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     塔まで見通せる季節 / 去年の名残を枝に残して   マウスを載せれば写真が変わります
 天気予報に傘マークの多い今日この頃。2月とは思えない温かい日が続いています。昨日の京都の最高気温は21.3度、最低が9.2度でした。
 今月に入ってからの様子を見てみると、最高気温が一番高かったのは昨日で、低かったのは6日の4.8度。最低気温が高かったのはやはり昨日の9.2度で、低かったのは10日の−1.1度でした。何という乱高下でしょう。境内の木々も、春だと思っていいのか、まだ寒い日がやってくるのかと迷っているのではないでしょうか。
 もとより今は観光も閑散期。「京の冬の旅」などのキャンペーンも行われていますが、新型ウイルスの影響で目に見えて人が減っています。「ゆっくり見られる」と喜んでおられる方もおられますが、関連業種の方は大変でしょう。
 真如堂は紅葉期以外は人も少なく、今の時期も例年通りほとんど人影がありません。ゆったりとした時間が流れています。




       日 脚 伸 ぶ い つ し か わ れ の 歩 も 伸 び て     和田 祥子





     白斑のない咲き初めの胡蝶侘助 / ひっそり咲く樒の花 マウスを載せれば写真が変わります
 境内で咲いているのは、盛りが続いている水仙、まだ走りの馬酔木、梅、椿などです。一番目立っているのは水仙で、近くを通ると甘い香りが漂ってきますが、メインの通路にはないので、気付かないまま帰って行かれる方のほうが多いかも知れません。
 椿はこれからが盛りですが、自坊の胡蝶侘助も2輪だけが咲いています。
 去年の暑さの影響で、今年は椿が不調だと仰る方もおられます。真如堂では、まだそこまではわかりません。これからが楽しみです。
 いま、樒の花が咲いています。樒の木自体が墓地の中に多いため、なかなか人目には付きません。また、かなり控えめな花なので、側を通っても気が付きにくいかも知れません。
 寺では祭壇の荘厳に樒の葉っぱを使うため、頻繁にこの木のところへ行きます。木によって、葉っぱの形が違っていたり花の時期がずれたりと、個体差があります。実生のものが多いからかも知れません。
 まだまだ寒い日もありますが、この先1ヶ月の気温はほぼ確実に平年より高くなりそうです。桜の時期に入洛する予定の方は、日程を決めるのが大変ですね。
 くれぐれもご自愛ください。




       村  人  の  見  ざ  る  樒  の  花  を  見  る      相生垣瓜人