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少し秋色っぽくなってきた境内の木々の緑も陽の光を受けて美しく、散歩をするには絶好の日でした。 ただ、ここ数日は蚊が多く、これからの蚊は子孫を残すために必死で血を吸いに来るので厄介です。コロナにも蚊にも、気を抜けません。 京都の観光地では、人の数が宣言の解除前の先週と比べると少し増えたそうですが、真如堂の境内はさほど変わりがありませんでした。 突 抜 け る 青 が 好 き 青 十 月 の 北島輝郎 遠くから見ていると、その鉢植えの前でじっとカメラをかまえて動かない女性がおられました。「もしや!?」と近付いて見ると、浅黄斑(あさぎまだら)蝶が飛来していたのです! 「今年はダメかなぁ」と諦めていたので、まさか置いて数日で来てくれるとは思っていませんでした。 浅黄斑蝶は、言わずと知れた「渡り蝶」です。暑い時は高い山や北の方へ移動して、秋になると南へ移動してきます。その移動距離は1000キロ以上の場合もあり、中には和歌山県から放たれた蝶が83日後に約2500キロ離れた香港で捕獲されたという記録もあるそうです! 藤袴を目がけてやって来たのですが、藤袴はそれほど香りの強い花ではありません。なぜ藤袴があるのがわかるのか、いつも不思議に思います。浅黄斑蝶が交尾するためには、藤袴の花などに含まれている有毒成分のピロリジジンアルカロイドを摂取しなければいけないのです。だから、浅黄斑蝶も必死で藤袴を探すのでしょうねぇ。 今日来てくれたのは雄です。羽の後ろのほうの、胴体に近いところが少し黒くなっているのでしょう。これが雄の‘印'です。 不思議いっぱい、魅力いっぱいの浅黄斑蝶。また来て欲しいです。 彼岸花の花はよくご存知でしょうが、葉っぱはご存じない方も多いと思います。花がすっかり終わってから葉が出てくるのです。この写真のように、花軸がまだ残っているのは珍しいです。 韓国でも彼岸花の呼び方がいろいろあるようで、「相思華」もそのひとつです。花が終わってからしか葉が出てこないので、花と葉はお互い見ることもできません。花は葉を想い 葉は花を想う・・・想い合う相思華。「葉見ず花見ず」ともいいます。 彼岸花はこれから葉を広げて越冬し、春先には枯れてしまいます。その間にしっかりと光合成をするのでしょう。どうして秋から春の間にと思いますが、ひょっとしたら落葉期のほうが陽の光を受けやすいのかも知れません。職員さんには、決して刈らないように気をつけてもらいます。 皆さんもこの葉っぱを見つけたら、「相思華」という名を思い出して、しばしロマンチックな想いに浸ってみてください。 さて、秋本番。これまで通り、感染予防に気をつけながら、存分に秋を楽しみましょう! 曼 珠 沙 華 安 心 の 葉 の 出 で に け り 岡本 眸 | |||
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