12/25版 




           ほとんど葉を落とした境内のもみじ  マウスを載せれば写真が変わります
 朝起きたら、地面が少し濡れていました。夜中に時雨れたのでしょう。昼間も曇りがちで、時おり日が差すという空模様でした。最低気温は4.5度でしたが、10度ほどまでしか上がりませんでした。
 北西の風が強くて、最大瞬間風速は15m/sほどにもなりました。
 境内のもみじは「往生際」がよくなく、梢にはまだ少し枯葉がくっついたままになっています。陽の当たり方によっては、紅葉が残っているように見えることもありますが、ほとんどは茶色く枯れて乾いてしまっています。それがこの風で散ったり、どこからともなく落ち葉が舞い出てきたり、折角集めてあったものがちりぢりになったり。掃除をしていないような状態になってしまいました。
 今年はほぼ1年を通して全国的に気温の高い状態が続き、年平均気温は1898年の統計開始以降、最も高い値となる見込みだそうです。そういうことも「往生際」の悪さに関係があるのかも知れません。

     落ち切っていない木も / 一見、紅葉。後ろは大文字山 マウスを載せれば写真が変わります
 境内を訪れる人は、もうほとんどおられません。
 例年だと、これからお正月にかけては少し観光客の増える頃でしょうが、今年はコロナの感染者が急増して、それどころではありません。
 真如堂でも除夜の鐘が中止になります。屋外の行事とはいえ、「密」になったり大きな声を出したりする人もいるので、仕方ありません。年始にお参りに来られる方も、おそらくグッと少なくなるでしょう。初めて経験するような風景の年末年始になるかも知れません。
 落ち葉掃除が年内に終わらなくても、まぁ、いいかなぁ。それよりも、年末年始の雪が心配です。皆の出足を止めようという天の計らいかも知れません。




      ひ と り い る 時 は よ く 見 え 山 眠 る     鈴木六林男




          山茶花の花弁 / 枯れた藤袴     マウスを載せれば写真が変わります
 境内では水仙や椿が咲いていますが、目立つほどではありません。山茱萸の真っ赤な実も、少し萎びて光沢が鈍くなってきました。
 1ヶ月前は彩り溢れる紅葉の境内でしたが、モノトーンの境内へとどんどん変わってきました。
 これからは裸になった木の形を楽しんだり、木々の間を飛び交う小鳥たちの姿を追ったりする、誰にも邪魔されない静かな時間が流れる季節です。‘何もない’ことがまた楽しいですし、小さな‘発見’を他の季節以上に喜べる時です。
 一人、二人でそんな時間をお過ごしになってみてはいかがでしょう? きっと冬の魅力が心に染みてくると思いますよ。
 さぁ、のんびりと迎春準備をいたしましょう!




      山 茶 花 の 花 の こ ぼ れ に 掃 き と ど む     高浜虚子