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            雪の残る本堂の屋根 / 東山まで見通せる冬の境内   マウスを載せれば写真が変わります

 新年ももう20日。今日は大寒。これから節分の頃にかけてが、1年で一番寒い季節です。
 14日から降り始めた雪が、15日には15センチほどの積雪になりました。一昨年のお正月の雪に比べるとまだマシですが、京都市内にしては‘大雪’です。三千院では、長靴がすっぽりかくれるほど積もったそうです。
 その雪が、6日経った今日でも、まだ屋根の上などに残っています。それなのに、今夜遅くからは強い風とまた雪の予報です。今朝も少しチラチラしていました。
 うっすら積もる程度の雪ならば風情もありますが、10センチ以上になると、いろいろと支障が出ます。自坊でも、一昨年の大雪の被害で壊れて修理した雨樋が、また歪んでしまいました。雪はもうゴメンです。




     屋  根  の  雪   ず  り  落  ち  ん  と  し  冴  返  る          久保田万太郎






            雪に頭を傾げる水仙 / 梢に揺れるもみじの種      マウスを載せれば写真が変わります
 この雪で、せっかく綺麗に咲きそろっていた水仙の多くが倒れてしまいました。水仙って、極寒の時に咲く花なのに、雪への備えがなんと無防備なのでしょう。
 折れてもなお花を咲かせ続けてくれる姿には、けなげさを感じます。
 もみじの梢には、小さな種がぶら下がっています。その種が北風に揺れる姿は、いかにも冬らしい、寒々とした景色です。
 でも、今年は種の数が総じて少ない気がします。去年が、もみじにとっては‘安心’できる気候で、種をたくさん付けなければいけないという危機感が薄かったのかも知れません。
 春になると、この種が芽吹いて、何万という小さな若緑の‘森’が境内のあちこちに現れます。そんな光景を想像しながら春を待つのも、愉快なものです。


                  繁みに龍の玉 / 梅、見っけ!       マウスを載せれば写真が変わります
 お正月前には、南天や千両の赤い実がたくさんなっていました。ところが、あっという間に鳥に食べられてしまって、今ではもうほどんどありません。実が赤いのは、鳥に見つけてもらいやすいようにですから、実としては無事に目的を達成したということでしょう。
 この龍の髭の実、「龍の玉」はコバルト色です。寒くなるにつれて、色に冴えが出てきました。この実が、コバルト色なのはどういう理由からでしょう? 藪欄などに、同じような色や深緑、黒い実をならせる植物があり、いずれも繁殖には鳥の助けを求めているように思えるのですが・・・。そういうことを調べ始めると、‘ツボ’にはまってしまいそうな気がするので、止めておきます。
 いつも申し上げますが、春や紅葉の時期ばかりではない、冬には冬の深い楽しみがいたるところに隠れています。




       探   梅   や   枝   の   さ   き   な   る   梅   の   花          高野素十