9/3版 




                 少し黄色味がかってきた境内のもみじ     マウスを載せれば写真が変わります

 昼間はまだ32、33度と暑いですが、朝晩は過ごしやすくなってきました。9月ですねぇ。処暑、二百十日を過ぎて、7日は白露と、季節は移ろっています。
 二百十日といえば、迷走した台風10号は、東北〜北海道に甚大な被害をもたらしました。そして、明日には12号が九州に接近します。今年は台風の発生が遅い、数が少ないということでしたが、ここに来て地震や風水害の被害がとても気がかりになってきました。
 少雨の影響が心配された境内の草木も、送り火の日の雨と先月末の大雨で、生気を取り戻した感じです。いのちの脅威となる雨もあれば、生きとし生けるものを育む雨もあります。‘生かされている'という思いが強くします。
 木々の色も、少し黄色味がかかってきました。こんなところにも、「あっ、秋だなぁ」と改めて気づかされます。




       人  ゐ  て  も  人  ゐ  な  く  て  も  赤  と  ん  ぼ          深見けん二






             総門前の酔芙蓉 / 山法師の実ふたつ色付く   マウスを載せれば写真が変わります
 ♪ 蚊帳の中から花を見る 咲いてはかない酔芙蓉 ♪
 ちょうど今、富山市八尾では、越中八尾おわら風の盆が催されています。一度行ってみたい祭りです。
 蚊帳の中からというのですから、夜でしょうか? 夜になって萎んできた酔芙蓉の花を見て、「はかない」と思っているのでしょうか? ♪若い日の美しい私を抱いて欲しかった♪ というのですから、目前の萎んだ酔芙蓉と自分を重ねているのでしょうか?
 今年は酔芙蓉も不調でしたが、総門前に植えた株が大きく育って、花を付けるようになってくれました。うれしいですねぇ。
 自坊の前では、山法師の実が色付きはしました。これも、「秋だなぁ」と思わせてくれます。これからは、そんな景色が増えていくでしょうね。
 まだしばらくは暑い日が続きますが、皆さんの周りにある、季節の移ろいを知らせてくれるささいな出来事を、ぜひ探してみてください。
 くれぐれも、台風にお気をつけください。




       荒  れ  も  せ  で  二  百  十  日  の  お  百  姓          高浜虚子