12/1版 




   茶色がちな正面参道の紅葉 / 冴えた色になりませんでした マウスを載せれば写真が変わります
 朝はそれほど寒くありませんでしたが、曇天と風冷えで、昼間もあまり気温が上がりませんでした。
 昨日から、落ち葉が急に増えました。今朝も早くに掃除をしましたが、1時間も経たないうちに、また落ち葉だらけになってしまいました。徒労に終わったように思われるかも知れませんが、落ち葉の時期のこういう‘掛け合い’も、また一興です。
 例年よりもかなり早く進んだ紅葉も、明日、明後日の土日でほぼ終わります。雑踏と喧噪の境内が終焉を告げ、やがていつもの静かな空間が戻ってきます。



    明 日 は 明 日 今 日 の 落 葉 を 掃 い て お き       田中政坊





       裸木の向こうに紅葉 / すっかり冬木立    マウスを載せれば写真が変わります
 人だらけの境内を避けてほとんど自坊の門から出なかったのですが、今日、久しぶりに本堂の前や裏に行ってみて、ビックリしました。本堂の前の辺りは、もうほとんどの木が葉を落としていて、至るところに落ち葉が山積みされていました。
 もう冬木立といった趣で、本堂の前から三重塔を眺めると、遠くの木々越しに紅や黄の残り紅葉が見えていました。例年のこの時期には考えられない景色です。
 訪れる人が少なくなってきたと思っていたのですが、皆さん、こういう状態だということを下調べしてご存知なのかも知れませんね。旅行の予定を立てている遠方の方はお越しになるでしょうが、近い方の中には「紅葉はもう終わりだって」と来るのを取りやめた人もいるかも知れません。


     本堂裏も黄色っぽいまま / 人の姿もまばらになりました マウスを載せれば写真が変わります
 12月に入ってからの紅葉の見所は、本堂裏の敷き紅葉ですが、そこにも集められた落ち葉の山が点在していました。
 枝に残っている葉っぱも、よく見ると茶色く縮れていますし、地面に積もった落ち葉も縮れて丸まっていました。
 今の境内で、一番の紅葉の見所は三重塔の西側の背の高いもみじの紅葉です。この場所の紅葉は、最後の最後に素晴らしい色合いを堪能させてくれるのですが、今年はあまり綺麗ではありません。
 本来ならば、もっと紅くなるはずのもみじ葉っぱが、今年はずいぶん黄色っぽいのです。紅くならずに茶色く枯れてきて、縮れて散っていっています。冷え込みも十分だったと思いますし、適度に雨も降って湿度も保たれていたと思うのですが・・・。10月末頃の「花の木」や無患子の色付き具合を見て、「今年は変だ」と思っていましたが、もみじもやはり同じように‘何か’を感じていたのかも知れません。
 とは言え、今年も美しい景色でたくさんの人を楽しませてくれて有り難う! また来年!




     た ま し い の ひ と つ が 透 け て 冬 紅 葉       津根元 潮