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             朝の光さす参道 / うっすら白い大師堂越しの比叡山  マウスを載せれば写真が変わります

 朝方に雨が降ったのか、石畳は濡れ、木々の梢などには雫が付いていました。でも、早くはお天気は回復して青空が広がり、とても清々しい朝となりました。
 1度ほどに冷え込みんだため、比叡山はうっすら白くなっていました。大文字山の火床のあたりも、かすかに雪化粧している様子です。
 今日は「京都マラソン」。今年で6回目の開催となり、約1万6千人がエントリーされているそうです。午前9時に西京極陸上競技場をスタートして、嵐山〜仁和寺〜竜安寺〜今宮神社〜上賀茂神社〜植物園〜賀茂川沿い〜御所〜市役所〜銀閣寺〜平安神宮と、郊外の社寺名所を縫って走るようなコースです。お天気もよくて、走っている人たちは、気持ちよく‘名所巡り’をされているでしょう。
 ヘリコプターの音は清々しい朝の空にはちょっと閉口ですが、ロードレースとヘリの音は寒い時期の京都の冬の風物詩のようなものです。




    ひ   と   た   び   は   透   明   に   な   っ   て   い   く   余   寒       猪原丸申





              ひっそりと咲く馬酔木 / 水仙もまだ見頃です   マウスを載せれば写真が変わります
 馬酔木の花を見に、久しぶりに本堂の北側に行ってみると、思った通り、白くかわいい馬酔木の花が少しずつ咲き始めていました。
 馬酔木の花はあまり目立たないので、わざわざ見に来る人はほとんどおられませんが、境内に春の訪れることを告げてくれる花です。
 雪の被害を受けた水仙も、まだまだ綺麗に咲いています。
 紅葉が終わると、3月の涅槃図の特別公開までは訪れる人の少ない境内なので、水仙がたくさん咲いていることを知らない人がほとんどでしょう。
 次に咲き始めて春を告げるのは山茱萸ですが、まだもうしばらく先になりそうです。  


            小さな水玉と若緑の美しい苔 / 犯人’見たり!  マウスを載せれば写真が変わります
 苔が美しくなってきました。
 冬の間に伸び始めたさく柄の先に、緑色の胞子体が目立つようになってきました。今朝は、雨粒が付いて、とてもきれいでした。
 ところが、苔はあちこちでめくられて、ボコボコになっています。これも冬から春にかけての兆し。苔の下にいる虫などを狙って、鳥が苔を突いてめくってしまうのです。
 今朝、たまたま‘犯行現場’に直面しました。実行犯はトラツグミでした。他の何種類の鳥もやっていますが・・・。案外、警戒心の弱い鳥なのか、少し近付いても飛び立つことはありませんでした。
 繁殖期が始まる5月頃になると、夜に口笛によく似た声で鳴くそうで、その鳴き声があまりにも寂しげで不気味なことから、「幽霊鳥」「地獄鳥」などと呼ばれたことがあるそうです。古事記や万葉集にも登用しているようです。
 雨水を過ぎ、寒さも日に日に弛んできます。春の訪れの兆しがうれしい境内です。




     下  萌  に  う  れ  し  き  と  き  も  う  づ  く  ま  る          長谷川秋子