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      もみじ葉の覆い被さる正面参道 / 三重塔脇の小径  マウスを載せれば写真が変わります
 早朝より雨が降り始め、次第に強くなりました。前線や低気圧に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響だそうで、近畿地方でも局地的に非常に激しい雨となったようです。
 京都でも、時折雨脚が強まりましたが、昼頃には小雨が降ったり止んだりになりました。雨雲は紀伊半島のほうを抜けて、東に向かったようです。
 「今日、梅雨入りだなぁ」と思っていましたが、「梅雨入りしたとみられる」と発表されたのは、東海、関東甲信、北陸、東北南部だけ。西日本や東北北部も梅雨前線が本州の南に停滞して曇天の日が多い予想ですが、前線からは距離があって晴れる日もそこそこあるだろうとのことで、梅雨入りは見送られたそうです。普通は西から梅雨入りするのに、何だか奇妙ですね。
 薄暗い中に雨粒がたっぷり乗っかった木々の枝が参道に垂れて、傘が触れないように歩くのに気を遣いました




      下  闇  の  人  と  な  り  つ  つ  遠  ざ  か  る    三浦つき子





      菩提樹の花に‘群がる' / 花と蕾。まだ3〜4分咲  マウスを載せれば写真が変わります
 菩提樹の花が見頃となりました。
 今年は開花が少し遅くて、6月3日でした。今日はまだ満開ではありませんが、蕾もあり、開花しているのもありで、もう見頃といってもいいでしょう。
 開花のことを聞きつけたのか、毎年お越しになるファンなのか、菩提樹の回りにはこんなお天気にもかかわらず、いつも人の姿がありました。今日は花が濡れていて、香りはあまりしませんでしたが、天気が回復する来週にはきっと境内のどこにいてもわかるほどの香りが立ち、蜜蜂などもやってくるでしょう。すぐに、結実しているのも見られるでしょう。
 菩提樹と対に植わっている紗羅(夏椿)も、木の天辺あたりに花を付けていたと聞きましたが、今日は見つけることが出来ませんでした。例年は菩提樹よりも少し遅れて咲くので、今月半ば頃からが見頃でしょう。


             本堂裏の紫陽花園      マウスを載せれば写真が変わります
 今日の雨を境内で一番喜んでいるのは、紫陽花かも知れません。水切れでぐったりなっていましたが、お陰で生気を取り戻しました。
 しばらくは、紫陽花園にも人影が絶えることがないでしょう。植物は、やっぱり手を掛け、愛情を掛けないとダメですねぇ。つくづくそう思いました。  ただ、今年の紫陽花は絶不調で、花の数もずいぶん少ないです。いろいろな事情でボクが手入れしないので、職員さんが草引きなどをしてくれていますが、勘所がわかっていないので花付きも悪いのでしょう。植物は、やっぱり手を掛け、愛情を掛けないとダメですねぇ。つくづくそう思いました。
 そのうち、自坊の前の紫陽花が立派に育ってくるでしょう。6月の真如堂は、菩提樹と紫陽花を見に来られる人で賑わってくれるといいですねぇ。


      ひっそりと咲く南天の花 / 控え目な山法師の花   マウスを載せれば写真が変わります
 この時期の花は、白くてあまり目立たないものが多い気がします。
 1週間以上前から南天の花が盛りです。南天の花には蜜が多いのか、熊ん蜂が頻繁にやって来ます。「ブ〜ン」という大きい羽音がするので探してみると、南天のまわりを飛んでいたりします。
 雨の多い時期に咲くので、受粉し難いのではと案じてか、傘を差し掛けてあることがあります。そんなことをしなくても、この時期に咲くからには雨対策は万全なのでしょう。しばらくすると、たくさん結実しているのを見ます。自然の営みは人知を超えていますね。
 山法師の花(総苞片)の色も薄黄緑から真っ白に変わり、よく目立つようになってきました。花水木と比べるとずいぶん地味ですが、和庭にはちょうどいいくらいの‘自己主張'ぶりです。
 雨が多い季節ですが、その季節ならではの花が咲き、それを見てはまた季節の移ろいを感じます。雨の季節を存分に楽しみましょう!




      南  天  の  花  の  ひ  そ  か  に  盛  り  な  り    藤松遊子