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  夕立後の境内。少し黄色くなったもみじ葉/雨の重みに枝を垂れるもみじ  マウスを載せれば写真が変わります

 立秋を過ぎたことなど関係のないような、暑い日々が続いています。今月に入ってからの最高気温を平均してみると、何と36度! 一番低かった日でも、34.6度でした。
 おまけに、今月に入ってから、ぜんぜん雨が降りませんでした(気象台の記録がゼロでした)。境内の木々は弱り、葉が黄色くなったり、赤くなったり、中には葉を落として少しでも蒸散を減らそうという木も見られました。酷としか言いようのない、高温と少雨でした。
 ようやく、今日、雨が降りました。大粒の強い雨でしたが、雨量は1ミリだけ。雨の後に境内の石畳の上を歩きましたが、熱い石に降った雨が蒸発して、ムッとするような感じでした。1ミリ程度の雨では、地面の表面が湿っただけ。もっと雨を!!

              強い日差しを浴びた供花 / 葉をいっぱい落とした桜       マウスを載せれば写真が変わります
 お盆の真っ最中で、今日はずいぶんたくさんの方が墓参に訪れました。
 最近は、お盆の墓参といってもずいぶん分散傾向で、7月や9月でも、「お盆」と言ってお越しになります。今年は11日に「山の日」が制定されて初めての年で、11日から16日までがお盆休みという方もたくさんおられ、お盆の墓参にもその影響がみられました。
 せっかくお墓に供えた色とりどりのお花も、あっという間にドライフラワーと化してしまい、あちこちに茶色くなった供花が目立っていました。
 でも、茶色くなってはいても、そのお墓には誰かがお参りされたという証し。お盆だというのに、供花も経木塔婆も供えられていないお墓は、見ていても本当に寂しそうです。お盆やお彼岸、お正月といった墓参の多い時期には、いつもそんな思いに迫られます。




       盂  蘭  盆  や   暮  れ  て  猶  啼  く   蝉  一  つ          増田龍雨





       咲き始めた玉紫陽花 / お盆に残っていてくれた蓮の花      マウスを載せると写真が変わります
 境内の小木はかなり弱ってしまっています。木槿はほとんど咲いていませんし、酔芙蓉も多くの蕾が黄色くなってしまっています。これから数十年したら、熱帯植物しか夏を越せないような気候になっているかも知れませんね。
 自坊の草木は、お盆の棚経の合間を縫ってでも水やりをしているので、元気にしています。
 一昨日頃からは、玉紫陽花が咲き始めました。
 タマアジサイには‘アジサイ'という名前が付いていますし、植物分類でもアジサイ科アジサイ属に属していて、私たちが普通に見る紫陽花と同じ仲間です。でも、さらに細かい分類ではアジサイ亜節とタマアジサイ亜節と、違っています。
 玉紫陽花の葉っぱの裏表には短毛を密生していてザラザラしますし、蕾はまん丸(これが名前の由来です)、花も白い装飾花が少しあるだけで、結構地味です。  福島県以南の関東地方や岐阜県までの中部地方の林地に自生していて、京都ではおそらくほとんど見ることがない珍しい花です。この元株は、千葉県の笠森観音から分けていただいたものです。
 目立つ花ではありませんが、「そろそろ、お盆も終わりだなぁ」と思わせてくれる、自坊の歳時記のような花です。




       う  す  う  す  と  玉  紫  陽  花  の  色  を  な  し          行方克己