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少し湿気が多いですが、散策をする方の姿がよく見られます。はっきり観光というわけでもなく、半ばぶらり歩きという感じです。ひょっとしたら、菩提樹を見に来られているのかも知れません。 真如堂の建物のメインは本堂や三重塔ですが、この塔が野間宏さんの『我が塔はそこに立つ』の「塔」であることをご存知ですか? 野間宏さんは真如堂の近くで学生時代の悶々とした時間を過ごされたそうです。 10年前、この作品絡みで真如堂の三重塔について問い合わせをしてこられた大学の先生から、『宙空に立つ塔 塔の想像力と存立地平』(法蔵館文庫)という本をご恵贈いただき、巻末にボクへの謝辞を書いたとお知らせいただきました。かなり幅広く深い考察で、ボクはまだ完読できていません。 今、野間宏を読む学生はほとんどいないでしょうが、我が真如堂の塔が少し誇らしく見えました。 立 話 に 立 会 う て ゐ る 藪 蚊 か な 加藤廣子
境内に人が多いのは、この花を目当てにお越しになる方が多いのも一因ですが、花の下を通っていて、掲示もしてあるのに、まったく気付かずに通り過ぎてしまう人もおられます。もちろん、よほど開花を待っておられたのか、あっちから見こっちから見て、30分以上熟視している人もいます。それだけ見てもらえれば、菩提樹もうれしいでしょう。 NHKが紫陽花を撮りたいと言ってきたのですが、紫陽花は不調なのでお断りしました。代わりに菩提樹をオススメしたのですが、「梅雨入りは紫陽花」とか、凝り固まった歳時記感から取り上げてもらえませんでした。いまは菩提樹のほうがよほどインパクトがあるのになぁ〜 梅雨入り直後は強い雨が降ることもありますので、どうかお気をつけください。 も し か し て 菩 提 樹 の 花 こ の 匂 ひ 飯島晴子
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