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         芽を吹く木と吹かぬ木と / 桜から新緑へ カーソルを乗せれば写真が変わります
 3日の雨を境に気候がガラッと変わり、花冷えの日は終わりを告げて、安定した晴天が続くようになりました。気温も20度を超える日が今日で4日目。昨日は夏日手前でした。
 染井吉野ももう終わり。青い空に白い桜の花びらが一斉に舞う光景はなんとも美しい! もう半分は散り、これからは蕊降る季節になります。
 10日ほど前からもみじが芽吹き、合わせて小さく赤い蕾も付いています。もみじは個体差が大きく、ずいぶん若い葉が出ている木もあれば、まだほんの少しだけしか芽吹いていない木もあります。品種によっても差があるので、一気に新緑に変わっているわけではありませんが、季節の移ろいは十分に実感できます。
 先週の土日の京都市内は車や人が急増しましたが、桜も終わり、学校なども始まってきたので、人出も一段落しそうです。

     芽吹き揃わぬ梢の間より塔を望む / 一気に新緑の木 カーソルを乗せれば写真が変わります
 この時期のもみじの若葉は、まだ開き切らずに縮れていますし、花の赤い蕾が付いているので、すっきりした若葉色ではありません。
 見る時間によって、朝は青っぽく見えますし、夕方は赤っぽく見えるので、色が安定しません。また日々変わっていくそのスピードが速いので、いろいろな姿を楽しむことができます。
 桜の季節が終わって、芽吹きの季節を迎えると、何だかホッとします。桜の頃は世の中が浮かれた感じで、訪れる人のテンションも高目。カメラを持って忙しなく移動するする人も多く見かけます。それが、新緑へ変わる頃には落ち着き、静かな境内が戻ってきます。
 いよいよ美しい季節がやってくるなぁと、しみじみ思います。




       春  光  や  こ  ぼ  れ  て  は  づ  む  金  米  糖     龍野よし絵




       自坊の三ツ葉つつじ / 鮮やかな中国青花シャガ カーソルを乗せれば写真が変わります
 「春は黄色い花からやってくる」と言われます。境内の黄色い花、山茱萸はもう終わりました。続く連翹は少し盛りを過ぎ、次なる山吹はこれからが盛りです。
 早春から春にかけて黄色の花が多いのは、黄色が目立つ色だからだそうです。早春からいち早く活動を始めるアブやハエの仲間は、黄色い色に敏感とのこと。今日は熊ん蜂が盛んに飛び回っていました。
 自坊の庭の三ツ葉つつじが満開になりました。咲き始めたと思ったら、あっという間に満開でした。シャガもよく咲いてきましたが、庭に植えた「中国青花シャガ」も咲き始めてきました。普通のシャガよりもかなり目立ちますが、繁殖力はシャガには及ばない気がします。自坊に秘蔵してあります。
 さぁ、次に咲くのは何の花でしょう。春の盛りをお楽しみください。




       野  の  鳩  の   塔  掠  め  し  よ  風  光  る     五十崎朗