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2003年11月の日記

紅葉の評価
 朝からひっきりなしの来客。神奈川、鹿児島、東京、福井…たくさんの方がお訪ねくださいました。

 口々に「きれいですねぇ」「素晴らしい紅葉ですね」とおっしゃるのを、「いやぁ、よくないのですよ。今年は悪くって…」と言うのを次第にはばかれるようになりました。

 せっかくの紅葉見物。ボクはずっと見ているから、今年は悪い、今が一番と思いますが、初見の人にとっては Only one の紅葉。それを感動してご覧になっているのだから、あえてそれをディスカウントして語る必要もないかも知れません。

 でも、ボクにしたら、やっぱり今年の紅葉は「それなり」。

 「きれいでしょう。来年もまた素晴らしい紅葉に出会えるかも知れませんよ。ぜひお訪ねください」と言おうかなぁ。

 お天気がよければ、なお一層きれいな紅葉なのに、ここ数日、パッとしないお天気です。山茶花梅雨かな、台風のせいかな。
2003年11月30日(日)  No.94

蜂酒
 来客の接待で帰宅した後、酔った勢いで、蜂酒を一杯!

 この蜂のいっぱい入ったお酒は、HPの来訪者の方からお土産にいただいたもの。

 スズメバチを生きたまま35℃の焼酎に漬け込んだものらしいのですが、ご本人も飲んだことはないとか。
 お店の棚の奥にあったのを、‘ギャグ’で買ってきてくださったようです。

 見るからにグロテスクですが、マムシよりはまし。でも、杯に注ぐ時には、さすがに躊躇しました。

 飲んでみると、普通の焼酎より心持ち甘いような感じ。貰った方には悪いですが、特に美味しいわけでもありません。

 調べてみると、「スズメバチの毒は、飲めば体に良い」という言い伝えがあるらしく、毒もろともに漬け込むようです。精力向上、不整脈などに効果があるとか。

 でも、このグロテスクな虫のエキスを飲むかと思うだけで、不整脈が出そうです。

 飲んで帰った後だからか、小さな杯の半分飲んだだけで、バタンキュー。本当に精力増強効果、あるのかなぁ。

 それにしても、ザザムシといい、ヤゴといい、面白い食文化のある諏○地方です。

〜スズメバチの焼酎漬〜
2003年11月29日(土)  No.93

坊さんの盆栽展鑑賞
 朝、「第23回日本盆栽大観展」という盆栽と水石の展覧会に行きました。

 国内最大規模の屋内盆栽展とかで、会場には全国の愛好家が丹精を込めた盆栽や水石250点ほどがズラッと並んで、圧巻、圧巻!

 木の種類も、松、楓、柏、欅、つつじ、花梨など様々。大きいものは50センチを優に超え、緑鮮やかなものもあれば、小さな実をたわわに実らせている木やすでに落葉しているものなど。

 そんな盆栽を見ていると、大きな大木に思いを馳せたり、雑木林をイメージしたりすることができました。自然の形に似せながら、盆栽としての典型や“しきたり”を取りいれているのでしょうか。
 最近流行のガーデニングとはひと味違って、深山幽谷を思わせる気がしました。

 最初はゆっくり見ていましたが、作品の多さに見れども見れども先は遠く、段々早足になって、気に入ったものの前だけ足を止めるようになりました。

 やっと見終わった後は、盆栽・鉢・盆栽を削る工具などの即売コーナー。それもかなりの広さ。
 「いったいいくらぐらいするのだろう?」という興味で、値札を見ましたが…いいお値段でした。

 せいぜいボクが買えるのは、小さな植木鉢。5つ500円で買い求め、何を植えようかとウキウキ考えながら帰りました。


 午後、スーツを着て出かけましたが、冬用のスーツを着るのは2月以来。いかん…ズボンが…。夏の間に太ったようで、ウエストがキチキチ。息を吸った瞬間にホックを締め、何とか履いて、ベルトで締め付けましたが、爆発寸前。
 さすがにそれでは食事ができず、ズボンの金具をこっそりはずして、ベルトでカモフラージュしました。

 これからの季節、何もしなければ太るのは必定。甘い物をやめるか、お酒を断つか、腹筋をするか…どれが楽だろうと思っているようでは、肥満に歯止めはかかりません。


 話は戻りますが、滋賀県長浜の「盆梅」のほうが、ボクは好きだなぁ。

〜今日の収穫のミニ植木鉢〜
2003年11月28日(金)  No.92

加湿器
 3時頃まで晴れる予報が、朝から思いっきり曇り。
 「夕日の頃の紅葉が見たいので行きます」とおっしゃっていた方から、延期の連絡がありました。

 喉の調子は快復せず。

 朝、檀家さんの家でお経をあげていたら、咳き込むボクを見かねて、お経の途中で水を持ってきてくださいました。ご厚意は有り難いのですが、木魚を叩きながら飲むわけにもいかず、お経の切れ目に辿り着いて、ようやく一杯馳走に。
 30年近いのお坊さん生活でも初体験でした。

 夕刻、外出から帰る途中で加湿器を買いました。
 湯気がモクモク出るのスチーム式や菌をばらまく可能性があるといわれた超音波式はすたれ、ほとんどが気化式かハイブリッド式(スチーム式+気化式)。さらに、マイナスイオン機能や空気清浄機機能が付いているものもあります。
 部屋の広さとハイブリッド式を基準に購入。帰って使い始めてから箱を見たら、マイナスイオン、アレルギーバスター、カテキンなどいろいろなことが書いてありましたが、効果あるのかなぁ。

 加湿器のスイッチを入れてから、パソコンをつけると、「加湿器がいいですよ」「この薬が効きましたよ」というメールが数通届いていました。心遣いが有り難かったです。「呑みすぎですか?」というメールも。鋭いご指摘!

 あまり蒸気が出ないので、何となく物足りない加湿器。モクモク蒸気の出る吸入器の方が、心強そう。
 どんなように動作するのか、加湿器ウォッチングをしながら、宗派の公式HP作りを急ぎました。


 寝る時、「おやすみモード」にして寝ましたが、夜中、スイッチが入ったり切れたり、喧しいのなんのって。何回も目が覚めました。「おやすみモード」の意味なし。
 喉は少し楽ですが。
2003年11月27日(木)  No.91

 最近、喉の調子が悪く、日増しに咳もひどくなってきて、お経をよむのにも一苦労。
 咳をこらえようとして全身に力が入って疲れたり、喘息のようになって肩で息をするような始末。だいたい冬は喉の調子がよくありません。

 喘息だった先々代のDNAを引き継いでいるでしょうし、早く治療した方が自分も楽だし、苦しそうにお経をあげるのを聞いている方にも迷惑をかけると思い、珍しく自ら進んで気管食道科へ。

 気管支鏡で見てもらったら、喉の奥が乾燥しているとの説明。1週間分の薬を処方してもらいましたが、後で考えてみると、「喘息には至ってない」ということでしたが、病名を聞いていません。病名がないと、なんか頼りないような…。

 もらった薬をネットで検索して調べてみたら、抗アレルギー剤や鎮咳剤など。気管支喘息やアレルギー性疾患などに使われる薬のようなので、ボクの症状は「アレルギー性咽喉頭炎」だろうと自己診断。

 以前、住職がこの医者から勧められて買ったまま、ほとんど使わずに置いてあった埃だらけの吸入器を出してきて、診察の時に聞いたように塩を少し入れた生理食塩水のようなものを作って吸入液としました。

 吸入器のスイッチを入れてしばらくすると、蒸気がモクモク。その蒸気の中に口と鼻を近づけて呼吸をしましたが、もう、むせてむせて、モームス状態? 余計に呼吸が苦しくなってすぐにやめました。
 どうもやり方が間違っているみたい。

 んー、早く治さないと、生活にも仕事にも支障が出ちゃう。

〜夕日を受けて黄金色に輝く銀杏〜
2003年11月26日(水)  No.90

ふぐ料理
 夜、8月にに出版した本『葬式仏教は死なない』の実務担当者4人だけの完成祝い。

 出版してから3ヶ月経ちましたが、担当者が奈良・香川・京都に散らばっているため、なかなか日程が合いませんでした。

 祇園でふぐのコース料理。贅沢ですが、最初から最後までふぐばかりだと、ちょっと飽きちゃいますね。味付けは、ほとんどポン酢ですもの。

 たくさん呑んで、たくさん食べて、最後に出版社の社長さんが費用を出すと申し出てくれましたが、自分で払わないと食べた気がしないからと、堂々巡りの末、割り勘。

 ひぇ〜〜高か〜い!

 素直にご馳走になっておけばよかったぁ……。


 南座では、「顔見世興行」のまねき上げが行われたとか。歳末近しの感ですね。

〜南座のまねき上げ(京都新聞より)〜
2003年11月25日(火)  No.89

連休終了
 連休も今日で終わり。

 3時頃から雨になったものの、境内にはまだまだたくさんの人。遠くから来られた方は、雨が降ろうと槍が降ろうと、回れるだけ回りたいというのが人情でしょうね。

 さぁ、これで少し静かになるかなぁ。

 焼き芋ができるほどの落ち葉が集まるにはまだまだかかりますが、その頃には静かな境内に戻っているでしょう。
 梢に葉が一枚もなくなった頃、ほとんど人影が見られない境内になります。さみしいですが、ホッとする空間です。

 迎春準備の一つ、護符作りは終了! あとは卒塔婆を書くのと、プライベートの年賀状書き。

 それよりも、急ぎの仕事はいっぱいあるしなぁ。それも頑張らなきゃ。年中こんな調子ですね。

 夕刻、京都駅から「今から帰ります」のメールが数通。
 混み混みの京都に連休お越しの皆さん、お疲れさまでした。ゆっくりおやすみください。
2003年11月24日(月)  No.88

着物美女の嵐
 今日も当然すごい人。それでも、JRのCMで取り上げられた去年よりはちょっと少なめかな。

 今日は、ホームページ関係の人がたくさん来られる日。

 午後、先ずあおちゃん舞妓が到着。ほぼ時を同じくして、着物ツアーの一団体。連日、京都入りのまっき〜さんは着くなり、カメラマン。

 僧坊は大騒ぎ。その様子をライブカメラで約1時間、“全世界”に向けて発信しました。

 “嵐”が去ったのは6時過ぎ。楽しい時間でした。

 着物の美女にすっかり精気を吸われてしまったのか、少しのボジョレ・ヌーボーで気絶してしまいました。

〜茶室「楽行庵」のあおちゃん舞妓〜
2003年11月23日(日)  No.87

坊さんかんざし
 境内は、すご〜い人。
 普段の真如堂を知っている人は、その光景にただただ驚くばかりです。

 今朝は風が強く、落ち葉掃除をしてもあまり意味がないように思えたのでサボって、墓前回向以外は、夕方までずっと建物の中に籠もっていました。
 それでも、境内のザワザワした雰囲気が伝わってきたり、京都大学の学園祭の屋外ライブ演奏の音が聞こえてきたりで、落ち着きません。

 夕方は、町屋で、ホームページ関係のお食事会。

 道が混んでいるのはわかっていたので、早めに出て、新京極や寺町京極、錦をブラブラ。
 京都らしいものを売っているお店の、かんざしの美しさに目がとまりました。
 でも、こんなかんざし、日本髪でないとできないのじゃないかなぁ。ボクには必要ないことは確かですが…。

 呑んでしゃべって、楽しい夜でした。
 お世話いただいた○斗さん、ご参加の皆さん、ありがとうございました。
2003年11月22日(土)  No.86

長い会議
 今日も「暑〜い」一日でした。朝の散歩で汗をかくなんて…。

 今日は、大津・坂本で会議。

 ブナやクヌギの紅葉に彩られた靄の立ちこめる山間の道、山中越を走って大津へ。琵琶湖は決して満足な見え方ではありませんでしたが、なぜかあの眺望には心を落ち着ける効果があるようです。

 少し早めに坂本に着いたので、紅葉の名所 日吉大社を車窓から偵察。まだまだ青い木、すでに散り始めている木などが混在している様子でしたが、やはりイマイチであることは京都と同じでした。

 会議はお昼を挟んで4時間。それが終わってから、さらに2時間の小会議。

 10名ほどの会議出席者中、ボクは最年少。最年長は超80才。大学の学長経験者や教授、エライお坊さんも多く、どうしてボクがそんな中に入っているのか…。
 会議の回が浅い頃は、発言するのもはばかられましたが、事、IT問題になると、「エライ時代になりましたなぁ」とおっしゃる年長の方々の寡黙を破ってようやく発言。
 でも、学究心の篤さ、頭脳の明晰さには、到底太刀打ちできないことを、会議の度に思い知らされるのでした。

 ボクなど、難しい話になると、一気に眠気に襲われて…そういえば、ぐっすり「休憩」している人もおられたような。安心、安心。

 お昼に食べた使い捨て容器に入った弁当の揚げ物が夕食前までお腹に居座り、いいように言えば、腹持ちがよかったです。

 帰りに降っていた雨が空気中の塵を流してくれたのか、夜には星空が綺麗でした。

〜真如堂境内の散り紅葉〜
2003年11月21日(金)  No.85

高台寺夜間拝観
 雨が降ったりやんだりの1日でした。

 市街の道路の混雑が、ますますひどくなってきました。大型バスもいっぱい。今度の連休はどこへも出ないぞ!

 夜、高台寺の夜間拝観に行きました。高台寺へ行くのは初めて。思っていたより、かなり大きなお寺でした。

 紅葉は……全体の印象でいうと、「赤い」というより「青い」。水銀灯に照らされているもみじなど、照明効果もあって、新緑のよう。
 山手の方で赤く見えているのも、よく見ると、椎などの照葉樹の葉の裏の茶色っぽさ。
 現時点では、まだ、真如堂の紅葉の方がきれいかなぁ。

 雨で参道などが濡れていて、あちこちで滑っている人を見かけました。いつもよく滑るボクは、かなり気をつけて歩いたのでセーフ。

 お天気は悪くても、かなりの人出。人混みの中の紅葉狩り。連休の光景を想像するとおそろしい。

 面白かったのは、白砂の上に置かれた光を放つオブジェを見たJA風の人たちの感想。「ありゃぁー なんだ?」 わかったふりをしない、素直な感想です。

 紅葉がイマイチのせいもあって、ちょっとがっかり。次は、昼間に、堂塔の偉観や、傘亭・時雨亭などを拝観したいなぁ。

〜高台寺の庭のオブジェ。左手に見えるのは霊山観音〜
2003年11月20日(木)  No.84

ライブカメラU
 朝の落ち葉掃除が朝早くから人が来られるために、し難くなってきました。

 一番の団体さんは8時過ぎ頃でしょうか。正面階段で記念写真を撮って行かれます。少し紅葉もよくなってきたので、ヨカッタですね。

 自坊の庭に、ライブカメラUを取り付けました。

 去年までは菊花展のライブをしていましたが、来訪者の顔が承諾なしに写るのは問題があるだろうと思ってやめました。面白かったのですが。

 新しいライブカメラに写っているのは、水琴窟の上部を塀越ししたあたり。
 3千円くらいのカメラと、オークションで3台3千円ほどで買ったパソコンを使っているのですが、画像が数秒遅れます。また、更新間隔も毎秒に設定しているのに、4〜5秒に1回しか更新してくれません。
 なぜか、紅葉は綺麗に写っているのですが、実物以上です。

 23日、HPによく来て下さる方々が着物を着て来訪して下さる予定があります。また、福祉団体に場所を提供して、コーヒーなどを来訪者にお出しし、運営資金のカンパを仰いだり、水琴窟体験、無料インターネットコーナー設置などのイベントを催します。
 その光景も中継したいなぁと思っています。


 夜は、遠来の美女軍団とのデートでした。
 舞妓さん、芸妓さんのウォッチングをしてきました。

〜舞妓さんとはひと味違う美女軍団〜
2003年11月19日(水)  No.83

学生モドキの先生
 今は京都の道路が一番混む時期ではないでしょうか。
 今日は学校へ行く日。混んでいるからと思って、早めに家を出ましたが、予想的中。いつもは30分で着くのが、今日は50分かかり、途中で2件の事故も見ました。

 走っている車はほとんどが京都ナンバーで、観光の車ではなさそうですが、観光地付近が大型バスで動かなくなっている余波を受けてか、市外全般が混み気味。これで他府県ナンバーが入ってきたら、もうどうしようもありません。今度の連休など、とても外出する気にはなれません。

 混んでいるために、みんなトゲトゲしているのか、運転が荒い! そういうボクも、あっちの車線、こっちの車線へと渡るイライラ運転。京都の運転って、結構荒っぽいのですよ。

 やっと学校に着いて、講師控え室へ。

 ボクが部屋に入ろうとしたら、女性の職員が、必要とあらばボクを追い出そうと、急いで移動しながら視線を向けているのがわかりました。

 「やった!」

 講師控え室は学生入室禁止。女性の職員さんはボクが学生ではないかと慌てていたのです。
 まぁ、それも無理もありません。スーツ姿で学校に行ったことなど、今まで数年の間に何度あるか。夏はTシャツと綿パン、冬はそれにセーターを着る程度。大きなリュックを背負って登山靴で行ったこともありました。
 少々お腹が出ているものの、遠目には立派な学生。制止する必要ありと思われてもしかたありません。

 実はボク、女性の職員さんがボクを学生と間違いそうになるのを、学校へ行く楽しみの一つとしているのです。

 今日はまんまと大成功!

 ボクが出勤簿に押印する姿を見て、女性の職員さんは定位置に戻って行かれました。

 教室に行ったら、助手さんはスーツ姿でした。
2003年11月18日(火)  No.82

おしゃれ
 寒くなりました。夕方には北風がピューピュー。木枯らし1号はまだかなぁ。


 午後からの会議。女性たちの服装を見ていたら、まだバラバラ。ダウンの上っ張りを着ている人もあれば、半袖の人もいる。扇子で扇いでいる人までも!

 ボクは秋色のタートルネック。先日、イズミヤ(ヨーカドーのようなもの)で買ったのですが、なかなか綺麗な色。
 タートルネックは少し早いかも知れないけれど、季節を先取りするのがおしゃれ、ですよね。

 「まぁー、秋の色ね」と、お姉さまたちには好評でした。


 もみじの種が、今日になっていっぱい落ち始めてきました。これはちょっとヤバイかも…。
2003年11月17日(月)  No.81

会津の親爺
 上着を着ずにバイクで走っても気持ちがいいくらいの陽気。お経を読んでいても、暑くって。どうなっているんでしょう。

 境内は、これでもかというぐらいの人。次の連休はもっと多いのでしょうね。


 「26日に京都に行くから、どこか連れて行って。3時の新幹線で帰るから」と電話をして来られた人から、今夜、「女房が血圧が高くて倒れたから、行けなくなった」と電話がありました。

 会津若松の造り酒屋で、80才くらいのSご夫妻。「元気印」を絵に描いたような働き者で、米不足で酒造りが困難になった年も、組合の役で、日本中をかけずり回った辣腕。 声が大きくて、スーツに腰手拭い、時々ズボンのチャックも開いている……。腹蔵のない、言いたいことを言う、細やかな心遣いの人情派頑固オヤジです。

 Sさんはガンの手術からすっかり弱気になられ、今春は奥さんとお嬢さんに「引率」されてお越しになりました。
 そのSさんが、観光したいと思われるぐらいまで快復されたことは、何より嬉しいことでした。

 Sさんと知り合ったのは、ボクが事務局をしているターミナルケアの全国組織で、10年以上前。でも、それ以前から、黒谷にある会津墓地で行われる「会津祭」には毎年参列されていたとか。不思議な縁です。

 「どこか連れて行って」と言われ、紅葉が綺麗であまり歩かなくてもいいスポットはないかなぁ、会津にはない京都らしい風景はどこかなぁ、食事はどうしよう、何でも食べられるかなぁなど、頭の中でいろいろなコースを考えながら楽しみにしていました。


 今年、もうお会いできないのは残念ですが、またもっと紅葉の綺麗な年に来てください。きっとご案内さしあげます。
2003年11月16日(日)  No.80

十夜結願
 お十夜結願法要の日。お天気が崩れるとの予報でしたが、夕方頃に少し降った程度で、行事に支障はありませんでした。

 土曜日で観光客は多かったものの、檀家の方のお参りはさほど増えず、お彼岸の約半分。

 以前は、お十夜結願の頃に紅葉のピークがありました。正面の階段を上がったところのもみじの紅葉が、お十夜の行列と相まって、とても絵になりました。
 でも、近年になるにつれてピークは後にずれ込み、今年は異常ということもありますが、境内全域に紅葉の雰囲気はありません。

 ホームページを縁とした遠来の方々もお越し下さいました。

 せっかくお越しいただいたのに、こんな紅葉でゴメンナサイ。もみじに代わってお詫びします。
 もっとも遅い紅葉の年になるのか、ほとんど紅葉せずに散ってしまうような最悪の年になるのかは、これからのもみじ次第ですが……こんな年は滅多にないのですよ。また来年お越し下さい。

 これからお越しの方、決して紅葉には期待しないで下さいね。どこへ行っても、芳しくありません。
 きれいな紅葉が写っている写真も、おそらく、その枝だけ、その木だけが赤くなっていると割り引いてお考え下さいね。

 こんなこと言わなきゃならないのも、辛いなぁ。

 お十夜という感じがしない、お十夜結願日でした。

〜絶不調の花の木と菩提樹の枝、そしてお月さん〜
2003年11月15日(土)  No.79

お十夜の準備
 明日はお十夜法要。参詣された檀家の方々にお供養として差し上げるちらし寿司の仕込みに、朝早くから10人ほどのご婦人が手伝いに来てくださいました。

 自前でお供養を作るところはすっかり珍しくなりました。
 錦糸卵、椎茸や干瓢、にんじんなどのちらし寿司の具を煮込んだり、切ったりする作業があり、いわば男は役に立たない現場。
 ですから、ボクはもっぱら力仕事。具を入れるための餅船やはんぼうを出したり、掃除機をかけたり、仏間の掃除をしたり…。仏間は寒いなぁ。

 お昼ご飯も十数人でテーブルを囲むのですが、それだけ多くの女性軍と同席では、どうも恥ずかしくていけません。平均年齢は60後半か、ひょっとしたら70を越えるのですが。
 甥と二人、別の小さなテーブルで、黙々と食べました。

 3時のおやつはケーキと紅茶。今日はこれをもって解散し、また明日も来てくださいます。本当に有り難なぁと思います。

 「ボクの代になったら、こんなふうに手伝いに来て下さる方がおられるだろうか…」と、掃除機をかけながら考えていました。
2003年11月14日(金)  No.78

シーズン到来?
 午前中は外回り、午後は庭師、夜は内職の一日でした。

 昼過ぎまで晴れたり時雨れたりのお天気でしたが、夕方頃からは安定し、風が少し冷たくなってきました。
 明日は快晴、日曜日には木枯らし1号が吹くかも知れないとか。近畿では11月7日が木枯らし1号の平年日。約1週間ほど遅いのですね。

 午後、つくばいの石を洗ったりして水を触りましたが、ぜんぜん冷たくありませんでした。

 2〜3日前から境内の人が急に増え、観光バスが近くの道にとまるようになりました。紅葉はまだですが、日程的にはシーズン真っ盛りに突入かな。

 吉祥院の菊花展にも、毎日たくさんの人が来られるようになっています。
 そんな人ををウッチングしていると面白いですね。つまらなそうにすぐに出て行く人もあれば、念入りに見る人、写真を撮る人、手帳に俳句らしきものを書き留めている人……。中年女性のグループは、とにかくにぎやか。

 さぁ、冷え込みで、紅葉が綺麗になってくれますように。
2003年11月13日(木)  No.77

落ち葉掃除
 雨で数日掃除ができなかったら、すごい落ち葉。

 無患子むくろじ木患子もくげんじはぜなどの枯れ葉が積もっています。

 無患子の名は、「木患子」を誤って「モクロシ」と読んであてたことに由来するとか。間違えられてそのまま名前になってしまったですね。
 その因縁の深い二本の木が、一緒に葉を落としているわけです。

 櫨の落ち葉を掃除するのには、気をつかいます。今までに何度かこの櫨にかぶれたことがあるのです。
 すごく綺麗で、通りがかる人が落ち葉を拾う危険性があるため、先日、「かぶれますから触らないでください」と札を吊しました。

 雨がぜんぜん乾いてなく、まだかなり濡れているので、葉っぱ同士がくっついたり、参道にピタッとへばりついて、掃除はなかなかはかどりません。
 結局、朝から1時間半ほどかかって落ち葉を集め、火をつけましたがあまり燃えないまま、山となっています。風に吹き飛ばされないで!

 また明日もかぁ……。

 ちなみに、もみじはまったく散っていませんからご安心ください。

〜写真は雨に濡れた櫨〜
2003年11月12日(水)  No.76

来年のスケジュール帳
 朝からすごい雨。カーラジオの音が聞こえ難いほど。山茶花梅雨とはいうけれど、これではまるで夏の夕立。


 年賀状の話題が聞かれるようになってきた中、今日、来年のスケジュール帳を買いました。
 かつては電話番号簿なども一緒のスケジュール帳ですが、今、それは携帯の中。この前、このスケジュール帳が行方不明になって、大探ししました。


 今日は、週1回の学校の日。観光シーズンで混んでいるかと思って早めに家を出たら、ビックリするぐらいスイスイ走れて、早く着きすぎ。

 「そうだ、ホームセンターにスケジュール帳が売っているかも…」と時間つぶしを思いつき、時々行く店の道中で別の店を発見し、ホームセンター・フェチのボクは大歓喜!

 さっそく、店内をくまなく観察しましたが、まぁ、5段階評価の「2」かなぁ。家庭用品が中心で、「ホームセンター」を標榜するのはおこがましい。あっ、でも、それがホームセンターか…いやいや、もっと、園芸用品とか大工道具とか、おもちゃ箱のような要素があってこそ、理想のホームセンター。
 おまけに、来年の手帳やスケジュール帳が売られていない。店員さんに聞いても、「文房具のところになければありません」とすげない返事。
 スケジュール帳が置いてないのに、レジ近くの棚に、なんと! 位牌、数珠、線香、神棚などが置いてあるのです。「な〜にぃ この店…仏壇屋が経営しているの?」と唖然としました。

 結局、学校に行き、学生生協で小学生のノートのようなスケジュール帳を買いました。小さな手帳スタイルはもう辛いですから。
2003年11月11日(火)  No.75

濡れネズミ
 ぐずついたお天気が続いています。

 朝、ネットの天気予報で雲の様子を見て、ボクが檀家の月参りをする間はどうにか雨も我慢してくれるだろうと判断して、バイクで出かけたのが大ハズレ。
 帰りはすっかり濡れネズミ。冷たい雨がコートを突き抜けて浸みてきました。

 今日伺ったうちの1軒は、二条城と通りをはさんで隣同士。二条城の駐車場は、大型バスでいっぱいでした。

 これからは落ち葉掃除が忙しくなりますが、雨だと掃除ができないので、正直なところ、少しホッとします。

 ということで、午後からはずっと護符作り。か〜なり進みました。

 ダメだ、寒気がする……。
2003年11月10日(月)  No.74

きしめんカルボナーラ
 朝から雨が降ったりやんだり。ドーンと重たい空でした。
 人も多いので、法務以外は部屋に引きこもっていました。

 朝、お訪ねいただいた方にきしめんを頂戴しました。早速夕食にいただこうと楽しみに、夕方が来るのを待っていました。
 きしめんは、信州からの帰りなどに、新幹線ホームの立ち食い店でいただくことが多いのですが、乗り換え時間が少ないと、必死で食べなければいけません。

 たまたま、きしめんでカルボナーラを作ったら美味しかったという友人の話を聞き、「よし! 挑戦しよう」と思い立ちました。
 料理って、発想ですよね、きしめんでカルボナーラとは。

 きしめんにとろけるチーズを絡め、隠し味に出汁を使ったというそのレシピを参考に、とろけるチーズをクリームチーズに代えて調理。
 きしめんを茹でる手間を除けば、あとはごく短時間で仕上がり。パセリの粉をパラパラ。

 ちょっとスープっけが少なくて、もちもちしてしまいましたが、食べてみたら、なかなか美味しいじゃないですか。

 食べ終わってから、カルボナーラの作り方をネットで調べてみて、「しまった!」と思いました。
 何かひと味足りないなぁと思っていたのですが…ベーコンを入れるのをすっかり忘れていました。入れていたら、かなり美味しかったかも。次はやってみようっと。

 蕎麦切り作りの宿題に、きしめんカルボナーラの課題が増えてしまいました。蕎麦切りでカルボナーラを作ったら、一挙に課題が解決するかも…。

〜赤い大根?をそえて可愛くできたきしめんカルボナーラでしたが〜
2003年11月9日(日)  No.73

初物のカニ
 観光客が増えてきました。境内も普段と違う様子です。
 御所の近くを走ったら、地下鉄駅の出口近辺から御所まで、人が続いていました。秋の一般公開に向かう人たちでしょう。
 これからしばらくは、車も人も混雑する、京都の観光シーズンのピークです。

 今日も、法務(お寺の仕事)と、午後から夜まではボランティア。夕食は、事務所にあったカップ麺だったのですが…不味かったぁ。

 帰宅したら、親戚から越前ガニ(ズワイガニ)が届いていました。
 6日に漁が解禁されて、7日に初競りがあったというニュースをテレビで見たばかり。それがこんなにも早く食べられるなんて、ありがたいなぁ…。

 食べ出したのは10時前。蟹をいただくのに、お酒がなくては片手落ちです(何かと理由をつけては呑む悪い癖)。
 あ〜、食べた、呑んだ。「腹八分」「腹も身のうち」と、自分で思いつつ……。

 思いがけない冬の味覚、実に美味しかったです。

 酔って、日記は翌朝書くことになりましたが、まだ、胃にカニが残っている感じです。
2003年11月8日(土)  No.72

猫との対決
 午後から庭の手入れをしました。

 もう、暑くって。それに、蚊が復活して、何カ所も刺されました。11月になって蚊に刺されるなんて。

 庭の砂利の上に、猫が糞をして困っています。
 「猫よらず」のようなものを撒いたり、コールタールをぬったり、いろいろしましたが効果はありません。

 今は金網を敷いています。猫は金網の上を歩くのが嫌なのと、直接砂利の上に糞ができないのとで、効果は100%。
 でも、少し隙間があると、そこを見つけてしてしまいます。見かけ良くないし。
 しかも、ご丁寧に、糞をした後はちゃんと砂利をかけて後始末してあります。「そんなことをするぐらいなら、他でやってくれよ!」

 鈴をつけているので、どこかの飼い猫でしょう。普段は三重塔や境内のベンチで昼寝しています。

 庭掃除をして、砂利の掃除をしていたら、庭中が猫糞臭くなりました。

 ホント、腹が立つなぁ。いつかコワイ目にあわせてやるぞ! 覚悟!
2003年11月7日(金)  No.71

めまぐるしい日
 今日はめまぐるしい1日でした。

 朝、檀家さんのうちへ月参り。
 お経をあげているより、話をしている時間の方が長いくらい? 1軒では干し柿の試食を、もう1軒では天童よしみの歌唱法、足の出し具合や手の振り方とこぶしの相関関係について、レクチャーを受けました。

 おしゃべりが過ぎたのか、次に行くボランティアの約束時間が逼迫してしまったので、お昼にコンビニで鱒寿司おにぎりと鮭のおにぎりを買って、運転しながら衣姿でパクツキました。鱒寿司は美味しかったです。

 ボランティアの事務所に到着し、急いで衣から私服へ着替え、3時間ほど仕事。

 その後、鷹峯のお寺でPCサポート。1ヶ月ほど前からプリンタの不調を聞いていたのですが、10分ほどで解決。他に2〜3のトラブルを解決。

 帰りに、リサイクルショップを開店している精神障害者の作業所に、他から託された献品を届けました。

 夕食後は、昨日から始めた護符作り。

 こうして、今日1日も終わり。


 ところで、鷹峯のお寺で、いつものPCサポートのお礼にと、傘を貰いました。こんな傘持ったことがないというほど、立派な傘です。

 なんでも、東京浅草の皇室御用達のお店のもの。そういえば、以前、すべて手造り生産というこの傘屋さんが、テレビで取り上げられているのを見たことがあります。

 骨が16本もあって、少し重ため。巻いた時のひだの多さゆえの美しさ、広げた時、閉じた時の音の格調高さ。匠の技ですねぇ。

 かなり大きいので、相合い傘にはもってこい。でも、使うのは勿体ないので、大切にとっておきます。

〜いただいた前原光榮商店の傘〜
2003年11月6日(木)  No.70

護符
 今日は、十夜開闢法要の日。
 かつては、お十夜の鉦の音を聞く頃はもっと冷え冷えとしていましたが、最近はそうでもなく、今日も日中は暑いぐらいです。これでは紅葉は進みません。

 さて、今夜から、お正月に自坊の檀家の方々にお配りする「長寿不動尊御守護」の護符を作る作業を始めました。
 年末恒例の作業。これから年の瀬までは、この護符を作る作業や、年始参りの卒塔婆を書く夜なべ作業が続きます。

 以前は、この護符も1枚1枚版木で刷っていました。刷毛で版木に墨を塗り、紙をのせて、竹の皮で作ったばれんで擦る。ばれんの滑りが悪くなってくると、頭を3〜4回擦って、頭の油で滑りをよくして、また刷る。そんな作業をしていました。

 近年は、版木の都合や作る護符の量の問題もあって、手刷りこそやめましたが、それでも1つ作るのに何工程かを経ます。畳紙のような外紙と中に入れる符とに不動明王の印を押し、それぞれを折り、赤染紙で帯をします。

 この印を真っ直ぐに押すのも、なかなか難しい作業です。
 ボクは子どもの頃から護符作りを手伝い、今はすべて自分でやっていますが、子どもの頃には歪んで印を押したりすると、住職から「こっちは何百枚のうちの1枚だが、貰う人はそれぞれ1枚なんだ」とよく怒られました。なるほど、その通りです。

 去年から、当ホームページにお越しの方のうちのご希望の方に、この護符をお送りしています。
 紅葉のシーズンが終わった頃に、申込み窓口を設けます。
 1枚1枚心を込めて作り、あとは仏さまのご加護を念じます。また、お申し込み下さい。

 今日の日記は真面目過ぎ?

〜謹製中の護符〜
2003年11月5日(水)  No.69

仏像展
 昨日の雨露が枝葉に残る中、植木屋さんとしての残り仕事をした後、坪田最明さんの仏像展に行きました。


 坪田さんはすぐ近所にお住まいの仏師で、ボクが毎朝拝んでいる仏像の修理もしていただいた方。パリ国立ギメ東洋美術館所蔵の仏像を修理されたこともあります。年は1つ上、学年は同じ。
 奥さんとは竹馬の友。近年、彼女は仏像に切り金や彩色を施す技術を身につけられ、今回出展の作品にも装飾を担当された作品が多くありました。

 花見小路四条上がる、夜はネオン街と化す路地の奥の小さな画廊で、坪田さんの初個展は開かれていました。今日はその最終日。

 画廊のドアを開けた途端、プーンと楠の香りが漂ってきました。素材の楠や桜の香りです。
 阿弥陀如来、観世音菩薩、地蔵菩薩、不動明王……実にいろいろな仏様が並んでいました。また、手軽に持ち歩いて心のよりどころにできる仏像をと、小さな御厨子に入ったり、小さな円盤型のレリーフ状の仏さまなどにも、新鮮さを感じました。

 何より、木を彫って作り出したその匠の技がすばらしい!
 さらに、細かい部分を見るとその技の冴えに感嘆させられますが、仏像全体としてみると、思わず引き込まれて掌を合わせたくなります。技に溺れず、信仰の対象としての仏像を感じました。


 スゥーッと心が清らかになった感じがした反面、自分と同年代の人が、こんな素晴らしい作品をつくるんだぁ。自分はその間、何か極めたものがあるだろうかと、身につまされました。

〜手前から、大黒天、迦楼羅、不動明王、地蔵菩薩〜
2003年11月4日(火)  No.68

失せ物、出る
 「あれ、手帳がない」と気がついたのが3時半頃。

 電話番号などは携帯に入っているので、手帳に書いてあるのは予定だけですが、それでもないと困ってしまいます。

 失せ物探索が始まりました。

 つい1時間ほど前、パソコンの前で予定を確認した覚えがあり、それから部屋外に持ち出したことは絶対あり得ません。すぐに見つかると思っていたのが甘かった……。

 ゴミ箱を2回ひっくり返し、「こんなところにあるはずないよなぁ」と思いつつ、カバンの中や机の引き出し、書類の山の中などを探しました。
 そのうち、「ただ探しているのは勿体ないなぁ」と思い、掃除機をかけながら探索することにしました。

 ボクにとって、こういうことは日常茶飯事で、結構よくあることなのです。
 「ああ、ここに置いておいたら、後で探すことになって困るなぁ」と思いつつ、そのままに。挙げ句、予想に違わず後で大探し。
 「ああ、またか」と慣れっこですから、悲観的になりません。いいのか悪いのか。
 先日など、庭からいつも使っているコーヒーカップが出てきました。外で飲んだ覚えなどないんだけどなぁ…。

 掃除機をかけながら、ついでにコタツ布団を出したり、数ヶ月間も不要ながら出しっぱなしの物を片づけたり……お陰で部屋が綺麗になりました。
 でも、肝心なものが出てきません。

 探すこと2時間半。本棚がいつもより綺麗なのに気が付きました。「あっ、ここだ」と探偵のような勘がキラリ! やはりありました、黒く薄い手帳。
 そういえば、調べものをするために引っ張り出してきた本が、いつの間にか山積みとなっていたので、本棚にしまったのです。
 いつもしないことをしたのがいけなかったのです。散らかったなりに物の在処はわかっていたのに…。

 予定していた知人の個展行きが明日になってしましたが、部屋は見違えるほど綺麗になってサッパリ。
 失せ物探しに、ボクは一生のうちのどれほどの時間を費やしているでしょう。そのうち、自分をなくさないか…。

 あー、疲れた。
2003年11月3日(月)  No.67

猿のように
 今日は、晴れたかと思ったら、小雨が降り出したりのお天気。連休とあって、人出も多そうですが、こんな時は外に出たくありません。

 真如堂の門前では、三角巾をした女性が、たばこ屋さんの軒先を借りて、通りがかる人に和菓子を売っている様子。こんな光景は今まで見たことがありません。人出を当て込んだのでしょう。でも、売れていません。

 午後から、植木屋もどき。タオルで頬被りをして、腰に植木鋏とノコギリをぶら下げ、3〜4mの金木犀2本に挑みました。

 ボクの頭のように丸く刈り込むのではなく、もう少し“腕”を生かしたいので、一枝一枝、チョッキンチョッキン。
 金木犀は、切っても新しい芽がいくらでも出るので気が楽です。

 ハシゴに登っても届かないところは、金木犀の木に登ってやっちゃいます。わぁ、揺れるー。
 子どもの時から木登りは得意でしたが、大人になってから、同じ木に登ろうとしたら怖いですね。体がこわばってしまいます。
 でも、木にしがみつくこともなく、両手を使ってチョッキンチョッキン。「なかなかやるじゃん」なんて、自分で絶賛しながら。

 時々、下から枝振りを確認。これで煙管でも燻らせていたら、ますます植木屋さんぽい。
 「そこの植木屋さん」と声を掛けて欲しいぐらい。熟練の大工さんとか、植木屋さん、憧れなのです。

 軽く汗をにじませながら、夕方までやりました。気持ちよかったぁ。

 これから冬の間も、憧れの植木屋さんもどきは続きます。

〜手前左端が金木犀〜
2003年11月2日(日)  No.66

粉ものの襲撃
 今日、浄瑠璃寺に行った時に買ってきたそば粉で、蕎麦がきを作りました。

 作り方はいたって簡単。沸騰している1合のお湯にそば粉100グラムを入れてかき混ぜ、鍋を火から下ろして、またしばらくかき混ぜる。耳たぶより少し硬めが目安とか。それを濃いめのそばつゆ、好みの薬味で食べる。たったそれだけです。

 結構な量の蕎麦がきができました。

 ぐい呑みにお酒を注ぎ、いざ試食。…… こんだこりゃ。

 粉っぽい! そば粉が悪いのか、蕎麦の香りや味もほとんどしない!
 薬味でごまかそうと、わさび、ネギ、海苔、胡麻などを添えてみたけれど…混ぜ方が足りないのかなぁ…ダメだぁ。

 「昔はこれが蕎麦だったんだ」などと頭で納得させて食べようとしましたが、半分ほど食べて降参。
 残りをどうするか思案した挙げ句、小さく薄くして、みそ汁の中に入れて、試食。……

 それでやめておけばよかったのです。

 食後しばらくしてから、買ってきたもう一袋もこの際試食しようと思いつきました。
 はったい粉。子どもの頃、おやつに食べた記憶があり、また食べてみたいなぁと思って求めたのです。

 カップにはったい粉と砂糖を入れて、お湯を注いで混ぜる…なんか蕎麦がきと似ているなぁ…。

 まぁ、これは麦の香りが芳ばしく、さほど期待を大きく裏切るものではありませんでした。でも、食生活が向上し、いろいろ美味しいものがある中で、あえて食べる理由はノスタルジーかなという気もしました。

 ボードで、はったい粉を「こうせん」ともいうことを知ってためか、食べながら飛騨の駄菓子の味を思い出し、頭の中に高山の二之町、三之町や朝市の光景が浮かんできました。


 しばらくして、異様なお腹の張り。胃腸薬の適応症に「腹部膨満感」と書いてあるのはこういう感じでしょう。粉ものばかり食べたのが、胃の中で水分を得て膨らんだのか、ちょうどいい温度で発酵しているのか……。ダメだ、こりゃ。

 粉のプールで真っ白けになってアップアップしている夢を見そう。

 でも、次は蕎麦切りを作ってみようっと!
〜写真は食べきれなかった蕎麦がき〜
2003年11月1日(土)  No.65

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