10/8版 




         酔芙蓉越しの塔/ 夏とは違う木立の色  カーソルを乗せれば写真が変わります
 小雨が降るかも知れないような曇り空です。
 10月に入ってからの気温の急降下には、本当に驚かされました。月初めには最高気温30度台が続きましたが、5日から気温は下がり始め、7日には17.4度と11月中旬並まで急降下。「涼しい」を通り越して「寒い」という言葉がピッタリ。その日はダウンがよく売れたそうです。今日は21度台くらいですが、やはり平年の10月下旬並みです。
 今日は3連休の初日。観光地は人出が多いでしょうね。真如堂は普段とあまり変わりません。もちろん、紅葉はまだまだです。いまは、所々にある桜の紅葉が進んでいたり、楓がもみじよりずっと早く色付いている程度です。
 長い間にわたってハラハラと少しずつ散る桜の葉っぱは、掃除をするものにはちょっと面倒な存在です。それが終わる頃には、もみじの紅葉シーズンがやってきそうです。




       好  き  な  道   桜  紅  葉  の  頃  な  れ  ば     稲畑汀子




        本堂前の藤袴/ 色付いてきた山茱萸の実  カーソルを乗せれば写真が変わります
 本堂の前に、藤袴の鉢植えが置かれるようになりました。昨日は隣寺の本堂の前でも見かけましたし、いろいろな社寺や施設にも置かれていることと思います。
 平安京に思いを馳せるにはピッタリの花だからでしょうか? 京都では、いろいろな団体が絶滅危惧種でもある藤袴の保全育成をしています。そして、育成したものを社寺に置いたり、商店街に並べたりして、ムードを盛り上げています。本堂前のこの鉢も、香木屋さんが育成しているもので、もう15年ほど前から毎年持って来てくださっています。
 藤袴が咲き始めたら、渡り蝶の浅黄斑蝶が飛来するのが楽しみですが、今年はまだ1頭も見ていません。浅黄斑蝶は標高の高い山地に多く生息し、秋から冬は南西諸島にまで渡っていきます。京都がその羽休めの一大拠点になると嬉しいですね。
 本堂の裏では、山茱萸サンシュユの実が赤く色付き始めました。葉っぱは病害か虫害かで綺麗ではありませんが、これからは葉も落ち、真っ赤な実が際立つようになって来るでしょう。その頃には、日に透かして見ると、宝石のようにきれいですよ!

         綺麗でも厄介な藪豆の花/ 琉球朝顔   カーソルを乗せれば写真が変わります
 可愛い花でしょう。見るからにマメ科の花ですが、「藪豆(ヤブマメ)」といいます。
 引いても引いても、あっという間に蔓延って、低木なら覆い尽くしてしまうほどの繁殖力なので、本当に難儀な植物です。花が咲いた後には実ができますが、地下でもこっそり実を作っています。地上を刈られても、地下は生き残るというしたたかな戦略です。つる性の雑草だけを枯らしてくれる薬があれば大助かりなのですが。
 本堂前の茶所の軒先に、今年は琉球朝顔が咲いています。以前は、西洋朝顔の「ヘブンリーブルー」を咲かせていましたが、土中のウイルスのために全滅し、5年ほどはもう植えても育たないと植物園の方に言われてしまったことがあります。
 職員の誰かが植えたのでしょうが、琉球朝顔なら大丈夫なようです。季節外れは否めませんが、彩りを添えてくれているのはうれしいことです。紅葉まで繋いでください!
 不順な気候に、体調を崩されませんようご自愛ください。




      想  ひ  ご  と   ふ  と  声  に  出  づ  藤  袴     永方裕子