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         人影の見える本堂前 / 新緑に包まれる鐘楼 マウスを載せれば写真が変わります
 1週間ほど前は30度を超える日が3日ほど続きましたが、今日の最高気温は23度。1日の気温差があまりない日でした。
 午前中はほんの少し雨が降り、その後もずっとどんよりしたお天気。何だか梅雨の予行演習のような日でした。
 土曜ですが、行事や特別公開などもありません。それなのに、今日は意外と境内に人の往来がありました。ほとんどは観光目的の人のようです。どうしてなのでしょう?
 今日はどんよりしているので新緑の色もパッとしませんが、晴れた日には爽やかな緑が何とも美しいです。「こんなに新緑が綺麗だとは思ってもいなかった」という声を、何人もの人から聞きました。そうなんですよぉ、新緑最高!
 ただ、蚊や虫が一気に出てきました。じっと立っているだけで、人の涙の成分などを狙ったクロメマトイ(ヒゲブトコバエ)が、鬱陶しいほど集まって来ます。
 備えなしで新緑を楽しめる季節はそろそろ終わり。虫除けなどを持参してお楽しみください。




      蕗 刈 る や 山 雨 の は じ め 葉 を 鳴 ら す     安藤五百枝





       大山蓮華の花 / 早くも咲き出した「濃紫」   マウスを載せれば写真が変わります
 つつじもそろそろ終わり、次は皐月の番ですが、境内には皐月は多くありません。一時と比べると、咲いている花の数はうんと減りました。
 自坊でいま咲いている珍しい花は大山蓮華。門の右側の土塀の上から、ひょこっと顔を出すように咲いています。
 大山蓮華は「森の貴婦人」とも呼ばれ、山地の林の中に生息している木で、真っ白い花は直径10センチ近くあります。泰山木の花に似ています。蕾は真っ白く楕円形の卵のような形をしていて、何とも美しいです。
 残念ながら、この木はずいぶん弱っていて、今年の花は諦めていました。最後の力を振り絞ったのか、再生してくれるのか、いま1輪が咲き、蕾が2つあります。お近くの方はぜひご覧ください。
 門の中では、早咲きの山紫陽花「濃紫」が咲き始めました。毎年、紫陽花の開花一番乗りの品種で、その名の通り、趣のある濃い紫色をしています。
 母の日のプレゼント用にたくさんの紫陽花が販売されていましたが、どれも派手なハイドランジアばかりで、こんな奥ゆかしいものは売っていません。
 露地の、普通の紫陽花はまだまだ蕾ですので、見に来ていただくには早過ぎますが、よーく探すと、大山蓮華や濃紫のような花と、ひょこり出会うことが出来るかも知れませんよ。




      う  つ  む  き  て  大  山  蓮  華  香  り  け  り     久本澄子