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    青空と雨雲が交互に現る境内 / 節分のテントが立つ本堂前 マウスを載せれば写真が変わります
 例年だと、立春前の今の時期が一年中で一番寒い時期ですが、今年は異変が起きて、昨日まで連日3〜4月並の気温でした。いつも通りの服装をしていると暑くて汗を掻くほどでしたが、ようやく今日は平年並みに少し近付きました。
 この異様なあたたかさで、京野菜を作る人も伏見の醸造元も困っておられるとか。京都の冬は寒くないといけません。
 今日は、北風に乗った雨雲が次々とやってくるため、青空が出ていたかと思ったら、急に時雨たりの冬の京都らしいお天気。山々は時々雲に隠れ、顔を出した時にはうっすら白くなっている時もありました。境内でも一時雪が舞いましたが、気象台付近ではどうだったでしょう? ひょっとしたら、「初雪」になったかも知れません。
 しばらくこの季節らしからぬ雨の日が多かったですが、これからは冬晴のお天気が続きそうです。
 1月も今日で終わって、2月に入ればすぐに節分、そして立春です。「立春」、何とも麗しい響きですね。




      こ れ や こ の 冬 三 日 月 の 鋭 き ひ か り     久保田万太郎





     鐘楼を囲む水仙の群れ / 落ち葉のクッションで眠る猫 マウスを載せれば写真が変わります
 鐘楼の周りや自坊の前では水仙が満開で、時には強い香りに驚かされる時があります。
 雪が降ると水仙の花が折れてしまわないかと心配になるのですが、今年はまだ案じたことがありません。
 「こんなに繁殖力が強かっただろうか」と思うほど、水仙は‘増殖’しています。放っておけば、さらに増えていくでしょう。
 増えて目立つようになったからか、水仙を盗っていく人が増えました。「1本ぐらいいいだろう」と思われるのか、勝手に生えていると思っておられるのか、人目をはばからずに昼間堂々とレジ袋と鋏を持参して盗っていく人もあります。見つけたら注意して、盗った水仙を返してもらいますが、まるで平気な人もおられて、こっちが面食らいます。「花盗人は風流のうち」は罷り通りませんよ!


     気が付けばよく咲いていた紅梅 / ひっそり咲く有楽 マウスを載せれば写真が変わります
 春を待ちわびて、野山に咲く梅を探してまわる「探梅」という言葉があります。ところが、今年は気が付いたら自坊の門前で咲いていたという感じで、探す必要はありませんでした。
 いま、自坊の前では紅白それぞれの梅が咲いています。お正月の松竹梅の花に使うのに毎年蕾の付いた枝を切るので、次第に樹形が悪くなってしまい、枝振りは最悪です。
 椿の「有楽(太郎冠者)」もよく咲いてきました。本堂南側の土手の上と本坊の南庭にありますが、いずれもボクが植えたりしたものなので、思い入れが深いです。
 この季節に可愛いピンク色の花を咲かせてくれる有楽は、とても貴重です。そうこうしているうちに、藪椿も咲き出しました。本格的な椿の季節もそろそろ到来です。
 テレビは、コロナウイルスの話題で持ちきりです。インフルエンザもまだ流行期です。マスクをしようにももう売ってないそうですが、くれぐれも予防に励んでください。




     探  梅  と  な  く  わ  が  庭  の  梅  に  会  ふ     後藤比奈夫