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              朝の光さす境内     マウスを載せれば写真が変わります
 先週の金土日曜日はお天気もよく、桜もちょうど満開で、絶好のお花見日和でしたが、その後は風が吹いたり雨が降ったり、また寒さがぶり返したりの毎日でした。今日も、気温的にはそれほど寒くはないはずなのですが、外でゆっくりお花見をするというほどは温かくありません。
 染井吉野はもう花弁の半分ほどが散ってしまったでしょうか。遠目にはまだ花が咲いているように見えますが、近寄って見るとずいぶん蕊が目立ちます。風が吹くと、ワァーッと花吹雪が舞い散って綺麗ですし、地面は花びらのドット模様で目がおかしくなりそうです。
 週末にお花見に行かれるのなら、染井吉野の名所よりも紅枝垂れ桜などを目指して行かれたほうがいいかも知れませんね。花見客も先週よりは少ないでしょうから、少しはゆったり見られるかも知れません。


             桜から新緑へ       マウスを載せれば写真が変わります
 境内は桜から新緑へと移りつつあります。梢に残っている桜の花弁と萌芽して広がり始めたもみじの若葉、そしてもみじの梢に咲く赤く小さな花。そんな様々な色がない交ぜになっているのが今の境内です。
 もみじの若葉も種類によっては少し赤みがかっていたりして一様ではないので、境内全体としては、桜が咲いている時のように単純な色合いではなく、とても複雑な色を見せてくれています。
 ボクは染井吉野はあまり好きではないので、「桜が終わって新緑の季節になって来た!」と、この季節が到来したのがうれしくて仕方がありません。今の季節は、毎日景色が変わります。朝と夕方でも違いますし、天気によっても変わります。境内はいろいろな発見に満ちあふれています。
 桜の季節が終わると、境内を訪れる人も少なくなって、静かに新緑を満喫できます。真如堂の真骨頂はこれからですよ!




      声 よ く ば 謡 は う も の を 桜 散 る        松尾芭蕉





         吉祥院前のレンゲ / 咲いてきたシャガ  マウスを載せれば写真が変わります
 境内にお越しになったら、桜以外の花々にも目を留めて欲しいものです。椿、山吹、連翹、馬酔木なども見頃です。
 自坊の前では、レンゲの花が見頃になって来ました。ここ数日は気温が上がらなかったので、開花も足踏み状態でしたが、これから一気に満開になるでしょう。
 今ではレンゲの咲く田園風景も見られなくなりましたが、毎年10月に種蒔きをしたものが、翌年の春にこうして花を咲かせます。残念ながら種は外国製。それを知ってしまうと、ちょっと興ざめでしょうか?
 シャガの花も咲き始めました。シャガは強健で繁殖力も旺盛なので、放っておくとあっという間に一面シャガ畑になって、他の植物を圧倒してしまいます。ですから、毎年株ごと抜いては減らさなければなりません。咲くと綺麗なのですが・・・。
 白山吹も咲き出すでしょう。早咲きのつつじも咲き出しました。鐘楼周りの八重桜もそのうち咲き出すでしょう。しばらくは、いろいろな花を楽しめる境内です。




     暮 れ か か る 雲 の 端 に 見 し 春 の 色       潁原退蔵