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2006年11月の日記

カフェ、千秋楽
 カフェ、最終日。

 9時半頃にボクひとりで張り切って開店したものの、お客さんは来ず。「こういうのを‘ボウズ’っていうのかなぁ」とひとりでウケました。
 ただ待っているのも勿体ないので、カフェの客席で護符の下ごしらえ。
 10時過ぎにメンバーが来て、それを追うようにお客さんが3人来店。メンバーはこの期間中、最もたくさんのコーヒーを入れた人なので安心して任せ、以後も1日客席で道案内をしたり、紅葉の解説をしたり・・・焼き芋を焼いたり。

 今日も多くの方にお越しいただいて、5万円ほどの売り上げがありました。

 11月6日にOPENして今日まで15日間開いてきたカフェも、今日の4時をもって今年の営業を終了しました。
 集計をしてみないと正確な数字はわかりませんが、この間、おそらく400名ほどの方がご来店くださり、延べ60〜70名ほどの心の病を持ったメンバーたちが、接客や、コーヒーや紅茶を入れたり、食器を洗ったりと、就労体験をしました。

 カフェに従事したメンバーたちは、自分の最終担当日の帰り際に、「もう終わるなんて、さみしいです」「来年もまた来ます!」「来年までにまた練習しておきます」などと言ってくれました。
 「来年も来たいけど・・・ちょっと複雑」というメンバーもいました。来年も来るということは、まだ共同作業所に通っているということ。つまり、まだ病状が快復せず、就労もできていないということになるからです。

 来年もカフェができるかどうか、それはまだわかりません。これから回りの様々な反応が出てくることが予想されるからです。
 カフェの趣旨を説明する文章などが掲示してあっても、「お寺がカフェをしてもいいのか?」などと言う人があったり、営利目的でやっていると思っている人もあります。
 もっと‘社会福祉目的’でやっていることを前面に打ち出すという手もありますが、‘お涙頂戴’のカフェではなく、‘普通’のカフェとして代金を頂戴したいという思いが我々にはあります。また、働くメンバーが‘障害者だから仕方がない’という目で見られ、傷つくようなことは断じて避けたいと思っています。そんなこともあって、ある程度の趣旨説明で止めています。

 また、心の病=‘何をするかわからない人’という偏見は根強く、以前、ボクが関わって、厚労省の予算まで付いた施設の建設計画がありましたが、結局建てることが出来ませんでした。

 来年までにどんな反応が出てくるか、これからしばらくは様子見です。

 ともあれ、やれやれです。
 カフェを直接運営しているのは共同作業所だといっても、人の目にはお寺がやっているように見えるので、あまり不格好なことは出来ません。寺として、お越しいただいたお客さんを歓待したいという気持もあり、結局はカフェに入り浸りでした。

 このホームページにお越しくださる方も、たくさんカフェにご来店くださいました。有り難うございました。割引券は結局誰も活用されず。持参されても、割引は要らないとおっしゃっていただきました。
 また、たくさんの差し入れを頂戴しました。作業所にいるよりカフェにいるほうが、各地の名物など、たくさんのおやつがあるとみんな大喜びでした。深謝申し上げます。

 境内の朝の落ち葉掃除、そしてカフェと、忙しい11月も今日で終わり。紅葉の人出もこの日曜日まででしょう。
 次第に静かな境内に戻っていきます。

〜 落ち葉に埋もれる他寺の拝観券 〜
2006年11月30日(木)  No.1203

右往左往の日
 朝、来客接待用の生菓子を注文しようと電話をしましたが、呼べども応えず。「水曜日って、休みだったかなぁ」と思いつつ、次の段取りを考えなければなりません。

 街中へ買いに行きましたが、生菓子はまだ1種類しか出来ていないとか。とりあえず干菓子を求めましたが、干菓子だけでは格好がつかないと思って、通りがかりにあった、老舗からのれん分けをして貰ったような名前の菓子屋さんへ。ここもまだ種類は揃ってはいなかったものの、とりあえず買い求めました。

 その足で、お客様をホテルに迎えに上がり、法然院までお送りして、いったん帰ろうとしたら、いつもの菓子屋さんが開いていたので、また買い求めました。

 何だか、お菓子を買うだけで、疲れちゃったぁ・・・。

 法然院を特別に拝観されたお客さまたちは、近くのフレンチレストランでランチを召し上がってから、自坊にお出でになりました。

 カフェの席では落ち着かないので、奥の茶室でご自由にお過ごしくださいとお通しし、お抹茶やお煎茶の用意をして、あとはお客様のお嬢さまにお任せしました。

 昨日は御陵の縁石に腰掛けて冷めたお弁当を召し上がっていただき、今日、お嬢さまには水屋でお抹茶を点てていただいたり、茶碗を洗っていただいたりと、とてもお客様を接待申し上げる態度ではありません。

 でも、「京都に行きますから、お目にかかれれば」と声をかけてお呼びになった方も同席されていたので、まぁ、ボクはいないほうが気楽かとも思い・・・。


 カフェは、ボクが菓子を求めて帰ったときから大混乱。今日は一番心配なチームが担当している上に、午後には25名の団体の予約も入って、ある程度の混乱は予想していましたが、朝一番から混乱とは・・・。開店準備も出来ていないのに看板を出したようで、なかなかコーヒーが出てこないのに業を煮やして帰ってしまわれた方もおられました。
 チームの質を統一するのは本当に難しいものです。

 カフェには、今日もホームページをご覧になった方々がお越しくださって、差し入れを下さったりと、本当に有り難い限りでした。

 昨日からのお客さまもゆっくりしてくださり、伊丹から飛行機に乗られる予定のお嬢さまは、乗り遅れてしまわれました。ボクがもっと早くにお発ちになるように申し上げればよかった・・・。申し訳ありません。


 何だか嵐のような1日でしたが、千客万来で、嬉しい時を過ごしました。

〜 明日から吉例顔見せ興行 〜
2006年11月29日(水)  No.1202

御陵でランチ
 今日はカフェもお休み。

 お昼に遠来のの大切なお客様と待ち合わせて、京阪電車で東福寺へ行きました。人混みが大嫌いなボクが、紅葉の時期の東福寺に行くなんて、自分でも考えられないことなのですが・・・。

 「お昼はどこも混んでいるでしょうから、お弁当を買って、紅葉を見ながら食べましょう」と、あらかじめボクがデパ地下で求めておいたお弁当を持って、いざ人混みの東福寺へ。

 電車は意外なほど空いていて悠々座れたのですが、降りた途端にすごい人。人の流れに背中を押されるようにして東福寺へ。入り口に、境内での飲食を禁じる張り紙がありました。「ここでは食べられないの・・・せっかく・・・」。

 通天橋はやはりすごい人通りでしたが、肝心の紅葉は縮れていたり色が濁っていたりで、予想通りあまり綺麗ではありませんでした。
 紅葉がよくないというだろうことは申し上げてあったので、賓客はさほど落胆されてはいないと思うのですが、お弁当を食べることができないまま、時間が過ぎていきます。

 東福寺の境内で食べるのは諦め、住宅街の中を抜けて、泉涌寺に向かいました。

 泉涌寺も境内では食べられそうな様子はありません。お寺って、弁当一つ食べられないのだと思いました。境内の拝観料は要らないし、弁当も自由に食べられ、テーブル&椅子まで用意してある真如堂は希少価値なのかも知れません。

 泉涌寺の門を過ぎて少し奥へ行くと、道の両側に御陵がありました。ベンチなどはありませんでしたが、「ここしかない!」と直感的に思いました。時すでに3時。ここを逃せば、お弁当を食べられるところなどありません。いつまでも重たいお弁当やペットボトルを持っていられません。お腹も‘空いた’を通り越しています。

 前も背も御陵に挟まれた道の冷たい縁石に一文字になって腰を掛け、冷え切ったお弁当をいただきました。

 人通りは多くありませんが、時折散策の人や犬の散歩の人が通ったり、近くの高校の生徒たちが列を成してランニングして行ったり・・・。宮内庁の職員が御陵のメンテに来ましたが、御陵域内に入っているわけでもなく、魚鳥を取ったり、竹木を切ったりしているわけでもなし。特にとがめられませんでした。

 決してお弁当を食べるのに最適な環境とは言い難いですが、「ここしかない」という切迫感がお客様にもボクにも漂い、見事完食しました。

 こんなに食べるところがないなんて、まったくボクのリサーチ不足です。お客様には本当に申し訳ないことです。

 食後、御陵を背に、「ここでお昼を食べました!」と、ボクの失敗を記憶に止めるがごとき記念写真を撮りました。
 
 泉涌寺は500円払って入った割りには、見ごたえのない感じでした。

 結局、遠来の賓客をご案内して回ったのは、東福寺と泉涌寺だけ。お昼は御陵を前と背にした道端の縁石で。ご案内役を買って出なかったほうが、ずっといい紅葉見物が出来たに違いないと思っています。穴を掘って入りたい・・・。

〜 ここに並ばなくてもよかっただけがせめてもの救い 〜
2006年11月28日(火)  No.1201

紅葉、峠を越す
 昨日からの雨はあがったものの、地面は濡れ、時おり細かいものが降ってくるあたたかい朝。

 今朝は本堂前の枯れ葉があまりありません。花の木や菩提樹はもうほとんど落葉し、風もあまりなかったので、昨日のように葉っぱが飛び散らなかったのでしょう。

 でも、濡れた葉っぱは重たくて飛びにくく、途中でガソリンを補給しないと掃除をし終えることが出来ませんでした。

 紅葉はピークを超えた感があります。今年の紅葉は70点かなぁ。本当に綺麗な色にならずに落ちていきます。残すは本堂裏の敷き紅葉。これも綺麗な色は期待薄かな。


 午前中、3軒の檀家宅でのお参りを終えて、午後はカフェ。一度入り出すと、放っておくわけにはいかなくなりました。

 知り合いの方やホームページをご覧くださってお越しになる方もおられるので、できる限りカフェにいるようにしています。また、やはり僧衣を纏っているほうが、‘苦沙彌’だとわかっていただきやすいので、暑くて動きにくいのですが、衣を着ています。

 今日は、ほとんどの時間を来客対応と焼き芋に費やしました。芋が焼き上がった頃にお越しいただいた方には、熱々のお芋をさし上げることができたのですが、そうでない方、ゴメンナサイ。

 カフェも今日を含めてあと3日。作業所に通うメンバーたちもかなり慣れてきて、自信もつけてくれました。このまま思うような就職先があればいいのですが、なかなかそうもいきません。

 このカフェが、何かに繋がるような仕掛けを考えていくのも今後の課題だと思えてきました。

〜 人気のない朝の境内 〜
2006年11月27日(月)  No.1200

カフェ、繁盛す
 夕べの強風で、本堂の前は思った通りの葉っぱだらけ。もみじ、桜、桧などが入り乱れて散らばっていました。今朝の‘落ち葉バスターズ’は大変そう。

 まだ強く吹いている風の向きにあわせて、いつもとは違う方向からブロアで吹き始めましたが、枯れ葉が集まってきたと思ったら、急に風向きが逆に変わり、せっかく集めた葉っぱが散り散りに飛ばされてしまいました。

 逆向けにあわせて吹き集めていたら、また風向きが変わるというように、風が回って一定方向に吹いてくれません。これではいくらやっても埒があかないので、少し集めては袋に取るようにして、少しずつ本堂前の枯れ葉を掃除しました。

 この風ではしばらくするとまた元通り枯れ葉だらけになってしまうのは明らかですが、どうしようもありません。普段より長く2時間ほどかけて掃除をし、人が増えてきたので止めました。


 法事を2座済ませ、午後からはカフェ。

 今日は人出が多くカフェのお客さんも多いという予想で、今までの就労体験のためのカフェではなく、作業所の運営資金を稼ぎのための開店。スタッフも、5つの作業所の職員ばかりで、相当忙しくなっても対応できるようなチーム構成。

 午前中から来客はひっきりなしで、午後2〜3時頃がピーク。結局、コーヒー&紅茶が125杯、栗餅90個ほどで、作業所で作った製品の売り上げを含めると、今日の総売上は9万余。いままでコーヒー&紅茶売り上げの最高60数杯の倍でしたが、去年の250杯に比べると半分。朝から時おり時雨れたり、午後の本降りがこたえました。

 スタッフは、ちょっとがっかり顔。こういう‘商売’って、本当に‘水物’なのですね。


 ホームページをご覧くださっている方やボードに書き込みをしてくださる方とも初めてお会いしたり、心の病にかかっている方を家族に持つ方とお話が出来ました。

 ボクの目には、お客さんにもゆっくりしていただける、ちょうどよいぐらいの忙しさで、いろいろなご縁もいただいた、楽しいカフェ最繁盛日でした。


〜 空席待ちも頻発した今日のカフェ 〜
2006年11月26日(日)  No.1199

京の景観、守りまひょ
 今日もすごい人。特に午後の人の数は半端ではありません。薄暗くなってきても、どんどん人が押し寄せてきます。

 衣姿で本堂の前に行ったら、「一緒に記念写真を撮らせてもらえませんか?」と何組もの人に言われて、モテモテ。まるで、変身舞妓状態でした。

 あちこちがとても混んでいるということ、紅葉は今ひとつ色が冴えないと風聞が聞こえてきます。

 今日・明日が人出は最高。明日は雨になるらしいですから、ひょっとしたら、今日が一番の人出だったかも知れません。


 紅葉シーズンの観光客のマイカー流入を抑制する京都市のパークアンドライドが、土日祝日を中心に5日間だけ行われています。京都市内4カ所に無料駐車場が設けられ、駐車場から公共交通機関へ乗り換えて観光地へ移動してもらい、渋滞を回避しようとというシステムです。利用者は多くないそうです。

 利用した方が結局時間もかからないですし、気楽だとも思いますが、PR不足なのでしょう。それに、次の移動を考えて車を離したくないという人もいるでしょう。
 京都の観光地の混雑がどんなものか知っている人は、利用されるでしょうが、京都観光に対する観光客の意識を変えないと、普及はしない気がします。

 もう、何十年も前から、浮かんでは消えを繰り返しているシステムですから。


 不祥事続きでボロボロの京都市役所にも、最近、「おっ、本気でやるのかな?」と感心することがありました。景観保全に対する取り組みです。

 点滅照明を使った屋外広告と、屋上に設置する広告を市内全域で禁止する。建物の高さの上限を45メートルから31メートルに下げる。守るべき眺望として38地点をリストアップし、高さ規制を守っていても、眺めを遮る建物は認めない「標高規制」を採用。地点ごとに建物の高さやデザインを規制する区域などを定めるなど、どんどん古都の景観を守る条例を打ち出してきています。

 今まででも、京都では景観論争が繰り返されてきました。京都ホテル、JR京都駅は記憶に新しいところです。
 いずれも、高い建物を建てたい事業者の建築許可申請を、市が「活性化」を理由に規制緩和し、それに市民が反発するという構図でした。

 そういう小手先の「活性化」が結局は京都の景観を崩し、京都らしい風景を減らしてしまって、「観光都市京都」の屋台骨を揺るがしかねないことに、ようやく市役所も気がついたのかも知れません。

 「都市計画局都市景観部」なんていうのがあったのを知りませんでした。「時を超え光り輝く京都の景観づくり審議会」という長ったらしい名前の会もあるみたい。

 観光客を誘致することばかりではなく、来て貰ってもがっかりさせない京都作りを、ぜひとも本気でやってほしい。

 欲を言えば、東京資本の一見京都風の町屋ダイニングや京料理など、‘エセ京都’にも規制の網をかけてほしいものです。

〜 「わぁー、京都は落ち葉まで違う!」と言われたかどうか・・・ 〜
2006年11月25日(土)  No.1198

カメラ翁とのバトル
 いよいよ人が多くなってきました。

 朝の落ち葉掃除と檀家参り以外は、寺に引き籠もっていますが、今日は更新の写真を撮らなければなりません。

 この時期、とにかくカメラを持った人が多くて、マナーの悪い人も多く、境内に出ると注意をしたりしなければいけない光景と出会うので、できることなら出て行きたくはありません。

 仕方がなしに境内に行くと、三脚を立ててずっと粘っている人がいました。いつシャッターを押すかわからないので、しばらくは遠慮していましたが、埒があかないので邪魔にならないようなところに座って、写真を撮ろうとしました。

 すると、その男性は「ちょっと」とボクの背中に向かっていいました。ボクも、「来たな」と思いました。

 男性の言いたいことはわかっています。自分が先にカメラをかまえて陣取っているのに、その前に入るなということです。

 境内を我が物顔に占有して、他の紅葉を見に来た人を払うような、一部のカメラ翁たちの傍若無人ぶりは断じて許せません。

 変装のためにかぶっていた帽子をやおら取って、「私は寺のものだけど、場所を占領して、そこに入ってくる人を『退け』というようなことをして貰っては困る」と噛みつきました。その男性は、「譲り合ってやればいいじゃないですか」というようなことを言いましたが、譲らないのはその人自身。ボクも切れまくって、とことん言いました。

 紅葉の頃は、こんなことが頻発します。一々言うのも嫌なので、自宅に引き籠もっているわけです。

 ゆっくり紅葉を楽しんで貰うためには、三脚を規制して場所取りを止めさせるなどの策を講じないといけないでしょうね。

 毎年この時期になると勃発する、カメラ翁・婆とのバトルです。

〜 お弁当を作って持ち寄り、紅葉狩りを楽しむ人たち 〜
2006年11月24日(金)  No.1197

カフェで涙そうそう
 働いてお金が貰えることに「欲」が出てきた、心の病を抱える作業所に通うメンバーと、就労に向けての意欲を削ぎたくない同スタッフなどの思惑が一致して、最も人出の見込まれる今日、カフェを臨時営業することになりました。

 「23日もやろう!」と言い出したのはボク。少々二日酔い気味でしたが、9時半には開店の準備も整い、10時にはメンバー、スタッフも各1人来て、いざ開店!

 今日の収益は今日カフェに従事したメンバーにすべて還元するという作業所の配慮もあって、メンバーはやる気十分。11時にはメンバー1人、午後にスタッフ1人、ボランティア1人、メンバー2人も加わって、ボクを含めて8人体制で、手ぐすね引いてお客さんを待ちました。

 コーヒーを入れるのが得意な人、客引きが上手な人、洗い場に専念する人、場を和ませる人、細かいところに気をつける人、それぞれが持ち味を発揮して、素晴らしいチームワークです。

 でも、雨の予報を嫌ってか個人の参拝客少ない感じで、期待したほどお客さんが来てくれません。団体客は多いのですが、集合時間が迫っているので、コーヒーを飲んでいる暇はないので寄ってくれません。

 去年、日曜日に開いた時は200杯近いコーヒー&紅茶の売り上げがありました。メンバーの中にはそれと同等の売り上げを期待し、いくらぐらい給料を貰えるか計算して、自ら働くリサイクルショップ(作業所)に商品として出したばかりのダウンジャケットを早々と買った人もいます。これでお客が少なければ、皮算用が大きく狂ってしまいます。

 何度も境内に出て客引きをしたりして、今日の売り上げはコーヒー&紅茶62杯、栗餅40個(売り切れ)、羊羹1切れ。作業所で手作りしているものも結構売れて、当初の期待ほどではないものの、ちょうどいいペースで回転しました。

 そして何よりも、作業所では暗かった人が冗談を言うようになったり、就労への確かな手応えを感じてくれたり、「生きていてよかったぁ」などと言ってくれたりすると、「今年のカフェは就労支援が目的や」と言い出したボクも、オーナー?冥利に尽きます。「あー、やってよかったなぁ」と、嬉しくて涙そうそう。

 お客さんには近所の方も多く、「いつも犬の散歩をしてますが、初めて中に入らしてもらいました」「水琴窟を楽しませてもらいました」などと会話も弾みました。
 「美味しかったわ。ありがとう」「ゆっくりさせてもらいました。おおきに」などと言われると、みんなウキウキ、涙そうそう。

 4時過ぎ、メンバー、スタッフ、ボランティアが晴れ晴れとした顔で帰っていくのを見送って、「今年のカフェは大成功やん!」と再々涙そうそうでした。

〜 手際もよくなって舞台裏 〜
2006年11月23日(木)  No.1196

完敗です
 月参りの後、午後は内職と思っていましたが、千客万来で、焼き芋を焼くのにも忙しく、いろいろやっていたらもうすっかり夕方。6時からは、以前関わっていたボランティアの仲間2人との呑み会。

 大急ぎで昨日分の「閑話」を書き、タクシーを呼ぶべく電話をしても、ずっと話し中。10回目ぐらいにやっと繋がりましたが、混雑していて少し時間がかかるとのこと。紅葉期のピークなので、こういう事態を予期していましたが・・・。

 思っていたより早くタクシーが来て乗りましたが、タクシーの運転手さんによると、今の時期は貸し切りも多く、流しで走っているタクシーが減っているのだとか。東山界隈の混雑はひどく、迎車のお呼びがかかっても行きたくなとか、いろいろな裏情報を聞かせてくれました。

 10分ほど遅れて店に着くと、2人はすでにビールを頼み、呑み始めようとしていました。ボクの顔を見るなり、「あ、早いなぁ。先にビールを呑んでおいて、割り勘勝ちしようと思ったのに」と言われました。

 前回、このメンバーで呑んだ後、ボクは不調になって、胃カメラを飲む羽目に陥りました。今日は、巻き込まれないよう注意して呑みましたが、かなりの量。2人とも「老年者」なのに。お店の人には、前回、「すごく呑まはりますね」と言われましたが、今日は「呑んでばっかり(アテをあまり注文してない)」と言われました。

 60年安保を引きずっているような、文化人類学、民俗学のような、訳のわかったような、わからないような話をしながら、結局一番最後の客になりました。

 2次会を行きつけのジャズ喫茶でと、タクシーに乗って行ったのですが、あいにく定休日。定休日なんてできたんだ・・・。仕方がないので、大通りを隔てた、ジャズが流れる学生向けのダイニングバー行き、それぞれ結構ヘビーなものを食べながら、またわけのわからない話。
 ボクは睡魔に襲われてうつらうつらしているのに、「老年者」2人は滅茶苦茶元気。「すごいわ・・・」。

 1人は京都と大阪の中間まで電車に乗って帰らなければいけないのですが、時間など一向にお構いなし。ボクが、「もう帰らんと電車なくなる」と急き立てて、2人を別々のタクシーに乗せ、やっと解散。

 ボクは歩いて帰って、お風呂で頭を剃ったような記憶はあるのですが、その前後は覚えていません。
 前回の轍は踏まずに無事でしたが、この次は記憶がまだらにならないよう、もうちょっとセーブしようと思っています。

 楽しい会でした。

〜 カエデの落ち葉の敷物 〜
2006年11月22日(水)  No.1195

焼き芋つながり
 去年の師走、境内で焼き芋を差し上げたことからメールを交わすようになったご夫婦の奥様が、今日、お友達と四国から日帰り旅行にみえるという連絡がありました。

 ご縁を作ってくれたのは焼き芋。「そうだ! 京都、行こう。」よろしく、「そうだ。焼き芋、焼こう!」と、焼き芋を用意してお待ちすることにしました。

 いよいよ清水から送ってくださった、プロパンガスのボンベを改造した‘焼き芋製造器’の出番です。

 添付してくださった丁寧な説明書き通りに製造器をセットして、炭をおこし、準備万端。芋は、出かけたついでに買ってきた鳴門金時と、作業所にご寄付いただいたのを急遽スタッフに持ってきてもらって、まずは6個を用意。

 紅葉を見に来る人も多くなって、カフェには常にお客さんがおられる状態の中、頻繁にカフェを抜けては、玄関前に置いた製造器に焼け具合を見に行きました。
 いい匂いが漂ってきたので、そろそろ頃合いだろうと製造器からお芋を取り出してカフェに戻る時、こちらを見てニコニコされている方と目があいました。

 「焼き芋を焼いているのをご存じなんだろうか? それだったら焼き芋をさしし上げようかなぁ・・・」と思い、その母娘さんに、今冬初の焼き芋を一つさしあげました。

 少しお話しして、ビックリ! その方は去年末にメールをくださっていた大阪の方でした。ホームページを見てお越し下さったとのこと。そんな方に焼き芋をさし上げることが出来てヨカッタぁ。

 空になった製造器にはまだ火の気があるので、またお芋を追加。焼け具合をみながら、すっかりカフェの店員になってしまいました。

 四国からお見えになる予定の方がなかなか来られません。境内でお弁当を食べるとおっしゃっていたのですが、そんな時間はもうとっくに過ぎています。「おかしいなぁ」と思いつつ、また焼け具合を見に行ったら、カフェから女性が出て来られて、名前を名乗られました。

 「なぁ〜んだ。来られていたのですか!」。女性の2人連れが座っておられるのは知っていましたが、一度チラッとお目にかかっただけなので、その方だとは思ってもいませんでした。
 気がつかなかったことをお詫びして一緒にカフェに戻り、先に焼いてちょっと冷めてしまった鳴門金時をチンして温めてお持ちしました。

 しばらく四方山話をしましたが、境内に着いてお弁当を召し上がり、カフェでまた時間を費やされたのでは、せっかく四国からお越しいただいたのに、真如堂の紅葉しかご覧になれず申し訳ありません。こちらが急くようにして法然院への道順をお教えして、本堂の前でお別れしました。

 焼き芋が取り持ってくれたご縁です。

 お菓子やお茶はどこでも接待できますが、焼き芋はそういうわけにはいきません。これから、お訪ねくださると予約をいただいた方には、できるだけ焼き芋でお迎えしたいと思います。

 焼き芋製造器は、火の用心の心配も要らず、畳半畳の広さがあったら十分使えます。本当に有り難いものを頂戴しました。これでまた皆さんのお接待をさせていただけます。

 もちろん、カフェのスタッフも、お客さんの合間に、「熱ちぃ!」といいながら焼き芋を食べて、パワーをつけました。

〜 kame社製焼き芋製造器 〜
2006年11月21日(火)  No.1194

散歩ができない・・・。
 今朝も小雨の中を落ち葉掃除。本降りだと掃除が休めますが、小雨は決行。結構、疲れます。

 落ち葉掃除に時間を取られて、朝の散歩が出来なくなってきました。

 散歩は景色を楽しみ、少々の運動になることはもちろん、ボクにとっては肩こりや頭痛の予防策です。
 頸椎のずれによる頭痛を回避するにはウオーキングがいいと、カイロプラクティックで勧められて以来もう15年ほど? 出来るだけ毎朝、大きく手を振って散歩をしています。

 少し散歩を休むと、肩こり・頭痛が起きてきたり、症状が出て来そうになった時、少し長目に歩いたりするとひどくならずに済むので、その効果は確信できます。

 朝一番の掃除、年始の護符作り作業、そしてこれから年始用の経木書き、肩のこるようなことばかりのこれから、とにかく歩かなきゃ。でも、この人の多さ。早朝か暗くなってからしか、歩けないなぁ。


 先日、職員が倒れたことをこのページに書いたら、多くの方からお見舞いのメールをいただきました。「丁寧に案内して貰った」「朱印を書いて貰った人かしら」と、皆さんの印象にも残っているようです。

 「拝観と言っても大して見ていただくものはないのだから、せめてできる限り、‘生’で説明をさせていただこう」と、職員にマニュアルを渡して始めた説明。「説明が長い」という声があったり、紅葉期はとても説明できない状況になったりしますが・・・。

 皆さんからいただいたメールは、そんな対応も評価してくださったものだと喜んでいます。

 ご本人は、明日、救命救急センターから、自宅近くの総合病院に転院され、しばらく加療に専念されます。
 幸い症状は軽く、「忙しい時期に寝ていられない」と早く復帰を願っておられるようですが、1度発症するとしばらくは用心しなければいけないとも聞きますので、とにかくゆっくり静養していただきたいと思っています。

 皆さんの励ましのお言葉は、ご本人に伝えさせていただきます。ご心配いただき有り難うございます。本人に代わって御礼申し上げます。

〜 21日朝の花の木。20日の写真がないので・・・。 〜
2006年11月20日(月)  No.1193

パイプを握りしめ!
 今日は、母親の社中の茶会。

 仏間のある母屋もボクの居る離れも、本席・副席・点心席に使われ、水屋や社中さんの休憩場所などもいるために、ほぼ全館貸し切り状態。

 ボクは自室や離れのDK、居間、プライベート・トイレもあるのでさほど不自由を感じませんが、住職は大変。一応、自室があるものの、書架や衣桁が場所を取っていて、暗くて狭く、居心地は最低。寝室にいてもすることはなし。トイレは着物を着た社中さんも使うため、落ち着かず。DKは点心席のための仕出し屋さんが占領。居間は社中さんの休憩場所。
 気の毒に、お手伝いくださっている方に、「鬱になる」とこぼしていたそうです。

 夕方、茶会が終わって、離れはカフェに模様替え。社中さんたちがお道具を片付けて運ぶのと並行して、建具を入れ替え、机を出し、片付けてあった食器などのダンボールをバックヤードに運びました。あとは、食器を出したり、道具を配置するだけ。明日、スタッフにやってもらうことにします。

 トイレを点検に行ったら、和式トイレの床のタイルが濡れています。茶会の時などは、着物を着て目一杯我慢した女性がトイレに駆け込むため、結構汚れたりする場合が多いと聞きます。それなのだろうと思ってよく見たら、濡れの‘発信源’はロータンク回り。そこから水滴が落ちて、床を塗らしているのでした。

 そういえば、去年もカフェの時に、和式トイレのパイプが漏水し、パッキングを替えたことがありました。不特定多数の人が使うと、うちの和式トイレは不調を起こすようです。

 おそらく、便器の前にある、ロータンクからのパイプを、力を込めて握る人があるようです。便意をもよおした時に‘気張って’思わず握りしめるのか、立つときの支えにすがりつくのかはわかりませんが、去年も今も、そのパイプが故障源。

 パイプを分解し、ロータンクから外して点検しましたが、パッキングに劣化は無し。漏水場所は、ロータンクとパイプの間と特定。もう一度元通り付けてみましたが、やはり水漏れしてきます。

 途中、点心の残りを食べて、またトイレにお籠もり。

 どうも、ロータンクとパイプの接続部分に構造的な無理がある気がします。これではいくらやってもまた水漏れします。いろいろ考えた挙げ句、ロータンクの内側の接続箇所にコーキング材を塗って、漏水を止めました。これで、パイプを力任せに引っ張る人がなければ水漏れはしません。

 でも、それも時間の問題。面と向かう壁に手すりを付けるか、天井から縄でも吊して、そのパイプを握りしめないように改良しないと、また同じことを繰り返すでしょう。一考の必要があります。

 雨のために出かける予定も狂い、護符作りが結構進みました。
 
〜 誰が握りしめるのか、手頃なパイプ 〜
2006年11月19日(日)  No.1192

落ち葉掃除をしよう!
 自坊の回りの落ち葉掃除の続きに、本堂前に白砂のところや塔の脇のあたりまで、ブロア(風で飛ばす機械)で落ち葉の掃除をしました。

 昨日、職員から、職員の一人が15日の朝、脳内出血で倒れたという話を聞きました。命に別状はないものの、3週間の入院が必要だとのこと。障害が残るかどうか、詳しいことまではわかりませんでした。

 その方は、ボクが真如堂の執事をしていた時、紅葉期の車両整理にシルバー人材センターから来て貰ったのを契機に真如堂に勤めてもらった人で、70歳は超えておられます。

 10日ほど前に立ち話をした時に、人手が足りないことや休みが取りにくいという愚痴を聞いていました。

 紅葉期、少ない人員で普段の100倍、200倍というような拝観者を迎え、限りない朱印を書くのは、ボクの目から見ても苦行としかいいようがありません。それを、老体にむち打って、ゆっくり休むこともなく働き続けなければいけない不安を、その職員は訴えていました。ボクにも十二分に理解できることです。

 これから紅葉期の人出のピークを迎えようとする時に、その不安は現実となってしまいました。今のボクの立場では、病気の回復を願うしかありません。

 少ない人員に加えて欠員ができたわけですから、なおさら職員の負担は増えると共に、今までも手が回り切っていなかった境内の掃除がほとんど不可能になってなってしまいました。

 これから人出はピークに達すると共に、落ち葉の量が倍々に増えて、境内の掃除は厳しさを増してきます。
 落ち葉を放って置くと、踏まれて粉々になり、なおさら汚くなってしまいます。毎日の掃除が他の季節以上に不可欠となっていきます。

 紅葉を見に来られた方にも、時期によって美しい紅葉が見られないのは仕方がないとしても、ゴミだらけ、落ち葉も積もり放題の境内では申し訳がありません。境内を綺麗に保つのは、せめてものお接待だと思います。

 「するしかないなぁ・・・越権行為と言われるかも知れないけれど」。そう思って、今朝から掃除範囲を大幅に拡大したのです。

 本堂前の広い場所を掃除するのは大変です。いま落ち葉の主になっているカエデの葉はもみちより重たくて、たくさん集まるとブロアの風でもなかなか飛んでくれません。夜露に濡れていたりしたらなおさらです。

 自坊の前から本堂前の掃除をするのに1時間以上かかり、ブロアのガソリンが切れたのを機に止めました。

 これから、落ち葉が一段落する12月半ばまでの、新たな日課が加わりました。1時間余ブロアをしていると、手はだるく、握力がなくなってきます。これから年始の塔婆書きをしなければいけないのに、えらいことになってきました。

 ボクには掃除をする義務は何もないのですが、心情的にじっとしていられません。
 「お寺の境内はきれいで当たり前。それが来てくださった方への無言の歓迎であり、広い意味での‘布教’の第一歩」。そんなふうに考えると、やるっきゃないですよねぇー。

〜 落ち葉の中のベンチ。風情があるけど、落ち葉の量にもよりますでしょう? 〜
2006年11月18日(土)  No.1191

「鉦を叩いて下さい」
 今日は寺の仕事はないものの、「今日の散歩道」の更新日。

 境内の人が少し増えて来ました。カフェの営業は午後からですが、せっかく‘お客さん予備軍’が通っているのに、そのままお帰りいただくのはもったいない!
 10時頃から、SDオーディオプレーヤーでユーミンを聞きながら、ひとり開店準備。10時半頃に看板を掲げに外に行ったら道を尋ねられ、そのままご来店! 羊羹をサービスさせていただきました。

 ずっと店番をしているほどのお客さんもないため、自室にいても来客がわかるような方法はないかと思案した末、念仏鉦を玄関に置き、来客に叩いて貰うことにしました。打ち鳴らしでは音が弱いため、念仏鉦が最適だと思ったのです。

 さっそく、「下の畑にいます」に倣って説明を書き、玄関の上がり口に鉦を置いて、階上の自室で更新写真の修正作業にかかりました。程なく鉦の音が聞こえたような気がしたので、急いで玄関に行ってみると、2名様、ご来店!! 狙い的中!

 お客さんは1時間ぐらいゆっくりしゃべって帰られましたが、結局その間はこちらも控え室にいなければならず、鉦が役に立ったのはその1回だけ。

 12時半頃にスタッフが来たので引き継ぎ、昼食を食べて、また更新作業へ。

 3時半、カフェ閉店。今日は、日曜日の茶会のために、カフェを一時撤退しなければなりません。
 カップやコンロ、やかんなどをすべて片付けて押し入れに収納。襖や障子をはめ直して間取りを変更。終わって、みんなでクッキーを食べながら、“炒り番茶”を飲んで一段落していたら5時前になってしまいました。

 あたりはもうほぼ真っ暗。夕方もう一度写真を撮ろうと思っていましたが、叶いませんでした。

 夕食に、親戚が送ってくれた蟹をいただきましたが、更新作業があるので、お酒は控えめ。
 それからボヤッとした頭で延々と更新作業。ようやく出来たのは1時半頃。当然、「1日前の境内です。」の表示。目はショボショボ、思考は停滞。

 風呂上がりに、やけくそでポテチを食べながらビールでひと息。2時回っちゃった・・・。

〜 玄関の鉦とメモ 〜
2006年11月17日(金)  No.1190

「かふぇ水琴窟」、折り返し
 「水琴窟かふぇ」がいよいよ本格化してきました。

 お越しいただく方もだんだん増えて、お十夜結願の日は50数名、今日も16名と、いよいよこれからが本番です。

 「コーヒーが薄くてぬるい」などのクレームをいただくとせっかくお越しいただいたのにと申し訳なく、「障害者がやっているんだから(対応が悪くても仕方ない)・・・」となど特別視されるとさみしくなります。「お寺さんが儲けてる」と言う人もあります。「ちゃんと説明書きを読んでよ!」

 何か小さなミスでもあると自分を責める人、「やっぱり人を相手にするのは苦手」と次の予定をキャンセルする人、「これを就職への足がかりに」と一所懸命に働く人、スタッフを勤めるメンバーたちの反応も様々です。

 今まで暇だった“バックヤード”もだんだん殺気だってきました。一度にお客さんが来られると、パニック状態になってしまう時もありました。

 一段落した時は、「スタッフの皆さんに」とお届け下さったお菓子でホッと一息。カステラ、クッキー、羊羹など、たくさんのものを頂戴し、作業所にいるよりも贅沢なおやつです。
 また、「これも売ってください」と風船や手作りの手鞠なども頂戴しました。

 本当に有り難いことです。

 みんな、せっかくの紅葉を楽しむこともなく、カフェに没頭しています。

 心の障害を持って生きていくことの厳しさ、勇気、誠実、温かさ、そんなことを感じながら、紅葉もこれからが本番。今日は日程の折り返し点です。

〜 差し入れに頂戴したハロッズのクッキー 〜
2006年11月16日(木)  No.1189

十夜結願の日
 お十夜結願の日。

 カフェでバタバタしていたら、あっという間に自坊の法要の時間。お彼岸やお盆に比べると、お十夜にお参りになる方はずっと少ないので、かなりのんびりムード。

 法要を始めてから、マイクを出していないのに気がつきましたが、どうにも動けません。マイクがなくても声が届く人数なので、事なきを得ました。

 法要後にお出しする浄斎も、彼岸の時のような殺気だったムードではなく、ゆったり。

 もう少しお参りしてくださればいいのになぁと、頼りないほどでした。


 2時より、境内のお練り。きらびやかな法裳七条を身に纏うのも1年ぶり。今年はお天気を憂うこともなく、日射しがまぶしいぐらいでした。

 お練りをしながら、カメラマンたちの場所取り合戦を見物。自分のファインダーの中に入る人を「引っ込め!」と身振りで指示したり舌打ちをしたり、お参りの人を差し置いて、相変わらずの傍若無人ぶり。その多くは、団塊の世代かその少し上の年齢。「もまれて生き抜いて来た時の癖が抜けないのかなぁ」と少し可哀相にも思えました。


 5時、本尊のお厨子を閉める御閉帳法要。

 和蝋燭が変な燃え方をして危ないため、若手が直しに行きましたが、雰囲気が崩れるなぁ・・・仕方ないけど。「あそこはああしないといけないなぁ・・・」などという雑念ばかり。
 でも、鉦の音で頭の中を満たし、一瞬ながら、法悦を感じることが出来ました。


 ボイス録音が出来ず修理に出していたSDオーディオプレーヤーが、「異常なし」で帰ってきました。

 「絶対に故障なのに、ちゃんと見てないな!」ともう一度何度も試してみましたが、やっぱり出来ません。
 「『しっかり見て!』と赤字で書いて、もう一度修理に出そう!」と決心しつつ、ふと見ると側面にボタンが一つ。「あれ、これなんのボタン?」。押してみると、「録音」の文字が液晶に浮かびました。

 「なんじゃこりゃぁー!」。思わず、松田優作演じるジーパン刑事の殉職シーンさながらの言葉を発したくなりました。

 「・・・できるじゃないの・・・。どうして、一つだけ、こんなところにボタンを付けたの・・・・あんなマニュアルではわからない。だいたい、ボタンの名前が似過ぎだよ」と納得できませんでしたが、これで再修理に出さなくて済みました。

 買ったまま、まだあまり使っていないSDオーディオプレーヤーが愛しくて、布団の中でナット・キング・コールを聞きながら眠りにつきました。

〜 ご本尊と結縁をする参拝者 〜
2006年11月15日(水)  No.1188

年末恒例の作業開始
 明日の十夜法要の準備を済ませ、夕食を終えてしばらくしたら、井戸水が出ないことに気がつきました。

 墓地と共用している井戸は、うちの飲料水。煮炊きをするのにも、庭の水琴窟にも、この水を使っています。

 隣接する墓地管理所の工事をしている業者が、ポンプのブレーカーを落として帰ったのに違いありません。先日も同様のことがあり、ブレーカーに注意書きをしておいたのに、また同じことを。今、屋根を葺いているので、その業者でしょう。

 雨上がりのぬかるみの工事現場にあるポンプを見に行くと、案の定、通電していません。
 ポンプに呼び水をするのに、前回はバケツで水を運びましたが、かなり大変でした。今日は水道の蛇口から20メートルほどホースを延ばして、呼び水。なかなかポンプの音が正常になりません。何回かやって、ようやくポンプの中が水で満たされたような音が聞こえ、蛇口からも井戸水が出るようになりました。

 靴やズボンは水と泥でドロドロ。こんな目に遭うのは御免被りたいので、ブレーカーのBOXの張り紙を、「ブレーカーの電源を切らないで!」と叫ぶような文言に替えました。


 一段落して、いよいよ年頭回礼用の護符作りにかかりました。

 この護符を作るのと、年始の墓参用の水塔婆書きが、年末恒例の作業。「早くかからないと・・・」と気持は焦っていましたが、講演が済むまでは気持的に取りかかれなかったので、今日から始めることになりました。例年より、少し遅いスタートです。

 気にかかっていることは、頭で考えるよりも、少しでも実際に行動するに限ります。
 短時間ながら作業をしたら、気の焦りは収まってきました。あとは、毎日少しでも時間があればやるだけです。

 「これが終わる頃には、もう今年も終わりやなぁ・・・」と、1年が経つ速さを改めて思いました。

〜 ただ今、護符の中身にお不動さんの梵字印を押す作業中 〜
2006年11月14日(火)  No.1187

あかんかった・・・
 朝起きて、お風呂に行ったら、入り口はスリッパだらけ。浴槽の中も混雑気味。きっと、朝食時間や出発時間が決まっている複数のツアー客たちが、早く入る必要に迫られて、その時間に集中して入浴したのでしょう。

 なんだか、ゆっくり入っていられないなぁ。

 朝食のバイキングに並ぶプレーンオムレツやハム、サラダを見て、久しぶりにパンにしようと思い、それらを取り終わった後にトーストを探しましたが、どこにもありません。
 係の人に聞いたら、「パンやコーヒーはありません」だって。「それりゃーないよ! パン食用らしいものが並んでるじゃないのぉー」と言いたい気持を抑え、ご飯と味噌汁を貰って頂戴しました。

 なんだか、妙な取り合わせだなぁ。

 昨夕、来る時に大山が見られなかったので、少し歩けば見えるかと思い、ひとり海岸を散歩することにしました。

 「散歩してきます」と現地のスタッフの人に言うと、「拉致されんようにしてくださいよ」という冗談が返ってきました。 

 つい先日、米子市の女性が拉致認定を受けたばかり。こちらの人たちの会話の中にも、拉致の問題や北朝鮮との取り引きが禁止されて水産物が入りにくくなったことなどが自然と出てきて、身近な話題であることを感じていました。

 テトラポットに当たってくだける波濤に時々驚かされながら、そのこちら側で守られている安全さを感じつつ、最初は砂浜の感触を味わい、すぐに歩きにくくて疲れることがわかって、海岸の遊歩道を歩きました。

 海岸沿いには旅館の高い建物が建ち並び、その向こうにありそうな大山の姿が目に飛び込んできません。またしばらく歩いて少し低い山が見えてきたので、よく見える角度を求めて、また砂浜を歩きました。

 「なぁーんだ、大山ってあんな低い山なのか」と落胆したすぐ後、その横の雲の形がどうも山をすっくり覆っているように見えました。「ひょっとして・・・」とじっと立ち止まって眺めていると、何だか山頂らしき山影がチラッと顔を出しました。きっと、大山です。またしばらく眺めていましたが、山頂はまた雲の中に戻ってしまいました。

 高い山の姿を見ると、気持が浄められていく気がします。人々が山に聖なるものを求め、崇めるようになった理由の一つに、遠景の荘厳さというのがあるに違いないと思います。富士山、白山、御嶽山・・・、聖なる山は、みな‘見かけ上の理由’も持っている気がします。
 ボクが山を見て浄められる気がするのも、それと共通しているのではないでしょうか。

 何だか、がっかり。浄められもせずに、来た道をトボトボと帰りました。建物の横から覗き込むようにして山の姿を求めて歩いた往路に比べ、帰り道はずいぶん長く感じました。

 部屋に帰っておニューのシャツに着替え、会場のセッティングに行きました。プロジェクター、OK! ホテルにさんざんクレームをつけて引いて貰った無線LANも難なくOK! 準備万端整いました。

 後はロビーのお土産を見たり、コーヒーを飲んだり、来場する人たちを眺めたり・・・。昼食にお弁当をいただいて、原稿の最終チェック。

 1時半開会。4人の挨拶の後、ボクの出番の予定でしたが、予想していた通り挨拶が長引き、ボクの出番も15分遅れ。講演時間は予定通り取ってもいいという了解を得て、さぁ、いよいよだぁ。

 タイトルは、「パソコン・インターネットを寺院運営・布教に活かす方法」。かなり大風呂敷なタイトルをつけすぎました。

 最初は皆さんの笑い声も時々聞こえ、まずまず調子がよかったのです。でも、予定していた以上に時間がかかり、パワーポイントとIEの間を行ったり来たりするのに手間取ったりしているうちに、「こんなことしていては時間が足りなくなる」と焦り始めました。

 原稿はしっかり作ってありましたが、パソコンの画面、スクリーンの画面を見ていると、なかなか原稿を見ていられません。予想していた通り、皆さんに説明したいこと、材料が多すぎました。半分でよかった・・・。ボクが一番言いたかった結論の部分は、結局ほとんど話せず仕舞い。ブチ切れるようにして、終わってしまいました。

 終わってすぐに、役職上の関係で千葉から駆けつけた叔父弟が、「いやぁー、よかったよ。よくわかったよ」と言ってくれましたが、他の方の反応はイマイチですし、何よりも自分自身の達成感がまるでありません。

 ガックリ・・・。帰りの電車の中で、「あのネタは初めてだから、練れてないなぁ。もう1回やらせて貰えれば、今度はグッとよくなるのになぁ」などと思いながら、帰ってきました。

 咳を心配していましたが、まったく問題なし。ボクの咳はお香アレルギーにほぼ間違いなし。

 さて、これで明日からはお十夜の準備、そして年始準備へとなだれこみます。

〜 右の建物の後の雲の中に大山らしき山影が・・・ 〜
2006年11月13日(月)  No.1186

西へ
 月参りと法事を終えて、米子に向け出発。途中、京都駅でネクタイを選びました。

 駅前のデパートのネクタイ売り場にはあまり多くのネクタイはありませんでしたが、考えていたベージュ〜ゴールドだけでも7〜8本ありました。

 店員さんが、その中から「こちらはいかがですか?」「こちらもよろしいですね」と勧めてくれるのを見ているうちにどれがいいのかわからなくなって来てしまいました。カラー板というのにあわせてくれたりするのですが、ますますわからなくなって、「もう、勝手に決めてぇ〜」という感じ。
 時間もないので、何とか決めて売り場を出ましたが、隣の靴売り場も気になります。「あ、こんなのいいなぁ・・・昨日見ていたメーカーは何だったっけ?」と思いながら、グルッと一回りして、駅に向かいました。

 列車の中で講演内容を見直すつもりだったので、ビールも買わずお茶だけ買って新幹線に。あっという間に岡山。伯備線に乗り換えて、乗り心地の悪い電車の中でも引き続いて見直し作業。結構、修正を加えたり、ページを割愛しましたので、原稿は「赤」だらけ。見にくいなぁ。

 途中、「人影が線路内を横切りましたので、列車は停止しています」としばらく停止。「伯耆大山駅」あたりについた頃には、もうあたり真っ暗で、楽しみにしていた大山の雄姿は見られませんでした。

 5〜6分遅れで米子に到着。迎えに来てくれた知り合いの僧侶の車に乗って会場のホテルのある皆生温泉へ。即、入浴。ちょっと塩辛いお湯でした。

 スタッフの皆さんと夕食。「せかっくですから」と、ボクだけ大きい茹で蟹を頂戴しました。おいしかったぁ! もうお腹いっぱいです。
 といいつつ、1時間後、浴衣姿に下駄をカランコロンいわせながら、温泉街の中にあるラーメン屋さんへ。これもまたおいしかったぁー。

〜 ホテルの窓から見た海と島根半島 〜
2006年11月12日(日)  No.1185

スーツは苦手
 明日、鳥取に出かけるのに、ベルトが傷んでいて格好が悪いので、先日クレジットカードを作ったスーツの量販店に行ってみました。

 ベルトはすぐに選べたので、ついでにシャツを買おうと、先ずは襟回りと袖丈を測って貰いました。首が太ったみたい・・・。

 シャツを買うのは久しぶり。薄く色の着いた無地を探しましたが、ほとんどなく、選ぶのに難儀していたら、女性の店員さんがやってきました。
 普段なら、店員さんにくっついて回られると嫌なのですが、スーツの色を言ってここはお任せ。

 店員さんが持ってきた柄物のシャツを、それが今どきの流行なのかと思い、あまり考えもせずに買いました。

 でも、帰ってスーツと合わせてみると、どうも手持ちのネクタイではバランスがよくありません。どうも、金〜ベージュ系統が合いそうですが、ボクの持っているネクタイはどれもみな地味で、合いそうにありません。

 一つ違った傾向のものを買うと、それに連れてみんな買わなきゃいけないような連鎖にはまった感じです。

 「明日、京都駅の伊勢丹ででも買おうかな」と思い、ネットで予備知識を得ておくべく、「男の身だしなみ」のようなページを閲覧。

 「へぇー、靴はニュー&リングウッドというのがいいのか・・・貝殻ボタンのシャツ欲しいなぁ・・・スーツも買わなきゃなぁ」といろいろ回った末にネクタイのページへ。そこには、「ネクタイの結び目の下にエクボを作る、“ディンプル”と呼ばれるテクニック、これがオシャレ!」と書いてありました。

 「そんなの知らなかったよ! スーツの着こなしなんか、一度も習ったことないもんなぁ」と思いつつ、ネクタイを出してきて、“ディンプル”作りの練習。2、3回やって、「こんなことしても似合わないからいいや!」と嫌になってしまいました。

 せっぱ詰まった原稿も事務仕事もなく、夕食後はのーんびりだらだら。久しぶりにゆっくりさせて貰いました。

 あー、ネクタイ買っている時間あるかなぁ・・・。

〜 黄葉せずに落ち始めた銀杏の葉。どうして? 〜
2006年11月11日(土)  No.1184

紅葉してたの・・・いつの間に
 毎日散歩している境内なのに、今日、更新用の写真を撮っていて不思議に思いました。「あれっ、いつの間にこんなに色付いてきたの?」って。

 今まで、緑だ緑だと思っていた木々の葉っぱが、いつの間にか、いや夕べの間に? と思うほど赤や黄色に色付いてきていました。

 「あー、綺麗だなぁ・・・かわいい色やなぁー」と、1年ぶりに再会した紅葉に感動しました。
 どうしてあんなに微妙な色がだせるのでしょう。

 これから人が多くなってくると、朝早くか暗くなる前、更新の写真を撮る時ぐらいしか境内に出なくなります。
 ざわざわした境内は、枝を折る人、写真を撮る場所取りでもめる人たちなど、ストレスいっぱい。引っ込んでいたくなります。

 いつもは写真が撮れなくて苦慮しますが、今日は写真はいっぱい撮ったのになかなか作業が進みません。
 境内の雰囲気がよくわかる写真と、美しい紅葉が写っている写真とは必ずしも一致せず、載せる写真を入れ替えたり差し替えたりしているうちに、頭の中はグチャグチャ。頭が酸欠になった感じで、思考はストップ。晩酌もせずに頑張ったんだけどなぁ・・・。

 またもや日付が替わる直前までかかってしまいました。トホホ。

〜 カエデの微妙な色変わり 〜
2006年11月10日(金)  No.1183

特製「焼き芋製造器」
 ホームページに来てくださる富士市の方から、プロパンガスのボンベを改造したと思われる「焼き芋製造器」が届きました。炭を入れて焼くようです。

 そもそも、この「焼き芋製造器」を届けていただいた経緯は、廃棄物処理法の改正で、落ち葉などの野焼きが出来なくなったことに始まります。

 野焼き禁止の例外は「風俗習慣や宗教上の行事に必要な焼却」「農業や漁業などのやむを得ない焼却」などで、京都市は社寺などの落ち葉も廃棄物と判断し、野焼きや小規模焼却炉での焼却を禁止しました。

 自坊では、紅葉が終わる頃から毎日山のように出る落ち葉を、場所の許す限りばらまいて腐らし、無理な場合や焼き芋をする時には野焼きしていました。

 腐らすといっても、その時すぐに腐ってなくなるわけではないので、どんどん貯まっていきます。もし、煙草の吸い殻でも捨てられたら大変なことになります。その可能性は、決して低くはありません。
 かといって、とてもゴミに出せる量でもありません。

 落ち葉は廃棄物なのでしょうか? 建築廃材や古タイヤなどと同じように、一括りに「廃棄物」とすることに疑問を感じます。

 ともあれ、落ち葉を燃やすことは条例違反。でも、実際、市の担当者は、「ちょっと燃やすぐらいなら結構です」とも言います。どっちやねん!

 ということで、できる限り落ち葉の焚き火はしないようにするつもりですが、そうすると今まで落ち葉掃除の後の楽しみにしていた焼き芋ができなくなります。「困ったなぁ、残念だなぁ」と言っていたら、富士市の方が「焼き芋製造器」を作ってくださったのです。

 落ち葉焚きの問題は何も解決していませんが、これで、いつでも、お天気にかかわらず、焼き芋はできます!

 今年もお越しになった方に、焼き芋を振る舞ってさしあげましょう!


 今日も、下はデイケア、上はカフェ。今日のカフェのお客様は3人+ボクがフライング気味に獲得した2人の合計5人でした。

〜 特製「焼き芋製造器」 〜
2006年11月9日(木)  No.1182

吉祥院は「社会福祉の日」?
 寒い! といっても、これが平年並みとか。今までがあたたかすぎたのですね。

 今日はひたすらパワーポイント三昧。夜12時頃までかかって、何とか仕上げましたが、ちょっと原稿を作りすぎました。パワーポイントで見せるものが32ページ。実演もあるので、90分でしゃべるには、かなり飛ばさなければいけません。

 明日、シミュレーションしようっと!


 今日のカフェのお客さんは7人。今日、スタッフで来ている人たちも7人。
 スタッフの居場所がなくて、床机の上で煙草を吸ったり、散歩をしたり。来週、忙しくなってきた時がちょっと不安です。

 知り合いの方もわざわざお越しくださって、売り上げにご協力くださり、いろいろな話も出来て、楽しい時間でした。

 自坊のほうでは、地元のデイケア施設の人たちが菊見のレクレーションに訪れ、学区の社会福祉協議会が介護サポート。

 上の建物では心の病の人たちのカフェ、下の建物ではお年寄りの菊見。今日は、福祉に明け暮れた自坊でした。

 お越しになった方に、「どうしてお寺で作業所支援のカフェを?」と聞かれましたが、お寺は人々や地域に開かれたものであり、社会福祉などの拠点でもあると思っているボクにとっては、むしろ当たり前のこと。

 今のお寺が人々から遠のいた存在だと思われているのだということを、改めてと思いました。

〜 昨日も今日も夕焼けが綺麗 〜
2006年11月8日(水)  No.1181

木枯らし1号
 木枯らし1号が吹いたと、気象台が発表。昨年よりは28日早いものの、ほぼ例年並みだとか。

 朝、強い風に無理やり散らされた枯れ葉が、いま掃除をしたばかりのところに降ってきます。かえで、桜、モクゲンジ、杉、自然に落ちてくるのとは少し様子が違い、青いままのものや小枝も混じっています。

 後ろを振り返ると掃除をしたのが空しく思えてくるので、前だけ向いて、しました。

 訪れた人は、「この寺、掃除してないのかな」と思うかも知れません。


 夜、6時半頃になると、さくらが落ち着きません。次々と居場所を替えながら不安そうな顔をしています。

 十夜の鉦の音が嫌なのです。カラ〜ン、カラ〜ンと、ボクには初冬の澄み渡った空気の中を聞こえてくる、実にゆかしい音色なのですが、さくらにはそんなことわかりません。

 ようやく、掘り炬燵の中なら少し安心できるとわかったようで、姿が見えない時は必ずその中に居るようになりました。

 これからは、野良猫たちには厳しい季節になっていきます。最近、クロの姿が見えません。いったいどこへ行ってしまったのでしょう。

 今日のかふぇの一般のお客さんは4人!

〜 炬燵の中のさくら。フラッシュで無理やり起こしてゴメン 〜
2006年11月7日(火)  No.1180

かふぇOPEN!
 今日から、自坊の吉祥院祥源坊を使っての「かふぇ水琴窟」がスタート。

 こころの病を持った人たちの就労体験と心の病に対する理解を深めていただくために、市内5つの精神障害者共同作業所とタイアップして、11月の14日間、カフェを運営します。

 初日とあって、まずは機材の搬入やセッティング、ビラ貼りなどを終えて、さぁ、OPEN! でも、境内には人影もまばら。
 慣れないのにいきなり満席では困るからと、まだ人の多くない時期を選んで初日を迎えたものの、まったく客が来てくれません。

 しばらくして、作業所に通っている人たちが散歩がてら来てくれ、ようやく初売り上げ! 蛸が我が足を食う感じ?

 その人たちが帰ったら、また客席はガラ〜ン。暇なので、みんなで美味しいコーヒーを入れるための検討や接客の練習をしました。

 メンバー(作業所に通っている人)の中には、今日の日のために喫茶店に研修に行って、コーヒーの入れ方を習ってきた人もいます。その成果あって、さすが美味しい! でも、ぬるい!

 最初はカップを温めないつもりでしたが、「お金を払って飲んで貰うのだから、美味しいコーヒーを出そうよ」と相談し、鍋でカップを温めて、冷めていないコーヒーを出すことにしました。

 文句が多い客が来た時の練習をしようということになり、女性のメンバーが客の役に。「コーヒー、遅いよ!」と大声で言うのを、男性のメンバーが「お客様、どうもスミマセン。ただいま持ってまいりますので、しばらくお待ちください」となだめる場面の面白いこと。まるで学芸会。

 「お客が来たらどうしよう・・・」と緊張の面持ちのメンバーさんとは、メニューの紙を切ったり張ったり。洗い場役のメンバーは、洗う物がないので、電気を消してみたり・・・やめてよ! ホルターガイストか電気の故障かと思うやん!

 結局、今日の売り上げは身内の客からいただいた3200円。ボクも自室で飲めばタダのコーヒーを、400円払って客席で飲みました。

 今日のメンバーさんたちの日当は、3200円÷4人。時給200円程度ですが、内職よりはいいでしょう。

 そしてそんなことより、一般の客は皆無だったとはいえ、3200円を売り上げるために働いたという充実感を得られたことの意味は、ずいぶん大きいでしょう。「疲れたぁ」と言いながらも、みんなの顔は生き生きしているように見えました。
 「かふぇ水琴窟」の初日は、まずまず大成功かな。

 セルフサービス用に湧かしたポット2本分のいり番茶がほとんど残ってしまいました。夕刻以降、ずっといり番茶三昧で、お腹チャポチャポ。

〜 閉店後のかふぇ 〜
2006年11月6日(月)  No.1179

十夜開闢法要
 夕方、お十夜の開闢法要。

 読経の声掻き消されるような鉦が鳴り響く中、ご本尊の扉が開けられ、如来の右手に「善(縁)の綱」の先が結わえられました。

 ボクが1年の行事で最も好きな法要。心なしか、テンションがあがります。

 若い頃はもっとゾクゾクした感動がありましたが、最近は何となくそれも薄れてしまった感じ。段取りや内情がよくわかって、そちらのほうに気を取られてしまっているからかも知れません。

 開闢と15日の夜のご閉帳は、十夜法要の中でもとりわけ感動します。

 1年ぶりに間近で拝む如来、そして扉を閉めて、また1年後にという感慨。秘仏とまではいかなくても、普段はお姿を拝むことが出来ないというのは、信仰する心をかき立てるものです。

 女性とも、滅多に会わない方がドキドキしますもの。

 これから15日間毎夜、鉦の音が境内に響く、初冬の真如堂です。

〜 法要後の本堂と満月 〜

2006年11月5日(日)  No.1177

メダカの学校
 連休の真っ只中、今日の「メダカの学校」はひょっとしたら参加者が少ないかと思っていましたが、ほぼ満席状態。安堵しました。

 今日のタイトルは「現代若者事情〜“ひこもり”“ニート”する若者たち」。ひきこもり、ニート、虐待、いじめ、自殺、いずれも現代の大きな問題です。

 発達障害の問題、団塊の世代やそのジュニアたちに引き起こる様々な問題が概観がよくわかりました。

 終わってから、講師を囲んで1時間ほど談話をしましたが、当時者の方や保護者の立場の方など、いろいろな経験が分かち合えて、充実した時間が過ごせました。自分のことを話して皆に聞いて貰えた体験も、きっと役に立ってくることと思います。


 さて、それから明後日のカフェに備えた模様替え。教室形式にしたあった机と椅子を全部片付け、襖などをカフェ仕様にはめ替え、掃除機をかけ・・・。大雑把なセッティングはしましたが、あとは開けてみて、‘走り出して’から修正していきます。

 今年は14日間も開店し、5つの共同作業所が日替わりで交代して運営するので、なかなか大変です。

 作業所のためだけではなく、お越しになった皆さんにゆっくりしていただけるような場所を提供できればと、願います。

 コーヒー、美味しくはいるかなぁ。紅茶は香り高くできるかなぁ・・・。

〜 かえでの落ち葉 〜
2006年11月4日(土)  No.1178

秋の観光シーズン到来
 今日から境内は‘観光地’と化しました。ストレスの溜まる1ヶ月の始まりです。

 今日は定例の更新日。人が多くて、いつものように寝ころんだりしながら、気楽に写真が撮れません。これから少しずつ紅葉が綺麗になりますが、‘自由に’写真を撮ることができなくなっていきます。

 また、「立ち入り禁止など関係ない」「人の邪魔になろうと知ったことか!」というような、血相を変えてファインダーの中しか見えなくなる、中高年のカメラ翁・婆たちとのバトルも始まります。

 素晴らしい紅葉を、一人でも多くの方に楽しんでいただきたいと願いますが、最近はゆっくり見ていただく限界を大きく超えてしまっています。‘マナー’という言葉も消えてしまいます。

 紅葉を楽しめるのは、夕方の薄暗くなってきた頃だけ。朝は、夜明けと同時にカメラ翁・婆が三脚を肩に担いでやってこられますので。

 そんな季節の到来です。早く12月が来ないかなぁ。

〜 夜明け頃の定位置で丸くなるさくら 〜
2006年11月3日(金)  No.1175

次なる原稿進まず
 檀家宅へのお参り、庭の蹲の小石の洗浄、あとはひたすらパソコンに向かって原稿といいたいどころですが、パソコンに向かうのは向かっても、原稿は進みません。

 高校の同窓会の報告書を作ったり、「かふぇ水琴窟」の事務作業をしたり、あっという間にもう夕方。

 夕食に熱燗をいただいたらすっかり眠たくなってしまって、1時間仮眠。こういう時、いつも「呑まなきゃよかったなぁ」と反省するものの、その反省が次にいきることはありません。

 さぁ、原稿を作らないと!

 今度の演題は、「パソコン・インターネットを、寺院運営と布教活動に活かす方法」なんて、たいそうなもの。この前の東京の授業は、「病院における仏教活動〜その経緯と将来展望」。両者の間に、関連性も脈絡もありません。脈絡がないのはボクの生き方そのもの? とにかく、原稿が使い回しできないことだけは確かです。

 幸い、ホテルの講演会場でインターネットが使えるようになりました。ホテルの副支配人に、「今どき、ネットが使えないような会場はないですよ!」と迫った結果、新たに回線を引いてくれることになりました。ラッキー!

 さぁ、あとはボクの頑張り次第。やるっきゃないなぁ!

〜 柱だけ突っ立った墓地管理所の改築現場 〜
2006年11月2日(木)  No.1174

喪中欠礼葉書来る
 今日から11月。もう11月が来てしまったのという感じがします。

 年賀状の発売も今日からとか。「どうしてそんなに急かせるの!」と言いたくなってきます。

 今年初めての年賀欠礼の葉書が届きました。ご子息が43歳で亡くなり、角膜を提供した折の感謝状の写真が添えてありました。

 「43歳、何という・・・大変だっただろうなぁ」と思い、すぐにその方にお悔やみのメールを出しました。

 30分もしないうちに返ってきたメールには、ご子息が内出血で救急車で運ばれて8時間後に心肺停止されたこと。その朝、ご子息は犬の散歩にも行かれ、ご飯も「おいしい」と言っておられたこと。ご子息が倒れた時、その方は外出中で、何も話せなかったことが心残りなことなどが記されていました。

 その方とは2度か3度お目にかかっただけで、この前お会いしてから10年以上経っているでしょう。

 浜松のホスピスで、教師をされていたご主人を送られたのがご縁で、そのホスピスの保健婦さんと共に知り合いになり、京都に遊びに来られてからもう10年以上経ちます。

 町ですれ違ってもわからないほどですが、不思議と気持の繋がりを感じる方でした。

 4月にご子息を亡くされてから既に半年以上。年賀欠礼の宛名書きをされるのが、彼女のモーニング・ワークであったことは、容易に想像できました。

 年賀欠礼の葉書がこれから次々と送られてくるでしょう。悲しいけれど、亡くなるのは人の定め。早いか遅いか、突然か、ゆっくりか。自分もいつ逝くのかわかりません。

 年の瀬って、そういうことを意識させる頃ですね。

〜 桜葉紅葉はますます美しく 〜
2006年11月1日(水)  No.1173

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