4/25版 




       総門から見た新緑と本堂 / 若緑の間から塔を望む マウスを載せれば写真が変わります
 今朝の最低気温は4度で、寒いぐらい。暖房なしではいられませんでした。でも、快晴のお陰で最高気温は21度まで上がり、気温差の大きい一日でした。本当に暑くなってくるのは月末頃からのようです。
 境内の新緑は一層進みました。もみじの若葉は美しい新緑色で、桜も蕊がまだ少し残っているもの若緑色の葉を広げ、赤っぽい若葉の木もあるものの、境内全体がまとまった色合いにまとまって来ました。今日のような天気のいい日に散策すると、若葉の間からやわらかい木洩れ日が漏れてきて、本当に気持ちがいいです。
 春が来ると共に、鳥や虫の活動も一気に活発になってきました。蚊も、もう発生しています。
 樹下に駐めてある車のフロントガラスや屋根などには、もみじの花粕が降っきます。花粕は透明な蜜のようなものが接着剤のようになって、簡単には除去できません。この蜜はもみじの若葉に発生したアブラムシ(アリマキ)が出す排泄物で、それに誘われて蟻がやってきます。蟻はアブラムシの天敵となるテントウ虫などの昆虫からアブラムシを守るなど、お互い共生関係を築いています。


         木洩れ日の差す本堂裏の参道 / 緑の天蓋 マウスを載せれば写真が変わります
 今日から連休が始まったという方もおられるでしょうが、今年は時間を持て余す方も多いでしょうから、手放しには喜んでいられませんね。
 京都の観光地は先週にも増してガラガラ。寺社の多くは閉堂したり拝観を止めたりしていますし、ホテルも休業しているところがあります。飲食店はなおさらです。連休どころか、5月の葵祭の行列も7月の祇園祭の巡行も、中止が決まっています。そんな状態ですから、今年のゴールデンウィークには京都にお越しにならず、できるだけご自宅でお過ごしください。
 真如堂の境内は、普段よりも人が少し多いぐらいです。どこにも行けないけれど、真如堂なら3密になることはないだろうとお越しになるのでしょう。鴨川の河川敷なども人が多いですが、例年なら花で溢れている植物園も閉園中です。
 折角の好季なのに残念ですが、今は辛抱の時です。歩いて来られる方だけお越しください。真如堂の本堂も、今は中にはお入りいただけません。




        風 光 る  鳥 に な り た き 子 と 駈 け て     村田洋子





          見頃を迎えた藤 / 自坊の花水木    マウスを載せれば写真が変わります
 鐘楼の周りの八重咲きの桜「関山」もかなり散って、木の下がピンク色になってきました。1輪の花びらの数は25〜40枚ほどといいますから、全部散った時には何十万枚の花びらが降り積もることになり、それはそれは美しいです。
 本堂南側の藤も見頃となりました。花房の短い達磨藤なので、藤棚から花が垂れ下がりません。風情に欠けるので、数年前に別の品種を3株植えたのが、今年やっと2輪咲きました。早く大きくなって、見事な垂れ藤を見せて欲しいものです。
 街のあちこちで花水木の花が咲いていますが、10年ほど前に作った自坊の庭でも花が咲き始めました。ちょうど新緑が綺麗な頃に白く控えめに咲くので、和庭にも合います。
 これから夏ぬ向かって行くと、害虫がどんどん出てきますし、雑草も抜いたと思ったらすぐにまた伸びています。今年は時間がたっぷりあるので、庭作業に励むことができます。
 皆さんも自宅での過ごし方に工夫していただいて、どうにも飽きてきたら、近くの自然の中に身を置いて、新緑の景色を楽しんでみてください。
 くれぐれもご自愛ください。




        ゆ  く  春  の  う  し  ろ  姿  か  藤  の  花      可 南