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              朝7時過ぎの境内   カーソルを乗せれば写真が変わります
 ずっと猛暑日が続き、ここ4日は最高気温が38度超。雨も10日以上降らず、危険な暑さが続いています。
 京都が暑いのは日本にお住まいの方ならご存知ですが、外国人は知らない方も多いかも知れません。それでもあまりにも暑いのに耐えきれず、頑張って名所を回るのは止めて、朝早くや夕方くらいに出発する人が増えているのだそうです。人の姿も減って、昼間の営業を止める飲食店も出ているとか。
 「地球沸騰化」の流れはとどまるところを知りませんが、来年もまたこんなに暑いのでしょうか?
 いつもは涼しい境内も、暑さがまとわりつくような感じで、人影もまばらです。



      頷  く  に  声  の  遅  る  る  猛  暑  か  な     鈴木恭子



   白くて大きい「巨椋の白鳥」/ 菩提樹の葉の蝉の抜け殻 カーソルを乗せれば写真が変わります
 暑さと雨が降らない影響で、木槿の花数も少なくなってしまっています。こう暑くては咲いていられませんよね。
 自坊では、紅や白の蓮が毎日咲いてくれています。このところの蓮鉢の水の減り方の早いこと。あの大きな葉っぱからどんどん蒸散するのですから、必要な水も相当な量ですね。
 今春、蓮根を買い求めた「巨椋の白鳥」の花が咲きました。「巨椋」というのは、かつて伏見区・宇治市・久世郡久御山町にまたがって存在した湖のような池の名前ですが、昭和初期に国策で干拓されました。この蓮は、そこで咲いていた固有種です。花の歴史を知ると、またいっそう親しみが湧きますね。
 菩提樹の葉っぱの至るところに蝉の抜け殻が付いていて、樹下は蝉が這い出てきた穴だらけになっていました。
 よく、蝉は7年間を土の中で過ごし、地上で成虫になってからは1週間ほどのいのちだと言われます。蝉は夏の間に枯れ木などに産卵管を突き刺して卵を産み付けますが、その卵が孵化するのは翌年の初夏頃。孵化した幼虫は、木を降りて地上に到達し穴を掘って潜っていきます。それからが土の中での生活になります。幼虫は木の根汁を吸いながら、あまり動かずに長い時間をかけて成長していきます。実際に土の中で過ごすのは、ツクツクボウシで1〜2年、油蝉で3〜4年、熊蝉4〜5年くらいのようです。まだまだ謎の多い昆虫なのですね。
 当分はいのちに関わるような暑さが続きます。どうか、くれぐれもご用心ください。



       白  蓮  や  浄  土  に  も  の  を  探  す  風     中村草田男