8/14版
立秋を過ぎたことなど関係のないような、暑い日々が続いています。今月に入ってからの最高気温を平均してみると、何と36度! 一番低かった日でも、34.6度でした。
最近は、お盆の墓参といってもずいぶん分散傾向で、7月や9月でも、「お盆」と言ってお越しになります。今年は11日に「山の日」が制定されて初めての年で、11日から16日までがお盆休みという方もたくさんおられ、お盆の墓参にもその影響がみられました。 せっかくお墓に供えた色とりどりのお花も、あっという間にドライフラワーと化してしまい、あちこちに茶色くなった供花が目立っていました。 でも、茶色くなってはいても、そのお墓には誰かがお参りされたという証し。お盆だというのに、供花も経木塔婆も供えられていないお墓は、見ていても本当に寂しそうです。お盆やお彼岸、お正月といった墓参の多い時期には、いつもそんな思いに迫られます。 盂 蘭 盆 や 暮 れ て 猶 啼 く 蝉 一 つ 増田龍雨
自坊の草木は、お盆の棚経の合間を縫ってでも水やりをしているので、元気にしています。 一昨日頃からは、玉紫陽花が咲き始めました。 タマアジサイには‘アジサイ'という名前が付いていますし、植物分類でもアジサイ科アジサイ属に属していて、私たちが普通に見る紫陽花と同じ仲間です。でも、さらに細かい分類ではアジサイ亜節とタマアジサイ亜節と、違っています。 玉紫陽花の葉っぱの裏表には短毛を密生していてザラザラしますし、蕾はまん丸(これが名前の由来です)、花も白い装飾花が少しあるだけで、結構地味です。 福島県以南の関東地方や岐阜県までの中部地方の林地に自生していて、京都ではおそらくほとんど見ることがない珍しい花です。この元株は、千葉県の笠森観音から分けていただいたものです。 目立つ花ではありませんが、「そろそろ、お盆も終わりだなぁ」と思わせてくれる、自坊の歳時記のような花です。 う す う す と 玉 紫 陽 花 の 色 を な し 行方克己
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