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         朝日差す正面参道/ 今日もまた春日   カーソルを乗せれば写真が変わります
 一気に春の盛りのような気温になって、昼間は暑いほどの日もありました。皆さんの服装を見ていても、まだダウンの人がおられるかと思ったら、ごく僅かながら半袖の人もおられます。
 昨日、境内で鴬の初鳴きを聞きました。土中のバクテリアが動いている臭いも、数日前からしています。
 昨日も比叡山延暦寺に行きましたが、まだ雪の塊が残っていたりするものの、暖房のないお堂の中にいても、寒さを感じないほどになりました。
 このまますんなりとあたたかくはなってはくれないと思いますが、来週には彼岸の入りを迎えます。季節はすっかり移り変わった気がします。
 境内の様子は、まだそれほどは変わっていませんが、咲く花の数が増え、新芽も一層膨らんできました。もうすぐ一気に動き出しそうです。




        春 服 や  若 し と 人 は い う け れ ど     清水基吉




    黄色く散らばる山茱萸の花/ 朝日に透ける馬酔木の花  カーソルを乗せれば写真が変わります
 山茱萸さんしゅゆの花に馬酔木の花と、境内に春を告げる花が勢揃いしました。
 山茱萸はもう3〜4日で満開で、ほぼ例年通りでしょう。少し離れたところからでも、山茱萸の辺りが黄色く見えています。‘春の印'です。ぜひ、本堂の裏側へ行ってみてください。
 馬酔木は、以前からお伝えしているとおり、ここ数年は枯れ込みが著しく、花が咲いている枝まで急に枯れてきたりしています。本堂脇の大株だけでなく、自坊の株も枝枯れなどしてきていますから、気候に原因があるのか、何かの害虫か菌などによるものなのかも知れません。本当に困ったことです。


         今日の「花の木」/ 朝日の中の桜ん坊の花 カーソルを乗せれば写真が変わります
 境内では、次々といろいろな花が咲き始めています。椿は、いろいろな種類や木が、この1週間で咲き始めました。植物はあたたかくなったのを‘肌'で感じているのでしょう。
 「花の木」の花芽が赤く目立つようになってきました。楓の仲間ですが、葉が出るよりも先に花を咲かせるので、この名前があります。境内には1929年に植えられた木曽福島産の花の木があり、それに倣って1982年に植えられたのがこの木です。花の木は境内に合計10本ほどありますが、この木が一番早く赤くなります。これからもっと赤くなっていくのが楽しみです。
 自坊の桜ん坊の花も満開で、もう散り始めそうです。目白がこの花を突きに来て、花を落としてしまいます。立派な桜ん坊がなるわけではありませんが、気が気ではありません。
 京都市の染井吉野の開花予想日は3月22日、満開は3月30日のようですから、境内で咲き始めるのはちょうどお彼岸のお中日頃でしょうか。今年も小学校の入学式には桜は散ってしまっているかも知れませんね。
 気温の振れ幅が大きいですから、どうか体調にお気を付けください。




     春 風 の  ど こ で も 死 ね る か ら だ で あ る く   種田山頭火