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     曇天の静まりかえった境内 / 裸木の間を突き抜ける塔 マウスを載せれば写真が変わります
 厳寒から一転して、浅春を思わせる気候が続いています。昨日は最高気温が15度近くまで上がりましたし、一昨日の最低気温は8度と、寒さが厳しかった頃の最高気温よりもさらに高かったです。来週に掛けて、また寒くなっていくようですが、今日はそれほど寒くありません。
 寒い時には寒くないと困る方も多いですが、正直なところ、この温さは助かりますねぇ。
 朝のうちは曇っていましたが、午後から一転して青空が広がりました。冬のあたたかい陽射しは何よりの‘ご馳走’です。景色も、まるで違って見えてきます。
 境内にはほとんど人影が見られません。動いているのは、土塀を直している瓦屋さん、ユニックで石灯籠を釣り上げている石屋さん、木の幹に寄生した苔を取る職員さん・・・それぐらい。静かな静かな境内でした。
 残念ながら、この写真を撮った時は、まだ曇っていました。



    大  寒  の  木  々  に  う  ご  か  ぬ  月  日  あ  り      桂 信子





      陽の光に透ける蝋梅の花 / きらり竜の玉   マウスを載せれば写真が変わります
 お昼を過ぎて、蝋梅の写真を撮り直そうと外へ出たら、すっかり青空でした。
 蝋梅の花は、陽が当たると透けて綺麗ですねぇ。それにあの香り! 花よりも香りのほうが、人を惹きつけるのではないでしょうか?
 「陽が差しているのなら、あれも撮り直さなきゃ!」と、竜の玉のところへ! 思った通り、陽が当たって、玉がキラキラしていました!
 少し前から、南天や千両、そしてこの竜の玉が、地面に散らばり始めました。鳥たちが、実を啄み始めたのです。蹲踞の中にも、実が浸かっています。実を水で洗おうとしているのでしょうか? 立春を過ぎた頃に蹲踞の中を覗くと、皮が剥げて白くなった実の残骸がたくさん出てきます。
 木々が葉を落とす冬は、鳥の観察にはもってこいですが、先日の厳寒の時には蹲踞が凍ってしまって、鳥も水を飲むのに苦労していました。
 明日は大寒。寒さはこれからが本番です。厳寒期らしい出来事に出会えるのが楽しみですね。



    蝋  梅  を  透  け  し  日  射  し  の  行  方  な  し      後藤比奈夫