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          菩提樹下より望む本堂 / 本堂に迫る新緑 マウスを載せれば写真が変わります
 一日中曇天の空模様。最高気温も、ぎりぎり夏日に届きませんでした。夜7時頃から雨になりましたが、明日はほぼ一日中雨降りでしょう。
 若葉の季節、木々たちは雨をとてもは欲しがります。あの新しい葉っぱや茎は大半が水分でしょうから、それを維持するには大量の水が要るわけです。今の季節は、ちょっと油断をして鉢植えなどを萎れさしてしまうことさえあります。
 植物たちにとっては待ち望んだ雨ですが、緊急事態宣言が解除されたので明日は久々に出かけようと思っておられた方にとっては、出鼻をくじかれた形になったかも知れません。京都はまだ緊急事態宣言の渦中です。観光もスロースタートのほうがいいでしょう。


      参道に覆い被さる若緑 / 少し落ち着いてきた若緑  マウスを載せれば写真が変わります
 境内の新緑も、曇天ということもあって、ちょっと控えめでした。観光らしき人もまったく見かけませんでした。静かな境内に、上手に鳴く鴬の声が響き渡っていました。
 今日5月15日は、例年ならば京都三大祭りの一つ「葵祭」が行われる日ですが、今年は関係者で神事を営むだけで、平安時代行列は中止となりました。祇園祭の山鉾巡行も中止が決まっていたり、様々な行事やイベントが軒並み中止。いつもなら渋滞する観光地近くの道路もスイスイです。
 真如堂の境内は紅葉期以外は空いているので、それほど例年とは変わりませんが、本堂は閉堂状態で、書き置きした朱印だけをお分けしています。せっかくの新緑なのに・・・来年は多くの人に楽しんでいただきたいです。




       逢 ふ も よ し 逢 は ぬ も を か し 若 葉 雨     杉田久女





         吉祥院の大躑躅 / 梢に紅いもみじの種  マウスを載せれば写真が変わります
 自坊門前の大つつじの花が見頃となりました。
 どこかで聞いてこられたのか、少し目立っているせいか、時々人が来られて写真を撮ったりされています。先日も、「これは何本ですか? 樹齢はどれくらいですか?」と聞かれましたが、2本立ちということはわかりますが、樹齢は、80年くらい? 100年以上? わかりません。ボクが子供の頃、この木で遊んでいました。
 数年前の雪害で大きな枝が裂けたりして、ちょっと歯抜になっている部分がありますが、今年もそこそこ咲いてくれました。側にいると、甘い香りが漂ってきますよ。
 新しい葉が出てすぐにもみじの花が咲いていましたが、もう結実して、その実が赤くなってきました。すごいスピードですねぇ。この実の付き方にも個性があって、それを観察しているだけでも、マニアには結構楽しめます。
 今は季節の移ろいのスピードが速くて、1週間経てばいろいろなことが変わっています。そのスピードも次第に弛み、新緑の色もだんだんと落ち着いてきます。その頃には、京都の緊急事態宣言も解除になるでしょう。
 皆さん、お越しになる準備をぼちぼちお始めください。




       盛  り  な  る  花  曼  陀  羅  の  躑  躅  か  な     高浜虚子