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                  曇天に満開の染井吉野          マウスを載せれば写真が変わります

 今朝の最低気温は14.6度。5月22日の平年値と同じでした。昨夕からの雨もあって湿度も高く、ムッとするほどあたたかい朝でした。
 ようやく、染井吉野が満開になりました。
 京都地方気象台が、京都市内の染井吉野の開花宣言を出したのが3月31日。境内はまだまったく咲いていませんでしたが、その後の温かさもあって、どんどん開花に向かいました。
 ところが、桜が開いてきたと思ったら、昨夕から雨。今日もいつ降り始めてもおかしくない空模様で、土日もパッとしないお天気のようです。
 お花見の人出は、この土日がピークでしょう。「先週はホテルが取れなかったので、しかたなく1週間先延ばしにした」という方は、ラッキーでしたね。
 どこへ行っても人だらけ。外国語が飛び交い、着慣れない和服を着た人たちが、大勢、観光地に繰り出すでしょう。
 真如堂境内も、少し賑わうかも知れません。


             春日局お手植え「縦皮桜」 / 枝垂れ桜      マウスを載せれば写真が変わります
 例年は、染井吉野より数日早く開花する江戸彼岸系の枝垂桜や「縦皮桜」も、今年の開花は染井吉野と大差ありませんでした。
 そして、やはり満開も今日あたりと、変わりません。こんなことは滅多にないことです。
 お天気がいいと青空に桜の花が映えるのですが、今日はまったく望みがありません。でも、ピーカン(快晴)だと、花が白飛びして、うまく写りません。撮影に回ってきたJR東海の桜担当も、「これぐらいが写真を撮りやすいです」と仰っていました。
 「表写真」は縦皮桜ですが、下の方の花の色が白いのがおわかりになりますか? 上の方が江戸彼岸系の縦皮桜、下の方は染井吉野です。縦皮桜の花の色はこれからどんどん薄くなって行きますが、今日時点ではこんなに違うわけです。
 桜を見るなら、品があって美しい江戸彼岸! 染井吉野は凡庸な気がします。




       き  れ  い  ね  と  知  ら  ぬ  人  と  の  さ  く  ら  か  な      相生葉留実





         可愛いですねぇ、もみじの若葉と蕾 / 雨粒の付いた山吹   マウスを載せれば写真が変わります
 桜ばかりに気を取られていないで、他の木々の様子にも目を向けてください。もみじが若葉を吹き始め、花を咲かせようとしています。もみじの手回しの良さには、感心させられます。
 1週間後は桜も蘂だけとなって、もみじがもっと葉を広げているでしょう。様々な色がない交ぜになる季節の到来です。
 境内は、いろいろな花が次々と咲き始めています。
 山吹の黄色も、目には新鮮です。
 ここ数年を掛けて、山吹を50株ほど増やしましたが、今年はどれだけ咲いてくれるか楽しみです。
 桜でワイワイガヤガヤなるのには閉口しますが、いろいろな花が次々と咲いてくる。とりわけ、自分が植えたものが花を咲かせるのは、何ともうれしい限りです。


             目を惹く連翹の黄 / 咲き始めたレンゲ      マウスを載せれば写真が変わります
 連翹(れんぎょう)も、一気に満開になりました。この黄色も人目を惹きますね。
 自坊の門前には、かなり以前から連翹が植わっています。それを挿し木で増やして植えたのが、総門前の法伝寺の玉垣添いの株です。日当たりもいいので、わずか数年でグングン大きくなりました。これも数年後が楽しみです。
 また、自坊前ではレンゲが咲き始めました。
 勝手に生えているのではありません。毎年9月過ぎに種を蒔いて発芽したものが、冬を越して、今の時期に開花するのです。種は、ほとんどが中国産です。
 もうしばらくしたら、レンゲの花の絨毯になって、ご婦人たちの「わぁー、懐かしい!」という歓声を浴びるでしょう。中には、柵を乗り越えて、少女時代に戻ったかのように、レンゲを摘む人もおられます。
 たくさんの花が咲きますが、春の陽気に浮かれたのか、花盗人が多くなるのも春です。




       連  翹  の  何  も  語  ら  ず  黄  よ  り  葉  へ          渡辺桂子