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                   ちょっと春の境内          マウスを載せれば写真が変わります

 冬型の気圧配置が西から緩んできました。スッキリ晴れてはいませんが、空の半分ぐらいは青く、日差しもあって、そろそろ春本番に向かうような気配です。
 それもそのはず。明日は彼岸の入り、あと4日でお中日、春分の日がやってきます。
 関西では、温かくなる頃の行事として、「奈良のお水取り」や滋賀の「比良の八講」がお彼岸の前と後に行われます。今は、お水取りが終わってお彼岸に入る頃。本格的な春の‘さわり’というところでしょうか?
 境内も少し春めいては来ましたが、「あたゝかき光はあれど 野に満つる香も知らず」。春独特の、土のバクテリア臭は、まだしてきません。
 来週は、桜のつぼみが順調に膨らむような温かさだとか。一気に春らしくなるかも知れませんね。




        影   も   又   春   光   返   し   く   る   と   こ   ろ        稲畑汀子





             咲き始めた山茱萸 / 馬酔木はいまが見頃      マウスを載せれば写真が変わります
 本堂裏の山茱萸(さんしゅゆ)の花が咲き出しました。今年は開花が遅い目です。
 山茱萸の木は10本以上ありますが、すっかり開花しているのは1本だけ。あとは、黄色い花色が目立ってきたりしているものや、まだ蕾がかたいものなど、様々です。染井吉野のようなクローンではないので、かなり個体差があるようです。
 この花の写真を撮るのは難しいです。遠目に撮っても、目で見るほどには花が際立ちませんし、この黄色が写真ではなかなか出ません。
 本堂北側の馬酔木は、今が見頃です。派手な花ではありませんが、きっと春を実感させてくれるでしょう。
 馬酔木はかなりの古木揃いで、枝枯れがひどかったので、数年間土壌改良を続けたり、花殻の除去などにも精を出しました。また、後継木も10本ほど植えました。その甲斐あって、今年は花数も多く、子株もよく咲いてくれました。うれしさも一入です。
 


              自坊の桜ん坊(3/15) / すみれ、いっぱい!    マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の桜ん坊が咲き始めました。
 お彼岸のお中日には満開か、散り始めていることが多いので、今年の開花は遅い目です。
 参道から5メートルほど離れた土手の上に植わっているので、桜吹雪でも舞わないと、大半の人は花に気が付いてくれません。折角ですから、お彼岸にお参りになった方には、「桜ん坊が咲いていますよ。その下には、侘助も見頃ですよ」と案内してさしあげましょう。
 野では、すみれの花がいっぱい咲いています! 日に日に花の数が増えて、草むらの中でも目立つようになりました。
 別のところでは、大犬の陰嚢(おおいぬのふぐり)もよく咲いています。この花も春の訪れを一早く知らせてくれます。
 あちらこちらから‘雑草’が元気よく芽を吹いて、あっという間に蔓延りだし、野に小さな花が満ちてきた時、「あー、春だなぁ」と実感します。もうそろそろ、そんな季節ですね!




      萌  え  出  づ  る  其  若  草  も  育  て  つ  つ        高浜虚子