と気に入ってもらえ、「最初からここに来ればよかったのに」と言われました。気をきかしたつもりが仇になりました。

 後からネットで1軒目の店を調べたら、以前、同じ系列の店に行ったことがあり、そこのお料理も奇をてらっただけのものだったことを思い出しました。
 その店は、京都のガイドブックにもCMを出していたりして、観光客向けに「京創作和食」などとPRしていますが、その店も今日の店も、「京都」を使って貰うには恥ずかしい限りのお店でした。東京資本かな?

 「創作京料理」「創作和食」にはもう絶対行かない! コテコテと奇をてらったりせずに、普通に美味しく食べられるお店が一番!

 お天道様に申し訳ないような、飽食の1日でした。

〜 超綺麗だった今朝の紅葉 〜
2006年12月10日(日)  No.1213

久しぶりにさくらの話題
 来客の方に、「さくらちゃんはどうしていますか?」と尋ねられるたびに、さくらを起こして見て貰うこと数回。さくらは、安住の地であるはずの籐の籠の中で、すっかりおかんむり。

 眠たいながらも、「また起こされるのではないか・・・」というような不信の目をして、こちらをにらんでいます。

 こうして写真で見るとずいぶん大人になったように見えますが、まだウンチはトイレでできません。便意をもよおしたような素振りを見せた時に、トイレに連れて行って、お尻を刺激して排便させてやらなければなりません。放っておけば、勝手口の土間でしてしまいます。さくらにとっては、その土間がウンチをする場所なのです。

 夜中にはボクの布団に入ってきて、ボクの肩に前足を乗せて、お腹にもたれかかって寝ています。ボクが猫と寝るようになるなんて・・・。

 朝起きると、枕元には軍手、マフラー、ボールなど、さくらのコレクションが並んでいます。夜中に集めて来たのです。

 何ともかわいいさくら。ボクはこの子にいつも癒しをもらっています・・・時々、腹が立ちますが。

 猫って、かわいいですねぇ。


 年始用の水塔婆書きに着手。新しいプリンタも来たので、そろそろ年賀状にもかからなければ・・・。

〜 眠たくて、ちょっとおかんむりのさくら 〜
2006年12月9日(土)  No.1212

一段落してストレス減る
 昨日からの雨も朝には上がりました。

 雨があがったとあらば、落ち葉掃除が待っていますが、人も少なくなったので、気楽に出来るようになってきました。

 今日は「今日の散歩道」の更新日。ここしばらく、紅葉の写真を撮りに来る人たちに紛れて撮影しなければならず、写真を撮るよりも管理のばかりが気になっていましたが、ようやく今日はほぼ好きなように撮ることができました。

 正直なところ、今年の紅葉にはガッカリ。「わぁー きれい!」と思えるような瞬間に出会うことなしに、冬枯れの季節に向かっていこうとしています。

 今日、ファインダイー越しに紅葉を見ても、色に透明感がなかったり、すでに縮れていたりして、感動してシャッターを押すということはありませんでした。

 でも、気分的にはとても自由になったので、写真もサッサと撮り終え、あとは呑気に文章を書いて、11時頃にはすべて完了。決して早い時間とは言えませんが、電話がジャンジャンかかってきたり、時おり落ち葉掃除をしたりしていたことを考えると、余力を残しての完成です。

 ここ数回は、写真を撮ったりする気持を削がれて、文章にも気が乗らず、ガサガサと作ってしまっていましたが、今日はそれもかなり回復してきました。

 紅葉の季節は、自分の領域にどんどん人が入ってくる気がして、好きではありません。とりわけ、目の色を変えてまで写真を撮ろうとする人たちは、立ち入り禁止も人の迷惑もお構いなし。普段大事に育てている草木も踏みくちゃ。静かに紅葉を楽しみたい人たちにとっても大迷惑です。

 ようやくそんな人たちが大挙して押し寄せることもなくなり、今日は写真を撮る人の顔も、ひとり一人見えてきた気がしました。

 長い紅葉の季節が終わりました。しずかな境内がやっと戻ってきた感じが、自分の文章からも感じられました。

〜 落ち葉も精彩を欠いた今年の紅葉 〜
2006年12月8日(金)  No.1211

焚き火始め
 午後から雨の予報でしたが、朝から時おり時雨れてきました。

 「雨の前に落ち葉を・・・」と思うのは皆同じ。塔頭数軒も、前で落ち葉焚きを始めていました。

 ボクも、「溝に落ちている葉を最終的に処分するには、燃やすしかない。人が少なくなったら燃やそう」と決めていたので、迷わず新聞紙を用意して落ち葉を集め、火を点けました。今期初めての落ち葉焚き。懐かしい匂いが漂ってきます。

 時雨れているとはいうものの、乾燥した落ち葉はあっという間に燃え尽きました。焼き芋を焼いているほどの時間はありません。雨の降る前に片付けなければいけない最小限の枯れ葉だけを燃やました。残りはまた積んで腐らせます。


 数日前に護符は完成したので、次は正月用の経木塔婆を書こうと思って住職のところへ行ったら、住職は年賀状書きに懸命となっていて、去年、年始参りされた方の名前の整理がまだ出来ていないとのこと。去年の年始参りリストをもとに塔婆を書くので、それがなければ取りかかることができません。肩すかしを食らいました。

 年賀状・・・書かなければいけませんねぇ。まだ買ってもいないのです。

 「そういえば、プリンタが壊れていたなぁ」と思い出し、いろいろやってみましたが、ヘッドのエラーが出て、刷るところまでもいきません。

 たまにしか使わないインクジェットプリンターは故障ばかり。その度に、手を汚しながら直してきましたが、もう勘弁ならねぇ! 去年モデルの安いプリンタをネット通販で手配しました。

 これで年賀状を買ってきて、デザインを決めて、名簿を整理して・・・やる気がおきませ〜ん。

〜 時雨れに濡れる落ち葉 〜
2006年12月7日(木)  No.1210

境内、静寂を取り戻す
 朝、観光客の誰一人いない境内。本当に久しぶりです。

 今まで観光客に埋没していたウォーキングやジョギング、犬の散歩の人たちの姿が、くっきりと浮かび上がってきたような印象です。

 ようやく普段の境内が戻ってきました。

 ボクが塔頭ごとの掃除担当区域外の本堂前などの掃除をするのも、もうあと数日になるでしょう。落ち葉も減って、これからは職員の手でボチボチやればいいようになります。

 手にマメができ、少々腕っ節も強くなった気がします。楽しませてもらいました。こういう形でご本尊に奉仕するのが、ボクには一番あっているように思います。


 カフェの報告が来ました。売り上げは、コーヒー&紅茶550杯、栗餅292個。純利益は20万円程度。栗餅だけ注文された方もおられたので、総来店者は570人ぐらいになるでしょう。
 作業所で作った自主製品の売り上げは、53,070円。委託販売の陶器の収益が6,600円。
 カフェに従事したメンバーは23人、延べ60人。メンバーが働いた総時間は228.94時間。この他に、各作業所の指導員が働きました。

 ご来店くださった方々、差し入れをくださった方々、「頑張れ!」と応援してくださった方々のお蔭で、大成功をおさめることができました。

 ありがとうございました。

〜 「何かくれる人来ないかなぁ」と参道を眺めるミーコ 〜
2006年12月6日(水)  No.1209

わずかに霜降す
 朝、落ち葉掃除をしていたら、本堂前の白砂の上に落ちていた葉の1枚が、ほんの少し白くなっているを見つけました。

 「あれっ? 霜? でも、これだけだなぁ・・・」と思って、脇のほうへ回ると、また白くなっているのが数枚。

 近くが見にくくなった眼では判別できないので、デジカメで接写して、帰ってから大きくしてみると、やはり霜でした。

 すぐその場で直接確認できなかった口惜しさがあるものの、季節が一駒進んだようで、嬉しく思いました。

 すぐさま、霜に当てることができないインド菩提樹を退避させました。


 今日は千客万来。ホームページ関係、カフェ関連、宗派関係などいろいろ。その合間を縫って、本堂の職員に会いに行きました。

 先月15日に脳梗塞で入院した人が、昨日から復帰しているのです。昨日は時間の都合で会うことができず、今日。

 お顔にはやはり元気がありません。言語に少し障害が残っているとのことでしたが、普通に話す段には感じられませんでした。

 大きな病気をされ、まだ予後にも懸念があるのに、どうしてそんなに急いで出勤されたのか。それは、今まで聞いていた彼や他の職員の話から充分推察できました。
 職員はほとんどが70歳代。一番年上の人は81歳。皆、無理のきかない身体です。
 退院されてよかったのは言うまでもありませんが、こうして急いで出てこられ
たことへの心配のほうが先立ちます。

 自分の立場ではどうしようもないことなので、やるせない思いが募ります。とりあえずは、除草や清掃など、ボクの出来ることで援護するしかありません。

 落ち葉の季節が終われば、境内の作務も減ります。紅葉期に疲れた職員さんがゆっくりできるよう、天が与えてくれた休養に思えます。

 そう考えれば、霜はその予兆。なおさら嬉しく思えるのです。

〜 境内の霜降を見つけたのはボクひとりでしょう 〜
2006年12月5日(火)  No.1208

乾電池の末期
 先月の半ば、本堂前の落ち葉掃除を始めた頃から落ちていたこの電池。

 もともとは、手水舎の横に転がっていたのが、花の木の回りを2/3周して、今日は木のベンチのあたりまで移動してきていました。

 ボクは、この電池を拾いもせずに、「あ、今日はここか」「こんなところに来たのか」などと傍観していただけ。その間、電池は踏まれ、蹴られて、毎日少しずつ居場所を変えてきました。

 電池に感情移入するつもりはありません。電池が毎日‘いじめられている’のを知っていながら、助けようとも、拾ってひと思いに捨ててあげようとも思いませんでした。かといって、ゴミだから片付けないといけないという気も起きませんでした。

 どうして、3週間ほぼ毎日、淡々と見てきたのでしょう。我ながら不思議です。不思議だと思いながら、今朝もまたそのまま放ってきました。

 どうしてこんなこと、閑話に書いているのでしょう・・・あかんわ。

〜 日々是転々の乾電池 〜
2006年12月4日(月)  No.1207

‘落ち葉バスターズ’全開!
 法要を終えて、午後、思いっきり‘落ち葉バスターズ’。

 落ち葉自体はかなり減ったので、今まで吹き集めたり、溝に落としていた枯れ葉を捨てる作業を中心にしました。

 落ち葉を、庭用の、90センチ四方の運搬袋にギュウギュウ詰め込んで、邪魔にならない場所に運び、捨てます。詰め込んだとはいえ、中身は葉っぱなので、さほど重たくはありません。

 捨てる場所は、木々や紫陽花などが植わっている間。人目についてしまう場所ですが、他にありません。来年の梅雨頃にはペシャンコになってくれるでしょう。

 詰め込んでは運び、詰め込んでは運び、後をブロアで吹いて綺麗にして、2時間半ほどの間に運ぶこと十数回。
 雨が降ったら。溝に落としていた葉で溝が溢れるのが心配でしたが、それも解消。すごく達成感のある作業でした。

 あまりに達成感があるので、興味深そうに見ている人に、ブロアを指し示して、「やってみますか?」と勧めてみましたが、ブロア体験をしたのは檀家の子供さん1人だけ。やってみれば面白いのになぁ。

 その子は、先日、ノロウイルスにかかったそうです。今日の法要の方も、家長夫妻と孫の一人は、夕べからの、おそらくノロ感染と思われる症状で欠席。ご子息夫妻と残った子で法要を執り行いましたが、ご子息も感染したような症状とか。
 こんなに流行っているとは・・・。

 ムキになって‘落ち葉バスターズ’をやったので、夜は手がだるくてなりません。でも、しばらく手を付けていない護符作りも気がかりなので、シコシコと作業をして、あと2〜3時間やれば完成というところまでこぎ着けました。

 これからしばらくは、紅葉の片づけと年始準備が共存しているような毎日になりそうです。

〜 夕暮れ間近の散り紅葉 〜
2006年12月3日(日)  No.1206

休日が欲しい!
 昨日、会議があったので、「今日の散歩道」の更新を今日に遅らせたものの、朝は月参りと法事、午後は「メダカの学校」で、写真を撮っている時間がほとんどありません。

 朝の落ち葉掃除の時に、ポケットに入れたカメラで撮ったり、「メダカの学校」のお勤めと法話の間に抜け出して撮ったりしましたが、腰を落ち着けて撮ることができません。

 メダカが終わって、写真を編集し、ようやく7時頃から更新作業にかかりましたが、眠たくって・・・熱燗呑んだのはやっぱり失敗でした。

 椅子に座りながら2回ほど、炬燵で1回、短い居眠りを繰り返しながら、9時頃になってようやく調子が出て来ました。

 時間がなく、曇天で‘光’がなかったこともあり、気に入る写真がないのはもうどうしようもありません。
 「明日にしようかなぁ・・・」と弱気になりましたが、今日のうちにやってしまわないと気分的にしんどいので、1時半頃までかかって何とか更新しました。

 最近、かなり寝不足気味。寝るのが大好きなボクにとって、寝不足はかなりのダメージです。年末年始までに、な〜んも予定のない日を1日作らないと、ぶっ倒れてしまいそうです。

 でも、貯まりに貯まった落ち葉の片づけもしないとなぁ・・・護符もあるしなぁ・・・年始墓参の塔婆も書かなきゃなぁ・・・年賀状、どうするかなぁ・・・。

〜 枯れて縮れたもみじを写生していた姉妹 〜
2006年12月2日(土)  No.1205

他所で紅葉を楽しむ
 午後から、大津・坂本で会議。坂本は紅葉の名所でもあるので、少し早めに行って、日吉大社の紅葉を見ることにしました。

 昨日まで紅葉期のイベントが開かれていたらしく、随所でライトアップの設備を片付ける光景が見られ、坂本の紅葉時期も終わりであることを感じました。

 日吉大社の紅葉は、やはりほぼ終わり。大方のもみじは葉を落としていました。あと10日ほど早ければ綺麗だったかも知れませんが、それでも‘秀逸’とは言えない紅葉だったでしょう。

 紅葉そのものは今の真如堂境内のほうがすっと綺麗なものの、‘管理する側’の気持が先立って、純粋に紅葉を楽しむことができません。でも、ここなら気持は自由。ほとんど終わりがけの紅葉とはいえ、晴れ晴れとした気持で紅葉を楽しみました。

 少しさみしくなりつつ境内を、結婚式の行列が進んで来ました。新郎の紋付き袴はグレー。少し寒々とした印象でした。

 日吉さんを出て、坂本の名物の一つである蕎麦を食べに行きました。少し待たされて席に着き、また待たされてやっと出てきた蕎麦は、何だか歯ごたえのないもの。
 有名な店であるわりには、この店の蕎麦にはいつも失望します。会議の折の昼食にここのざる蕎麦が出てくるときがありますが、もともとが柔らかいうえに延びきっていて、しかも団子になっていて、「丼にしてくれ」という希望が出たのも然りです。

 会議は午後から5時過ぎまでかかり、その後、京都で忘年会。1次会はボクがセットしたお座敷のフレンチ。静かな雰囲気で、部屋の設えも京都らしく、料理も上品な感じで、ほとんどが他府県からの出席者にも喜んでいただきました。

 2次会の後、今日はうどん。「ハイカラうどん」という天かすと葱の入ったその店の看板メニュー。これは坂本の蕎麦よりも出汁がきいていて、なかなか美味でした。

 帰ったのは2時頃。11月の疲れに12月初っぱなの疲れを上積みしてしまった感じです。

 あー、眠たい。

〜 落ち葉の中で遊ぶ園児たち。坂本・慈眼堂 〜
2006年12月1日(金)  No.1204

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