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       晴れ渡る冬至の境内 / クネクネと百日紅の幹  マウスを載せれば写真が変わります
 ここ5〜6日は、氷の張る日が続いています。18日には、自坊の温度計が−1.4度を表示しました。紅葉が終わった途端に、いきなり厳しい冷え込みです。
 境内はすっかり静かになり、いつもの真如堂らしくなっています。紅葉の頃の‘お祭り騒ぎ’がまるで嘘のようです。
 今日はお天気も良く、葉を落とした冬木立が光を受けて綺麗に輝いて見えます。
 裸になった木々は、その‘性’が顕わになっています。真っ直ぐ延びる木、何のためなのかクネクネと枝を伸ばす木、老木と若木の差も見て取れます。紅葉で‘お化粧’している時には、見抜くのが難しい‘性’です。


      苔に冬日差す本堂脇 / 散りそびれたもみじ葉  マウスを載せれば写真が変わります
 境内の落ち葉掃除も、ほぼ終わりました。地面や苔の緑も見えて、境内の様子がずいぶん変わりました。
 せっかく掃除が終わりかけたのに、見上げると、まだたくさんの葉っぱが付いたままの木がところどころにあります。「あの葉っぱが落ちたら、また掃除をしなければいけないなぁ・・・一度には済まないなぁ」と、ちょっと気落ちします。
 茶色く枯れた葉っぱがいっぱい付いたままの木もあれば、すっかりきれいに落ち尽くした木もあります。この差は何なのでしょう?
 毎年決まってそうなる木だというわけでもありません。今年特別の事情があったのでしょうか? 年によっては、たくさんの種が付いたままという年もあります。
 人間だって、年々歳を取りますし、その時々によって体調も違います。木にもいろいろな‘事情’があるのでしょうね。



     ほ  ろ  ほ  ろ  と  石  に  日  の  射  す  冬  至  か  な     有働 亨





      小さく美しい十月桜 / 黄色くまん丸い蝋梅の蕾  マウスを載せれば写真が変わります
 この寒空の中、「十月桜」がよく咲いています。その名の通り、10月頃から3月頃まで咲いて、また4月頃にはそれまでよりも大きな花を咲かせます。細い枝から次々と花が湧いてくるという感じです。
 ところが、今年の10月頃はほとんど咲きませんでした。紅葉の頃も花は少なかったのが、ここへ来てたくさん開花するようになりました。この桜の生理も、謎です。
 蝋梅のまん丸い蕾が大きくなってきました。鮮やかな黄色が目を惹きます。
 蝋梅の花は香りが立つ花の代表格の一つで、少し離れたところを通っただけで、咲いているのがわかることがあります。開花すると色が薄くなるので、今のほうが色は鮮やかです。
 花が少ない季節ですが、これからは水仙がどんどん咲いて来ますし、この蝋梅の開花も楽しみです。十月桜の花数を数えるのも面白そうです。そう思うと、寒い冬にもいろいろな楽しみ方があるものですね。




    寒   桜   交   り   淡   く   し   て   長   し       古賀まり子