11/4版
4日間「夏日」が続き、その中でも今日の最高気温は26.5度と、9月30日の平年値並みです。陽射しの中を歩いていたら、汗が滲み出てくるでしょう。でも、室内に入るとヒンヤリすることもあります。 いろいろなイベントも行われているようですし、この好天に誘われて出かけている人も多そうです。当然、渋滞や混雑も起きていて、人の多さから、京都駅の混雑ぶりも容易に想像が付きます。 コロナの反動や円安で、今年は例年よりも人が多いかも知れません。「とうとうやって来たなぁ」という感じです。 秋 晴 れ や 生 死 一 重 の 影 法 師 長迫貞女 京都の紅葉見頃予想日は12月12日で、平年よりも1週間遅くなるかも知れないということですが、この陽気ではそれも納得できます。 でも、境内の紅葉は結構進んでいて、そんなにまで遅れる気がしません。境内の場所によって、紅葉の進み具合は違いますが、全体的にいうと「色付き始め」。見頃の木もあれば、まだ夏と変わらない木もあります。 「いいか悪いか」と聞かれると、樹種によっては美しくならない木もありますが、いまのところ、もみじは悪くはない気がします。この後のお天気次第といったところでしょうか。 その昔、足利義教公の執権職をしていた伊勢守貞経の弟、平貞国は無常を感じて、自分は仏道に生きようと真如堂にこもって念仏の行をしました(1430年頃)。3日3夜のお勤めが済んだら髪を落として出家しようと決意していた3日目の明け方、貞国の夢枕にお坊さんが現れて、「阿弥陀さまを信じる気持が本当なら、出家するしないは関係ないではないか。出家するのは待ちなさい」とお告げをされ、「心だにたてし誓ひにかなひなば 世のいとなみはとにもかくにも」という歌を下さったといいます。 貞国が出家を思いとどまって家に帰ってみると、兄は上意に背き吉野に謹慎処分。代わりに貞国が家督を継ぐようにという命令が下っていました。 貞国は、「兄は謹慎だし、自分も出家をしていたら家督を継ぐ者がいなくなって、執権職を受けるどころか、家も断絶していただろう。これは阿弥陀さまのお陰だ」と感激し、あと7日7夜、合計10日10夜の念仏をしました。これが「お十夜(おじゅうや)」の始まりです。 「この世で10日10夜善いことをすれば、仏国土で千年善いことをしたことに勝る」という教え(『無量寿経』)を根拠にし、また阿弥陀如来の法恩に対する感謝のための法要で、後に後土御門天皇の勅命により鎌倉光明寺でも行われ、全国の浄土宗寺院に広まりました。 今夜から、鉦の講員が直径30センチ程の鉦を打ち阿弥陀仏を念じるお勤めが始まります。この鉦の音が聞こえてくると、いよいよ紅葉の季節、そして初冬に入るという気がします。 十 夜 鉦 障 子 灯 る を 待 ち か ね て 草間時彦
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