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2004年11月の日記

落ち葉増える
 今日は、久々にゆったりした時間の流れる日になりました。

 朝、南禅寺近辺の檀家にお参りに伺い、帰りに知らない道をバイクでウロウロ。「へぇ〜〜 こんなところがあったんだぁ」の連続でした。

 午後は、知人が訪ねて来られ、四方山話。来訪にあわせて、落ち葉でお芋を焼いて差し上げました。

 お菓子などは買えば手に入りますが、落ち葉の焼き芋は望んでもなかなか手に入りません。ボクなりのお接待です。

 境内の紅葉も終盤。毎日たくさんの葉が落ちてきます。これからは、雨の日以外なら毎日でも焼き芋が出来るかも知れません。

〜 境内の落ち葉 〜
2004年11月30日(火)  No.463

山の風景
 所用で遠出をしました。

 いつもと同じ道では退屈なので、山間のワイディングロードを、対向車を気にしながら進みました。

 境内で見ているものとは違った紅葉が、山肌に広がっています。陽の光を受けたブナやクヌギの赤茶色の紅葉と杉などのコントラストが、目を見張るほど美しい…。

 人だらけの境内の喧噪にストレス気味のボクには、いい保養になりました。


 「道の駅」のような店で、地元で作ったという藁にくるまれた納豆を買いました。

 わらづと納豆は、スーパーなどで売っているカップに入った納豆と違い、藁の香りが何ともいえません。

 アルプスの少女ハイジが、乾し草のベッドで寝ている時に、その寝息に紛れて体の中に入っていくような、お日さまの光をたっぷり吸った香り……よくわかりませんか?

 食べてみましたが、期待していた香りはかすか。ちょっと期待を裏切られました。


 早く本格的な落ち葉の季節になって欲しいなぁ……暖炉か薪ストーブのある山小屋で、窓の外に降る雪を眺めながら、バーボンをチビチビやりたいなぁ……。

〜 杉の植林と山の端の紅葉/わらづと納豆 〜
2004年11月29日(月)  No.462

法要5座、舞妓、旧友……
 朝6時半から夕べの撤収作業。

 今日は今年中でも、もっとも法要の多い日。10時に始まって、11・12・1・2時と立て続けに5座。道が混雑していて参列者が遅れたら、目もあてられません。
 その上、2組が法要後に食事をされるので、オフ会会場はどうしても通常モードに復旧しなければなりません。

 何とか復旧できて、ちょっと一服と思ったら、最初の組がお揃いになったので、もう始めるとのこと。ひぇ〜、まだヒゲも剃ってないよぉ。

 後は、法要をして、墓参に行っての連続。参列の人と仕出し屋さんの車の交通整理を、衣姿のまま“指揮”したりというオプション付き。

 お昼には、“舞妓ちゃん”の来臨オプション。かわいかったなぁ。ボクもカメラマンがしたかったなぁ。

 墓参に行く人も「舞妓さんと一緒に記念写真を撮りた〜い!」といって入れ替わり立ち替わり。結局その人達が来るまで、ボクは他の参列者と墓所で待機状態という、これまたオプション付き。

 結局、3時前、今日の法要がすべて終わり、ようやく昨日のおでんとムカゴご飯で昼食をとることができました。


 3時過ぎ、大学のクラブの後輩の女性が2人、訪ねてくれました。1人は10数年ぶり、もう1人は25年ぶりくらい。

 2人は学校時代よく一緒にいる人たちでしたが、同じ大阪にいながら年賀状のやりとりだけが続き、実に20数年ぶりに今年再開したとのことでした。

 子育てが一段落してきて、人生の一つの転機が来ているということでしょうか。

 昔話をいろいろしました。この前訪ねてくれた先輩もそうでしたが、彼女たちも、うちでよくご飯を食べたと言います。ボクはあまり覚えていないのですが…。
 3人に記憶は、1人が覚えていても他は覚えていなかったりと、結構バラバラ。
 楽しい一時でした。

 不思議と疲れをさほどは感じていません。これからお出でかなぁ?
2004年11月28日(日)  No.460

待ちに待ったオフ会!
今日は待ちに待ったオフ会。

 買い出しや仕込みは一通り終わり、会場セッティングは昨日までに一通り終わっているので、あとは流れに乗るだけのつもりが……。

 昨日故障したUSBカメラ。朝、起き抜けから出かけるまで、いろいろやってみましたが、結局故障しているみたい。
 何とかオフ会の雰囲気を伝えたいので、某女史に買ってきて貰うように依頼しました。

 お檀家への月参りと法要を終えたら、もう2時半。

 急いで焼き芋にかからないといけません。

 昨日集めておいた落ち葉に火をつけ、まずは芋を入れる火床作り。時期を見計らって、アルミホイルで繰るんだお芋を入れ、後は時間の問題。

 焼き芋をしに来られたオフ会参加者に現場をお任せして、ボクは買ってきて貰ったUSBカメラのセットアップを試みました。

 でも、結局うまく行かず、時間切れで断念しました。


 つるべ落としにあたりは暗くなり、いよいよオフ会の準備にかからないといけません。

 一人、また一人と参加者の方が来られ、会場は次第に賑やかになってきました。

 久しぶりに会う人、初めて会う人など様々ですが、すぐに打ち解けていきました。

 カントリーの生演奏をしてくださるドリフティング・ホーボーズとブルーグラス・カーネルスの方々も来られて、楽器のセッティング。

 さて、オフ会開始の6時。IT僧坊以前から交友のある最古参K氏の乾杯で、いよいよスタート!

 メニューは、南禅寺の某湯豆腐屋と同じものを使った湯豆腐、おでん、寿司、汲み上げ湯葉、むかごご飯など。そして、皆さんが持ってきてくださった千枚付漬けの生ハム巻き、蕗味噌、納豆、ピーナッツ、わさび漬け、昆布、タン切り飴、漬物、お酒、お菓子、フルーツ。参加できなかった方からの「代参」品。とにかくいっぱいでした。

 食べて、おしゃべりして、カントリーを聞いて、一緒に歌って…また食べて、おしゃべりして、歌って…あちこちに車座ができていました。

 あっという間の5時間半でした。


 さて、それからが大変。部屋をオフ会モードから、明日の法要後の浄斎会場へ模様替えをしなければなりません。

 重たい物を持つにはちょっと酔い過ぎかも……。1時半頃、なんとか明日の朝もう一頑張りすれば何とかなるという目処がつくところまで辿り着いて、今夜はもうヤ〜メタ!

 お風呂に入ったかどうか、記憶がありません。


 皆さん、来てくださって、本当にありがとうございました。お越しいただけなかった方も、次回にはぜひどうぞお越し下さい。
2004年11月27日(土)  No.461

忙しい〜
 朝食後すぐから、落ち葉掻き。

 明日のオフ会第1弾の焼き芋用の落ち葉を雨が降る前に集めて、濡れないように保管しておかないといけません。

 約1時間かかって、相当量の枯れ葉を集めましたが、少し朝露に濡れています。

 それに、かえでの葉が主で、もみじの葉より水気を含んでいそうなのがちょっと気がかりです。うまくいくでしょうか。


 その後、急いで大津・坂本へ行き、会議。午後、中途退席して京都に戻り、ボランティアの新人研修。

 帰って、オフ会の会場のセッティングや食べ物の仕込みなどの準備。ライブ中継用のパソコンが不調。明日に間に合わないかも……。
2004年11月26日(金)  No.458

経営学の先生
 来年度から出講を依頼されている学校の担当者の方が、新設されるコースの説明やボクに依頼したいという講座の説明にお越しになりました。

 書類を見ると、ボクに担当して欲しいという講座は2コマ。「実践仏教学」と「経営学」。

 「実践仏教学」はボクに依頼されてきた時の趣旨から理解できるものの、「経営学」とはこれいかに?!

 自慢にもなりませんが、ボクは経営とか経済からほど遠い人と自他共に認められています。まぁ、いわば「ザル」。

 「こーれは、ボクにはできませんよ」と申し上げたものの、ボク流の内容でやっていただければいいということなので……。

 でも、何をしよう……ホームページの作り方ならある程度はわかるし、焼き芋の焼き方には定評があります。ギャグは最近鈍っているし…。そんなことでは授業にならないじゃん!!

 困ったなぁ、困ったなぁ……。


 今日は更新日。欲張って、近くの散策路の紹介を付録で作ろう思い、写真を撮りにその道を歩いたりしているうちに、とうとう日付が変わってしまいました。

 更新したページの上には、「1 日前の境内です 」と表示されてしまいました。いま、アップしたばかりなのになぁ……。

 目がメガ疲れました。

〜 更新漏れの1枚 〜
2004年11月25日(木)  No.457

支払は知らないよ
 某お寺のパソコン機器の接続のためちょっとだけ寄ったつもりが……すっかりはまってしまいました。

 挙げ句の果ては、電気屋さんを呼んで、LANケーブル敷設の打ち合わせ。

 そのお寺も紅葉シーズンで忙しいので、ボクが電気屋さんと話をして、「じゃぁー、そういうふうに工事してください」と発注。誰が施主?

 電気屋さんに、「工事する時に連絡しますから、現場監督お願いします」と言われ、「えぇー、また来るのぉ! なんでボクが…勘弁してぇ…」。

 お蔭で予定が大狂い。帰って、夕べの片づけを済ませたら、眠たくって眠たくって……。

〜 この女性とは縁もゆかりもありません 〜
2004年11月24日(水)  No.456

フリースペース 2日目
 昨日に引き続いて、ボランティア仲間の「フリースペース」。

 明るいうちはお茶を飲んでしゃべってたりして、夜は懇親会。それぞれの時間帯に、フルートとバイオリンのミニコンサートを開きました。

 お茶タイムは、黒蜜だんご、まめ餅、栗餅など、お菓子などがいっぱい。茶室で抹茶を飲んで、また広間でお茶して、水琴窟の音を聞いて、人だらけの境内で紅葉を楽しんでと、きっと楽しく過ごしていただけたのではないでしょうか。

 懇親会も30名弱と、飛び入りも結構あって予想以上の参加者。最終的に終わったのは、開始から5時間後でした。

 昨日・今日で、60名ほどの方が参加してくださったでしょうか。

 日頃溜まっているいろいろな気持を話したり、懇親を深めたり…これ以上ないというような好天もあって、開いた甲斐があったなぁと思います。

〜 夜の部のミニ・コンサート 〜
2004年11月23日(火)  No.455

フリースペース
 日頃、一緒にボランティアをしている人たちに「フリースペース」を提供する行事をしました。

 いつもは建物の中でボランティア活動をしていただいている方々に、紅葉を見てもらってホッとしていただこう、たまにはゆっくり四方山話でもしていただこう、場所を提供しますので自由にお使い下さい、という企画です。

 お昼前から夕方まで、妙齢の女性軍の賑やかな声が、外まで聞こえていました。

 昨日の喫茶店で水を流しすぎたのか、水琴窟が鳴らなくなって、壷の中の水をポンプで汲み上げたり、遠来の客人や“舞妓さん”もはるばる来てくださったりして、バタバタ、楽しい1日でした。

 でも、皆さん、直行、直帰で、間はおしゃべりばかり。紅葉は……。


 明日も同様のイベントを開き、引き続いて懇親会。

 夕方、買い出しに行って、夜は懇親会のメニューの一つ、おでんのジャガイモの皮むきなどをしました。


 自室に戻ってパソコンを見ると、観光の問い合わせなどのメールがドッと来ていました。しかも、「明日行きますが、道は…」というような、今日中に返事をしてあげなければならないものが多く、すっかりはまってしまいました。
2004年11月22日(月)  No.454

「水琴窟のある珈琲・紅茶席」
 「境内にドッと押し寄せる人を何とか“利用”する手はないだろうか……そうだ! 喫茶店をやろう!」と、ボクが提案し、心の病を持つ人の2つの作業所のスタッフと共に、自坊で今日1日だけの“喫茶店”を開くことにしました。

 本堂前の茶店はお抹茶と甘酒を出しているので、その邪魔をしないようにと、こちらのメニューはコーヒーと紅茶だけ。銘打って、「水琴窟のある珈琲・紅茶席」。両方とも干菓子付きで350円。あわせて、作業所で作っている京都っぽいグッズを販売することにしました。

 庭には先日買ったばかりの縁台を2台を置き、これまた買ったばかりの緋毛氈を敷いて、脇には朱傘をたて、室内にも20席ばかりを設けました。

 11時頃、スタッフがポスターを貼ろうと出て行ったと思ったら、すぐに2人のお年寄りのお客さんをGET!
 「ええー、まだコーヒーも入ってないし、お湯も沸いてないのに!」と言っているうちに、次々とお客さんが来店。それから閉店まで、ほとんどお客さんが途切れることがなく、途中で干菓子を買いに走ったり、コーヒーを買いに行ったりと、大忙し。

 暇だったらと、スタッフの部屋には自室にあったコタツを運んでくつろげるように備えてあったのですが、座っている暇もない嬉しい大誤算。

 結局、4時に閉店するまでに、コーヒー紅茶あわせて108杯を売り上げました。お寺らしい数字ですねぇ。

 コーヒーや紅茶が美味しかったかどうかは大いに?ですが、庭に出て水琴窟の音を楽しんでいただいたり、「ゆっくり出来ました」という感想をもらったりして、来店したことを喜んでくださったような気がします。

 また、「学生の頃、友達が吉祥院に下宿していました」「すぐ近くに下宿していました」という人も何人もおられ、懐かしがってくださいました。

 売り上げがあがったことも作業所にとってはプラスですし、お寺の空間でくつろいでいただけたことは、ボクにとってもとても嬉しいことでした。

 最初、ボクは水琴窟の解説や道案内などのためにいるだけで、お店の仕事を手伝うつもりはなかったのですが、家庭用のペーパードリップやコーヒー・メーカーで慣れない大量のコーヒーを入れるだけでも、スタッフは大わらわ。結局、ボクもお盆を持ってコーヒーを運んだりと、“茶坊主”してしまいました。

 あー、せっかく治ってきていた腰痛が復活。若いスタッフも夕方には疲れた顔になって、「来年もやりましょう!」という声は聞かれませんでした。

 でも、面白かったぁ……。

〜 庭の縁台と朱傘 〜
2004年11月21日(日)  No.453

ラッシュ
 1年中でもっとも多くの人が訪れる頃がやってきました。今日から23日までがピークです。

 8時前、落ち葉を掃除している頃から団体が来て、正面の階段で記念写真を撮って、境内は自由散策。時間を決めて集合して、またバスに戻って行かれます。

 10時を過ぎる頃から、正面参道は人の波。それが夕方まで続き、暗くなってきたら、急に人足が途絶えて、静かな境内が戻ってきます。

 今日は、どこへも出かけません。出かけたくありません。

 明日から3日間は、自坊でもイベントが続きます。その用意をして、門から出たのは、檀家宅へのお参りと、この写真を撮った時だけでした。
2004年11月20日(土)  No.452

知恩院のライトアップ
 客人を案内して、知恩院のライトアップに行きました。

 時間が早かったためか、青蓮院や知恩院の前はまださほど混んでいませんでした。タクシーの運転手さんの話によると、知恩院でも、拝観券を求めるのに並ばなければならないことが多いそうです。タイミング的にはラッキーでした。

 知恩院を訪れるのは20年ぶりぐらいでしょうか。たぶん事務所を訪れたのだと思います。

 参道には行灯状の照明が施され、修復後まもない三門はまぶしいばかりにサーチライトに照らし出されていました。

 まずは、友禅染の始祖とされる宮崎友禅に因んで造園された「友禅苑」を回遊。
 照らし出されているもみじは、ライトアップの力を借りてかろうじて赤く紅葉しているように見える感じ。枝先をじっと見つめていると、「やっぱり、ここもよくないなぁ」と思わざるを得ませんでした。

 もみじは、色もコントラストも不自然ですし、毎晩照らされ、夜まで働かされ、人目にさらされ続けて可哀相です。

 知恩院で紅葉が見られるのはここだけ。あとは、大殿や鐘楼などのライトアップ。

 大殿は中に入って参拝できました。毎朝の散歩道からは、この大殿の大屋根が見えます。
 今夜は、久々にその中に入ったわけですが、そのスケールの大きさに感動しました。

 鐘楼も見たのは初めて。この鐘の地を這うような低い音色が、時々自坊まで聞こえてきます。その音から、ずいぶん大きいのだろうと思っていましたが、想像よりは小さいものでした。

 三門の内側では、知恩院の僧侶達による雅楽が演奏されていました。

 綺麗だけど、違和感のあるライトアップでした。

〜 ライトアップされた知恩院大殿 〜
2004年11月19日(金)  No.451

ラジオ番組の収録
 夜、超宗派の僧侶の会・薄伽梵KYOTOによるラジオ番組の対談収録。

 今日は、大徳寺塔頭の僧侶と茶道の釜師大西清右衛門氏。

 大西氏は、京都・三条釜座でおよそ400年前から釜を作ってきた家の16代目で、43才。千家家元が好みの道具を造らせる十人の職方(千家十職)の一人。

 素材の鉄の探求、鋳型となる土の研究、職人の育成など、釜作りの話をされている時の大西氏は実に生き生きしておられ、釜作りは氏の天職なのだなぁと思いました。

 この企画はまだ2回目ですが、対談相手はそれぞれその道の“達人”。示唆に富んだ話はとても興味深いです。

 次回は、島原の太夫さんの予定。今度はどういう話になるか楽しみです。
2004年11月18日(木)  No.450

坂本の紅葉
 朝から夕方まで、大津・坂本で会議。

 出席者の話を聞いていると、この時期の京都は、仕事で来る人にはとても評判が悪そうです。

 ホテルが取れないし、取れても超お高い。人が多くて混んでいる。サービスが悪いなど、苦情がいっぱい出てきます。

 まぁ、確かに今月はすべての指摘が当たっています。

 京都だけではなく、今の時期は、どの観光地に行っても多かれ少なかれそういう苦情が当てはまるでしょう。

 いつもは空いている坂本でさえ同様。大津でも指折りの紅葉の名所 日吉大社や坂本の里坊があり、おまけにライトアップもされている様子。
 フサフサした苔が生えているお堂の参道も、踏み荒らされるのは時間の問題の感がしました。

 でも、坂本の雰囲気はどこか落ち着きます。どちらかというと、奈良のような感じでしょうか。
 ボクは、京都を歩くより、この坂本や奈良を歩く方が好きです。寂びた情緒がある気がします。

 今日は少し早い目に坂本についてブラブラしてみようと思っていたのですが、結局ギリギリになってしまい、わずかなお昼休みにほんの15分ほどを歩くだけになってしまいました。
 残念。

〜 坂本・滋賀院門跡前の紅葉 〜
2004年11月17日(水)  No.449

医者のハシゴ
 早朝、一山全員でお十夜の後片付け。準備には時間がかかりましたが、片づけるのは早い!

 昼前からボランティア。


 市内の道路は観光バスが増え、結構混雑しています。

 混むことが確実なこの時期に、あちこちで道路工事。この街の道路行政はどうなっているのでしょう? 緊急工事でもあるまいし、観光客を出来るだけストレスなく迎え入れようという発想はないのでしょうか。

 「観光都市京都」の行政はあまりにもお粗末だと、いつも失望します。


 混雑を予想して家を出たので、ボランティアには余裕を持って着きました。

 椅子に座って活動を始めてしばらくしたら、とてつもない睡魔に襲われ、思わず机でおでこを打ちそうになりました。

 何とか必至で峠を越し、役目を果たすことができましたが、どうしてボクはこんなに「眠れる森の美女」ならぬ「眠たい寺の坊主」なんでしょう。


 帰りに、医院2軒をハシゴ。

 1軒は「やっぱり中の下だったかなぁ」と思ったこの医院も、今は「中の中」と、段々評価が上がっています。でも、今日も閑古鳥が鳴いていて、ボクが帰ったら診察室には誰もいなくなってしまいます。しばらく去りがたい雰囲気でした。

 もう1軒は、医院の前がママチャリでいっぱいでした。電話で頼んであった薬を貰うだけなので、混んでいても関係ないのですが、中に入ってみると、幼稚園児とそのお母さんたちで混んでいました。

 どうやら、みんなインフルエンザの予防接種を受けに来たようでした。

 去年は大丈夫でしたが、一昨年はまともに罹ってしまい、「すみません。特効薬もなくなりましたので、普通の薬で…」とフラフラになりながら言った近所の医者に言われ、望みの綱も切れた感じ。結局、完全に立ち直るのに1ヶ月かかってしまいました。

 どうしようかなぁ、ボクも頼んでおこうかなぁ。面倒だなぁ…。
2004年11月16日(火)  No.448

十夜結願の日
 お十夜結願法要。

 12時に自坊で法要。2時に本堂で結願法要、5時に本堂ので御閉帳法要がありました。

 結願法要のお練りは、あいにくその時間だけ小雨が降り、しかたなく本堂の回りを回る形に変更。5年に1度ほど、雨になります。

 数年前、本坊の執事を勤めていた頃は、お粥の仕込みなどもあって本当に大変でしたが、今は余裕を持って法要に出仕できます。

 いろいろな思いが心の中に去来する十夜結願の日でした。

〜 本堂回廊を回るお練りの列。さて、ボクはどれでしょう? 〜
2004年11月15日(月)  No.447

あんた誰?
 お十夜結願法要前日。

 自坊の法要に参詣された方にお供養として召し上がっていただく浄斎(精進のちらし寿司など)の仕込みに、朝早くからご婦人方が10人以上お越し下さいました。

 ボクは圧倒されていました。


 夕方、スーパーに行きました。

 レジを済ませ、買った物を台の上で袋に詰めだしたら、3メートルほど先の別の台にいる女性が「こんにちわぁー」と声を掛けてきました。

 ふと顔を上げて声のほうを向くと、声の主はどこかで会ったことがあるような、ないような感じの40才代ほどの女性。

 「誰だっけなぁ…」と思いつつ、とりあえず「あっ、こんにちわ」と返事をしました。

 そうしたら、すぐさまその女性が「すみません」と言って、クルッと背中を向け、慌てて袋詰めをしだしました。

 ボクは一瞬どうしたらいいのかわからず、「あれっ、人違いだったのかなぁ……ボクが思い出せなさそうにしているのでかなぁ……」と考えましたが、背中を向けている彼女はとりつく島もありません。

 すっかり置いて行かれた気分のまま、買った物を袋に詰め、その人の背後を通って出口に向かいました。

 誰だったんでしょう……なんだったのでしょう……。
2004年11月14日(日)  No.446

京野菜
 今日の「メダカの学校」のテーマは「京野菜」。

 いままで、「京野菜」というと、確かに美味しいものもあるけれど、値段が高かったり、鹿ヶ谷かぼちゃのように美味しくないなどと、ボクは思っていました。

 今日の講師のお話を聞いて、生産性が高い品種ではなく、病害虫に弱かったり、手間がかかったりで、高くてもしかたがないだなぁと思いました。

 また、鹿ヶ谷かぼちゃを美味しくするのは、出汁をきかせて調理するというような料理の腕。今のかぼちゃは誰が料理しても大してかわらない。その料理の腕が京料理の文化だということでした。なーるほど。

 それにしても、その鹿ヶ谷かぼちゃが、東京の三越で1つ2500円で売られていたこともあったとか。東京や大阪では、京野菜をブランドとして捉え、高くても売れるのだそうです。

 でも、毎日食べるものとなると…。いくら栄養価が高い、美味しいと言われても、毎日は買えませんし、調理の腕次第といわれても、主婦は一々そんなに手間暇かけて調理するわけにもいかないでしょう。

 そんな京野菜の中でも、みず菜のように美味しいもの、売れるものは全国的でも栽培されます。価格も下がります。そうでないものは…。

 最後に講師が「安楽寺さんのかぼちゃ供養の鹿ヶ谷かぼちゃは、ほんまにうまいこと炊いたはりますなぁ」とおっしゃったら、参加されていた年輩の女性が「ほな、安楽寺さんに行って食べるこっちゃ」と一言。

 伝統野菜を残していくのは、本当に大変なことだと思いました。
2004年11月13日(土)  No.445

ライトアップ
 更新に行き詰まって来たので、自坊の庭の紅葉をライトアップするための照明灯を取り付ける作業をしました。

 取り付けるのは、新しく購入した照明灯を含めて7灯。合計で2kw余です。

 屋根の上に3灯取り付け、他は下から照らそうとしたものの、なかなかうまく照らせません。

 光源が目に入ってしまったら台無し。光源を見せずに、葉だけ明るくするのはなかなか難しい技です。

 まぁ、まだ実際に使うまでには日にちがあるので、しばらくは試験点灯を繰り返したいと思います。

 ライトアップはあまり好きではありませんが、せっかくの紅葉ですから、たまには夜も楽しませて貰いましょう。

〜 軒につけた照明灯 〜
2004年11月12日(金)  No.444

雨男
 京都ライトハウスの利用者とボランティアの方々約30名が、「ほっこり」とかいう企画でちょっぴり紅葉の境内を散策後、自坊で休憩されました。

 今日は朝から雨。お越しになった3時過ぎは、一番雨脚が強くなった頃。段差や障害物の多い道を、「手引き」をするボランティアとペアになって、黒谷を経由して来られた皆さんは、たいていが相合い傘。

 ゴルフ用の大きな傘にスッポリ入っておられるペアもおられれば、傘は“飾り”で、2人とも合羽姿でボトボトというペアもおられました。

 晴れだったらもっと動くのが自由だったかも知れませんが、雨の日にしか出会えない音や匂いもあったかも知れません。寒くもなかったですし、それなりに楽しんでいただけたでしょうか。

 人は、情報の約80%を視力から得ていると言われています。それを失った人にとって、聴覚や嗅覚、味覚はわれわれの想像以上に大きなウエイトをしめています。
 以前、いろいろな老人ホームで法話をした時、盲養護老人ホームの入所者の方々が、一番話を聞いて下さったことを思い出します。

 残念だったのは、せっかく間に合った縁台も、聞いていただきたかった水琴窟の音も、雨のせいでダメだったこと。

 天気予報では、明日は晴れ。なーんだ、今日だけ雨なのかぁ。スタッフの中に、今までの行事を5回連続して雨にさせたという、強者の雨男がおられました。

 ったく、もう!
2004年11月11日(木)  No.443

縁台床机
 めまぐるしい1日でした。

 朝、伏見のお檀家までお経をあげに行き、帰りに友人宅のパソコンサポート。
 お昼をゴチになって、次は大徳寺の塔頭の有線LAN配線について電気屋さんを呼んで協議。これは結構大変な工事になりそう。
 最後はボランティアの事務所で新人研修の担当と、パソコンや機器のサポート。

 ホント、なにやってんだか。


 帰ったら、暗い玄関に超大きな荷物がドッカ〜ンと置いてありました。

 「おお、来たかぁ…」

 先日、ネットで検索して購入した松山刑務所の作業製品の「縁台」が届いたのです。
 1890*945*450 のものが2台、結束バンドで縛って、松山からはるばる海を越えて(橋を渡って)送られてきて、玄関の入り口をふさがんばかりに置かれていました。

 荷を解いてみたら、真新しい桧と杉で作った立派な縁台が現れました。節で穴が空いた部分にはちゃんと埋木をし、釘は真鍮製の丁寧な作り。木目も綺麗です。

 ただ、不思議に思ったことがありました。縁台は足を出したままの状態で、内側同士を合わせた状態で送られてきました。
 「足をはずしたらもっと小さくなるのに、どうしてこんな大きなままで送ってきたんだろう…」

 住職も出てきて、「足は取れるはずだろう」といろいろやってみましたが、いくらやっても取れません。どうもボンドで止めてある様子です。
 当然足は取れると思い、足を取った状態での収納を考えていたので、これには大困り。仕舞う場所がないよぉ。

 刑務所の作業製品って、概して丈夫ですが、機能性に欠けたり、少し不格好なこともあります。
 うちの住職は更生保護の仕事を長年やってきた関係もあって、以前、刑務所作業製品の紳士靴を買ったものの、重たくて履くのが辛かったそうです。

 刑務所の作業製品のリストを見ると、実にいろいろなものが作られています。
 大きいものは4百万円以上もする御神輿。小さいものでは、箸、印鑑、折り紙などが、全国の刑務所で作られ、ホームページを通じても販売されています。

 この縁台も実に立派。でも、収納のことは度外視されているなぁ。足がたためないのには大困り。


 まぁ、いいや。とりあえず、この紅葉シーズンに使ってから、収納を考えようっと。
2004年11月10日(水)  No.442

魚沼産こしひかり
 先日、魚沼産のこしひかりを知人からいただきました。

 その方とは、15年ほどのお付き合い。乳ガンにかかって失意のどん底にあった時に、我々の超宗派僧侶の会“薄伽梵KYOTO”に支えられたと言ってくださり、それ以来、毎年この時期になると魚沼産こしひかりを届けてくださいます。

 その方は京都にお住まいですが、ご実家は小千谷。今もご兄弟が小千谷や六日町(現 南魚沼市)におられ、その方を通じて、こしひかりを手配してくださっています。

 お礼の電話をしたら、「テレビでは被害の大きかったところばかり写ってるので、小千谷がみんなあんなに被害を受けていると思っておられる方が多いでしょうが、うちは壁にヒビが入った程度で大丈夫だったのですよ。ただ、地震の影響で、発送が遅れたのですけど」と、いつもと変わりのない声でおっしゃっていました。

 今日もテレビを見ていたら、今回の地震で魚沼産こしひかりも打撃を受け、収穫後保存してあった袋が破れたり、水をかぶっている映像が映し出されていました。販売を中止したお店もあります。

 そんな中で、今年もこしひかりを贈っていただいたことに深謝するものの、まだまだ余震が絶えない中での避難生活をしている人も大勢おられる今、この魚沼産こしひかりを食べることは申し訳なくて、しばらくできそうにありません。
2004年11月9日(火)  No.441

初めての「をどり」
 生まれて初めて、「祇園をどり」を見ました。「祇園をどり」どころか、京都の花街の踊りなるものを見るのは、これが初めて。

 檀家の地方じかたをしている方からチケットをいただき、それをろくすっぽ見ずに、「歌舞練場だなぁ」と思って祇園甲部歌舞練場に行ったら、ほとんど人影もナシ。おかしいなぁと思って、ガードマンに聞いたら、会場は祇園会館だとのこと。

 後から調べたら、「祇園をどり」は祇園東歌舞会のイベント。甲部は「都おどり」でした。へぇ〜。宮川町は「京おどり」、先斗町は「鴨川をどり」、上七軒は「北野をどり」、なーるほど。

 会場を間違えて、「えーーーー」としみじみ驚いている暇もなく、大急ぎで祇園会館へ。今日の京都は23度と暑くて、汗だく。

 やっとの思いで会場に着いたら、お茶席は団体客が並んで長蛇の列。でも、回転が速くて列はどんどん進み、案内された席は舞妓さんのお手前をする席の前。
 隣のカメラオジサンが傍若無人に写真を撮っているのに乗じて、ボクも パシャ!

 急に今日行くことを決めたため、いい席が確保できなかったらしく、席はかなり後ろの端。全体を見渡せていい感じ。


 この祇園会館、普段は少々古くなった映画を3本立てなどで上映している映画館。
 この前ここに入ったのは…………とにかく記憶があるのは、大学生の頃に見た、プロレタリア作家の生涯を綴った『小林多喜二』という映画。多喜二役の山本圭が舞台挨拶をしたのを覚えています。それから何年?

 とにかく映画館で映画は見ない。じっと座っているのが嫌なのです。最も最近見た映画は、『ニューシネマパラダイス』。15年前です。

 踊りだってじっと座っていなければなりませんが、1時間ほどで終わるとのことなので、とにかく話の種に行かせていただこうと決心したのです。


 開演を告げるブザーが鳴り、拍子木の音がして、さぁていよいと開演!

 うわぁー、綺麗! 艶やかぁー。

 お座敷で見る舞妓さんや芸妓さんとはひと味違って、凛とした張りがあるという感じ。芸に打ち込む姿が美しい!
 地方さんの唄・三絃がこれまたいい! 太く力強い声の長唄や清元。咳き込まないのがうらやましい!

 帰ってから調べてわかったのですが、演目は「新撰艶姿都絵図あですがたきょうのえず」。紫野や栗栖野など京の「七野」を舞台に四季の移ろいを表現したものらしく、いろいろと情景が移り、京野菜のナスとカボチャが喧嘩する滑稽な場面もありました。

 最初しばらくは感動していたのですが、パンフレットを買わないと何をやっているのかよくわからず、不覚にもしばらく気を失っていました。

 最後に紅葉の書き割りの前で、舞妓さんと芸妓さんなどが勢揃いして踊る場面で気を取り直し、「芸妓さんは綺麗だわぁー。やっぱ、黒い着物がいいなぁ…引き締まって見えるよ」と再び感動。

 行きも帰りも、たまたま急行「チンチンバス」。
 今年は3大祭りも制覇したし、踊りも行ったし、チンチンバスも乗ったし、すごく京都づいてるぞぉ!
2004年11月8日(月)  No.440

茶会
 今日は茶会。

 早くから、参道や庭の落ち葉を掃除し、水を撒いたりしたら、それでボクの仕事はお仕舞い。

 “全館”茶会モードで法要もなく、あとは居ようと居まいと何をしようが自由。

 でも、人の多い時に出る気にはなりません。

 ボクの自室は、副席のちょうど2階にあるので、あまり物音を立てられません。

 息をひそめながら、護符作り三昧。

 お昼は、煮炊きをする匂いをさせるわけにもいかないので、スタッフ用の細巻きを食べながら、点心用の河道屋のお蕎麦。

 今まで点心を作りに来てくださった河道屋のおじいさんも亡くなり、今年は業者も替わり、蕎麦だけ河道屋さん。気のせいか、何だか味も変わってしまったような気がしました。

 夕方に、茶室を閉めたりの撤収作業。

 掃除の時に少し門外に出ただけで、あとは蟄居の身にして色づき始めた窓の外の景色を眺めているような、秋の佳日でした。

〜 自室の窓から見た櫨の赤とモクゲンジの黄、吉田山 〜
2004年11月7日(日)  No.439

ロバのパン
 ここ数日庭師三昧の日が続き、気がついたら昨日あたりから腰痛。座っているのが辛いし、正座をするとすぐにしびれます。

 庭は一応綺麗にはなり、我ながら気持ちがいいです。

 でも、苔はまばら。これは杉苔を買って貼らないとどうしようもないです。今までに何度か買っては貼りましたが、どうも活着しません。

 来年の課題です。


 夜になって、ふとしたことから「ロバのパン屋さん」の歌を思いだし、ネットでカラオケと歌詞を手に入れました。

 それからというもの、

 ♪ ロバのおじさん チンカラリン ……

 というのが、頭の中でこだまして、気がつくと、お風呂に入っても、トイレに行っても、ついつい口ずさんでしまっています。

 f分の1ゆらぎ?

 あー、ダメだ。囚われてしまいました。しばらく頭から離れない。お経を読む時に思いだしたらどうしましょう……。
2004年11月6日(土)  No.438

十夜開闢
 今日から「お十夜おじゅうや」が始まり、夕方5時からは開闢かいびゃく法要が営まれました。
 1年ぶりのかねの音が流れる中、ご本尊の扉が開けられ、そのお姿が見えてきます。
 ご本尊は秘仏ではなく、扉も年に数回の特別な法要の時などには開けられます。でも、このお十夜の時に拝するご本尊のお姿はまた特別麗しい気がするのです。

 秋から初冬へ向かうそぞろ寒の夕方、5時といえどももうあたりは真っ暗。三々五々、一山の僧侶や鉦講の人たちが本堂に向かう人影が、闇の中に動きます。

 鉦講の方が鉦を叩くのも1年ぶり。やや不揃いの鉦が鳴る中、お厨子の正面と両脇の扉が開けられ、読経が続きます。

 このロケーションのせいでしょうか、夜儀の雰囲気でしょうか、見上げるご本尊の姿は、やさしく、凛として、「やっとお目にかかれた」というように、涙が滲んでくるような気持が涌きあげてくるのです。

 これから15日の結願までは、講の人が毎晩のお勤めをしてくださいます。

 紅葉期の昼間の喧噪はまったく嘘のような、夜の闇を渡ってくるその鉦の音を聞くと、生まれてこの方聞き続けている音ながら、万感籠もった「あー、お十夜だなぁ」という言葉が思わず口からこぼれるのです。
2004年11月5日(金)  No.437

ゴシップ記事
 朝10時半から4時過ぎまで大津・坂本で会議。今月中に同じ会議が3回。これほど頻度・密度が濃い会議は他にありません。

 会議では、余談として、今日発売された月刊誌に掲載された某有名寺院住職のゴシップ記事のことが話題になりましたが、言い出したらキリがないことは皆わかっていて、誰も多くは語りませんでした。


 今夜は、加湿器が絶え間なく動いています。今秋一番の稼働率。よほど乾燥しているのでしょう。
2004年11月4日(木)  No.436

気になる木
 自室から西の方に見える吉田山。その北西寄りの山上に1本の「気になる木」があります。

 今朝も目をそちらの方角に転じると、山上に一際高く黄色く光るその木が見えました。

 回りは深い緑の木ばかり。その木だけ、春は若葉を出し、秋には黄葉して散っていきます。背も回りの木に比べて、“頭一つ”抜けています。

 そういえば、毎秋になると、「あの木は何の木なんだろう……吉田山のどのあたりなんだろう」と気になりながら、そのうち葉が散って忘れてしまっていました。

 「よぉーし! 今日はあの木のところまで行ってみよう!」

 地形から大体の位置を判断し、その木が立っていると思われる麓までバイクで3分少々。吉田山の階段を“茂庵”近くまで駆け上がりました。あー、しんどぉ。

 あたりは樫や椎の木が鬱そうと茂り、地面にはドングリがいっぱい落ちていて、リスが喜びそうな雰囲気でした。

 あたりを見回せども、あの“黄になる”気になる木は見つかりません。

 すぐに茂庵の前に出ました。茂庵は、最近話題の、大正建築を転用した林間のカフェ。店の前には、入店の順番を待っているらしい10人ほどの人の姿が見えました。
 少し前まで、吉田山は痴漢が出たり、自殺する人がいたりと、結構物騒なところでしたのに…。

 「茂庵より北だろうなぁ…」と思って、建物を回り込んだところで、暗い緑の向こうに、明るく黄色い葉がチラッと見えました。

 「あーー、あれだぁ!」

 その木は、茂庵の敷地ギリギリ、吉田山緑地との境界近くに神々しく立っていました。
 黄葉は盛りを過ぎ、少し茶色がかってきている葉が増えて来ているように見えましたが、自室の窓から見た“気になる木”はまさにこの木に違いありません。

 銀杏かなぁと思っていましたが、どうやらカエデのよう。でも、葉は12〜13センチもあり、葉柄の長さも8センチほど。こんなカエデは見たことがありません。

 回りの植生とまったく違うところから見ると、町中に居ながらにして山中の風情を楽しみたいと、谷川茂次郎氏が大正時代にこの茂庵を築いた時に植えられた木なのでしょう。

 隣接する吉田山緑地からは、「大」の字が真正面。

 長年積み残してきた課題が氷解したような…しかも、解決までの時間はわずか! 今日はこの出来事だけでも“花丸”。とても満足しました。

 吉田山を下りる時は、ついつい ♪ この木なんの木 気になる木 名前も知らない木ですから 名前も知らない木になるでしょう ♪ なんて歌っちゃったりして……。


今夜から、お正月用の護符作りを始めました。

〜 自室から見た“気になる木”と真下から見た“気になる木” 〜
2004年11月3日(水)  No.435

きれいだなぁ、「花の木」
 午前中は、お坊さんと衣姿の電気工事士、午後は庭師と、早変わりの1日でした。

 庭師に集中して3日目。ようやく、大体の作業を終え、あとは前日にもう一度サラッと掃除をすればOKです。

 ん〜、かなり綺麗になりました。

 苔さえちゃんと生えそろっていれば完璧なのですが…もうちょっと苔を収集してこようかなぁ。


 朝一番、真如堂一山の僧侶総出で、5日から始まるお十夜法要の準備をしました。

 朝日を受けた「花の木」がとても綺麗でした。今、緑と赤、橙色が混在している感じです。

 ひょっとしたら、今が一番綺麗かも…ん? 今年の紅葉は早いのかな?

〜 携帯電話で撮った「花の木」。赤いというのはわかりますでしょう? 〜
2004年11月2日(火)  No.434

心ゆくまで庭師さん
 朝から暗くなるまで、心ゆくまで、庭作業を堪能しました。

 3ヶ所の蹲の掃除も、ようやく終えましたが、指の先がサンドペーパーのようにザラザラになりました。。

 水琴窟の水位も、なんとか少し下がってきました。

 10月の降水量は平年の3〜4倍だったとか。夏以降の降水量も、今年は平年を大きく超えているのではないでしょうか。

 吉祥院の菊花展も、一応今日オープン。今年の菊は本当に出来が悪そうです。

 夜、腰は痛いし、肩も凝り凝り。ちょっと動くのに、「どっこいしょ」という声がついつい出てしまい、しばらく歩かないと腰が伸びてきません。

 「こんなことを毎日やってる庭師さんって大変だなぁ」と、つくづく実感しました。
2004年11月1日(月)  No.433

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