2/4版 




    テントの残る朝早い本堂前 / 朝の光に白む銀杏の木肌   マウスを載せれば写真が変わります
 今日は立春! 少し冷え込んで氷も張り、最高気温は5度止まりでしたが、心なしか陽射しも明るく、その名にふさわしい日和となりました。
 一昨日と昨日には節分の行事があって、般若心経がスピーカーから途絶えることなく聞こえて、境内は賑やかでした。また、すぐ近くの吉田神社の節分祭に行く人が境内を通り抜けていったりして、人も車もずいぶん多かったです。
 でも、今日は人影はまばら。本堂の前には、節分のために張られたテントや鬼を描いた看板がそのまま立っていて、それが余計に寂しさを感じさせていました。
 気温の統計を見ると、最低気温は1月27日から2月2日までが一番低く、節分の日から少しずつ上がり始めます。もちろん、その年によってずいぶん違いますし、今日からまた猛烈な寒気が襲来して厳しく冷え込んでくるそうです。
 でも、「あー、これから少しずつ春がやってくるなぁ」と実感できるような、あたたかい陽射しの1日でした。



     春  立  つ  と  影  が  勝  手  に  動  き  出  す     萩山栄一





    わずかに咲き始めた馬酔木の花 / 赤く伸びる苔の剳ソ  マウスを載せれば写真が変わります
 今の時期に季節の移ろいを一番感じさせてくれる花、その一つは馬酔木です。「今年はもう咲き始めたかなぁ」と期待しつつ本堂の北側に行ってみると、少し咲き始めていました!
 20本ほどある馬酔木の木の、どの木のどの枝が一番早く開花するかは、だいたい決まっています。狙いは的中しました!
 馬酔木が咲き始めていることに気が付いている人はほとんどいないでしょう。季節の小さな動きを独り占めしたようで、小躍りしたいような気分になりました。
 苔にも変化が見え始めました。朝の光が斜めに差している苔から、赤くごく細いもやしのヒゲのようなものが無数に出ているのに気付きました。腹ばいになってよく見てみると、その先に緑色の小さな小さな葉っぱのようなものが着いているものもありました。‘凵fという胞子嚢がこれから成長していくようです。これも、毎年見る春の兆しに違いありません。
 陽が当たると、とても綺麗です。じっと見ていたかったのですが、苔の上で腹ばいになっているのを誰かに見られたら大変ですし、胸やお腹が冷えてきたので、立ち上がりました。
 他にもきっといろいろな草木が動き始めているでしょう。境内を散策するのが楽しみです!




    来 し 方 や 馬 酔 木 咲 く 野 の 日 の ひ か り     水原秋桜子