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          まだどんより曇り空の早朝の境内   マウスを載せれば写真が変わります
 朝早くに境内に写真を撮りに行った時、「あっ、色が変わった! 今日、梅雨明けするかも知れない」と思いました。今までのどんよりした色合いとは違って、曇っていても明るさを感じたのです。
 今日も傘マークが付く天気予報でしたが、予想は的中! 大阪管区気象台は「近畿地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。統計開始以来、3番目の遅さだそうです。今年の梅雨の間に降った雨は、平年の1.9倍(大阪)だったそうです。本当によく降りました。
 今日はまだスッキリとした夏空ではありませんが、明日からは炎暑の日々が待ち受けていそうです。


         よく茂った木々に盛夏の光差す     マウスを載せれば写真が変わります
 昨日も驟雨に見舞われた境内は、流れ出した小石や土を被った石畳など、雨の残した跡があちこちに見られ、長雨で少し苔生したところもある参道は、気をつけないとツルッと滑ってしまいます。
 蝉の声も、早朝や夕方には蜩が鳴いているかと思えば、昼間は熊蝉の声がうるさくなってきました。かと思うと、先日は蝉の時期の終わる頃に鳴き始めるつくつく法師の声も聞こえていました。蝉もかなり混乱しているのかも知れません。
 雨が多かったということは、それだけ陽の照る時間も短かったということで、ひょっとしたら平年の半分以下程度の日照時間しかなかったかも知れません。野菜の値段は、新型コロナで“家庭内食”が増えたことに加えて、長雨と日照不足によって、軒並み値上がりしているそうです。
 もちろん、境内の草木への影響も必至でしょう。長雨の後の炎暑の影響が、秋にかけてどのように出てくるでしょうか。




       梅 雨 明 け し な ら ん  木 々 照 り 草 そ よ ぎ     星野立子





        光を浴びる木槿 / ひっそり日陰の夏水仙   マウスを載せれば写真が変わります
 境内の花は、木槿だけになりました。木槿の花も少し元気がなかったように思いますが、花期も末になってから陽射しを受けて、鮮やかさが増してくるかも知れません。
 市街地の寺からは、酔芙蓉の開花などの話題も聞こえて来ますが、真如堂はまだです。街中よりも少し気温が低い分だけ遅れているのでしょう。
 鐘楼堂の斜面の、紫陽花や水仙の植わっているところに、薄いピンクの花が意表を突くように咲いています。通りがかりの人に、「あれは何という花ですか?」と何回か尋ねられました。「リコリス(夏水仙)」です。
 リコリスは種類も多く、彼岸花も同族ですが、園芸的には彼岸花は除外して「リコリス」というそうです。
 球根ですので、分球したものを植えるより他に増える方法はないのですが、どうしてここにポツンと数株が咲いているのか? たぶん、自坊の前庭から水仙の球根を移植した時に紛れて付いてきたのでしょう。ちょっと違和感がありますが、紫陽花も終わった後の点景として、意外性があって面白いかも知れません。
 コロナの感染がますます拡大してきました。厳しい暑さの中のマスク着用は、熱中症の誘因です。TPOに応じた感染予防策をしつつ、酷暑の夏を乗り切ってください。ご自愛ください。




       花  か  ざ  し   夏  水  仙  の  独  り  立  ち     沢木欣一