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境内の人の往来は、お天気のせいか、昨日よりも少なくなりました。でも、駅などはかなり混雑しているそうで、タクシーに乗るのにも時間が掛かるそうです。紅葉の見頃はまだまだですが、一足先に混雑がやってきました。 昨日の地元紙に、紅葉の名所では、焼けたようにちりちりになった葉があり、それは梅雨時期から9月にかけての記録的な暑さと乾燥が原因で、日照は十分だが水分が足らず、残暑で寒暖差が小さかったこともあり、晩秋を迎えても葉がくすんだ赤や茶色になる可能性があるという樹木医のコメントが載っていました。 金曜日に所用があって三千院に行きましたが、紅葉は進んでいるものの、色に冴えはなく、茶色くなっている葉も目立ちました。 最低気温が8度を下回ると 紅葉が始まり、5〜6度で急速に進むと言われます。「紅葉のスイッチは8度」というわけですが、今年はまだスイッチが入る温度にはなっていません。 茶変したり、縮れて落ちる葉もあるでしょうが、きれいに色付く葉もきっとあります。もう少し長い目で色付き具合を見ていきたいものです。期待しています! 肌 寒 や 肩 を 撫 て た る 今 朝 の 老 尾崎紅葉 蕉門十哲の一人である向井去来は、真如堂近くの岡崎に居を構えていたらしく、向井家代々のお墓が真如堂にあります。 句碑の「凉しくも野山にみつる念仏哉」というのは、元禄7年に真如堂で行われた善光寺の出開帳に去来が参詣して詠んだものと思われます。出開帳は大変な人気で、その人出を当てにして『善光寺物』と呼ばれる浄瑠璃の興行などがよく行われたようです。有り難い善光寺如来を一目拝ませていただきたいという人々が境内を埋め、お念仏の声が絶えなかった様子が句からも伺えます。その出開帳の収入によって善光寺の再建が始まりましたが、工事途中で門前町の火災による延焼により、再建中の本堂や材木は一度全焼してしまったそうです。 自坊では、かつて京都・東山の菊渓に自生していたという菊渓菊が咲いています。残念ながら東山一帯では絶滅し、いまその保全活動が行われています。 写真のような小さな花で、何とも風情があります。ご覧になりたい方は、吉祥院の門をくぐってください。鉢植えが置いてあります。 まだ慣れていない寒さに、体調を壊されませんように。 と こ ろ 得 し 石 の 静 け さ 石 蕗 の 花 中川いさを
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