5/16版 




        木の下闇を行く老夫婦 / 雨中の木々は美しい マウスを載せれば写真が変わります
 夜中から降り始めた雨が、時には強く、あるいはシトシトと降っています。止み間もあるので、「もうこれであがるかなぁ?」と雨雲レーダーを見ると、切れ目はあるものの、ずっと雨雲が続いています。
 昨日の午前に「九州北部と四国、中国地方で梅雨入りしたとみられる」という発表があったので、近畿ももうすぐかなぁと思っていたら、今朝11時に「近畿地方、東海地方が梅雨入りしたとみられる」と発表されました。近畿地方では1951年の統計開始以来最も早い梅雨入りだそうです。
 まだ5月半ばですよ。なんでも、偏西風と太平洋高気圧の位置が影響しているそうですが・・・。
 今日の境内は、まだ若緑のもみじの葉が雨の重みで枝ごと垂れ下がって、少し歩きにくくなっています。雨の降っていない時もありますが、木々から落ちてくる滴の襲来をいつ受けるかわからないので、傘はいつも差していたほうがいいくらいでした。
 月曜日以降の天気予報には、ずっと傘マークが付いていました。本当に梅雨入りしてしまったのですね。




      梅 雨 清 浄 葉 を ひ ろ げ ゐ る 樹 々 の 上 に    野澤節子




      ズラリと並んだ「僧兵」 / 赤白ピンクの箱根空木  マウスを載せれば写真が変わります
 山法師の花がきれいになってきました。初めは薄緑っぽい色だったのですが、ハッキリと白くなりました。
 手裏剣みたいな形をした白い花びらのようなものは「苞」で、真ん中にあるのは花の集まりの「花序」と呼ばれるものです。苞は見た目には白色ですが、人間には見えないけれど昆虫には見える「色」が付いているため、虫が集まってくるそうです。
 「ヤマボウシ」と片仮名で書いてしまうと意味がわかりませんが、漢字で「山法師」と書くと、どうでしょう?
  そうなんです! 「賀茂川の水、双六の賽、山法師、 是れぞ我が心にかなはぬ物なり」と白川院に言わしめた比叡山の僧兵。「山」は比叡山、「法師」は僧です。たとえば、弁慶が白い布を頭から被っている姿を想像なさってください。山法師の花に見えてきませんか?
 雨に濡れた山法師も趣きあります。
 このページには「うつぎ」の花がいろいろ登場しますが、今日は「箱根空木」です。谷空木の仲間ですが、花は大振りで、咲き始めは白ですが、咲き進むと紅色へと変化します。
 雨の中、山法師や箱根空木がひっそりと咲いているのはとても奥ゆかしいです。
 この頃は雨の降り方も尋常ではないことがありますから、どうかお気をつけくださいね。




       風  音  を  過  客  と  聴  け  り  山  法  師    鈴木鷹夫