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2006年1月の日記

夜食即脂肪
 今日も雨。この季節には雪になることが多いのに、昨日・今日は最低気温がなんと6℃。遅れている梅の花が開くかなぁ・・・。

 塔頭の屋根に葺き替え工事も、始まった途端の2日続きの雨で、素屋根掛けが中断してしまっています。「予定が狂ううだろうなぁ」と影ながら心配しています。

 ボクも、伐採した枝の片づけができずに困ります。


 午後から、ボランティア。パソコン・サポート、会議2つ、機器のサポートを終えて帰ったら9時半。

 会議の間にカレーパンを食べただけだったので、帰ってから「あー、これはそのまま脂肪になるなぁ」と思いつつ夕食を食べました。

 20年前、いや30年前はスマートだったのになぁ・・・。

〜 朝な夕なに外を眺める深窓の猫さくら 〜
2006年1月31日(火)  No.897

ホワイトデー対策?
 1日中雨でした。天気予報では曇りといっていたのになぁ・・・。昨日剪定した枝を細かく切ろうと思っていたのに、予定が狂ってしまいました。

 しかたがないので、いろいろ調べ物をしたりしていましたが、飽きてしまったので、法衣店やホームセンターなどに買い物に行きました。
 ホームセンターの売り場でチェーンソーを見て、ソーチェンを買わなければいけなかったのを思い出しましたが、型番がわからず断念。さくらのトイレ砂とフードだけを買いました。

 ついでに、スーパーに寄って、アーモンドパウダーやコーンスターチ、粉糖など、クッキーの材料を買いました。
 先日頂戴した「スノーボール」という手作りクッキーが、サクサクとしてとても美味しかったので、ホワイトデーのプレゼントに備えて? 作ってみようと思ったのです。

 帰ってさっそくクッキー作りに挑戦してみました。

 無塩バターに粉糖、薄力粉、アーモンドパウダー、コーンスターチなどを入れてよく混ぜ合わせ・・・・オーブンで15分ほど焼いて、茶こしで粉糖を振って、はい出来上がり〜!

 あー 焦げちゃったぁー。

 レシピ通りの時間で焼いたのに焦げてしまいました。レンジが悪いのか、トレイの真ん中は付近は中まで焦げています。食べてみて、思わずはき出しました。

 結局、2センチほどのクッキーを50個ほど作りましたが、まともなの15個ほど、25個ほどは少々焦げていて、10個ほどは捨てました。

 味は、初めてにしてはまずまずでしょうか。アーモンドパウダーはケチらないほうがよかったかも・・・。

 あと1〜2回練習すれば充分に見栄えのするものが出来るようになるでしょう。

 これでホワイトデー対策は万全ですが、問題はバレンタインにチョコをいただけるかどうかです。

〜 初めて作ったスノーボール 〜
2006年1月30日(月)  No.896

かけこみ剪定
 雲一つなく真っ青な空。この上ない快晴。陽の当たるところで墓前回向をしていたら、ポカポカしてきました。

 空を見る時に自ずと目に入ってきた枝に、「あっ、そうだ。剪定しなきゃいけないんだ」と、冬の間に桜やもみじの枝が伸びすぎているのを剪定するつもりだったことを思い出しました。

 木々はできるだけ太陽の光を受けようと、我先に枝を上へ横へと伸ばそうとします。でも、もともと大きくなる性質を持ち合わせていない種類の木は、いくら背伸びしてもその競争からは脱落してしまい、高木の影になる憂き目に遭わされます。そして、成長できない、花が咲かない、挙げ句の果ては枯れてしまうという結果に陥ります。
 低木にも太陽の恩恵を受けさせるには、影を作る高木を切ってやるしかありません。

 まずは桜の木。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」といいますが、剪定部分から腐り込み易い桜を整枝をするなら今が一番。「つつじの花付きが悪くなってきたなぁ。桜の枝打ちを今のうちにしないと・・・」と気になっていたのです。

 2連梯子を伸ばした一番上、高さ7〜8メートルでの作業はコワ〜イ。歳を取るほどに、高所作業がこわくなってきました。でも、高みに登ってみる青空はまた格別。ポケットに忍ばせたデジカメで、写真を撮る余裕は残っていました。
 桜の枝は柔らかいので、片手で握ったノコギリでも簡単に切れました。切った後の傷口に保護材を塗って、細菌の侵入や腐りを予防。

 好き放題に延びているもみじの枝が、枝垂れ桜を見にくくしているので、それもカット。もみじの枝は折れやすいので、重量のかかり具合を見ながら進めました。何しろ、身が重たくなっているもので。

 少し太めの枝を切ったら、すぐに切り口から樹液がしみ出てきて、ポタポタと地面に落ち始めました。
 芽などはまだほとんど動く様子がありませんが、幹の中はこんなにも活発に動いているのかとビックリしました。人でいうなら血を流しているかのようなその光景に、とても心が痛みました。

 ついでに、杉の枝も少々枝打ち。花粉を飛ばす準備が整いつつあるのを、間近で見ました。

 あれよあれよという間に、結構切りました。切った枝をさらに細かく切って乾燥させ、焚き付けや薪にしなければなりませんが、今日はもうやーめた。
 冬の間に鈍ってしまった体で木登をりした上に、ツイスターゲームのように無理な体制を取ったものですから、体が少々痛い。明日頃には筋肉痛が出てくるかも知れません。

 快晴の青空の下、いい汗かきました。春が近づいてきているのも実感できて、何だか幸せな気分になりました。

〜 樹液が溢れ出てきているもみじの切り口 〜
2006年1月29日(日)  No.895

企業倫理
 自坊 → 檀家宅 → ボランティア →檀家宅 → ボランティア → 自坊 で1日が終わりました。

 衣姿でボランティアに行った時には必ず服に着替えるのですが、今日は着替えている時間がなく、衣姿で新人研修を3時間半、別途パソコン・サポートをしました。
 僧衣は、気分的にも、動作的にもやり辛いです。


 テレビで東横イン社長の偽装釈明会見を見て唖然。いまだにこんな経営者がいるの?
 確認検査後改修をするということは珍しいことではありませんが、見つからなければいい、見つかったら運が悪いとでもいわんばかり。
 収益最優先で、ホテル業としての誇りも自負もないのでしょうか? 社会的責任とか、企業倫理など、まったく感じられません。

 数年前、東横インに30名ほどの宿泊予約をした時に、キャンセルの扱いについて嫌な思いをしたことがあります。

 個人客のキャンセルはキャンセル料は要らないが、団体の場合は1名でも減るとキャンセル料をいただきますというのです。理由を聞いても、「当社の規則です」というばかりで、一向にらちがあきません。
 宿泊日も迫っていて、いまさら他のホテルに振り替えることもできないので、団体予約をやめて、そのままその宿泊者リストを使って個人名で予約し直しました。
 単にホテル側の扱いが団体か個人かの違いだけ。その時の電話応対が釈然としなかったことを、今日のニュースで思い出しました。

 安くて便利、季節よって料金が変わったりもしないホテルですが、万一何かがあった時の対応が予測できる気がします。


 NTT、JAL、JR西日本・・・民営化された企業も危ないですが、収益最優先で突っ走るような倫理なき企業の危うさを、最近見せられることが多いです・・・なーんちゃって。

 誕生日頃以来、とても慌ただしい1週間で、少々くたびれ気味です。

〜 前庭の水仙。甘い香りが漂っています 〜
2006年1月28日(土)  No.894

開山忌
 真如堂開山の戒算上人の954回忌。

 少し寒さはましだと思える日でしたが、やはり本堂の中は寒い! 特に、板間の冷たさは格別でした。

 冷えたのか、途中から小用を足したくなってきて、お経に集中できませんでした。ダメだこりゃ。

 それにしても、開祖のことがほとんど語り継がれていない、記録もないというのはどういうことなのでしょう? 真如堂の歴史はわからないことだらけです。

 インターネットで古文書に出てくる「真如堂」の部分を探し集め、いま、わからない部分を少しでも明らかにしたいと思っています。


 去年の今頃は野良猫ミーコと敵対していましたが、さくらを拾ってから、おそらくミーコがさくらの母親だろうと思うと、敵対できなくなりました。

 ミーコもボクの顔を見て、ミャァーミャァーと鳴くようになりました。ボクに敵意がないのがわかったのでしょう。今日も写真を撮りながら50センチほどの至近距離まで近づきましたが、ミーコは逃げる気配も見せませんでした。

 猫に関する本も読んだりして、その習性なども多少勉強して、何となくあの子たちの行動に理解を示せるようになりました。

 猫に拒絶感を表す人も時々おられますが、「いや、飼ってみるとカワイイものですよ。いかがですか?」と勧めている自分の変わりようが可笑しいです。

〜 更新漏れの1枚 〜
2006年1月27日(金)  No.893

開宗1200年不参
 今日は、天台宗開宗1200年の祥当法要が延暦寺の根本中堂で営まれる日。806(延暦25)年1月26日、天台宗が朝廷の勅許で認められた日から、ちょうど1200年を迎えました。

 行く予定をしていましたが、葬儀ができたので、叶わなくなりました。残念〜。

 京都の葬儀は、ここ数年で、自宅から葬儀会館などに大きくシフトし、自宅葬は稀になりました。

 日曜日の葬儀も今日の葬儀も会館ですが、それぞれ京都の2大葬祭会社の会館で執り行われました。1社は冠婚葬祭を手広く手がける会社、もう1社は葬儀だけをする老舗です。

 前者は表面的には丁重を繕おうとしているものの、儲け主義、事務的、ぞんざいなことが際だっています。ボクたち僧侶仲間で話が葬儀会社のことに及んだ時にも、「あそこではやりたくないなぁ」と言われる業者です。
 葬儀というものに対する考え方自体が違うのでしょう。ご遺体がお金に見えるのかも知れません。

 今、その業者は、1学区に1施設を目指して、どんどん葬祭会館を建てています。
 一般の方は、葬祭業者をそう頻繁に利用されることはないでしょうから、“内容”の良し悪しより、近いかどうかが業者選択の大きな要素になるでしょう。

 そうすると、その質のよくない業者の葬儀が増えてくることになります。後から、あちらにすればよかったと言っても、もうすべては終わってしまっています。

 檀家全戸に、「あそこは使わないほうがいいですよ」とお知らせしたいような心境です。

〜 早朝の雪? 霜? 〜
2006年1月26日(木)  No.892

東奔西走
 バタバタした1日でした。

 朝、まずお香屋さんへお供え用の線香を買いに行って、葬祭場のお香はどうしてあんなに匂いが悪いのかという話をし、続いてお檀家への月参り。滋賀県の地理の話をしましたが、お互いよくわからず。

 北区のお寺に税金の書類を届けた後、ふと車の前輪を見たら、鈍く光るものがありました。近づいてみると、前輪のトレッドのところから長さ1センチほどの釘が斜めに出ていて、先が道路との接触で研磨された状態になっていました。

 自分で抜いてパンクしたら困ると思い、近くのカーショップに行って見て貰いました。20分ほどかかって、「大丈夫です。肝心なところまで達していませんので、抜いて、空気圧の調整をしておきました」との結果で大助かり。
 サービスマンの、費用は「もう結構です」という言葉に当惑顔のカーショップの経営者を尻目に店を出ました。

 近くのゴディバで、やはりお供え用のチョコレートを買って、一時帰宅。急いで御飯を食べて、大津坂本に向かいました。

 滋賀県に向かう山中越えをものの5分も走ったら、道の両側の斜面は残雪で白くなっていました。峠を越えて大津側に降りる道には、雪はあまりありませんでした。

 坂本で、天台宗のホームページについて、3時間弱の会議。んーーー。進むのかなぁ・・・。

 終わって、一気に大津から京都に入って、東から西へ突き当たり、桂近くでお通夜。エアコンが効いた部屋は乾燥していて、喉が痛くなりました。

 閉式して、今度はまた東のハズレの自坊に戻り、服に着替えて、遠来の僧を接待させていただくために出かけました。

 ボクが食事のために予約しておいたお店には客人だけで行っていただくことになってしまいましたが、評判もまずまずで、ホッとしました。

 2次会はいつもの宮川町。給料日だというのに、お店は貸し切り状態で、ほんわかムードの舞妓さんを交えて、“京都”を満喫して貰いました。
 舞妓さんは埼玉出身。おかみさん曰く、「最近は目から鼻に抜けるような子が多おすけど、あの子は昔風の舞妓ちゃんのようで、癒し系どすやろ?」 なるほどぉ。

 帰宅したのは12時半でした。チャンチャン!!

〜 山中越えのサークルKの黒い看板・・・写真がないのでとりあえず 〜
2006年1月25日(水)  No.891

ボランティアに飽きた?
 朝から夜7時頃までボランティア。パソコンのセットアップをしたり、本来の業務をしたり、帰り際にも仕事を頼まれましたが、振り切って帰ってきました。

 20年来やってきたこのボランティアを、今年の3月で辞めようと思ってます。

 熱意が湧かなくなってしまいましたし、キリスト教界の狭い人間関係が作り出す閉塞感を、最近はとみに感じるようになりました。ボランティア活動の質も大きく変化しました。

 「もう、いいなぁ」と、だんだん気持が固まってきました。


   こころよく 我に働く 仕事あれ  それを仕遂げて 死なんと思う  啄木


 完全燃焼して終われたならば、どんなに最高でしょう。でも、そんな幸せな人は何割いるでしょうか? 青ちょろいセンチメンタリズムでしょうか。

 ボクに残された人生の年月で何が出来るだろう。何を最優先にしたいだろう。最近、そういうことばかり考えています。

〜 この無心は生きんがため? 〜
2006年1月24日(火)  No.890

たくあんをたくさん
 毎年、1月中頃を過ぎる頃からしばらく、お腹が不調になります。原因は、たぶん自作の漬物の食べ過ぎではないかと思うのです。

 昨年の暮れに漬けた大根と白菜がちょうど食べ頃になって来るのが今頃で、これ以上長い時間漬けておくとどんどん塩辛くなってきますし、そのうち暖かくなってくると酸っぱくなってきます。

 ですから、美味しく食べられる今のうちだと、ついつい、一切れ二切れ多めに食べてしまうのです。

 大根は消化にはいいはずなので、たくあんを食べすぎたからといってお腹が不調になるのは合点いきません。ひょっとして、糠漬けに含まれる乳酸菌が腸内で増殖し過ぎるのでしょうか? ただの食べ過ぎ?

 大根も白菜も、樽からあげた後、少し水にさらして塩気を出してはいますが、たくさん食べますから、塩分は摂取しすぎでしょう。

 せっかく今が美味しい時期なのに・・・。樽から上げて、冷蔵庫で保存すれば、安心してゆっくり食べられるようになるでしょうか?

〜 自作白菜の漬物 〜

2006年1月23日(月)  No.889

果たせなかった弔問
 葬儀のために宇治に行きました。

 最近は葬儀〜火葬の後、初七日をすることが多くなって、今日もその流れ。住職が風邪で声が出ず、急遽、初七日はボクが代わることにしました。

 ご出棺から初七日の時間まで、ぽっかり3時間が空いてしまいました。自坊まで帰るにしても1時間かかり、帰ったとしてもまたすぐに戻ってこなければなりません。

 そういうこともあろうかと予測して本を持って行っていましたが、「あっ、そうだ。お参りに伺おう」と思いついたことがありました。

 先日、ボクが大学の頃に陶芸を指導していただいた先生の奥様から、寒中見舞いが来ました。そこには、「昨年12月、夫が57才にて永眠しました」と書かれていました。

 「えっ、まさか・・・ 57才とは・・・」 先生と最後にあったのはもう15年ぐらいも前でしょうか。以後は年賀状のやり取りがただ一つの繋がりでした。

 「1時間あれば行けるだろうから、3時間なら拝んで往復しても大丈夫。突然伺ったら迷惑かなぁ・・・ とりあえず、行ってみよう」と、途中のコンビニで金封を買って向かいました。

 京都から奈良へ向かう道は、日曜日とあって、大型店に出入りする車のために混雑していました。

 先生は茶畑の多い山間の農家で、手作りの灯油釜を作り、陶器を焼いておられました。
 自坊にも12〜13年前まではそれをコピーしてボクが作った灯油釜がありました。焼成をする時、窯の中は言葉では表しがたいような透明な朱色に染まり、溶けてきた釉薬の光沢が綺麗でした。また、終わった後、窯の中からは「チリ チリ」という細かな音が聞こえてきました。陶器が冷えて釉薬に小さなヒビが入っていく音です。

 「器を作るは人を作るなり」 柳宗悦はそういいましたが、ボクにはまだちゃんとした器はできないなぁと、いつも思っていたものでした。

 書院を拡充することになって窯は取り壊しましたが、またいつかと思って、煉瓦や釉薬などは残してあります。

 急に思いついて行くことになったので、電話番号もわからず、住所は「立川小字段橋」という記憶のみが頼り。3度ほど家に行ったことはありますが、どこをどう行ったかわかりません。でも、田舎なので、近くまで行って聞けばわかるだろうと、不安はありませんでした。

 ボクの車にはナビなど付いていないので、またネットの地図サイトの情報を知人からメールで貰いましたが、「JAを過ぎたら右折」というのをJAがたくさんあって間違い、結局30分以上うろうろして、ようやく「立川小字段橋」付近に辿り着きました。

 まわりの風景には不釣り合いな、とてもキュートな“第一村人”に「段橋はこのあたりですか?」と尋ねたところ、「もう少し向こうですが、どこをお探しですか?」と聞かれました。このあたりの集落のことは何でも知っているという感じでした。

 陶芸の先生の名を告げると、「あ、その方は奥山田のほうへ引っ越されましたよ」と言われました。目眩がしそう。「えっ! 去年、ご主人が亡くなってのですが・・・」「えっ! 亡くなったのですか!」という会話からすると、亡くなってから転居されたのではなさそうでした。

 「奥山田」というだけでは家は突き止められそうになく、時間もあと1時間20分ほどしか残っていなかったので、残念ながら、今日は諦めて引き返すことにしました。

 初七日を終え、自坊に帰ってから住所録を確かめると、少なくとも去年の正月以前には引っ越されているようでした。

 お参り出来なかったのは残念ですが、「あー、耐火煉瓦の積み方や使い分けを教えて貰ったなぁ・・・烏丸丸太町の寿司屋がいいと言ってらしたなぁ」などと、故人のことをいろいろ思い出しながら山間をドライブした時間は、ボクの気持の中では弔問したのに次ぐ貴重なものとなりました。

 寒中見舞いには、「夫の忘れ形見の猫と二人暮らしになりました」とも書いてありました。また、準備を整えてお参りさせていただきたいと思っています。

〜 こんな柿が道中にはたくさんあった宇治田原 〜
2006年1月22日(日)  No.888

トレビアン!
 フランスから帰省されていた方からいただいたお土産の中に、オレンジの絵が描かれたものがありました。

 オレンジ味のクッキーかと思いましたが、それにしては軽いので、早速開けてみるとハーブティーのようでした。

 恐る恐る飲んでみたところ、甘酸っぱくて爽やかで、とてもトレビアン!

 スペルを頼りに調べてみたら、レモンバーベナ(ベルベイヌ)とオレンジのハーブティー。フランスでは夜にくつろぎながら飲むのが主流なのだそうです。

 コーヒーは胃に重たい、番茶では頼りない、日本茶を急須で入れるのは邪魔くさいし饅頭もないなどという時に、手軽で、それだけで楽しめて、トレビアン!

 リラックス効果、消化促進、偏頭痛・無気力や憂鬱、吐き気やむかつきなどにも効き目があるとか。何だか痩せそうな気もします。

 今日は、東山のお寺で、大般若転読会法要がありました。大声を出してほっこしした喉や体にも、やさしく染みわたるお茶でした。トレビアン!

〜 ベルベイヌ・オレンジ 〜
2006年1月21日(土)  No.887

山茶花? それとも寒椿?
 地元紙と一緒に無料配布された週間テレビ番組紙の表紙に、真如堂の寒椿の写真が載っているというメールを貰いました。

 一瞥して、「あれぇー 寒椿って、これは山茶花じゃないの?」と思い、そのペーパーを作っている会社に電話をしてみました。

 編集者が席を外しているということでしたが、しばらくしてかかってきた電話の相手は、なんと大学の同級生の女性でした。以前からそのペーパーに関わっていて、ボクも一度取材を受けたことがあったのですが、まさか彼女とは・・・。

 同級生が、去年、松本清張賞を受け、今年は直木賞候補だったとか、そんな消息話をした後、「あれは山茶花じゃないの?」と言うと、彼女も植物図鑑やネットでいろいろ調べた結果、そう書いたらしく、かなりの自信を「寒椿」だと言い切りました。

 ボクも納得できませんでしたが、彼女がそこまで自信を持っているのなら、「まぁ、いいかぁ」と思い電話を切りました。でも、何となく釈然としません。
 いろいろ調べてみた結果、彼女のほうが正しいと思えてきました。

 ボクの寒椿解釈は、「椿は春の花であるが、早咲は既に冬季寒中に咲くところからこれを寒椿といひ冬椿と呼ぶのである。寒椿といふ特別の種類があるのではない」(三省堂「新歳時記虚子編)の通りでした。

 植物図鑑の寒椿の項目には、「サザンカの園芸品種と認められているが、異説もある」と書いてあって、寒椿はサザンカに含まれるという解釈のようでした。

 ネットでもいろいろなことが書いてありますが、大別すると、山茶花は「背が高く、普通は5〜6メートル。花びらの数は5〜10枚。花びらは皺になるものが多い。花期は10〜12月」、寒椿は、「枝が横方向に伸びるので背丈が高くならず、1mぐらい。 花びらの数は多く、14枚以上。花びらはあまり皺にならない。花期は12〜2月」と整理できるでしょう。

 ボクが植木屋さんに「ここに山茶花の垣根を作ってください」と頼んで、4年ほど前に植えて貰った木ではありますが、この分類からすると確かに「寒椿」です。

 間違った記事を見て来る人があると困ると思って、深く考えもせずに電話をしたのですが・・・穴があったら入りたい。

 でも、「寒椿 真如堂」などと載せられると、よほど立派な木があると勘違いする人が必ずおられて、「新聞に載っていた花はどこに咲いていますか?」と尋ねて来られます。月極ガレージの目隠しの生け垣にさいた花なのに・・・。

 勉強させて貰いましたぁ〜。

 ムキになってよく考えずに行動するのは、ボクの悪い癖だなぁ。あー、恥ずかしい。

 山茶花だけに、さんざんな結果でした。

〜 掲載された「寒椿」の写真 〜
2006年1月20日(金)  No.886

障子張り、終結!
 「やったぁー! 終わったぁ!」

 去年から延び延びになっていた客間の障子張り。ようやく、今朝、残っていた8枚を張り終えました・・・張り終えたと思って喜びました。

 やれやれと思っていた一瞬のスキに、さくらが前に貼り終わった障子を収納してあったスペースに入り込み、桟を足がかりに真っ白な紙に飛びかかろうとしました。

 「あ゛っーーーーーーーーーーーーーー やめてぇ!!!!!」

 まさにスローモーションのような、悪夢の瞬間でした。障子2枠分に3本の亀裂が走りました。

 茫然自失で怒る気にもなれず、被害が広がらないようにさくらを捕まえて、そこから排除するのがやっとでした。

 たまたま破れたところに合うようにカットした紙が1枚残っていたので、気を取り直して張り替えました。

 さくらと暮らしている限り、これからも頻繁に障子張りをすることになるでしょう。

 障子張りのプロ目指して頑張ります。前向きに、前向きに。

〜 真っ白な障子に爪のあと 〜
2006年1月19日(木)  No.885

帰路へ
 北海道旅行最終日。

 お天気のいい日が続いていましたが、今朝はあっという間に10センチ以上の雪が積もりました。

 札幌駅に向かうJRの路線が踏切事故で止まってしまい、復旧の見込みが立たないというので、地下鉄とJRを乗り継いで新千歳空港に向かいました。
 JRには夕べも車両故障で乗れず、冬は“足”として欠くことのできない鉄道が、こんなに不安定では困るなぁと思いました。でも、北海道の厳しい自然環境を見ると、よくぞ動いているという気もします。

 新千歳は雪も降ってなく、運行にも支障は出ていませんでした。雪が少ないところを選んで空港を作ったそうです。

 飛行機の座席は、1000円を追加してプレミアシートに座りました。隣の人と肘がふれ合うこともなく、膝から下も載せられるシートで実にラクチンでした。
 ただ、飛行機にしても、新幹線にしても、あの車内・機内の音楽はもう少しどうにかならないものでしょうか。行き帰り同じだし、メニューも貧困。この分野はぜんぜん進化していないように思います。

 予定より遅れて伊丹空港に着き、京都のタクシー会社の空港送迎の乗り合いタクシーで帰宅。

 さくらがどんな顔をして迎えてくれるだろうと期待と不安でしたが、いつものようにはすり寄ってこず、ちょっと距離を置いている感じで、ちょっとショック。

 旅行中に獣医さんが書いた猫の本を読んだので、それを参考にして、またさくらを可愛がろうっと!

 札幌でお世話になった皆さん、本当にありがとうございました。おかげで、素晴らしい旅になりました。

〜 新しい雪が積もっていく札幌の街 〜
2006年1月18日(水)  No.884

真っ白なパラダイス
 札幌からJRとバスを乗り継いで2時間少々。旭川の旭山動物園に行きました。

 今回の旅行のメインはこの動物園を訪れることにあるといってもいいぐらい、行ってみたいと思う動物園でした。

 テレビなどでも再三取り上げられていますが、旭山動物園はさまざまな工夫を凝らして、動物本来の行動や能力を、自然に近い状態で見せようとしているとか。さほど珍しい動物はいないのにもかかわらず、月間入園者数では上野動物園を抜き全国一になったという動物園。きっとワクワクすることがあるに違いないと思いました。

 着いてすぐに、まずは冬季限定のペンギンの散歩。キングペンギン10羽ほどが、銀世界の園内の通路をヨチヨチ歩きで1周する姿の可愛いいのなんのって! 何も隔たりも仕切りもないすぐ前をペンギンたちが通っていくのです。ペンギンが自分の前を通り過ぎたら、またそのコースを先回りして待ち構え、来るのを待って見る。それを何度繰り返したでしょう。あっという間の30分でした。

 好奇心旺盛なアザラシが円柱水槽を上下に行き交う姿、雪が降りしきる放飼場にいるライオンやヒョウ、トラ。のし歩くホッキョクグマを目の前で見られる半球状のドーム窓。動物を中心にして、それをいろいろな方向から見られるように、本当にいろいろな工夫が施されていました。

 30分おきぐらいごとに、いろいろな動物に餌をやるイベントなどもあり、また屋外で鳶や鷹を飛ばしてその違いを説明してくれる教室も開かれ、まったく飽きませんでした。

 「どうやって生き物の自然の姿を伝えていくか。そのために、動物たちが本当にやりたいことは何かを考え、スタッフが知恵を絞ってきた」。その熱意と工夫が花開いたという旭山動物園。また来たい、雪のない時にもぜひ来たいと思わせるパラダイス。新しい施設も建設中で、この動物園はますます進化していきそうです。

 それに比べて、自坊からほんのわずかな場所にある京都の動物園は、ボクの中では「臭い」という印象が第一で、あえて行きたい施設ではありません。残念ですねぇ。

 帰りに、駅前で旭川ラーメンを食べ、車中で地ビールを飲みながら札幌に戻りました。


 11年前の今日の早朝。神戸の地震が起きたことは、どこにいても忘れることはできません。今も神戸に行くことがあると、瓦礫の間をウロウロしたあの時の光景がよみがえってきます。
 亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。

気ままに散歩するペンギンたち
2006年1月17日(火)  No.883

札幌ブラブラ
 今日も札幌は寒さが緩んで、時おり風が吹く他は、おだやかなお天気でした。

 除雪によって雪の壁ができた少し郊外の雪道を歩いて、ホームセンターやスーパーなどを探索しました。ボクには、観光地よりもこういうところを回るほうがよほど性に合います。

 ホームセンターは去年も偵察しているのですが、薪ストーブ、除雪器具、いろいろな機械など、相変わらず“宝の山”。京都のホームセンターとは規模も違います。欲しいものがたくさんあるのですが、いずれも大きくて、またもや買って帰れない切なさを味わいました。こんなホームセンターが近くにあったらなぁ・・・。

 スーパーで一番面白いのは、なんと言っても食材売場。中でも魚売場は驚きの連続です。
 札幌のスーパーの魚売場には、外国産をたくさん並べても品揃えを豊富にしようという方針のお店もあれば、地元近海で捕れたものを中心にしようというお店もあるような気がします。

 今日見た魚売場には、かすべ、ごっこ、かじか、柳の舞などという、京都では聞いたことも見たこともないような魚が並んでいて、調理法などまったくわかりません。また、うちの近所のスーパーでは切り身が主体ですが、今日のお店は1匹まるごと売っているのが多く、ライフスタイルなどに違いを感じました。値段も安い!
 ホームセンターと魚売場を見ていると、北海道に住んでみたいなぁと思います。

 町のあちこちで除雪をする重機が動き、雪を積んだ大型ダンプが行き交います。住宅の前では、手作業で除雪をする人の姿もよく見られます。冬の間中、そんな作業をしなければならず、生活も制限されることも多いでしょうから、北国で暮らすのは本当に大変だろうと思います。

 それにしても、外は寒いし、中は暑い。これにはなかなか慣れません。

スーパーの魚売場
2006年1月16日(月)  No.882

バースデイ割
 法要などを終えて、伊丹発札幌行きの最終便で空路札幌へ。ここ数年恒例となっているバースデイ割引を使った小旅行へ。

 搭乗口を通ったら階段を下りてくださいという指示で、下りたところは滑走路。その向こうに小さい飛行機。タラップを上がって機内を見たら、縦13列の4人掛け、定員50人。久々にこんな小さな飛行機に乗りました。

 窮屈な思いの1時間半を過して降りたところは、アイスバーンの新千歳空港。飛行機はスリップしないのだろうかと心配しながらも、無事に飛行機は止まりました。タラップを使って下り、バスに乗って飛行場の建物に入りましたが、考えてみると、バス1台分の人が空を飛んでいたということ。改めて、飛行機の小ささを思い知らされました。

 マイナス8という京都では経験しない気温でしたが、列車の中も、駅も、さほど寒いという感じもせず、札幌の人たちの格好も京都と大して変わらない感じ。用心して着込んでいったら、暑くて汗をかきました。
 駅の待合所には大きなストーブが数台あり、それを囲んで人が固まって座っているのが面白かったです。

 友人宅で、北海道のお酒、増毛で捕れた子持ちの甘海老、ニシン漬、鮭の飯寿司、ほっけのつみれ鍋、雲丹などをたらふくご馳走になりました。

 京都からわずか数時間で、雪と氷の世界、旬を迎えた北の海の幸。なんだか、まだ自分の所在がつかめない感じです。

伊丹から搭乗した小さい飛行機
2006年1月15日(日)  No.881

リンゴの値段
 出かけたついでに、お供えに使う果物を買いに行きました。

 普段と違うお店に行きましたが、1軒だけポツンとあるスーパーで、客も少なく、なんとなくちょっと高級そうな感じ。
 売っているものは少な目で、普通の店にありそうなものがなく、例えばプリンとかが何種類も置いてあります。ワインの売り場がど真ん中にあったり、お総菜の売り場が広くて、専属の店員のような人がいます。

 お供えにする果物はといえば、イチゴ、スウィーティー、文旦と何かを交配させたもの、洋なし、イチジクなどなどで、種類も少なく、値段が高い! スウィーティー1個198円!

 お供えにするには、例えば下に3個並べて上に1個のせるとか、下から6個、3個、1個と積み上げるとかで、4個や10個必要になってきますが、このお店は1個単位が基本。

 「ん〜、ここはお供え向きではないなぁ」

 京都市内でも、地域によって、物価には高低があって、普段買い物に行く銀閣寺あたりは、決して安くはありません。

 道すがら寄ってみた修学院の商店街。このあたりは、ちょっと高級なスーパーがあったり、普通のスーパーがあったり、昔からの商店街があったりという場所で、総じて物価が安いらしいのですが・・・。

 昔ながらの八百屋さんにレジコーナーを付けて、無理矢理スーパー形式にしたようなお店に行きました。

 なんと・・・ 安すぎ・・・。

 見かけに違いがあるとは思えないものが、さっきのお店とはまったく違う値段で売っています。さっきの店は1つ1つ包装してあったのが、こっちのお店は3つ1袋とか。対象としている客層や家族構成が違うのでしょう。

 大きくてきれいなオレンジとリンゴをそれぞれ4つ買って、レジで生産したら、300いくらか。
 「へぇー?」とボクが細い目を丸くしながら言ったら、「スミマセン、間違っていました」と再計算して500円ほど。計算し直したのだから間違ってはいないだろうと思い、安すぎる値段に首を傾げながら帰ってきました。

 果物屋さんに配達して貰っても、すぐに腐ってしまうものもありますから、素人には本当に質がいいかどうかは、実際に切って食べてみないとわかりません。

 さぁ、このリンゴは切ってみて、吉と出るか凶と出るか。

〜 立派なリンゴでしょ? 〜
2006年1月14日(土)  No.880

更新に苦労
 1日中、どんより曇り空。

 今日は「今日の散歩道」の更新日ですが、目を引くようなものは何もなく、光にも恵まれないので、ぜんぜん写真が撮れません。雨でも降ってくれれば景色も変わるのに・・・。


 ボクが更新に四苦八苦する中、さくらは窓の外を見てみたり、小鳥の声に反応したり、セーターを食べたりしながら、ボクの部屋にいます。部屋を移動すると付いてくるし、写真を撮りに行く時は勝手口まで送りに来て、お風呂に入る時は戸の外で待っています。

 猫を飼うのは初めてですが、猫ってこんなことをするのでしょうか? やっぱり犬的な猫?

 何だか、ますます可愛く思えてしまいます。

〜 カゴの中で爆睡するさくら 〜
2006年1月13日(金)  No.879

葷酒山門に入って久し
 ずっと食べたいと思っていた餃子を、テイクアウトで買って帰って、焼いて食べました。

 「舞妓さんのおちょぼ口に似合うひと口サイズの餃子」というのが宣伝文句で、今では一部のデパ地下でも売っています。

 お店に行って驚くのは、スタッフがとにかくひたすら餃子を作っていること。カウンターがいていればそこまで使い、あるいはテーブルを囲んで、せっせと、黙々と餃子作りをしています。ちょっと近寄りがたい光景です。

 この小さい餃子をパリッと焼いて、20個ぐらいは食べるでしょうか。意外なほどあっさりしていて食べられるのです。

 ニンニクは生ではなく、パウダーを使っているので臭いも気にならないというのですが、やはり臭います。
 ですから、次の日にお経を唱えに行ったり来客の予定がないかを考えて、大丈夫だという時にしか食べられません。

 お寺の山門などに、「葷酒山門に入るを許さず」という石が立っていたりすることがありますが、酒、肉、魚などとともに、臭いの出るようなものは野菜でも食べてはいけないということになっています。
 「葷」がそれで、葱・韮・らっきょう・ニンニク・はじかみの5種類で、「五辛」といいます。趣旨からして、タマネギなどもその範疇でしょう。

 今では、普通の時にそれらを食べないで生活することは出来ませんが、修行期間は食べません。

 ですから、例えばカレーライスでも、肉の代わりに油揚げ、ニンジンやジャガイモは入っていても、タマネギは入っていません。最後に、湯飲み1杯のお茶で器を洗ってそれを飲み干すのですが、カレーの時のそのお茶の不味いこと。カレー味のお茶です。

 話が逸れましたが、スケジュールから考えて食べても大丈夫と思った今日は、生の餃子を買って帰って、焼きました。
 パリッと焼けるか心配でしたが、添付されていた通りにしたら、何とかうまく焼け、美味しくいただけました。

 でも、焼いている時にニンニクの香りを含んだ餃子の臭いをかなり吸い込んでいるので、10個も食べたらお腹が一杯になってしまいました。美味しかったぁ。


 松下電器が、一酸化炭素中毒事故を引き起こした石油温風機の回収を進めるために、全世帯を対象に危険性を知らせる葉書を送るとか。

 修理対象の温風機の約4割が行方不明だそうですが、すでに廃棄されたものがほとんどなのでしょう。

 昨年末の松下のテレビCMはこの温風器の危険周知の内容に差し替えられ、またかというほど見ました。その上に葉書。もう充分ではないでしょうか? これ以上は使っている人の自己責任。企業イメージのこととかを考慮してのことでしょうが、過ぎたるは及ばざる如しの感がします。

 全世帯に葉書を送るということですが、宛名を特定しなくても全国の各郵便局に葉書を渡すと、対象世帯に郵送してもらえる仕組みがあるそうです。

 そんな仕組みは迷惑だなぁ・・・。毎日、いらないDM、屑メールの山です。

〜 焼く前のひと口餃子 〜
2006年1月12日(木)  No.878

囲炉裏のある家で
 今日も穏やかな冬日和。これで平年並というのですから、寒いのに慣らされていたのだなぁと思います。


 毎月、お参りに伺っていた独り暮らしのおばあちゃんが亡くなりました。電気ストーブの前で座ったままの格好で亡くなっていたそうです。亡くなったと思われる日から数日経って検死が終わり、親戚から連絡がありました。

 おばあさんの家の暖房は、真冬でも、火鉢に入れた豆炭とホットカーペットだけ。ボクが伺った時は漏電しそうな電気ストーブを点けて横に置いてくださいましたが、ひとりの時は点けておられませんでした。
 亡くなった時の様子から察するに、余程寒いと感じてそのストーブを点け、そのまま逝かれたのでしょう。

 元気な時は燃料屋さんをされていて、灯油を配達したり、かつては炭を、そして練炭や豆炭を売るのを生業とされていました。需要がなくなって売れ残ってしまった豆炭の袋が、今も土間にうず高く積み上げられています。
 そのおばあさんが、寒いと感じながら亡くなったとしたら、なんと皮肉なことでしょう。

 亡くなったご主人共々、京都府北部出身だったそのお家には、囲炉裏が切ってありました。京都で囲炉裏を見るのは、そのお家以外、ボクには経験がありません。

 土間に降りて履き物を履いたまま調理や煮炊きをする台所で、タイル張りの薪を燃やす窯の上に、1口のガスコンロが置いてありました。

 電子レンジ、冷蔵庫、カラーテレビなどを除いたら、40〜50年前と何ら変わりのないような家の中でした。

 とても信心深い方でした。


 去年のうちに終わらなかった障子の張り替えを、とりあえず8枚やりました。残りは8枚。あとひと息です。

 寒中見舞いを作りましたが、プリンタのインクが漏れて不調。3時間ぐらいかかって、やっと綺麗にプリント出来るようになりましたが、手はインクだらけ。洗ってもなかなか落ちないものですね。

〜 洗っても落ちないインク 〜
2006年1月11日(水)  No.877

またやってしもた・・・
 陽の光もあって、少しあたたかい日となりました。

 「よぉし! 今日こそ、残った障子を張ってしまおう!」と張り切って出で立ちを整え、とりあえず4枚分を外に持ち出して、水を掛けて古い紙を剥がす作業にとりかかりました。

 その間に糊と刷毛を用意しようとした時、ポケットに入れていた携帯がブルブルしました。手が濡れていたので出られず、後から伝言を聞いたら、ボランティアの事務所からで、「2時から新人研修です。今は車を運転してこちらに向かっていただいている最中かと思いますが・・・」という内容。ボクの受け持っている新人グループの研修日だったのです。時計を見たら、2時5分。

 「え゛っーーーーーーーーー」

 大急ぎで、水浸しの障子を土間に入れ、寒いところでの作業に備えて着込んでいた服をまとめて脱ぎ、ちょっと小マシな服に着替えて、いざ出陣!

 勝手口で靴を履こうとしたら、何だか臭〜い。どこから臭っているのだろうと探し、落ちていた紙を除けたら、さくらのウンチがありました。ご丁寧に、さくらはウンチをして、紙で隠しておいたようです。
 片付けている暇などないので、また紙を乗せて、出かけました。

 結局、40分遅れで到着。まぁ、何とかなりましたが・・・。

 夜、帰ったら、障子は乾いて、何もなかったかのように元通りになっていました。


 こういう失敗を何度繰り返すのでしょう。懲りてないですね。終いに信用なくします。大いに反省。

 今年は、元旦の修正会からドジ踏んでいますからねぇ。緊張感に欠けているのかなぁ・・・。いかん、ホントにいかんです。

〜 さくらのセーターのその後 〜
2006年1月10日(火)  No.876

『夢の美術館』
 NHKの『夢の美術館−うるわしのアジア ほとけの美100選−』という番組の再放送を見ました。

 じっと見ていられなかったので途中からビデオに取り、お昼で終わったと思って止めたら、またお昼からもやっていて、慌ててスイッチを入れましたが、細切れの録画になってしまいました。

 なんと、放送時間の合計は210分という大番組でした。

 ゲスト席に、うちでお茶を習っていて、その後大学の学長になった人が座っていてビックリ。頭がお禿げになったなぁ・・・剃ってるのかな?

 東寺講堂、浄瑠璃寺、浄土寺、敦煌・・・次から次へと、すばらしい素晴らしい映像。
 素晴らしい仏の世界と、それを信仰してきた人々の力を見る思いがしました。

 でも、これだけの映像をどうやって集めたのでしょう? 今まで蓄積してきたものを使ったのでしょうか?

 素晴らしい映像を解説を交えて淡々と流してくれれば、スッキリした、さらに印象深い番組になっただろうなぁと思いましたが、NHKの多くの番組などがそうであるように、不必要な“演出”“サービス”が番組の質を落としている気がしました。また、女優をはじめ、たくさんのゲストは不必要。
 湯水のように制作費を使うことができるNHKならではの、“過剰”ぶりが随所で目についた気がしました。

 一番違和感を感じたのは、仏像などの紹介の時の「作品番号54」などという表現。「美術館」という設定だからなのでしょうが、信仰対象としての彫像や絵画が、美術作品としてのように紹介されるのには、抵抗を感じました。

 素晴らしい映像を使った、少し不満の残る番組でした。

〜 屋根に残った雪 〜
2006年1月9日(月)  No.875

半殺し
 薯蕷饅頭をいただきました。黄白だったので、法要の御供養でしょう。

 白を切ってみて、ちょっとガッカリ。こしあんでした。

 ボクは粒あんの薯蕷饅頭が大好きなのです。こしあんは、まぁまぁ。

 いつも、どっちを切ったら粒あんかと迷うのですが、今日は住職のほうへいったのが黄色だったようで、ボクのは白。黄色はきっと粒あんだったのでしょう。

 「あーーーーーーーーーー こしあんかぁ」と、“あてもん”に外れたかのように落胆しながら、濃い目のお茶を入れて、いただきました。

 薯蕷饅頭にも、白あんと粒あんの二重餡になっていたり、子持ちになっていたりするのがありますが、あれはボクからすると邪道。見た目は豪華ですが、口の中がややこしくていけません。

 外の薯蕷はしっとり、フワッと、もちっとしていて、中は粒あんの適度な歯触り、舌触りが楽しめる・・・。あー、どうして粒あんじゃなかったんだぁー。

 好きといっても、わざわざ買ってまでは食べはしないのです。どこかから到来して、気が付けば目の前にある。切ってみたら、粒あんだった! という場面設定が最高なのですが・・・。

 文句を言いながら、お茶をがぶがぶ飲んでいたら、お腹が一杯になってしまいました。

〜 ちょっとあんにムラがあるような・・・ 〜
2006年1月8日(日)  No.874

初メダカ
 朝起きたら、雪はまったく積もっていません。天気予報を聞いて、雪を覚悟していたのですが、ホッとしました。

 ところが、8時過ぎから降り出した雪がどんどん激しくなって、あっという間に境内は銀世界。

 今日は「メダカの学校」の今年初めての授業だというのに・・・。

 幸い、お昼頃には晴れ間が出てきて、「メダカの学校」にはいつも以上の方がお越しくださいました。

 お正月は、皆さんにぜんざいを召し上がっていただくのですが、人数が多いとお餅を焼くのが大変。一気に出すようにしたいのですが、早くから焼いておくと堅くなってしまいます。
 皆さんが写経をされている間に、ボクは台所で餅焼き作業に専念していました。

 たくさんの方がお越しになると、その中には前の年にご家族が亡くなったりして、「おめでとうございます」と言えない方もおられます。

 お正月など行事の時は、悲喜こもごもが皆さんの心中に去来します。

 どうか、佳き年になりますように・・・。

〜 一気に雪景色に変わった本堂前 〜
2006年1月7日(土)  No.873

顕現日のアッシジ
 年頭回礼最終日。3日間で160軒を回り終わって、やれやれです。


 イタリアのアッシジに参拝旅行に行った友人の携帯から、写真付きのメールが飛来。

 今日は、「東方の博士」たちが、イエス様にお目にかかって礼拝した「顕現日」という祝日で、アドベントから始まったクリスマスの最終日だそうです。

 いろいろな国の人が、カソリックやプロテスタントなどの教派を越えて集まってお祈りを捧げているのだそうです。

 朝早くには、あちこちの聖堂の鐘がいっせいに鳴りだし、鶏がそれに応じて、合唱をしているようだとか。

 写真付きでメールを読むと、臨場感が溢れます。


 すごいですねぇ、今日という祝日の様子もすごいですが、イタリアからいとも簡単に携帯メールが来るなんて。もちろん、通話も出来るのでしょう。

 これだったら、京都にいるのと変わりません。行っているのを知らなかったら、「ホント? 冗談でしょ?」と疑ったかも知れません。

 今どきこんなことで驚いているのって、かなり遅れているのでしょうか?

 ひととき、アッシジの丘に思いを馳せることができました。

 木枯らし紋次郎よろしく「アッシジには関わり合いのないことでござんす」と返事したら、外国まで駄洒落を寄こすなと叱られました。

〜 携帯メールに添付されたアッシジの夜明けの聖堂 〜
2006年1月6日(金)  No.872

後ろ姿で魅せる犬
 住職の体調も何とか戻り、今日は車で年頭回礼。雪がチラチラする寒い日になったので、バイクでなくてよかったぁー。

 信号で停まった脇にあった知らないお寺の門に、犬が一匹、外に背を向けて座っていました。

 犬は、時々外の様子を気にしてチラッと首だけで振り返るものの、またすぐに内を向き、どっしりと座っていました。

 犬でも猫でも、こちらの心を見透かしているような行動を取る時が度々あります。「どういうつもりなんだ?」と、聞いてみたくなる時もあります。

 この犬は、世の中を拒絶しているのか、背中に自信があるのか、何か理由があって、門の外に背を向けて(あるいは門の中を見て)いたのでしょう。

 意味深な後ろ姿に魅せられて、思わずシャッターを切りました。


 夜になって、屋根の上は真っ白になりました。明日はまた雪? 明日も回礼なのになぁ・・・。 

〜 何想う? 犬の後ろ姿 〜
2006年1月5日(木)  No.871

年頭回礼
 今日から年頭回礼。護符などをもって、お檀家の家を回ります。

 いつもはボクが運転する車に住職を乗せて回るのですが、住職が不調になったため、ボクがバイクで回ることになりました。

 バイクに乗る時は、いつもなら衣の上にコートを着ているのですが、挨拶をする時に一々脱ぐのも時間がかかるため、衣の下に少し着込んで、コートは無しで出発しました。

 寒かったぁ〜。

 最初は、顔などの露出部分が寒かったのですが、それが次第にジワジワと体の中に浸透してきました。昼食を挟んで60件ほどを回り、7時間ほど経って帰った時には、寒さが骨の髄まで沁みていて、しばらくストーブの前で温めましたが、なかなか温まりません。

 途中、知り合いの禅宗の僧侶に会いましたが、その人はいろいろ着込んだ上に作務衣を着て、その上に衣を着ておられました。なるほど。でも、あまり格好のいいものではないので、オシャレなボクには出来ないなぁ・・・ウソ。

 晩ご飯は鍋にして、唐辛子を一杯振りかけて食べ、お酒は熱燗にして、ようやく体の芯に残っていた寒さが取れました。

 明日は車で回ろうっと。

〜 疏水から南禅寺界隈の庭に水を供給する水路。野村美術館の横 〜
2006年1月4日(水)  No.870

護符発送準備
 今日も年始の墓参に来られる方は少な目。朝、住職が祈祷を済ませた護符の発送作業にしながらの、来客対応です。

 最近、自坊から大量に送る通信物は、葉書以外は、みなメール便を利用しています。メール便のほうが折る手間が省け、料金的にも安いからです。

 でも、メール便に替えてから、いままで郵便だったら配達されていたものが「宛先不明」などで返って来ることが何度もありました。たいていは、マンションのポストに名前の表示がされていない場合などでした。

 今日は宅配便のアルバイトをしたことがある甥が来ていたのですが、話を聞くとメール便の配達はかなりいい加減とか。同じくアルバイトをしていた人が、配達すべきメール便をごっそり捨ててクビになり、その分の仕事がごっそり回ってきて困ったという話も聞かされました。もちろん、郵便でも同種の事故はよく聞きますが・・・。

 メール便は、宅配便や小包のように、配達状況をネットで追跡したりもできませんから、果たして確実に届いているのかどうか・・・。届くと信じて送るしかありません。

 ホームページから護符を申し込みまれた方にも、発送の準備をしました。


 長野ではごく一般的なお餅の食べ方という「揚げ餅」のレシピを教えていただき試してみました。

 レシピといっても、「お餅を油で直接揚げ、餅がやわらかくなったらキッチンペーパー等で余計な油を吸い取り、砂糖醤油をつけていただく。時には砂糖醤油をつけて海苔を巻いたりもする」だけです。

 食べてみましたが、焼いたお餅よりも柔らかくて、サクサクした食感もあって美味しいです。ただ、醤油をがよくしみこむので、砂糖醤油のつけ方には注意しないと、辛くなってしまいます。

 お試しあれ!

〜 砂糖醤油のみとそれを海苔で巻いたバージョンの揚げ餅 〜
2006年1月3日(火)  No.869

年始調整
 例年、2日は正月墓参の方の出足が遅いのですが、やはり今日も遅く、人数も少なめ。

 初詣や墓参は元旦に済ませて、2日は家でゆっくりしようという人が多いのでしょう。

 お昼も細切れに立って食べた元旦とは大違いです。


 ボーッと待っていても時間がもったいないので、源泉所得税の年末調整をすることにしました。

 今頃!?と思われるでしょうが、うちのように「社員」の少ない事業所は、1月10日までに7〜12月分の税金を納めればいいので、その前に年調をして過不足を精算することにしています。

 「どうせ年調で年税額が決まるから」と去年の税制の変更点をよく読んでいなかったのですが、去年から50万円の老年者控除がなくなったのですねぇ。へぇー。住職はこれで5万円の税金アップ。きついなぁー。

 18年の源泉徴収簿では定率減税が10%になっていますし、そのうち消費税もあがってきます。ヒシヒシと増税の波が押し寄せてくるのを実感しました。


 こういう作業は大の苦手で、今までに税制変更を見落としたことが何回もありましたが、フリーで提供されている年末調整ソフトのお蔭で、今年はちゃんと出来ました。

 正月から税金の計算か・・・。

〜 ずらっと並んだ和菓子「山みち」 〜
2006年1月2日(月)  No.868

“一年の計は元旦にあり”では困る
 除夜の鐘が終わって、ちょっと寝たかと思えば、もう修正会のために起きなければなりません。

 寝るのがいたって好きなボクには、耐えられないタイトなスケジュールです。

 境内の中で一番寒いのではないかと思える本堂でのお勤めに備え、携帯カイロを背中に張り、毛糸のチョッキを着て、足首まであるズボン下を履いて、準備は万全! さぁ、いざ本堂へ。

 真っ暗な境内に、夕べの除夜の鐘のかがり火の残り火の赤がまだ残っていました。
 「あれだけ念入りに消したのになぁ」と思いつつ、またバケツの水をかけて消し、本堂へ上堂しようとしました。

 本堂の正面階段を上がり、障子を開けようとした時、どうもいつもと感触の違う足元を見たら、なんと白い靴下のまま。

 「・・・・・・・・・・ どうしよう 」

 夕べ、除夜の鐘を撞いた後、足が冷たいので靴下を履いて寝ました。朝起きて着替える時に、白衣、袴や衣は身につけたのに、足元だけは靴下のまま履き替えていなかったのです。

 修正会の定刻までもうあまり時間もありません。履き替えに帰ったら間に合うかどうか。靴下が白いのを幸いに、親指の叉のところを挟むようにして、足袋に見せかけられないかと思いましたが、スクールソックスのような靴下で縦の筋が入っていて、カモフラージュできそうにありません。

 「やっぱりダメか・・・」と諦め、大急ぎで走って自坊に戻り、靴下を足袋に履き替えて、また走って本堂に向かいました。

 当然、本堂に着いたのは遅刻寸前の一番最後。上座の方々を待たせる形になって、極めてバツが悪い感じです。

 半鐘が入って、すぐに修正会が始まりましたが、寒い朝に思い切り走ったので、胸が痛くなるほど息が上がり、とてもお経が読めません。息が落ち着いたかと思ったら、今度は足がこむら返りを起こして、痛くてモジモジ。

 いやぁー、もうどうにもこうにも大変な修正会でした。

 一年の一番最初のお勤めからこの調子では、この先が思いやられます。ホント、今年はどうなることやら。

 我ながら情けない年の幕開けでした。

〜 お正月の定番の和菓子「花びら餅」 〜
2006年1月1日(日)  No.867

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