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         朝の正面参道 / まだらに染まる本堂裏   マウスを載せれば写真が変わります
 紅葉も最終盤。土日でいうと明日・明後日が最後の見頃で、その次の週では確実に遅いでしょう。例年よりもずいぶん早く終わってしまいます。
 今朝、グルッと境内を回ってきましたが、「どこを撮ったらいいかなぁ」というくらいの状態でした。
 職員さんに「あまりいいところがないなぁ」と言ったら、「見慣れているからですよ」と言われました。なるほど。初めてご覧になる方には綺麗に見えるかも知れません。また、日の光を透かして見ると、同じ葉っぱでもまるで違うように見えますから、見方を工夫する必要もあるでしょうね。

     もみじと銀杏の敷き落ち葉 / 落ち葉に朝日差す   マウスを載せれば写真が変わります
 紅葉し始めは、「今年は早いけど、いいかも知れない」と思ったのが、どうしてこんなに‘失速’してしまったのでしょう。
 10日ほど前には最高気温が20度を超える日が続き、19日は26.9度という11月とは思えない気温を記録しました。その後も、最高・最低共に、平年よりも気温が高くなっています。また、11月に入ってからは、今のところ平年の半分しか雨が降ってなく、鉢物などの中には水やりが必要なものもあります。
 もみじの中には、葉っぱの色が紅ではなく黒っぽくなっているものや、縮れて枯れてきているものもあります。気温が高く少雨だったことが、それらの原因かも知れません。
 いずれにしても、それらは‘不可逆的’な変わりようで、いまから紅葉が綺麗になることは望めません。残念ながら、今年の紅葉はこんな状態で収束に向かっていくのだろうと思います。




     散  り  敷  け  る  紅  葉  に  風  の  声  残  る     狹川青史




      例年なら絶景のはずが・・・ / すっかり冬木立  マウスを載せれば写真が変わります
 境内の木々の中には、もうすっかり葉を落として冬木立のような姿を見せているものもあります。葉が落ちて、だんだんと向こうが見通せるようになってきました。今は紅葉もまだ少しは見られますし、冬のような景色も見られて、ちょっと奇妙な感じさえします。
 例年ですと、真如堂の拝観者が一番多いのは11月最後の土日です。今年は、コロナの影響も大きいでしょうし、紅葉が終わりかけだという情報も伝搬しているでしょうから、明日・明後日の人出は例年よりもずっと少なくなるでしょう。
 例年だと、12月に入ってからは本堂裏の散り紅葉が見所になりますが、今年はそれも「?」です。
 人が少なくなってから、わずかに残る紅葉を探して境内を散策されるのも面白いかも知れません。まして、コロナ感染の第3波の急襲が懸念される昨今、無理をして京都へお越しにならないことをお勧めします。くれぐれも感染防止に努めてください。




      遠  く  を  見  よ  遠  く  を  見  よ  と  冬  木  立     岡崎淳子