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       参道に正月二日の日の光    
 新しい年を迎えて、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
 各地から雪の話題が聞かれますが、お正月にお寺にお参りの方とのお話も、自然と雪の話題になっています。阪神方面からお越しの方は少し雪がちらついた程度ですが、京都市内でも岩倉や大原は5センチ、20センチと積もり、さらに北の滋賀県北部の方からは見る見る積もって車のドアが開けられないほどになったなどとお聞きしました。
 真如堂あたりでは大晦日に時おり吹雪くことがありましたが積もりはせず、元旦の朝も屋根の上や木々の葉っぱの上に2センチほど積もっただけで、地面は濡れているだけでした。数年前に三が日の毎日雪かきをしたことがありましたので、またそんなことになったらどうしようと案じていました。
 今朝は氷は張っていましたが、寒さに慣れたせいか、風もなかったので、それほど寒いとは思いませんでした。もちろん雪は影も形もありません。
 元旦からはたくさんの檀家の方が来られて、それぞれのお家のお墓にお参りになっておられました。元旦はずいぶん多かったですが、今日はその2/3ほど。元旦には何処其処へいって、2日はどうするという行動パターンを皆さんお持ちのようで、それをしないと何となく1年が始まらないという感じなのでしょう。
 今日はお天気もよく、絶好のお正月墓参日和でした。




       只 の 年  ま た く る そ れ で よ か り け り    星野麥丘人




       清浄なる木立       
 朝の光が境内を照らす頃になってからのほんのわずかな時間、お参りの方が来られる前に、写真を撮りに行きました。お天気がよく、気持ちのいい寒さでした。
 先日来、屋根の上だけにわずかな雪が積もっても、カメラを持った人が何人もお越しになっていましたが、雪景色らしいものは撮れなかったでしょう。雪がなければ、裸木が立ち並ぶ閑散とした境内で、フォトジェニックな場面はほとんどありません。
 それでも、朝の光に照らされた木々の姿は美しく、色彩に溢れる頃の光景とはまるで違ったものでした。
 元旦を「ゼロ」のスタート地点だとすれば、3ヶ月余もすれば新しい芽が吹き、次第に新緑の季節になって、やがて暑さ厳しき季節がやって来ます。葉の緑が次第にくすんできて、晩秋を迎える頃には紅く色付いて、それを愛でる人たちがたくさんやってきます。葉が落ちて冬を迎え、また振り出しに戻って新しい年がやってきます。そんな営みを、この境内の木々たちは何十回と繰り返してきています。私たちが生きているのは、その営みのほんの一部分の期間です。
 今年も人生の何十分の一の年が始まりました。決して二度と経験をすることの出来ない一瞬一瞬の積み重ねです。大事に過ごしたいですね。
 今年一年が皆さま方にとって幸多く健康に恵まれた年になりますように祈念申し上げ、今年最初の更新とさせていただきます。




       ゆ る や か に と ぶ 鳥 見 え て 二 日 か な     永田耕一郎