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             数日ぶりに晴れ渡った境内    マウスを載せれば写真が変わります
 ようやくカラッと晴れてくれました。
 18日のお彼岸の入りの日は曇り時々晴れでしたが、19日からはずっと雨模様。お中日の21日もよく降り、風も強くなって、あいにくの荒天でした。
 今日お参りの方の中には、「やっと晴れてくれたので、お参りに伺えました」というご年配もおられました。
 今頃の雨を「催花雨」と呼んだり「菜種梅雨」と言ったりしますが、「催花雨」とはなんて素敵な言葉でしょう。「春に花の咲くのを促すように降る雨」というその意味通り、桜の開花便りもあちらこちらから聞かれる頃となってきました。
 今日は晴れて穏やかな陽気ですが、朝晩はまだ結構冷えています。でも、明日からは気温も上がっていきそうです。いよいよ春爛漫の季節到来です。




    輪 を 描 い て  つ き ゆ く 杖 や  彼 岸 婆 々      河野静雲






        三重塔脇の枝垂れ桜はそろそろ見頃     マウスを載せれば写真が変わります
 染井吉野に先立って、三重塔脇の枝垂れ桜が20日頃から咲き始めました。まだ3日目ですが、もう結構咲いています。
 蕾のうちは紅い色をしていて、開くにつれてだんだん色が薄くなっていきます。色を見るなら今のうち、豪華さを味わうならもう数日先といったところでしょうか。
 この枝垂れ桜は「江戸彼岸」系で、本堂脇の「縦皮桜」も同系統です。江戸彼岸は山桜と共に桜の中でも非常に長寿種で、全国の名だたる桜の多くはこの系統です。
 10年ほど前はずいぶん弱っていましたが、施肥や土壌改良によって元気を取り戻してきました。これから長きにわたって、毎年花を咲かせ続けてほしいものです。
 写真を撮るなら、朝か夕方。光が斜めから差している時の方が趣があるように思います。


        染井吉野は明後日開花かなぁ? / もみじ萌ゆ マウスを載せれば写真が変わります
 京都の気象台は、22日に染井吉野の開花宣言をしました。平年より6日早く、過去5番目の早さです。京都の桜の標本木は二条城の中にありますが、町の中心部なので、気温は山裾にある多くの観光地よりも高い目です。ですから、「開花宣言したと聞いたけど、ぜんぜん咲いてないじゃない」と思われる方もおられるでしょう。
 真如堂でも、染井吉野はまだ咲いていません。総門の前に早く咲く桜がありますが、染井吉野とは種類が違います。ボクが勝手に決めた境内の標本木は、本堂前の白砂に枝を伸ばしている桜ですが、まだ1輪も咲いてなく、明日咲くような気配でもなさそうです。‘開花宣言’は25日でしょうか?
 気の早いもみじは、もう芽を吹き若葉を広げ始め、同時に紅い花芽も伸ばしています。
 一気に春がやって来てしまいそうです。もう少しゆっくりでいいのに・・・。




     さ  ま  ざ  ま  の  こ  と  思  ひ  出  す  桜  か  な      松尾芭蕉