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風に揉まれる若葉の間から差してくる日の光が地面で揺らぎ、心地よさをいっそう高めてくれていました。 好天を待ち構えていたのでしょうか、今日の境内は結構たくさんの人が行き来していました。特に観光というわけでもなさそうで、おそらくは近場の散策という感じでしょうか。 京都も緊急事態宣言が来月20日まで延長されることになりました。「緊張感がなくなっている」という指摘もありますが、ずっと緊張していては心身が保ちません。近場の散策ぐらいは許容範囲でしょう。 緑はまだまだ若い色です。好天の今日は、本当に新緑が綺麗でした。 若 葉 し て 光 は 光 影 は 影 今橋眞理子 紫陽花も、まだ額紫陽花が咲いているだけです。‘普通’の紫陽花の盛りは6月10日以降でしょう。 今日満開だったのは櫨の花。といっても、まったく目立たない花なので、開花に気が付いた人はほとんどおられないでしょう。 木の近くに行くと、佳い香りがして蜜蜂がブンブン飛び回っています。目視よりもこのサインが頼りです。 櫨は樹高7メートルほどになる木で、秋には真っ赤に紅葉します。その朱〜赤の紅葉は、もみじよりも綺麗なほどです。 紅葉した後は落葉し、春には新しい葉が出て、いま花が咲いています。新緑も紅葉も綺麗ですが、漆(うるし)の仲間なので、人によってはひどくかぶれます。 蜜蜂が集まってくるわけですから、蜂蜜が採れます! 櫨の蜂蜜は、黄金色でとても美しいく、爽やかな香りとしっかりとした甘さでとても食べやすいです。お店でも売っています。 また、実は秋には熟し、これを蒸して圧搾すると「木蝋」が採れます。和蝋燭の原料です。このように、いろいろと有用な木なのですよ。 吉祥院の門前の左右にそれぞれ植わっています。香りと羽音を頼りに探り当ててみてください。 引き続き、感染拡大防止に努めましょう! あとひと息です! 櫨 の 花 静 か に 風 を 納 め け り 井桁蒼水 | ||
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