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2006年2月の日記

若き日の写真
 デジカメが直ってきました。8日間で送って返ってきたのですから、上出来です。おまけに、今回のリコールとは関係のない部分の破損も直してくれていました。

 あちらこちらで春の訪れを感じることが増えてきたので、出かける時に携帯するカメラが復活するのは嬉しいかぎりです。


 暗室に使っていた納屋に置き去りにしてあった、大学時代に撮った写真を整理しました。すべてモノクロ写真です。

 淀川の葦原の写真、高度成長期に建ったマンモス団地、ポートレートなどのネガに混じって、大学2回生の時に美術部の合宿で行った隠岐の島の写真のベタ焼きがありました。

 島の風物などが主に写っていましたが、合宿のスナップ写真も何枚かありました。

 ベタ焼きなので細かい部分はよくわからないものの、同窓生たちの若き日の姿が写っていて、とてもなつかしく思えました。

 中に、どうやらボクらしい姿を発見! 誰かがボクのカメラで撮ったのでしょう。

 若〜い! 痩せてるぅ〜! 今のボクには当時の面影すらないような・・・ショック。

 知人に、若い頃のボクはこんなに格好ヨカッタのだという証明をしようと、それをスキャナで読んで送ったら、「髪の毛があるなんて…。髪が無くなって、お肉が有るようになった?」という返事が返ってきました。

 やかましいわ!! でも、否定できません。若い頃はヨカッタというだけの写真になってしまいました。

 この後、ボクは髪を肩ぐらいまで伸ばし、鼻の下に髭をたくわえました。「毛」の部類は決して切らないぞという最後の抵抗でした。

 今は、1〜2ミリ伸びただけで「剃らなきゃ」と思っているのですから、おかしなものです。

〜 若き日の髪の毛のある姿 〜
2006年2月28日(火)  No.926

電気屋さん
 外回りの続きに、コンビニでサンドウィッチを買い、ボランティアへ。

 衣から服に着替えて、「さぁ、やろうかな」と思いきや、まずは他のボランティア仲間のパソコン購入相談。
 その後も、本来の活動に併せて、電気工事などをしました。

 「ボクは電気屋さんかいな・・・。こういう作業を4月以降引き継いでくれる人は誰かいない
  かなぁ・・・説明するだけでも大変やなぁ」

 帰りに、友人宅へ寄って、プチ・パソコン先生。

 「ボクは電気屋さんかいな・・・こんなきめ細かい電気屋さんはいいひんで。職業を間違え
  たかなぁ・・・
  電気やパソコンは、悪いところがあればそれを直してやったらええけど、人間はややこし
  いなぁ・・・」

 肩・腰の不調につき、早々に寝ました。

〜 さくら取り置き写真コレクションより 〜
2006年2月27日(月)  No.925

迷惑メール
 首・肩・腰の痛みが悪化。暇を見つけては体操をしたり、寝ころんだりしていました。

 今までにもこういう症状は何回もあり、たいていは日にち薬で治っていきました。あと数日の辛抱でしょう。


 昨日まで数えられるほどしか咲いていなかった梅の花が、今日は一気にたくさん開花しました。

 冷たい雨と風、雷の一撃も加わるような天気の今日、なぜ開くのでしょう?

 3時頃に雨は上がりましたが、桂川の橋の上から見た嵐山から霧が立ち上がり、とても幻想的でした。

 夕方、京都市内は霞に覆われ、いつもは自室の窓から近くに見える京大病院でさえ霞んでいました。雨が上がって、気温があがったようです。


 友人から、迷惑メールを何とかする方法はないかと相談されました。何通ぐらい来るのかと聞いたら、日に3通ぐらいとか。「そんなぐらいだったら、手で消したらいいじゃないの」と言ってしまいました。

 ボクには、毎日100通以上の屑メールが来ます。朝、パソコンを付けたときの作業は、まず屑メール消しです。
 振り分け機能を使って[削除済み]フォルダーに入れるようにしてあっても、そこをくぐり抜けるメールが何十通かあります。それを淡々と削除して、やっと大切なメールが残りますが、その数は数通のみ。ほとんどが屑です。

 1日メールを読まないと、メールの数は200通以上になっていて、時には特大の添付ファイル付きのものまであって、サーバーがタイムアウトしてしまうこともあります。

 最近は、差出人が個人名、タイトルも「はじめまして」などと普通で、「あれ、誰からだろう?」と思わせるものも増えました。

 今日のメールには、「どうして携帯に連絡してくれないんですか? お金ももう車に積んで後はあなたから連絡頂ければすぐにでも渡しにいけるんです。連絡下さい…」などというのもありました。札束積んで会いに来てくれるのでしょうか?

 迷惑なことですが、メールという道具の便利さとは裏腹の、つきものだと割り切っています。

 迷惑メールの3通ぐらい、楽しみにのうちですよ。

〜 咲き出した白梅の花 〜
2006年2月26日(日)  No.924

首が回らない
 朝から首が回らなくなりました。借金ではありません。車に乗って、バックをするために後ろを見るのも一苦労。

 最近、どうも寝る姿勢が定まらず、楽に寝られる体勢を探して何度も寝返りしていた気がするのですが、その無理が蓄積したのでしょうか。

 もともと頸椎の何番目かがずれやすく、半年ほどカイロプラクティックに通ったりしたこともあります。根を詰めると、首・肩・目にきて、頭痛が起きるのもいつものパターンです。

 法要などが終わり、外を散歩してみたりして少し楽になった気がしたのですが、夕方からボランティアの新人指導で4時間ほど座っていたら、てきめん悪化。ビリッと電気が走るような痛みが出て来てしまいました。

 10時過ぎに帰り、あまり食欲はなかったものの夕食を食べ、とにかく横になりました。

 最近、どうも頭の中がボワァーッとして、スカッと冴えきっていることがなくなりました。

 頭蓋・顔面の歪みを整えると頭がスカッとする、逆立ちやぶら下がり健康器にベルトを巻いて首を吊るとスカッとする、三ツ矢サイダーを飲むいいなどという様々な解消法があるようですが・・・。

 ボクの場合は頸椎の歪み、ズレが原因でしょうから、これから毎日体操をしてみようと思います。続けられるかなぁ〜 続かないだろうなぁ〜

〜 光が当たってキラキラ光っていた青木 〜
2006年2月25日(土)  No.923

肖像権侵害だぞ!
 ネットをウロウロしていたら、知っている舞妓さんが写っていました。他の写真を見ていて、ある写真に我が目を疑いました。

 「あれっ! こ、これボクじゃん!」

 「パパラッチ」された?のは、遠来の客人などのお接待に使う宮川町のお茶屋さんの席。お茶屋さんといっても、カウンターの中に舞妓さんか芸妓さんが必ずいて、フリードリンクと突き出しで5千円ポッキリの値段。もちろん、いわゆる「一見さんお断り」ですが、敷居はごく低いお店です。

 写真を見ると、小扇さんという舞妓さん(今は芸妓さん)と男性客の間にボクが写っていて、ボクが話している丸坊主の相手は、諏訪から来られた男性。その左にはたぶん横浜の女性。つい20日、このメンバーともう一人で、この店に行ったばかり。
 どうやらこの写真は、去年の4月15日に撮られたもののようです。

 ご自分の写真をネットで公開するのは自由ですが、せめて他の人の写真はぼかしてわからないようにしてよ!

 それにしても、「憲ちゃん」というこのサイトの主宰者&写真の主は、しょっちゅうこのお店に行っておられるみたい。感心します。
 しかも、自分の顔を衆人にさらして ・・・・ おー恥ずかし。その横で、ボクもおー恥ずかし!


 今日はどうも体のあちこちが痛い。ひょっとして、昨日の剪定の筋肉痛? あれしきのことで筋肉痛とは情けない。

〜 ネットで拾った我が顔写真。当然、ぼかしてアップします 〜
2006年2月24日(金)  No.922

三条で庭師
 昨年の9月に「あっ、ボクが剪定してあげますよ」と請け合ったっきり、気になりつつも実行していなかった町屋の庭木の剪定に、よーやく今日伺いました。

 毛虫の時期は外したい、紅葉期で忙しい、やれ正月だと延び延びになり、ずっと気になっていました。

 メインは7〜8あろうかというモチノキの剪定。のこぎりと剪定バサミを腰に付け、命綱用のロープを持って、木に登りました。

 子供の頃には平気だった木登りも、中年となるにつれて次第に恐くなり、今日もぺっぴり腰。時間が経つにつれて、だんだん慣れてきました。

 モチノキは柔らかく、のこぎりで切るにはとても楽でしたが、下手に体重を掛けると折れてしまうので、注意を要しました。目一杯手を伸ばしたりしながら、次々と太い枝を伐採。すごくスムーズに作業は進み、木の下はたちまち切った枝だらけになりました。

 木に登って回りを見回すとビルばかり。京都の街のど真ん中で植木の剪定をしている自分がなんだか可笑しく思えました。

 続けて、伸び放題の月桂樹を切ったり、金木犀や柿などを剪定して、はい、出来上がり〜。

 それにしても、庭に残された大量の枝。軽トラックに山盛り積んでも載りきらないほどあります。ゴミの回収に分けて出されるとのことですが、実に大変そう。

 植木もさっぱり! 約束を果たせて気持もすっきり! 実に爽快な作業でした。

 ついでにパソコンサポート。1台はお持ち帰り。

 すべて終わり、古い町屋から一歩足を踏み出したら、通りには会社帰りのOLさんたちの姿。なんだか時代が一気に数十年移ろったような、奇妙な感じを受けました。

〜 縁先から見たモチノキ 〜
2006年2月23日(木)  No.921

偽ホリエモン・メール
 先日から、「そっちが先に見せろ」「いや、そっちだろ」と、馬鹿馬鹿しくなる議論の対象となっているホリエモンのメール。民主党もそろそろ偽物だと認めざるを得なくなったようです。

 あのメールの内容が本物であるか偽物であるかということはさておき、いくらでも偽造できる、たとえ本物だとしても証拠としては充分な能力もないような紙切れ1枚を持ち出して、質問をしたこと自体が信じられません。

 せめてメールのデータがあって、もっと詳しいヘッダ部分が見られるのなら、送信受信日時はもちろん、どこから送られ、どこを経由してきたか、サーバは何かなどがわかり、信憑性をもって追求できたでしょうに。

 提示された紙切れに記載されていること自体が、ヘッダ部分を都合のいいように編集されたもので、いわばその時点で“偽造”です。

 民主党には、情報をきちんと検証する機構やちゃんとしたブレーン、専門家が回りにがないのでしょうか? そんことも調べずに場に臨んだのでしょうか?

 信憑性が疑われるようになったら、途端に代表の足下をすくおうという民主党の反対勢力。ひょっとしたら、最初から現民主党代表を陥れようとして仕組まれたものではなかったのかという、穿った見方もできなくはありません。

 事実関係すら確かめないで議論をするような人たちに、国のことを論じられるはずはない。とにかく、何とも情けなく、テレビを見ていてイライラしてきました。

 首相の無責任な態度も腹に据えかねますが、自坊からわずかな距離に事務所があるだけで多少の親近感を感じていた現民主党代表にも失望です。

 そういえば、彼は以前、境内でイベントを開いたときにやって来て、場違いにもやたらと名刺を配っていましたっけ。今は“どこでもドア”が欲しい心境でしょう。

 水戸黄門の印籠のようにそれまでのモヤモヤがスッキリするようなニュースはないでしょうか。

〜 メールのヘッダ 〜
2006年2月22日(水)  No.920

またホームページ
 午後、大津・坂本で、ホームページを作成するための会議。これで天台宗関連の公式HPを作成するのは3つ目。

 今度は、天台宗の研究組織のもので、どちらかというと内部向け。今までのものとはまた違った難題が山積しています。

 昨年末、天台宗の“総理大臣”の直接選挙があり、ボクが尊敬して推していた人は落選しました。
 今まで度々坂本に行って出席していた委員会もトップ交代に併せて再編され、大半の委員は再任されませんでした。もちろん、ボクも。
 ボクは、今まで担当の事務職員たちを再々「給料泥棒」と糾弾してきましたし、旗手を鮮明にして反体制派となったわけですから、再任されないのは当たり前。
 新委員会は、実務部隊から“お客さんの会議”に変貌することは必至で、今までやって来たことが頓挫するのが残念です。

 でも、そこで作ってきたHPが近々オープンすることになり、成果が日の目を見ます。何度も会議をする我々を「交通費泥棒」視する人もありましたから、実績を示すことができるのは嬉しいことです。

 これから坂本に行く機会が激減するのは、嬉しいようなさみしいような・・・やる気のない職員にストレスを感じる機会が減るのはかなり嬉しいかも。

 坊さんの世界も、か〜なりドロドロしていて馬鹿馬鹿しく、つまらないことがいっぱいです。

 さて、自分にネジを巻いて頑張らなきゃいけません。よっし!

〜 こんなふうに寝たいなぁー 〜

2006年2月21日(火)  No.919

さくらの寝所通い
 土曜日、写真を撮るときに液晶がつかなくなった外出時用デジカメ。その後一時的に回復しましたが、昨日には本格的に故障し、スイッチを入れ直したり、電池を抜いたり、降ったり叩いたりを繰り返しましたが、液晶が暗い砂嵐状態から復活することはありませんでした。

 液晶部分が自在に動くこのデジカメは、アングルを自在に変えることができて、とても重宝していました。

 メーカーのサイトで、液晶不具合の修理代を見積もると1万6千円。「これじゃあ、オークションで買った方が安いかなぁ」と探しましたが、出品されているものがほとんどなく、やっと見つけたものは1万3千円ほど。
 「いっそ新しいカメラに買い換えようか」とも思いましたが、今のデジカメは大型液晶が売りで、液晶が自在に動くものはほとんどありませんでした。

 しかたなしにオークションで買おうと諦めかけていた時、撮像素子の不良で10社以上100機種近いデジカメが無償修理の対象になっていて、ボクのデジカメもその中に入っていることがわかりました。

 朝一番にメーカーに電話すると、あっさりと、「無償修理の対象だと思われます」の回答。
 無償修理で買い換えなくても済むのは嬉しいですが、長い時間かけて善処策を考えたりした時間は何だったんだろう。どうしてメーカーは不具合の連絡をしてこないのだろうと腹が立ちました。

 いつも出かける時には必ず携えていたデジカメがないと、何だか忘れ物をしたような気分です。
 「閑話」も写真無しの日が出てきそうです。


 さくらがボクの布団に入ってくるのが、3日ほど前から復活しました!

 いったいどういう理由で入ってこなくなり、また入ってくるようになったのでしょう。

 思い当たることといえば、先日、NHKでやっていた猫の番組を見て、さくらをかまい過ぎるのをやめたことです。さくら可愛さに、寝ているときでも、つい抱っこしたり、ちょっかいを出したりしていたのです。それをやめたら入ってくるようになった・・・さくらは迷惑がって怒っていたのかも知れません。

 でも、入ってくれば来るで、寝返りしにくく、無理な姿勢で寝ているのか、朝起きたら体中が痛くて、朝から疲れている気がします。何度も起こされますし、安眠もできません。でもまぁ、可愛い子です。

 人からは、「さんざん『猫なんて大嫌い』だと言っていたのに、エライ変わりようじゃないですか」とよく言われます。仰るとおりです。

 猫グッズも増え、野良猫を見ても、何となく気持が通じるかのごとくに思えるようになってきました。
 確かに、エライ変わりようです。猫と寝るなんて。

〜 壊れたカメラ。メーカーに「行ってらっしゃい!」 〜

2006年2月20日(月)  No.918

さくらとエリザベス
 土日には珍しく、今日は法要が1座あるのみ。最近、ちょっと疲れ気味なので、終わってからは、植木屋などもせず、ゆっくり過ごすことにしました。

 といっても、寝ころんでテレビをいていられる性分ではありません。部屋の掃除をしたり、自分のために時間を使いました。

 先日から気になってたことに、ピーコ・エリザベスの籠の掃除がありました。

 ちょうど2年前に先代ピースケの後継としてやってきた(買った)エリザベスですが、昨年転がり込んださくらが大きくなるにつれ、エリザベスは垂涎の的として見つめられるようになりました。

 一緒の空間に居てはエリザベスに大きなストレスがかかるだけなので、彼女をさくらの来られない、普段の生活空間から仕切られた客間の廊下に連れて行くことにしました。客間を使うときは浴室へ隔離しました。

 結果、エリザベスと顔をあわすのは日に1、2回となり、彼女は鳴き声をたてることもなく、静かな、さみしい時間を過ごすことになってしまいました。
 鳥籠の掃除なども以前よりは行き届かなくなり、先日より、餌の食べかすが籠の底に溜まっているのが気になっていたのです。

 エリザベスを籠ごと外に連れて行って、籠の掃除をして、少し外の風にあててやると、彼女は久々に大きな声をあげて鳴きました。

 でも、外は野良猫の巣窟。カラスもいます。すぐに中に入れざるを得ませんでしたが、中に入れた途端に、今度はさくらがやって来て、籠の回りをぐるぐる回り、覆い被さり、下から覗きます。

 エリザベスがゆっくりできるのは、やはり、今のところは客間の廊下しかありません。

 もう少しあたたかくなったら、監視の下、春の陽を浴びさせてやろうと思います。
 ゴメンね、エリザベス。

〜 エリザベスに涎を垂らすさくら 〜
2006年2月19日(日)  No.917

2度目の宇治田原
 葬儀で宇治へ行った折、1時間の空きができました。

 車中で本でも読んで待とうか、コーヒーでも飲みに行こうかなどと、少し他の選択肢を探りましたが、当初の心づもり通り、宇治田原まで行くことにしました。

 先月、大学時代の陶芸の先生の弔問を果たせず仕舞いで帰りましたが、今度伺うときに備えて下見をしておこう。今日はあまり時間が取れそうにないし、弔問させていただくならばゆっくり伺いたい。今日は“雰囲気”に浸るだけにしよう・・・あらかじめ決めていたことでした。

 ボクのいた宇治のとある場所から宇治田原へ行くには、一山を越えるだけ。10分もかかりませんでした。
 すぐに1月に通った道に合流し、その時迷った場所を今日は振り返ることもなく通り過ぎました。

 道は、狭い部分があるかと思えば、いきなり立派すぎるものに変わるのを繰り返し、まわりの景色も、昔ながらの山里の風景、山肌を痛々しく削り取って開発されつつある光景、低い山をはい上がる茶畑などと落ち着きなく変化しました。このあたりが開発にさらされていることが感じられました。

 約30分で先生宅近くと思われるところにたどり着き、そのまま惰性でしばらく車を走らせて、「このまま行ったら時間内に帰れなくなる」と、気持にブレーキを掛けてUターンしました。

 少し戻ったバス停で車を止め、消えかけた停留所名を確かめて、あたりの家を少し見回すと、谷間の古い家で、ロクロを回しておられるヒゲ面の先生と、そばで寝ている猫の姿が容易に想像されました。

 来た道を戻りました。茶畑の中に送電線が林立している光景に目を惹かれ、車を止めて写真を1枚撮りました。溶接工事をしていた人が、衣姿で写真を撮っているボクを奇異な目で見ていました。

 同じ時間をかけても、目的地を探しつつ進むときより、戻るときの方が時間が短く感じられるのはどうしてでしょう。あっという間に、宇治のもとの場所に戻りました。

 帰ってから地図サイトで今日たどったコースを点検したところ、先生の家は今日ボクが目星を付けて先生の姿を想像した場所とは1.5キロぐらい離れた、谷違いの集落にあることがわかりました。

 1度ならず2度までも・・・。容易に想像できた先生の姿はなんだったの・・・。3度目はちゃんとお伺いして、お参りさせていただくこと必定です。

〜 1枚きりの写真。この後、カメラは故障 〜
2006年2月18日(土)  No.916

しあわせの理屈
 何とか必死で「今日の散歩道」の更新を終え、通夜に宇治へ向かいました。昨日・今日・明日は、宇治へ通います。

 車で行くには何通りかの道順がありますが、昨日から、蹴上〜山科〜醍醐〜六地蔵〜黄檗・三室戸〜宇治橋のコースを走っています。所要時間は1時間少々。夕方のラッシュに巻き込まれる前だったので、ゆったりして気分で運転していきました。

 夕焼けを見ながら、カーラジオを聞いていると、「しあわせのうた」が流れてきました。今までに何度も聞いたことのある、好きな歌でした。

♪ 東に住む人はしあわせ 生れたばかりの太陽を
    一番先に見つけることができるから

 なるほど。でも、「生まれたばかりの太陽」って、別に毎日生まれかわっているわけじゃないじゃん。「東に住む人」は早く日が沈んでしまうよ。それって不幸?

♪ 北に住む人はしあわせ 春を迎える よろこびを
    誰より強く感じることができるから

 そりゃぁーそうかも知れないけど、ちょっと強がり言ってるんじゃないの? 無理があるよ。

♪ 南に住む人はしあわせ いつでも花の 首かざり
    愛する人に捧げることが できるから

 そんなに毎日花を摘んじゃいけないよぉ。それに、毎日花ばかりじゃぁ、「また花なの・・・。たまには指輪でも頂戴」と言われちゃうよ。毎日貰っちゃ、幸せじゃなくなるよ。

♪ 西に住む人はしあわせ いつも終わりに太陽を
    明日の空へ 見送ることができるから

 もっといいことを考えつかなかったのかなぁ。一番先に太陽を見つけるのと終わりに見送るのと、どっちが幸せなんやろ。
 どこを基準にしての東西南北なんやよ。他所のところの幸せではなくて、いま自分のいるところで幸せだと感じられるようでないとダメだよなぁ〜。

 この歌は、どんな境遇にいても、考え方一つで幸せを感じられるということが言いたいんやろけど、お説教みたいに押しつけたらいかんわ。

 「あなたはまだ幸せや。もっと不幸な人が世の中にはいっぱいいる」なんて言って励ます人がいるなぁ。自分でそう考えられるようになって「頑張ろう」と思えるのやったらいいけど、人に「あんたはまだ幸せや」と言われても、傷つくし腹立つだけや。何の支えにもならんわ。
 この歌には、そういう深みがないなぁ。童謡やからなぁ・・・。

 つい、一々突っ込みを入れながら聞いてしまいました。お蔭で時間が早く過ぎました。

 今日のお通夜でご回向するのは、59才で亡くなった方です。59才で亡くなることに、誰が「それも“しあわせ”だ」と理屈を付けられるでしょう。

〜 蹴上で金ピカに輝く「巨大な輝き」と東山 〜
2006年2月17日(金)  No.915

素朴な疑問。カーリングって・・・
 あまりオリンピックのテレビは見ていないのですが、カーリングをやっているのを見て、「あれって、スポーツなの? オリンピックでするような競技なの?」という思いが頭をもたげてきました。

 ストーン(石)を置く人がいて、そのスートンの行く手の氷をブラシで必死でこする人がいる。相手チームのストーンよりも円の中心の近くに入ったストーンの数がそのチームの得点となる。その駆け引きの奥の深さから、「氷上のチェス」と呼ばれる・・・。

 ブラシでこするのはかなり体力がいることらしいですが、だからといってスポーツということではないですよね。銭湯のご主人なんて、毎日デッキブラシで掃除をしています。そのほうがよほど大変。

 カーリングには、競技性や駆け引きがあるから? それだったら、同じく石を転がすボーリングだって負けないでしょう。冬の競技ではありませんが・・・。
 世界中の人がやっている、競技人口の多い、メジャーなスポーツ? じゃないですよねぇ。

 カーリングを腐すつもりはまったくありません。ごく素朴な疑問です。あれを見ていると、「オリンピック種目」というのがどういう基準で選ばれるのかわからなくなってしまうのです。

 今まで、ブラシで擦ることの意味を知りませんでしたが、この疑問を切っ掛けに調べてみて、合点がいきました。

 カーリングをする時の氷の表面には、小さな氷の粒々が作ってあるそうです。ストーンがこの上を滑っていく時に、ブラシで擦ってこの粒々を少し溶かすことによって、ストーンの方向や距離を調節できるのだそうです。上手な人が擦ると、止まりかけていたストーンの動きが伸びることもあるとか。だからあんなに必死で擦っているわけですね。なるほどぉー。

 それはわかりましたが・・・。

 あのストーン、漬け物石に欲しいなぁ。
2006年2月16日(木)  No.914

駆けつけサポート
 先日、電話回線を替えてトラブっている知り合いのお寺の奥さんから、「お上人さんが19日より前で来てくだされそうな日ありますか?」との携帯からのメールが入りました。

 新しいプロバイダと契約し、その“駆けつけサポート”が19日にしか来ない。娘が一刻も早くネットを使えるようにして欲しいと言っているので、お助けいただきたいとのことでした。

 雨も降ってきて外の作業も出来なくなったので、馳せ参じることにしました。

 伺ってみたところ、状況は予想通り惨憺たる有り様でした。新しくレンタルされた接続機器は複数台接続ができないもので、3台あるパソコンを同時に使うことはできませんでした。正式な書類が届くまで待っていられないと、聞き取ってメモしてあったIDは不正確。

 まずはIDを探ってとにかく1台が接続できるようにしてから、雨の中を、複数台接続するための機械を買いに走って、設定。

 もともとは電話代を安くしようと思って口車に乗ったのが事の発端だったため、その趣旨を尊重して、安いプロバイダーに乗り換え、以前使っておられたプロバイダと今回急場しのぎで契約されたプロバイダを解約(解約手続きは書面でしか受け付けてくれないのですね)。

 何だかんだやっていたら、3時間以上かかりました。


 帰ってほっこりしていたら、遠縁の親戚と檀家の訃報。親戚は母が一泊でお参りすることに、檀家は遠方なので、明朝枕経に伺わせていただくことにしました。

 今年に入ってから、檀家の御葬儀はこれで6霊目。塔頭住職の葬儀、知人の訃報もあり、正月以来、とにかくたくさんの方が亡くなった感じがしています。寒さも関係しているのでしょうか。

 「ボクも危ないかもなぁ」と、新聞の疾病保険の広告につい見入ってしまいます。

〜 バレンタインに、「苦沙彌さんにピッタリ!」と頂戴した文庫本の懸賞の時計 〜
2006年2月15日(水)  No.913

ボクは臭いの?
 10日ほど前から、さくらがボクの布団に入ってこなくなりました。

 夜半、さくらは寝入っているボクのおでこあたりに冷たい鼻を付けて、「布団に入れて!」と言ってきます。
 今までは、ボクが布団を持ち上げると、「やった!」と言わんばかりに布団に潜り込んできました。
 ところが最近は、少し鼻先を突っ込んでクンクンと臭いを嗅いだかと思ったら、すぐに「臭い!」と言わんばかりに顔を背けて去って行きます。なんと失礼な!!

 今未明は、掛け布団の上に乗って寝ているさくらを、無理やりボクの布団の中に引っ張り込み、何とかなだめすかして1時間ほど寝させました。久々に感じるさくらの体温でした。

 布団に鼻先を突っ込んでプイッとどこかへ行ってしまう行動を毎晩繰り返されたので、「ボクは臭いのかな?」とずいぶん傷つきました。

 先日、男性の更年期のセルフチェックのテストをしたら、「かなり重い更年期障害が出ている可能性があります。できるだけ早めに、男性更年期に詳しい病院で診察を受けてください」という結果が出たばかり。

 誕生日を迎えた頃から急に加齢臭が漂うようになったのかな? 糖尿病に罹りかけでアセトン臭でもするのかなぁ? 入浴剤がいけないのかなぁ? などと、さくらの行動に妄想が膨らみます。

 でも、冷静に考えると、さくらが入ってこないのとボクの更年期は関係ないかも。

 それにしても、どうしてかなぁ・・・・・。

〜 眠いのを起こされて不機嫌なさくら 〜
2006年2月14日(火)  No.912

お日様に浮かれた日
 寒い朝でした。つくばいには氷が張り、地面には霜柱ができていました。バイクで月参りに行くときには、冷たい風のために、プチ涙目になりました。


 でも、雲一つない快晴! だんだんと気温も上がってきて、部屋の中にいるより、外の日向にいるほうが余程あたたかそうです。

 これは外作業をしないともったいないと、まずは漬物桶の整理に取りかかりました。

 この冬、大根と白菜のぬか漬けを楽しみましたが、あと白菜が少し残るだけとなりました。
 引き続いて胡瓜などを漬けるのですが、毎年虫が湧いてしまって、糠床がダメになってしまいます。せっかく糠床が慣れてきて美味しい漬け物が出来るようになってきたのに・・・。
 20メートルほど離れたところに置いてある、生ゴミを腐らせて堆肥にする“コンポスト”がよくないのですが、置き場所が変えられません。

 今日の帰りにゴムパッキング付きの密閉容器を買ってきたので、それに糠を移して、これからはそこに漬けることにしました。

 おぉー、糠は冷たい! 手がかじかむぅ。


 終わって、山吹を株分けして、門外の斜面に並べ植えました。明日はお天気が崩れてくるというのを信用しての移植ですが、最近、天気予報は外れることが多いので、ちょっと心配です。

 しばらく経って株が大きくなり、風に揺られる黄色い花を見せてくれるようになるのが待ち遠しいです。


 体を動かすのが実に気持いいので、引き続いて境内のもみじの枯れ枝や暴れている枝の切除作業にも取りかかりました。

 ところが、しばらくして、折りたたみ式の剪定の鋸の柄がボキッと折れてしまい、作業中止。新しいのを買って来るのは面倒なので、今日の作業はここまで。

 コタツに入ってコーヒーを飲んでいたら眠たくなり、さくらと並んでうたた寝してしまいました。コーヒーを飲むと眠たくなるのです。

〜 啓蟄はまだ先ですが、左の桶から右の容器に 〜
2006年2月13日(月)  No.911

風邪がコワイ
 昨日、チケットをいただいた「日本の子ども60年 −21900日のドラマー」を見に、市立美術館別館に行きました。

 受付にはチケットをくださった永野さんがおいでになり、「さっきから無料になりました」と言いつつ、招待券をもぎってくださいました。一瞬意味が飲み込めませんでしたが、無料になったので、ものすごく混雑しているということでした。

 会場に入ると、確かにものすごい人。まるで印象派の絵画展。ゆっくり見られると思ってきましたが、まるっきり当て外れ。写真の前に、2重、3重の人だかりができていました。

 また、写真の前にガラスなどの遮るものがあるわけでもないので、作品にかぶりつき状態で見ている人がいたり、見ている前に無理やり入り込んで立ち塞がる人などもいて、少々混乱気味。

 来られている人には、平素、写真展を見に来られるような人ではなく、たまたま通りがかったような人も多く、中にはホームレスの方もおられました。

 それにしても、どうしてこの写真展はそれほど多くの人を引きつけたのでしょう。無料効果だけではなさそうです。

 一番最初に展示してあった大きな写真の前では、車椅子に乗った女性が、ハンカチで目を覆いながら、声をあげて泣いておられました。広島原爆投下後3時間後の写真でした。

 いずれの写真も、主人公は子供。そこに写っている子供たちには、戦争、貧困、高度成長、公害、バブルなどの時代が写し込まれていて、ある時は時代に翻弄され、あるいは時代を生き抜き、時代から遊離している姿を見せてくれていました。まさに、戦後、日本が歩んできた道そのものでした。

 見ておられる人たちも、写真の芸術性とかよりも、むしろ同時代を生きてきた自分の姿をそこに重ねて、「こんなことあったなぁ」「今の子供たちは、こんなのを見てもわからないやろなぁ」などと感慨深げ。多くの方が見に来られた理由も、そこにあるような気がしました。

 ゆっくり時間をかけて見たかったのですが、人混みに飛び交う風邪の菌が恐く、展覧会を見るマナーに欠ける人が多くて少々不快になり、1時間足らずで会場から抜け出しました。

 入り口には、「当展は予想をはるかに超えた入場者となり、本日の有料入場券は850枚で終了となります。従いまして、851番目の有料入場者からは、お礼の意を込めて、無料とさせていただきます。」と張り紙がしてありました。
 850人目の有料入場者はお気の毒でした。

 写真の威力をまざまざと見せつけられた展覧会でした。


〜 無料になった趣旨を記した紙が、ポスターには張ってありました 〜
2006年2月12日(日)  No.910

匠の技に話も弾む
 檀家さんの家に拝みに伺う時、読経が終わっての四方山話も楽しみの一つです。

 今日、伺ったお家は茶道具の指物師。もともとは建具を作っておられたのですが、最近家の構造なども変わって、腕を発揮できるような建具が必要なくなり、ひょんな縁から茶道具を作り始められました。

 お経が終わって奥さんと猫の話をし、仕事場の土間を通って入り口に向かうところでまたご主人と話をします。

 ご主人は、今度、東京である木工芸の即売会に出展するのだと1枚の写真を示されました。

 「これは風炉先ですか?」〔いや、台目棚ですねん〕「ほうー。畳の幅より、エライ小さいですやん」〔これは関東用ですわ。釘があかんのです。〕「へぇー」〔今は竹釘なんですけど、これを浄益の釘に替えんとあきません〕「あー、そう。浄益さん、具合が悪いそうですね」〔ほんまでっか?〕などという会話に始まり、材料一々に話が及びます。

 「これは赤松ですねぇ? 10年ぐらいかなぁー」 ご主人は材料の赤松の年輪を数えて、〔ほんまや、10年や〕。また別の板を持ってこられて、〔これどうです! ええでしょう〕「ほぉー これは屋久ですか?」〔これは霧島の上等な木目のやつですねん。カタログにも載ってます。〕と、銘木屋さんのカタログを取りだして、照らし合わせて見せてくださいました。
「ほうー、これは赤杉ですね」〔そやねん。吉野です〕「吉野?」〔産地によって呼び方が違うのですねん。赤杉ですわ〕。こういう会話がひとしきり続きます。

 このご主人はデザインから制作まで自分でされるので、時にはアイデアや感想を求められることもあり、〔それ、よろしいなぁー〕と採用して貰える時もあります。

 ある時は、木製の正座椅子を作っておられたり、免状の木札を削っておられたり、仏具を制作されていることなどもあり、行くたびに興味がわきます。腕も確かなのでしょう。

 ただ、法要などがあって急いで帰らなければいけない時には困ります。「今日は急ぎますし」と申し上げても、なかなか話が切れません。ボクも面白いので、いくらでも話をしていたいのですが・・・。

 しまいにお尻がこそばくなってきた頃、暖簾の奥から奥さんの「ちょっと、おっさん急いだはるやんか」と助け船が渡ります。

 今日も危なかった・・・。

〜 写真に写っていた台目棚 〜
2006年2月11日(土)  No.908

またもや更新に苦しむ
 今日の更新には長〜い時間がかかりました。

 昼過ぎから写真を撮りに行ったのに、なんとか使えるのが撮れたのは4時過ぎ。ビビッときて、シャッターを押そう!と思える瞬間は稀でした。それから、写真を選び、修正をかけました。

 写真が揃わないと文章が書けないため、前もって調べて下書きしておいた原稿があるにもかかわらず、書き始めたのは夕食後。何とか形になってきたのが夜の11時半頃。それから大まかな校正をして、12時前にようやく仮アップ。

 目はちらつき、思考回路はストップ。精根尽きました。もうこれ以上見られません。

 セレブな入浴剤を入れたお風呂に入り、今夜は晩酌を控えていたのでビールを1缶。やっと落ち着きました。

 どうしてこんなに時間がかかってしまったのでしょう・・・。まぁ、乗る日もあれば乗らない日もあらぁな。

 夜半に、更新ができなくて苦しんでいる夢を見ました。キャァー!

〜 更新不採用になった「浅春の陽を受ける老夫婦」 〜
2006年2月10日(金)  No.907

猫本
 猫の写真に恋ごころを詠んだ俳句を添えたという本をいただきました。

 「はじめに」を読むと、もともとは俳句の本を出そうとしたけれど、ほとんどの人は俳句なんかに関心はない。そこで、「無理やりにでも、いや、だまくらかしてでも」「現代俳句のきらきらした世界を知ってもら」いたいと、猫写真家の写真とコラボレートさせることにした、という意味のことが書かれていました。

 なるほど・・・かわい〜い猫の写真に添えられた俳句。選句も斬新でいいです。

 ふとした時に読みたい本が一冊増えました。

〜 『逢いたくなっちゃだめ』のなかより 〜
2006年2月9日(木)  No.906

住職の思い込み
 午後、葬儀に伺ったお家の2階の窓からは、大文字が真正面に見えました。素晴らしい光景でした。

 式が終わって、出棺まで待つためにその部屋に戻った途端、住職が「あの赤いのはもみじと違う。あれは飯桐(イイギリ)や」と突然言いました。大文字山の中腹より下に、ポツリポツリと赤い色が見えて、ボクも気にはなっていました。

 住職は、最近、突然突拍子もないことを言うことが多くなった気がします。

 「へっ! 誰ももみじやなんて思てません」「たいていの人はもみじと思うんや」と言って、京大の農学部にあったその木の名札を見て名前を知ったということや、少し前まで日赤の前にもあったことを自慢げに話しました。

 ボクは、住職がトイレに入った隙に、こっそり「イイギリ」とメモしておきました。

 帰ってからイイギリを調べましたが、樹形や生えている環境から考えて、どうもイイギリというのは納得いきません。

 でも、何の木か調べることが出来なかったので、今度大文字山に登った時に、あの木の下まで行って、しっかりと写真に撮ってこようと思いました。

 寝る前にもう一度とネットを駆使して調べた結果、大文字山の登山道でこれを見つけ、「急な山道をよじ登って大木の傍まで行き、樹皮や落ちている果実や葉を観察」したという人のページを見つけました。

 木の名前は「タマミズキ」でした。これでスッキリ!! 住職にも教えておかないと、またあちこちで「イイギリ」と吹聴したら大変です。

 窓から眺めていた時、俊寛僧都の楼門の滝があるあたりの谷に、葉を落とした大きな円錐形の木を2本見つけました。メタセコイヤのようにも見えますが、そんなところに自生しているはずはありません。

 近いうちに、タマミズキ探索と併せて、大文字山に行ってみようと思いました。

〜 「大」の火床と中腹のタマミズキ・・・臨時に借用中 〜
2006年2月8日(水)  No.905

塔頭住職の葬儀
 塔頭住職の葬儀。日が差したり時雨れたりの天気でした。

 昨日の通夜では、30人ほどの僧侶が読経しているのが一瞬、ピタッと止まりそうになってしまいビックリしました。

 ボクたち塔頭の僧が経を読み、参列した他の寺院の衆僧たちはそれについて読経されていましたが、メインのボクたちの読経が止まりかけたのが原因。

 毎日何度となく読むお経で、経本が見にくかったこともあって、ボクたちは諳んじて唱えていたのですが、誰かが同じようなフレーズのところで間違ってしまい、一瞬皆が声を出し控えたのです。間違ったのはボクかも・・・ボクです。

 あるいは、たまたま全員が一斉に息継ぎをしたために読経が棚落ちするということもあります。
 魔が差したような一瞬です。

 昨日の反省もあって、今日はしっかり経本を見ました。読経の声は朗々と流れ、声明も息があっていました。

 喪主である副住職の、「亡くなった住職が、一番自分が亡くなったことにビックリしているのではないかと思います」という挨拶が印象的でした。


 すべて滞りなく終わった午後、突然の突風が30分ほど吹き渡りました。風切り音や塔の風鐸が大きく聞こえ、窓の外の杉の木はたわんでいました。


 夜は、住職と手分けして、通夜と逮夜を勤めました。最近、亡くなる方が実に多く、“予約”もお聞きしています。寒さゆえでしょうか?

〜 風にたわむ杉の木・・・わっかるかな? 〜
2006年2月7日(火)  No.904

セレブな入浴剤
 ボランティアの事務所で、入浴剤をいただきました。

 「入浴剤はお好きですか?」と聞かれたので、「はい。毎日入れています」と答えたところ、車から入浴剤をとってきてくださり、「これを入れてお風呂に入ると、ツルツルになります。頭まで潜ったら、頭もツルツルになりますよ」と仰いました。

 言われなくても、ボクの頭は最初からツルツルです。

 別府八湯の一つ、明礬温泉の湯の花小屋で採取される湯の花だとか。行ったことあります、明礬温泉。

 早速、入浴剤を入れたお風呂に入ってみました。無色透明、無味無臭。色や匂いでは温泉気分は味わえません。ちょっと物足りないかなぁ。潜る必要はないのでやめました。
 ツルツル感は入っている時には、特に感じませんでした。入れ方が少ないのかも知れません。
 せっかくの入浴剤ですから、その成分が皮膚から体内にしみ込むぐらい長い時間はいりました。

 上がってからネットで調べると、湯の花を精製して、他の成分を加えて弱アルカリ性にしてあるので、風呂釜も傷めないようにしてあるとか。
 通販のカタログ誌の製品で、3本で6300円もします。ボクの使っている1缶3〜400円のものとは格が違います。

 布団に入ってから、自分の足が温かいのを感じました。こういう感覚は安物の入浴剤を使っている時には味わえないものです。

 いい感じ〜。ありがとうございま〜す。

〜 牛乳パックのような入れ物に入っている入浴剤 〜
2006年2月6日(月)  No.903

塔頭住職の遷化
 朝、小雪の舞う中をバイクで月参りに行きました。吉田神社の参道付近では、節分の露店の片付けがまだ続いていました。

 帰って門内にバイクを止めようとしていたら、住職がいきなりすぐ脇の磨りガラスの窓を開けました。

 どうしたのかとビックリしましたが、さらに発せられた言葉に耳を疑いました。真如堂の塔頭の住職が亡くなったというのです。

 「えっ、なんで・・・・・」と応え、もう一度、「どうしたんです?」と聞きましたが、住職もわからないとのこと。うちの住職も、自分より若い人の死に、誰かに何か言わないと気が済まないというような顔をしていました。

 自坊で法事2座を勤めた後、検死から帰ってこられた頃を見計らって、弔問に伺いました。

 亡くなった塔頭のご住職は、昨日、立春の行事に護摩を焚かれた後、お寺の役員さんたちを慰労の食事に連れて行かれた時に倒れられ、薬石の効なく、今朝遷化されたとのことでした。

 数えで75才。お酒が入った時などには、「ワシは130まで生きる」と仰っていたのに・・・。

 昨秋には跡取りさんが結婚され、元旦の年賀式の席上でその方を副住職とすることが認められました。子煩悩なそのご住職は、実に嬉しそうで、これからその塔頭も順風満帆だと思っていた矢先のことでした。

 本当に残念で、いまだに信じられない気持です。

〜 夕暮れが迫ってきた境内 〜
2006年2月5日(日)  No.902

悪女になるなら 月夜はおよしよ
 今日の「メダカの学校」の授業は、「歌舞伎の悪女」。

 講師は、昨年、元禄時代の浄瑠璃のことについて調べに来られた先生に、入試などでお忙しい時期に、曲げてお願いしました。

 正直いって、今までボクは歌舞伎を見に行ったことがありませんし、興味もありませんでした。その先生が、他所で公演されたタイトルに「悪女」を見つけ、軽い気持でお願いしました。

 ところが、歌舞伎の悪女は半端じゃないのですね。お姫さまが、悪い男に惚れて娼妓にまで転落したり、人を殺したり。身分は行き来するし、善悪の分別も曖昧になっていきます。

 芸能も時代を反映していますから、このようなものが登場する時代背景があったり、「悪女」「悪罵」の登場に共感をおぼえる庶民感情があったのでしょう。

 そう思うと、中島みゆきの歌に出てくるような「悪女」なんて、自分の中で拗ねているだけで、ダイナミックさはまったくありません。

 終わってすぐ、翌日、法事が終わった後に食事をされる方のために部屋をフル・モデルチェンジして、夜、たまたまNHKの「幻の藤十郎〜人間国宝 中村鴈治郎の挑戦〜」という番組を見ました。

 今日のお話が一層わかったような気がして、歌舞伎にも興味が湧いてきました。新しい出会いを得たようで、何だか嬉しいです。

 「知らざぁ言って聞かせやしょう」「さてどんじりに控えしは・・・」などという名台詞をはさめば、いっそうギャグも冴えてくるというものですし。 


 時々パソコンのサポートをしていたお寺が、インターネットに接続できなくなったとか。聞いてみると、NTTを廃止して、他社回線にしたのだそうです。電話線自体は変わっていませんが、回線業者が替わってしまったのですから、いままでのプロバイダでは繋がりません。今から申し込んでも、2〜3週間はネットに接続できないでしょう。今さらどうしようもないですよぉー。

 最近、電話回線を替えないかという勧誘がしつこく、内容もちゃんと説明していないというケースをよく耳にします。自坊のほうも、「あまり何度も電話がかかるので」と押し切られて申し込んでいたらしく、それを知って慌ててキャンセルしました。
 電話の陣取り合戦も、いろいろな回線業者、IP電話を交えて、なかなか熾烈。これからどう変わっていくかもわかりませんし、どれ得かも、自分で調べて判断しなければなりません。何だか面倒です。

 携帯電話の料金は、もっと安くならないのでしょうか・・・。

〜 メダカの学校の授業風景 〜
2006年2月4日(土)  No.901

露店は楽し
 今日も、節分会の日数心経読誦。読誦していない時は、本堂前のテントで参拝者への薬湯接待。

 今日は「今日の散歩道」の更新日でもあるので、たもとにカメラを忍ばせて、時間があれば境内を回ってきたりしていました。

 境内に来られる方は普段と比べて圧倒的に多いのですが、ほとんどは吉田神社から流れて来られる方々ばかり。本堂に上がって拝まれる方も少なく、ちょっとさみしい行事です。


 日数心経を終えて、ボクも“吉田さん”へ行きました。

 お参りしに行ったというより、700軒?の露店が連なり、人波が参道を埋め尽くすあの雰囲気を、やはり毎年味わいたいのです。

 露店の内容も年と共に変わっていきます。タコ焼き、お好み焼きといった定番は変わりませんが、綿菓子やお面を売る店はわずか。暦やカレンダー、陶器を売る店もかつてはありましたが、すっかりなくなりました。輪投げ、スマートボール、パチンコなども消えました。
 鮭やマグロを売る店やコンニャクの煮物の店、トルコ人の、薄切り牛肉を巻き付けて柱にして売る店などは今年初めて見ました。
 参道を移動するにつれて、様々な匂いがついて回り、お腹が満たされたような気になりました。

 鯛焼きと焼き鳥を買って帰りましたが、鯛焼きの片面は“内臓”が透けていました。焼き鳥はティシューで油を拭き取ってやっと食べました。雰囲気に騙されて買って帰って失敗するのは、ほぼ毎年のことです。


 帰ってからは、ひたすら更新作業に没頭しましたが、何とか出来たのは10時過ぎ。細かい修正を終えたのは12時前でした。

 あー、しんどかった。

〜 やってみたい、宝石のつかみ取り 〜
2006年2月3日(金)  No.900

おばあさんの執念
 やっと晴れました。久しぶりの晴天なので、なおさら嬉しいです。


 朝、「節分会日数心経」の開闢法要に出た後、お檀家さんの家へ月参りに行きました。

 90才近い老夫婦がお二人で暮らしておられるのですが、おじいさんは今日はデイケアにお出かけ。

 お経が終わった後、待ってましたとばかり、おばあさんの愚痴が噴出しました。

 おじいさんが部屋中散らかして絵を描かれるのだというのです。おばあさんは堪忍袋の緒が切れて、結婚後間もない頃におじいさんが約束したことと違うと、最近はおじいさんを責めておられるのだそうです。

 結婚されて以来、おそらく60年は経っているでしょう。その頃の約束を守っていないと責められても、おじいさんも困るでしょうに。おばあさんも、よく覚えていらっしゃること・・・。


 帰りに、北区のお寺でパソコンサポート。インターネットが繋がらないというヘルプコールがあったのです。

 「何もしてないのに繋がらなくなった」という釈明の弁を聞いているうちに、復旧しました。
 「あれ? どうやったの? 散々やってみたんやけど。この本も読んで」と本を示されました。本を読んでいる色々やっておられるうちに、一時的に繋がらなかったのが恒常的に繋がらない設定になってしまったのでしょう。

 狐につままれたような顔を尻目に帰りました。


 帰って、節分の行事に復帰。2日間かけて8人が30分交代で般若心経を365回読誦します。その他の時間は本堂前のテントで薬湯のお接待。

 ちょっと張り切って勢い付けて読経をし、途中で息も絶え絶えになりました。明日はもうちょっとゆっくり拝もうっと。

〜 薬湯接待の呼び込みをする職員も手持ちぶさた 〜
2006年2月2日(木)  No.899

身辺整理の煙
 今日も雨。これで3日連続の雨です。

 東山の尼寺での「大般若転読会」に出仕。本降りの雨に参列者は少なかったようです。

 法要後、参列者は恒例の茂山狂言の出張公演をご覧になっていました。拝見したかったなぁ。


 早く雨が上がってくれれば剪定した枝の片づけが出来るのにと、雨雲のレーダーと睨めっこ。

 何やら音がするので外を見ると、雨の中、焼却炉から煙が上がっています。住職が雨を押して何かを燃やしているようです。

 住職は今朝、先日してもらった腸の検査の結果を恐る恐る聞きに行きましたが、良性のポリープを来月切除することになったそうです。

 風邪を引いただけでも重病のように大騒ぎになる住職は、簡単な内視鏡手術であっても、生死を左右するような一大事に感じているに違いありません。

 立ち上る煙を窓から眺めながら、「あっ、身辺整理を始めたな」と、即座に思いました。


 4時過ぎになって、窓から見える瓦が乾いてきたので、待ちかねたように外に出て、枝の片づけをしました。

 おくどさんを使っている頃なら、いい柴ができたと喜んだでしょう。焼却炉で燃やしてしまうのはもったいないので、使い道を考えましょう。

 「6時頃まで外で作業できるなんて、日が長くなったなぁ。嬉しいなぁー」と、つくづく実感しました。

 少し汗がにじんくる、気持のいい時間でした。

〜 住職のたてた煙。雨後、すぐに青空も見えました 〜
2006年2月1日(水)  No.898

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