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朝早くに墓地へ行くと、息が白く見えました。最初は線香の煙かと思いましたが、確かに吐息。墓地では9度を下回っていたでしょう。 人の動きを見ていると、いよいよ秋の紅葉シーズンが始まった気がします。境内にも急に人が増えました。明日・明後日は連休。紅葉には早いですが、混雑を避けて早目に旅行をする人も多いのかも知れません。 さて、その紅葉ですが、境内は結構色付いてきて、今は桜の紅葉が綺麗です。例年よりもちょっと早い気もしますが、去年のこの頁を見ると、そうでもないようです。気象会社の紅葉予測を見ても、「紅葉の見ごろは、平年並か遅い所が多いでしょう」とのこと。まぁ、こんなものでしょうか。
真如堂でも倒木の処理は終わりましたが、切り株はそのままで、赤土がむき出しになっています。引きちぎられるように枝が折れた部分も、きれいに切り口を整えてやらなければなりませんが、そのまま。植木屋さんもまだまだ手一杯で、なかなか手が回りません。今年は、このまま紅葉期を迎えます。 例年通りの綺麗な紅葉という予想が多いですが、ボクは台風で揉まれた影響が出てしまって、あまりよくないように思います。 綺麗に色付いてくれるといいですね。見頃はまだもう少し先です。 よ い 物 の 果 て も さ く ら の 紅 葉 か な 村井屋塵生
お茶の木の花はたくさん咲いていますが、気が付く人はあまりおられないでしょうね。 自坊では、野路菊と菊渓菊がわずかに咲いています。 野路菊は兵庫県の県花で、播磨地方では野生菊の代表といえます。この株も、姫路の「大塩のじぎく保存園」で分けていただいたもので、気を付けて歩いていただくと、境内のあちらこちらで見られます。 菊渓菊は、高台寺の山手の菊渓に由来するものです。その谷からは流れ出た菊渓川は、山を下って建仁寺を抜け、鴨川に注いでいたそうですが、今はほとんどが暗渠になっています。菊渓川と水脈を同じくする「菊水の井」という名水があり、近くにある料亭「菊乃井」の屋号の由来ともなっています。 その菊渓に自生していた菊は絶滅してしまいましたが、現在、復活させる取り組みが行われています。 自坊のこの株も、「珍しい花があります」と頂いたもので、挿し木をしてだんだん増えてきました。野路菊も菊渓菊も、風に吹かれて揺れています。何とも素朴で、野趣があっていいものです。 5日からは「お十夜(十日十夜別事念仏会)」が始まります。7日は立冬です。 野 路 の 秋 我 が 後 ろ よ り 人 や 来 る 与謝蕪村 |