京都古文化保存協会の秋の文化財特別拝観で、冷泉家が4日間だけ公開されているいうので、普段は拝観などに興味を示さないボクにしては珍しくも出かけていきました。
御所の駐車場に車を駐めようとゲートを入ると、警察官が立っていて、「車の頭を御所側に向けてください」と丁寧に指示しました。何で? 御所の回りにも、中にも、パトカーや警察官がウロウロしています。16日の小泉−ブッシュ会談のための特別警備でしょう。
冷泉家の前まで行くと、50メートルほどのズラーッと長い行列。最後尾に着くと、係員から「やく30分お待ちいただくことになります」と説明されました。 拝観するのに30分も待つのは馬鹿らしいと思いましたが、このために来たのですかし、そう機会もないので、待つことに。行列はスムーズに進み、30分はかかりませんでした。
冷泉家は藤原定家の流れをくむ和歌の宗家で、約200年前に建てられた住宅は現存する唯一の公家屋敷。明治維新の時にほとんどの公家は東京に移ったのですが、留守居役を預かった冷泉家がこの地に留まったため、建物が保存されたとのことでした。
ボクが通った大学はこの家に隣接していて、その頃は痛みも激しく、煉瓦作りの学舎に迫られて、かなりお気の毒な状態でした。 お公家さんは、近世、経済的に逼迫しているお家が多く、冷泉家も例外ではないようでしたが、財団法人冷泉家時雨亭文庫を設立されてから、建物の保守保存も行き届いてきたように思います。
快晴の、少し肌寒い中を15分ばかり待ち、廷内へ。先ず、トイレがありました。
土間の台所を見た後、式台、使者の間、中の間、上の間などを屋外から見学。建物自体は華美ではなく質素でした。ただ、唐紙を使った襖、その引き手などからは、さすがに格調の高さが香ってくる感じ。右近の橘・左近の桜、門 の上には玄武、なるほど。
あっという間に出口へ。
ある拝観者が、「へっ、もうこれで終わり!? これで800円は高いでぇ!」と大きな声を上げ、知り合いとおぼしき人から「そんなもんや」とたしなめられている光景がありました。
建物の外を順路に従って見るだけですから・・・でも、まぁそんなものでしょう。正直、ボクも少しガッカリでした。
次は、黒谷の山門の特別公開を行こうっと!
〜 冷泉家の廷内/間近に迫る大学の校舎 〜
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2005年10月31日(月)
No.805
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