7/23版 




           人影のない正面参道 / 池中の弁天祠 マウスを載せれば写真が変わります
 痛いほどの日射しが照りつけ、最高気温が35、36度という日が3日続きました。このまま梅雨明けするのかと期待しましたが、昨日・今日はまた梅雨空が戻ってきて、曇天〜小雨。暑さは少し和らぎましたが、湿度が高いです。
 今日から4連休とか。何の祝日かよくわかりませんでしたが、「GoToトラベルキャンペーン」も昨日から始まりました。詳しいことが決まっていない施策なので、利用する人が「トラブル」に巻き込まれないよう祈りますが、コロナが再流行する中、安心して旅行を楽しめないでしょうし、京都の観光関連業者も「どうぞ、おこしやす」とは素直に言えないでしょう。
 境内は、4連休だからといって、特に人が増えたような感じもありません。例年、それほど人の多い時期でもありません。




       間  違  う  て  よ  い  風  の  来  る  大  暑  哉     尾崎紅葉





            盛りが続く木槿の花      マウスを載せれば写真が変わります
 境内に咲く花は木槿だけとなりました。
 木槿の花は、「槿花一朝の夢」などと、朝に開花して夕方には萎んでしまう「一日花」だとよく言われます。花が途切れることがないように見えるのは、次々と別の花が咲くためだと説明されることもあります。でも、観察してみると、決して一日花ではないことがわかります。
 これを確かめようと思って、つい3〜4日前に鉢植えの木槿を観察しました。開花前日には蕾がかなり膨らんで、翌日の朝には開花。夜に萎んだ様子はなく、次の日も1日目と変わらずパッと開いて、翌日の朝には萎んだ花が落ちていました。日当たりなどによっても違うのでしょうが、「一日花」という定説は正しくないことがわかります。
 白居易の「松樹千年終是朽 槿花一日自成栄(松の木は千年の齢を保つがいずれは朽ち、ムクゲの花は一日の命だがその生を大いに全うする)」という文句があります。源氏物語などに出てくる「槿」は今の朝顔のことだそうですから、両者を混同して解釈したのかも知れませんねぇ。


         葉っぱが邪魔する吉祥院の蓮の花     マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の門を入ったところでは、蓮の花がピークです。今日は白と赤の花が5輪咲きました。こんなに一度に咲いてしまっても後が続かないのですが止めるわけにもいかず・・・。
 今年の蓮は雨に打たれることが多く、完全な形で全うすることが出来ずに、少し可哀相です。
 暑い時でも凜として咲くこの花を見ると、本当に清浄な気持ちになります。もちろん、仏教とは切っても切れない植物ですが、そういうこととは関係なく、無条件に「ハッ」とさせられます。
 折角咲いているのですから、誰かに見に来て欲しいなぁ〜。自坊の蓮は、花が葉っぱから頭を出してくれないのが玉に瑕です。
 もう少し梅雨空でも我慢致しましょう。くれぐれもコロナにご注意ください。




      蓮 の 花  小 さ き 羽 音 を み ご も れ る     大串章