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         曇天に枯れ紅葉 / 地面だけ紅く    マウスを載せれば写真が変わります
 昨日、一昨日と2日続けて結氷しましたが、今朝はそれどほ冷え込みませんでした。でも、曇り時々しぐれの空模様で気温は上がらず、最高気温は9度止まりでした。
 色彩に溢れていた紅葉の境内は、あっという間に冬景色に変わって来ました。
 木の枝に付いているもみじの葉っぱも、遠目には紅色にも見えますが、よく見ると茶色く枯れて縮れています。落ちて敷き紅葉になっている葉っぱは、今日のオシメリのお陰で少し潤い、ちょっと綺麗に見えています。
 それでも、紅葉を見に来る人がわずかにいて、普段の境内よりも人影は多目です。明日・明後日頃までは、最後の最後の紅葉を愛でに来る方がおられるでしょうね。



    掃  く  落  葉  掃  か  ぬ  落  葉  も  庭  の  も  の        稲畑汀子





      本堂裏の敷き紅葉 / 紫陽花の葉はまだ緑    マウスを載せれば写真が変わります
 今年は早くから落葉が始まったので、本堂の前あたりの落ち葉掃除はもう終わっています。でも、掃除をする場所は至るところにありますし、同じ所を何回か掃除しないと落ち葉は取り尽くせませんので、雨さえ降らなければ、あちこちから落ち葉を吹き集めるブロアの音が聞こえてきます。
 集めた落ち葉は、業者に回収してもらうものもあれば、トン袋に入れて総合支援学校の農場に運び、堆肥として活用してもらうものもあります。
 遅れて紅葉を見に来られた方のために、生垣などに囲われた場所などは、そのままの状態で落ち葉を‘温存’してあります。敷き紅葉も、まだ何とか楽しめます。この敷き紅葉の掃除が終われば、急いで年末年始の準備に取り掛かります。



      艶やかに赤い実千両 / 枝に寂しい山茱萸の実   マウスを載せれば写真が変わります
 冷え込みが強まるにつれて、千両や南天の実の赤い色が冴えてきました。艶々とした赤が、とても綺麗です。
 本堂裏の山茱萸の実も真っ赤ですが、段々と張りと艶がなくなってきました。こちらの見頃は終わりです。
 実が赤くなるのは、鳥に見つけてもらいやすくするため、実を啄んで遠くへ運んでもらい、糞と一緒に地面に落ちて繁殖させる鳥の戦略だ、と言われます。その通り、1月にもなれば千両や南天の実はすべてなくなり、やがて植えたこともない場所からいろいろな草木が生えてきたりします。山茱萸の実は美味しくないのか、あまり減っていきませんが・・・。
 1年の動植物の営みは、実によく計算されていて、それを見ているだけでも季節の移ろいが感じてとれます。
 これからの境内の楽しみの一つは、あまり目立たないことにこっそり自分だけ気が付いて、ハッとさせられることです。




    実  千  両  こ  ぼ  れ  た  数  だ  け  神  隠  し        柳生正名