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                       秋晴の境内          マウスを載せれば写真が変わります
 爽やかな秋晴れの日となりました。
 午前中は青い空が広がる快晴。午後はほんの少し雲が多くなって来ましたが、ほぼ快晴。最高気温は27度まで上がり、動くと少し暑かったです。
 そんなお天気だからでしょう、境内を散策する人の姿が普段よりも多く見られました。明日から10月。次第に散策や観光の方が増えていくでしょう。
 木の種類によって、あるいは同じ種類でも個体によって、また健康状態によって、紅葉の進み具合は違いますが、境内の景色は、まだほとんど変わっていません。
 昨日、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」の秋のキャンペーンの舞台が、東寺だと発表されました。このテレビCMが流れると、「早く予定を立てなきゃ」と気が急くと仰る方がおられます。念のため、紅葉はまだまだ。例年よりも早いか遅いかもわかりません。
 確実に言えることは、ホテルが取れない、取れてもビックリするほどの値段です。先ずは、宿泊場所の確保をお急ぎください!


            秋の気配も伺えます / まだ緑溢れる本堂裏     マウスを載せれば写真が変わります
 真如堂の総門から90メートルほどのところに、陽成天皇神楽岡東陵があります。  陽成天皇(868〜949)は、8歳の頃に即位して16歳まで在位されていたそうですが、宮中で牛30頭を飼ったり、闘犬を好んだり、三種の神器の宝剣を抜いたりなど、ご乱行で知られているそうです。清和源氏の祖は清和天皇ではなく陽成天皇であるが、暴君であったとされる陽成の名を冠せず清和源氏を名乗ったという説まであります。
 その御陵の前に、早朝から作業服姿の作業員の人たちが集まったり、宮内庁の職員さんがバイクで駆けつけてきたり。工事でもされるのだろうと思っていましたが、後で聞いたら、鹿が2頭出没し、その大捕物の準備をされているところだったようです。
 お昼過ぎには、作業員の方が網を持って息を潜めていたそうですが、果たしてその後はどうなったのでしょう?
 その話を聞いたとき、「あ〜、秋だなぁ」と感じ入りました。「鹿」は秋の季語。秋は、牡鹿が牝鹿を恋うて、もの悲しい声をあげる交尾の時期だからだそうです。
 栗も秋刀魚も新米も、美味しい時期になってきました。迷い込んだ鹿は、親子かまだ共に子供のようなので、「恋」とは関係ないでしょうが・・・真如堂とも関係のないお話でした。




         秋  晴  の  空  気  を  写  生  せ  よ  と  い  ふ        沢木欣一





                本堂前の萩 / 満開の藤袴       マウスを載せれば写真が変わります
 境内で咲くのは、萩、名残の木槿、わずかながら藤袴。
 今年は萩がよく咲いています。花芽が形成される7月〜8月下旬頃のお天気の影響でしょうか?
 先ほどの話とも関係しますが、萩は鹿が鳴く頃に咲くので「鹿鳴草(しかなぐさ)」、雄鹿が雌を求めることから「鹿妻草(しかつまぐさ)」とも呼ばれるそうです。
 今年の中秋の名月は10月4日。尾花も萩も揃って、後は晴天を待つばかりです。
 今年の藤袴は、可哀相なくらいみすぼらしい姿ですが、何とか花を咲かせてくれました。そんな藤袴にも、2〜3日前に浅葱斑が飛来してくれたそうです。
 空を飛ぶ蝶が、わずかしか咲いていない藤袴をどうやって探し当てるのか、本当に不思議です。ともあれ、今年も来てくれてよかったです。
 さぁ、10月です。深まる秋をお楽しみください!




         想  ひ  ご  と  ふ  と  声  に  出  づ  藤  袴          永方裕子