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            浅き春の光さす境内      マウスを載せれば写真が変わります
 厳しい冷え込みが続いていますが、今日は寒さも小休止。最低気温はマイナス3度ほどでしたが、あたたかそうな日差しが降り注いで、気温も8度ほどまであがりました。
 ニュースでは大雪による福井の交通障害がようやく解消されてきたと伝えていますが、雪に慣れている方々でも処し方がないほどの出来事だったのでしょう。
 明日は気温が上がって雨。そしてまた大寒波がやってくるというのですから、まったく気が抜けません。
 境内も冷え込んではいますが、積雪はありません。今のところ、今季は2回、白くなっただけです。雪景色の写真を撮るのを楽しみにされている方には申し訳ありませんが、雪はもう真っ平ゴメンです。でも、あと1回ぐらいは積もるでしょうねぇ・・・。




       門  を  出  る  人  春  光  の  包  み  去  る     高浜虚子





      無縁仏の水鉢 / 朝の光に照らされる苔   マウスを載せれば写真が変わります
 マイナス3度などという日が数日あって、いったん張った氷も溶ける暇がありません。
 朝のうちにお墓に花を供えようと思っても、花筒がすっかり凍っていて、花を挿すことができません。無縁仏の水鉢には、分厚い氷が張って中央が盛り上がり、そこに亀裂が入って‘ミニ御神渡’状態になっていました。水をお供えすることもままなりません。今の季節、お墓参りは午後からに限りますね。
 立春を過ぎて少し太陽も高くなり、1日が長くなったことを実感できるようになってきました。気のせいか、陽の光の色も変わって来たように思えます。
 境内の‘色’も、ほんの気持ち春めいてきたでしょうか。苔は霜柱に傷めつけられていますが、ほんの少しだけ緑が鮮やかになったようにも感じられます。すべては春を待つ心のなす技かも知れません。





       ぽつんと藪椿 / 浅春の風に揺れるもみじの種  マウスを載せれば写真が変わります
 前回お知らせしたように、馬酔木の花が咲き始めました。「山茱萸はまだだろうなぁ」と思って見に行きましたが、開花の兆しすらありませんでした。あと1ヶ月は掛かるでしょうから、無理もありません。
 水仙はよく咲いています。今のところ、雪に倒されることもなく、すくっと立って、美しい花を咲かせてくれています。
 椿は、昨秋から咲いている種類もありますし、藪椿なども咲き始めました。これから春の盛りにかけて、さらにいろいろな椿が咲いてくるのが楽しみです。
 先日、少し雪が積もった時、地面には薄褐色の小さな欠片がいっぱい落ちていました。もみじの種です。その年の気候によって、あるいは木によって、いっぱい種が付くこともあれば、まったく付いていないこともあります。今年は全体的に見るとさほどたくさん種が出来ているわけではありませんが、葉っぱがない枝先に小さな欠片がいっぱい付いて、そこに陽が当たったりすると、結構目立ちます。
 あたたかくなると、落ちた無数の種のうちの極々わずかなものが発芽します。もみじの‘赤ちゃん’の誕生です。ほとんどはすぐに枯れてしまいますが、稀に少し大きくなったものを掘り起こして植木鉢に植え、もみじの‘代替わり’に備えています。寄せ植えにしてもいいでしょうねぇ。
 さぁ、草木が動き出す前に、いろいろな作業に取り掛かろうっと!




      春 立 つ や  こ ん ぺ い と う の 紅 が 好 き     赤坂恒子