11/11版
1週間ほど前から、境内の人の数が急に増えてきました。ここ数日はお天気もよくて、あたたかいので、散策するにはもってこいでした。 今朝もまだ薄暗いうちからカメラを持った人が、境内をウロウロ。日も差してこないのに、何を撮るおつもりなのでしょう? 9時頃になったら、あっちもこっちも一眼レフを持った人だらけでした。これから、ますますこういう状態がエスカレートしていきます。
ただ、今までお伝えしてきたように、台風21号でかなりたくさんの枝が折れました。まだ、木に引っ掛かったままの枯れ枝もあります。三重塔は足場は組んだものの、資材が不足していたりして修理に取りかかれず、立ち入りを規制するコーンが塔を取り囲んでいるので、景観はよくありません。 京阪神にお住まいの方ならその状況が理解できるでしょうが、関東からお越しの方などは「どうしてサッサと修理しないんだ」と思われるでしょうねぇ。京都も、それほど大きな被害を蒙ったのですよ。 あ た た か く 靄 の こ め た る 紅 葉 か な 深川正一郎
お十夜は、今から550年ほど前、伊勢守平貞国が真如堂で修したのが始まりとされています。その後、鎌倉光明寺の観誉祐崇上人が後土御門天皇に招かれ、宮中で『阿弥陀経』の講義をして真如堂の僧といっしょに引声念仏を修しました。以後は光明寺でも法要を行うようになって、全国の浄土宗のお寺に広がりましたが、天台宗で行っているお寺は数少ないでしょう。 お経の中には、「十日十夜、善行を積めば、他の仏を千年拝むより効果がある」とか、「もし南無阿弥陀仏の名号を十日十夜にわたって念仏三昧に精進すれば、阿弥陀様を見ることが出来るであろう。また、必ず安楽国に往生出来るであろう」と書かれています。 お十夜は、阿弥陀さまの法恩に感謝すると共に、十日十夜の間、念仏の修行をすることによって極楽浄土に往生することを願う行事です。 5日に御本尊の扉を開ける法要をして、10日間の法要が始まります。14日までは「鉦講」と呼ばれる信者の方々が、節の付いた鉦を叩いてお勤めをします。15日は2時から、御詠歌、稚児、僧衆が境内を練り歩く「結願大法要」。5時からは扉を閉める法要が執り行われます。 お十夜が終わる頃からは、境内の紅葉も最盛期に入ります。さぁ、綺麗な紅葉になってくれますように・・・。 自坊では「かふぇ水琴窟」が復活します。11/18から10日間、12時〜16時の短い開店ですが、紅葉を見に来られた折には、美味しい珈琲・紅茶で一服なさってください。 連 打 し て 十 夜 の 鉦 を 打 ち 納 む 三島晩蝉 |